国家公務員法 第106条の23(任命権者への届出)
クイックジャンプ
- 職員(退職手当通算予定職員を除く。)は、離職後に営利企業等の地位に就くことを約束した場合には、速やかに、政令で定めるところにより、任命権者に政令で定める事項を届け出なければならない。
- 2.前項の届出を受けた任命権者は、第百六条の三第一項の規定の趣旨を踏まえ、当該届出を行つた職員の任用を行うものとする。
- 3.第一項の届出を受けた任命権者は、当該届出を行つた職員が管理又は監督の地位にある職員の官職として政令で定めるものに就いている職員(以下「管理職職員」という。)である場合には、速やかに、当該届出に係る事項を内閣総理大臣に通知するものとする。
この条文の基本情報
任命権者への届出とは何ですか?
定義任命権者への届出とは、国家公務員法第106条の23に定められた規定で、「職員(退職手当通算予定職員を除く。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国家公務員法第106条の23(任命権者への届出)は、日本の国家公務員法に含まれる条文です。
- 国家公務員法第106条の23の条文原文は「職員(退職手当通算予定職員を除く。」で始まります。
- 国家公務員法第106条の23は第三款に置かれています。
- 国家公務員法の公布日は昭和22年10月21日です。
- 国家公務員法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 国家公務員法第106条の23の前の条は国家公務員法第106条の22です。
- 国家公務員法第106条の23の次の条は国家公務員法第106条の24です。
- 国家公務員法第106条の23には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第106条の23 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000120 - 本サイト収録
国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第106条の23(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000120/106_23
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国家公務員法106条の23は、職員が離職後に営利企業等の地位に就くことを約束したとき、速やかに任命権者へ届け出る義務を定める。管理職職員なら内閣総理大臣にも通知される。
Q · 公務員が転職先から内定をもらったら、いつ何をしなければいけないの?
約束した時点で、速やかに任命権者へ届け出る義務がある
国家公務員法106条の23第1項により、離職後に営利企業等の地位に就くことを約束した職員は、速やかに任命権者へ届け出なければなりません。基準は辞表の提出日ではなく、再就職の約束が成立した時点です。届出を受けた任命権者は、106条の3第1項の趣旨を踏まえ、再就職先と利害関係のある職務から外す方向で任用を行います(2項)。管理職職員であれば、届出事項は内閣総理大臣にも通知されます(3項)。
解説
内定の握手を交わしたその日から、あなたの机に回ってくる書類は変わらなければならない。国家公務員法106条の23は、在職中の職員が離職後に営利企業等の地位に就くことを約束したら、速やかに任命権者(あなたの人事を決める大臣や長官など)へ届け出るよう命じている。ここでいう営利企業等は株式会社に限らない。一般社団法人や業界団体のような非営利法人も含まれる。届け出れば終わり、ではない。任命権者は届出を受けて、その再就職先と利害が絡む仕事からあなたを外す方向で任用を考える(2項)。政令で定める管理職(本府省の課長級など)であれば、届出内容は内閣総理大臣にも通知される(3項)。つまりこの届出は転職の報告ではなく、自分の中立性を組織に担保させる手続である。黙ったまま最後の数か月を過ごし、辞めた後に取引先の役員名簿にあなたの名前が載れば、再就職等監視委員会の調査対象になりうる。約束した時点で紙一枚を出すかどうかが、公務員人生の最後に汚点を残すかどうかを分ける
法的な位置づけ
国家公務員法106条の23は、在職中の職員(退職手当通算予定職員を除く)が離職後に営利企業等の地位に就くことを約束した場合に、政令で定める事項を速やかに任命権者へ届け出る義務を定める規定である。届出を受けた任命権者は同法106条の3第1項の趣旨を踏まえて任用を行い、管理職職員については届出事項を内閣総理大臣に通知する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.再就職の約束が成立したかを確認する 内定承諾の返事、就任時期の合意など、再就職について双方の意思が確認できた時点を特定する。書面の契約書がなくても約束にあたりうるため、承諾した日付と方法(メール・電話)を記録しておく
- 2.求職段階の適法性を点検する 再就職先が現在または過去の担当業務の利害関係企業等にあたらないかを確認する。該当する場合、106条の3の求職規制の例外や承認の有無を確かめ、疑問があれば人事課や弁護士に相談する
- 3.人事担当課を通じて任命権者へ届け出る 政令で定める事項を記載した届出書を作成し、約束成立後速やかに所属府省の人事担当課を通じて任命権者へ提出する。提出日が分かる控えを必ず手元に保管する
- 4.利害関係のある担当業務を整理して申し出る 再就職先と利害関係のある担当案件を一覧にし、担当替えや決裁からの除外が必要な範囲を人事課と調整する。在職最終期の職務の中立性を記録に残す
- 5.離職後の届出と働きかけ規制を確認する 管理職職員は離職後2年以内の再就職について106条の24の届出が別途必要になる。再就職後は106条の4により元の職場への働きかけが規制される点も確認しておく
よくある質問 AI による整理
Q1国家公務員の再就職届出とは?
離職後に営利企業等へ就くことを約束した在職中の職員が、速やかに任命権者へ届け出る手続です。国家公務員法106条の23が根拠です。
Q2再就職の届出はいつまでに出す?
条文上の期限は「速やかに」で、日数の定めはありません。起算点は再就職の約束が成立した時点で、退職日ではありません。
Q3再就職の届出を出さないとどうなる?
届出義務違反は国家公務員法上の義務違反として、同法82条に基づく懲戒処分の対象になりえます。再就職等監視委員会の調査対象になる可能性もあります。
Q4再就職届出の提出先はどこ?
提出先は任命権者です。実務上は所属府省の人事担当課を通じて提出するのが一般的です。管理職職員の場合は任命権者から内閣総理大臣に通知されます。
Q5公務員 転職先 非営利法人でも届出が必要?
必要になりえます。営利企業等には、国・地方公共団体等を除く営利企業以外の法人も含まれるため、一般社団法人や業界団体への再就職も対象です。
Q6退職手当通算予定職員とは?
退職後に退職手当が通算される法人等へ引き続き就く予定の職員を指し、本条1項の届出義務の対象から除かれています。詳細は法令で確認が必要です。
Q7再就職届出をすると内容は公表される?
本条は届出と任命権者の任用、管理職職員の内閣総理大臣への通知を定めるにとどまります。公表の扱いは別の規定や運用によるため、個別に確認が必要です。
Q8地方公務員にも同じ届出義務はある?
本条は国家公務員を対象とする規定です。地方公務員の退職管理は地方公務員法や各自治体の条例で定められているため、所属自治体の規定を確認する必要があります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1内定はもらったけど、正式な契約書はまだ交わしてない。それでも届出っているの?
条文は「約束した場合」と定めるだけで、書面を要件にしていない(106条の23第1項)。再就職について双方の意思が確認できた段階で、約束にあたると解されうる。実務のポイント:人事課の実務では「迷ったら出す」が基本とされる。早めに出して不利益を受けることはほとんどないが、遅れれば懲戒処分の理由になりうる。
Q2届出したら、今の仕事から外されちゃうんですか?
任命権者は、106条の3第1項の趣旨を踏まえて任用を行う(106条の23第2項)。再就職先と利害関係のある事務からは外すことが想定されている。ただし全面的な配置換えが必須とは限らず、特定の案件だけを外す対応もある。実務のポイント:どこまで担当を替えるかは届出の具体性で変わる。再就職先の事業と自分の担当案件の関係を自分で整理して添えると、必要最小限の調整で済みやすい。
間違えやすい点 AI による整理
- 「辞表をいつ出したら届出が要るのか」と考える人がいるが、問いの立て方が違う。基準は退職の意思表示ではなく、再就職先との約束が成立したかどうかである。条文は書面を要件にしていないため、口頭で受諾しただけでも約束にあたると解されうる。退職日が半年先でも、義務はその時点で生じる
- 届出をすれば再就職は全部クリアだと思われがちだが、届出は入口にすぎない。利害関係企業等への求職そのものは106条の3で原則禁止されており、事後に届け出ても違反は消えない。再就職した後も、元の職場への働きかけが106条の4で別に規制されている
- 本人の感覚では「営利企業」は株式会社のことだが、法律上の営利企業等には公益法人や一般社団法人などの非営利法人も含まれる(106条の2第1項)。業界団体への再就職を「天下りではない」と考えて届け出ないと、その認識のずれがそのまま義務違反になる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規制の段階 | 106条の23:在職中に再就職を約束した時点での届出 | 106条の3:在職中の利害関係企業等への求職そのものの規制 106条の24:管理職職員の離職後2年以内の再就職の届出 |
| 義務の性質 | 届出義務(再就職自体は禁止しない) | 行為の原則禁止(例外・承認あり) 離職後の届出義務 |
| 届出・規制の相手先 | 任命権者(管理職職員は内閣総理大臣へ通知) | 本人の行為を直接規制 内閣総理大臣 |
| 違反の典型例 | 内定承諾後、届け出ないまま再就職先関連の案件を扱い続ける | 担当中の許認可の相手方に自ら就職を打診する 離職後に再就職したのに届出を怠る |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は離職後3年間、離職前5年間の職務と直接関係する営利事業の役職就任を制限する「旋転門条項」が中心。日本のような在職中の約束時点での届出制とは設計が異なる
韓国は退職公職者の就業制限と公職者倫理委員会の就業審査を組み合わせる事前審査型で、日本の届出・任用調整型より規制が強い
ドイツは退職後一定期間内の職務関連活動について届出を求め、公務上の利益を害するおそれがあれば禁止できる。離職後の届出に重心がある
米国は就職交渉を始めた時点で関係案件からの回避を求め、一定の職員には交渉開始の届出を課す。約束前の交渉段階から規制が及ぶ点で日本より早い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 経済産業省で補助金審査を担当している38歳の係長。転職エージェント経由で、コンサル会社から内定の連絡が来た。内定承諾の返事をした時点で届出義務が生じる。ただし、そのコンサル会社が審査中の補助金申請を代行しているなら話は別だ。利害関係企業等への求職は106条の3で原則禁止されており、内定をもらう前の段階ですでに線を越えている可能性がある
- 退職日まで残り3週間。引継ぎに追われて届出を忘れていたら、どうなる? 最終出勤日に出しても「速やか」とは言いにくい。今日のうちに人事課へ連絡し、約束した日付を正直に書いて出す。後から発覚するより、そのほうがはるかに傷は浅い
- あなたは民間企業の人事担当で、中央省庁の課長補佐を中途採用しようとしている。本人の届出が済んでいないまま入社すると、後で本人が調査を受けたとき、採用の経緯を問われるのは御社でもある。内定通知を出す前に、本人に届出の予定を確認しておきたい
取るべき行動
被害を受けた側:1. 同僚や上司が特定企業への再就職を約束しながら、その企業に有利な判断を続けている疑いがあれば、日時と案件名を記録する2. 各府省の内部通報窓口、または再就職等監視委員会の情報提供窓口に届ける3. 競合企業の立場で入札や許認可に不利益を受けた疑いがあれば、情報公開請求で決裁の経緯を確かめ、必要に応じて行政不服審査法による審査請求(役所の決定に対する不服申立て)を検討する
訴えられた側:1. 届出を忘れていたと気付いたら、その日のうちに人事課へ申し出て、約束の日付を正直に書いて提出する。遅れた理由も書面で添える2. 約束した後に再就職先に関係する案件を決裁していたなら、一覧を自分で作って開示する3. 求職段階で利害関係企業等と接触していた場合は、106条の3の例外や承認の有無を確認し、弁護士に相談する4. 懲戒処分を受けたら、人事院への審査請求(90条)を検討する
時効(請求できる期限):届出の期限は日数で決まっておらず「速やかに」とされる。起算点は約束が成立した時点である。懲戒処分に対する人事院への審査請求は、処分説明書を受け取った日の翌日から3か月以内、処分の日の翌日から1年以内(国家公務員法90条の2)。管理職職員が離職後2年以内に再就職した場合は、106条の24に基づき内閣総理大臣への届出が別に必要になる(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 平成19年(2007年)改正(要検証) 退職管理制度の見直しにより、再就職規制の一環として在職中の再就職約束の届出が導入されたとみられる。その後の内閣人事局の設置などに伴う文言修正の有無と内容は、人の手による確認が必要
改正の年表
- 1.平成19年(2007年) 新設:国家公務員法等の一部を改正する法律(平成19年法律第108号)による退職管理制度の見直しで、再就職等規制の一環として在職中の再就職約束の届出が導入された。その後の改正による文言修正の有無は要確認
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める