国家公務員法 第35条(欠員補充の方法)
クイックジャンプ
官職に欠員を生じた場合においては、その任命権者は、法律又は人事院規則に別段の定のある場合を除いては、採用、昇任、降任又は転任のいずれか一の方法により、職員を任命することができる。但し、人事院が特別の必要があると認めて任命の方法を指定した場合は、この限りではない。
この条文の基本情報
欠員補充の方法とは何ですか?
定義欠員補充の方法とは、国家公務員法第35条に定められた規定で、「官職に欠員を生じた場合においては、その任命権者は、法律又は人事院規則に別段の定のある場合を除いては、採用、昇任、降任又は転任のいずれか一の方法により、職員を任命…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国家公務員法第35条(欠員補充の方法)は、日本の国家公務員法に含まれる条文です。
- 国家公務員法第35条の条文原文は「官職に欠員を生じた場合においては、その任命権者は、法律又は人事院規則に別段の定のある場合を除いては、採用、昇任、降任又は転任のいずれか一の方法により、職員を任命…」で始まります。
- 国家公務員法第35条は第一款に置かれています。
- 国家公務員法の公布日は昭和22年10月21日です。
- 国家公務員法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 国家公務員法第35条の前の条は国家公務員法第34条です。
- 国家公務員法第35条の次の条は国家公務員法第36条です。
- 国家公務員法第35条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第35条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000120 - 本サイト収録
国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第35条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000120/35
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国家公務員法35条は、官職に欠員が生じたとき、任命権者が採用・昇任・降任・転任のいずれかの方法で職員を任命できると定める。人事院が方法を指定した場合は例外となる。
Q · 公務員のポストが空いたら、どうやって埋めるの?
原則は採用・昇任・降任・転任の四つから一つを選ぶ
国家公務員法35条により、官職に欠員が生じたとき、任命権者は採用・昇任・降任・転任のいずれか一つの方法で職員を任命できます。任期付採用や臨時的任用(60条)など、法律や人事院規則に別段の定めがある場合は、その定めに従います。また、人事院が特別の必要を認めて任命の方法を指定した場合は、任命権者はその指定に従わなければなりません。本人の意に反する降任には、78条の法定事由が別途必要です。
解説
官職に空席が出たとき、その席を埋める方法は、法律上は四つしかない。採用、昇任、降任、転任である。霞が関の異動シーズンにどれだけ多くの辞令が出ても、一枚一枚は必ずこの四つのどれかに分類される。ここで知っておきたいのは、辞令の「区分」があなたの守られ方を左右するという点だ。転任は、昇任でも降任でもない別の官職への移動である。一方、降任は扱いが違う。本人の意に反する降任は、勤務実績がよくない、心身の故障がある、適格性を欠くといった法律上の事由がなければできない(78条)。そのうえで、処分説明書の交付と人事院への審査請求という道が開ける(89条、90条)。つまり、手元の辞令に「転任」と書かれているか「降任」と書かれているかで、争うための入口が変わる。さらに但書により、人事院は特別の必要があれば任命の方法そのものを指定できる。任命権者(あなたを任命する権限を持つ大臣や長官)の人事権は、見た目ほど無制限ではない。
法的な位置づけ
国家公務員法35条は、官職に欠員が生じた場合の任命方法を定める規定である。任命権者は、法律または人事院規則に別段の定めがある場合を除き、採用、昇任、降任または転任のいずれか一つの方法により職員を任命できる。ただし、人事院が特別の必要を認めて任命の方法を指定したときは、その指定が優先する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.内示の段階で発令区分を確認する 内示を受けたら、人事担当に発令区分(採用・昇任・降任・転任)を確認し、回答をメールなど書面で残す。ポスト名より先に区分を確かめる
- 2.辞令と実態の変化を記録する 辞令交付後、職責、部下の人数、給与(級・号俸)、勤務地が異動前後でどう変わったかを具体的に記録する。名目が転任でも実質的な不利益を示す材料になる
- 3.降任なら処分説明書と法定事由を確認する 本人の意に反する降任であれば、処分説明書(89条)の交付を受け、78条のどの事由に基づくのかを確認する。交付されない場合は交付を求める
- 4.期限内に人事院へ審査請求する 事由に疑問があれば、処分説明書受領日の翌日から3か月以内、かつ処分の翌日から1年以内に人事院へ審査請求する(90条、90条の2)。処分に当たるか不明な場合は人事院の苦情相談も並行して検討する
よくある質問 AI による整理
Q1国家公務員の任用とは何ですか?
官職に職員を就けることの総称です。国家公務員法35条は、欠員補充の方法を採用・昇任・降任・転任の四つに限っています。
Q2公務員の転任と降任の違いは?
転任は昇任でも降任でもない別の官職への移動、降任はより下位の官職への任命です。本人の意に反する降任には78条の法定事由が必要です。
Q3公務員が降任されるのはどんなとき?
本人の意に反する降任は、勤務実績がよくない、心身の故障、官職に必要な適格性を欠くなど、78条の事由がある場合に限られます。
Q4公務員の降任に不服があるときはどうする?
処分説明書(89条)を確認し、受領日の翌日から3か月以内に人事院へ審査請求できます(90条、90条の2)。
Q5人事院が任命の方法を指定するとは?
35条但書により、人事院が特別の必要を認めた場合は、任命権者に代わって任命の方法を指定でき、任命権者はそれに従います。
Q6国家公務員の昇任は何で決まる?
人事評価に基づき、昇任先の官職の標準職務遂行能力と適性があると認められることが前提です(58条)。
Q7任期付職員の採用は35条の例外ですか?
任期付職員の採用は「法律に別段の定めのある場合」にあたり、一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する法律が根拠となります。
Q8地方公務員の任命方法も同じですか?
同じく採用・昇任・降任・転任の四つですが、根拠は地方公務員法17条で、不服申立て先は人事委員会・公平委員会です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1異動の辞令って、断れるんですか?
原則として断れない。35条は任命権者に四つの方法で任命する権限を与えており、転任に本人の同意は必要とされていない。ただし、本人の意に反する降任には78条の事由が要る。著しく不利益な処分であれば、人事院への審査請求(89条、90条)の対象になりうる。実務のポイント:審査請求までいかなくても、人事院の苦情相談(人事院規則13-5)に持ち込める。処分にあたるかどうかに関係なく受け付けるので、不満を公式に記録に残す手段になる
Q2他の省庁に出向するのって、法律上はどういう扱い?
他の府省の官職に移るのは、任命権者が変わっても34条の定義で「転任」にあたる。一方、独立行政法人や民間企業への出向は、いったん退職する形をとる「退職出向」や人事交流の制度など、別の枠組みで処理されることが多い(個別に確認が必要)。実務のポイント:出向の形によって、退職手当の在職期間の通算や戻るときの辞令の扱いが変わることがある。出向前に人事担当者へ、どの形なのかを確認しておく価値は大きい
間違えやすい点 AI による整理
- 人事異動は任命権者の完全な自由裁量だと思われがちだが、実際には違う。任命の方法は四つに限られ、降任には法律上の事由が必要で、人事院が方法を指定することもある。裁量は広いが、枠の外に出ることはできない
- 「この異動は左遷なのか」と悩む人は多い。しかし、法律には「左遷」という概念がない。問うべきなのは「辞令上は転任か降任か」と「実質的に著しい不利益があるか」の二点である。問いの立て方を変えない限り、使える救済手段は見えてこない
- 職員にとって昇任は単なる朗報だが、法律から見れば昇任も「任命」の一つである。人事評価に基づき、標準職務遂行能力と適性があると認められることが前提になる(58条)。評価の記録が薄ければ、昇任を見送られた理由を後から確かめる材料も残らない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 35条:欠員補充の方法を四つに限定 | 34条:採用・昇任・降任・転任の定義 78条:本人の意に反する降任・免職の事由 |
| 本人の同意 | 四つの方法いずれも条文上は同意を要件としない | 定義規定のため同意の要否は定めない 意に反する降任には法定事由が必要 |
| 例外 | 法律・人事院規則の別段の定め、人事院の方法指定 | 臨時的任用(60条)など別枠あり 法定事由以外による意に反する降任は不可 |
| 争う手段との関係 | 発令区分が救済の入口を決める | 区分の判断基準となる 処分説明書・審査請求(89条、90条)へつながる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は任用と陞遷を別法で定め、不服は公務人員保障法に基づき公務人員保障暨培訓委員会に復審・申訴する。救済の入口を処分の性質で分ける点は日本と似る
韓国も能力実証を任用の原則とし、意に反する不利益処分は소청심사위원회(訴請審査委員会)で争う。構造は日本と近い
ドイツは昇進・出向・配置換えを個別に規律し、配置換えには職務上の必要性が求められる。基本法33条2項の能力主義が上位原則となる
米国連邦公務員はメリットシステムに基づく選考・配置を採り、降格等の不利益措置は Merit Systems Protection Board で争う
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 4月1日付の辞令には「転任」とある。しかし新しいポストでは部下がゼロになり、担当業務も実質的に一段下の職員の仕事ではないか? 名目と実態がずれているとき、それが89条の「著しく不利益な処分」にあたるかどうかで、人事院に審査請求できるかが決まる。ここは実務上も判断が分かれる
- あなたは本省の人事担当者である。退職で空いた課長ポストを、他省庁の職員で埋めたい。任命権者が違う官職への移動も、34条の定義では「転任」に含まれる。これを採用として処理すると、発令の根拠と人事記録が食い違う
- 降任の処分説明書を受け取った。審査請求の期限は、受領した日の翌日から3か月である。迷っていられる時間は長くない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 内示と辞令の区分(採用・昇任・降任・転任)を書面で確認する。2. 本人の意に反する降任であれば、78条のどの事由に基づくのか、処分説明書(89条)の交付を求める。3. 事由に疑問があれば、期限内に人事院へ審査請求する(90条)。4. 名目は転任でも実質的な不利益が大きい場合は、職責、給与、勤務地の変化を具体的に記録しておく
訴えられた側:任命権者側(人事担当者)の場合:1. 欠員の発生と任命方法の区分を人事記録にはっきり残す。2. 降任するときは、78条の事由と人事評価などの根拠資料を事前に整え、処分説明書を交付する。3. 任期付採用や臨時的任用(60条)など、法律や人事院規則の別段の定め、あるいは人事院による方法の指定がないかを確認する。4. 審査請求では、人事院が処分を承認、修正、取消しのいずれかとする(92条)。そのため判断の過程を記録に残しておく
時効(請求できる期限):本人の意に反する降任など不利益処分に対する人事院への審査請求は、処分説明書を受け取った日の翌日から3か月以内、かつ処分のあった日の翌日から1年以内である(国家公務員法90条の2)。取消訴訟は原則として、審査請求に対する人事院の裁決を経た後でなければ起こせない(同92条の2)(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:35条は任命方法を四つに限定するが、どの方法を選ぶかは任命権者の広い裁量に委ねられる。転任は本人の同意を要件とせず、不利益の程度によっては89条の不利益処分として争う余地が生じる
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和22年(1947年) 新設:国家公務員法(昭和22年法律第120号)の制定により、欠員補充の方法を定める規定として設けられた
- 国家公務員法 第33条任用は能力実証が根本基準
- 国家公務員法 第34条採用・昇任・降任・転任の定義
- 国家公務員法 第58条昇任等を人事評価に基づき行う
- 国家公務員法 第78条意に反する降任の法定事由
- 国家公務員法 第60条臨時的任用という別段の定め
- 一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する法律 第3条任期付採用による欠員補充の特則
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める