児童福祉法 第44条の4
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第六条の三各項に規定する事業を行う者、里親及び児童福祉施設(指定障害児入所施設及び指定通所支援に係る児童発達支援センターを除く。)の設置者は、児童、妊産婦その他これらの事業を利用する者又は当該児童福祉施設に入所する者の人格を尊重するとともに、この法律又はこの法律に基づく命令を遵守し、これらの者のため忠実にその職務を遂行しなければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 児童福祉法第44条の4は、日本の児童福祉法に含まれる条文です。
- 児童福祉法第44条の4の条文原文は「第六条の三各項に規定する事業を行う者、里親及び児童福祉施設(指定障害児入所施設及び指定通所支援に係る児童発達支援センターを除く。」で始まります。
- 児童福祉法第44条の4は第三章 事業、養育里親及び養子縁組里親並びに施設に置かれています。
- 児童福祉法の公布日は昭和22年12月12日です。
- 児童福祉法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 児童福祉法第44条の4の前の条は児童福祉法第44条の3です。
- 児童福祉法第44条の4の次の条は児童福祉法第45条です。
- 児童福祉法第44条の4には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第44条の4 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000164 - 本サイト収録
児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第44条の4(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000164/44_4
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点児童福祉法44条の4は、保育所・里親・児童福祉施設等の設置者に、利用者の人格尊重、法令遵守、忠実な職務遂行を義務づける。罰則はなく、46条等の監督権限を通じて担保される。
Q · 保育園や児童養護施設が子どもの人格を尊重しなかったら、法律上どうなるの?
罰則はないが、自治体の立入検査や改善命令の根拠になる
児童福祉法44条の4は、6条の3の事業を行う者、里親、児童福祉施設の設置者に、利用者の人格尊重、法令遵守、忠実な職務遂行を義務づけています。本条自体に刑罰や過料はありませんが、都道府県知事等は46条等に基づき報告徴収や立入検査を行い、基準に達しない場合は改善勧告・改善命令、さらに事業停止まで命じることができます。保護者は、担任個人の問題としてではなく設置者の義務の問題として所管課に申し立てることができます。
解説
罰則が書かれていない条文は無力だ、そう読むなら順序が逆である。児童福祉法44条の4が名宛人にするのは、認可保育所・児童養護施設・乳児院・里親・小規模保育や一時預かりなどの事業者、つまりあなたの子どもを日中あるいは24時間預かっている当事者そのものだ。命じている内容は三つ。子どもと妊産婦の人格を尊重すること、法令とそれに基づく命令を守ること、その人たちのために忠実に職務を遂行すること。刑罰も過料もない。だが、この義務があるからこそ都道府県知事は報告を求め、立入検査に入り、改善を命じ、最後には事業の停止まで命じられる(46条)。だから、あなたが「先生の言い方がきつい」と感じたとき、それを担任個人の性格の話として持ち込むか、設置者の人格尊重義務の履行状況として持ち込むかで、聞く相手も、動く権限も変わってくる。
法的な位置づけ
児童福祉法44条の4は、児童福祉に関わる事業者、里親および児童福祉施設の設置者の責務を定める規定である。対象者は、児童、妊産婦その他の利用者または入所者の人格を尊重し、同法とこれに基づく命令を遵守し、これらの者のため忠実に職務を遂行する義務を負う。指定障害児入所施設等は本条の適用対象から除かれる。
手順
- 1.起きた事実をその日のうちに記録する 日付・時刻・場所・発言を引用形式で書き残す。子どもの発言は言い直させず原文のまま記録し、連絡帳や写真など手元の資料も保全する
- 2.施設に文書で申し出る 口頭で終わらせず、日付入りの文書かメールで施設の苦情解決責任者に申し出る。事実の確認と対応方針を求め、回答期限を明記する
- 3.自治体の所管課に申し立てる 施設内で解決しなければ、市町村または都道府県の児童福祉施設・保育の所管課へ「設置者の44条の4の義務履行状況の確認」として文書で申し立てる。障害児支援施設の場合は指定の所管課を先に確認する
- 4.入所児童の事案は虐待通告も並行する 施設入所・里親委託中の児童の事案であれば、被措置児童等虐待の通告ルートも並行して使い、施設側の説明責任を二重に確保する
よくある質問 AI による整理
Q1児童福祉法44条の4とは何ですか?
児童福祉施設や保育事業の設置者、里親に対し、子どもや妊産婦の人格尊重、法令遵守、忠実な職務遂行を義務づける責務規定です。
Q2保育園の不適切保育はどこに相談すればいい?
まず施設の苦情解決窓口に文書で申し出て、解決しなければ市町村や都道府県の保育・児童福祉施設の所管課に文書で申し立てるのが基本です。
Q3保育士の暴言は違法?
児童の人格を傷つける言動は、設置者の人格尊重義務(44条の4)や施設基準省令の虐待等禁止に反するおそれがあり、行政指導や改善命令の対象になり得ます。
Q4里親にも児童福祉法の義務はある?
あります。44条の4は里親を名宛人に明記しており、委託児童の人格尊重、法令遵守、忠実な職務遂行が求められます。
Q5児童養護施設への立入検査はどんなときに行われる?
定期の指導監査のほか、保護者や職員からの申立てで基準違反の疑いがあるとき、都道府県知事等が46条等に基づき報告徴収や立入検査を行います。
Q6施設職員の虐待を見たら通告できる?
できます。被措置児童等虐待を発見した者は都道府県等に通告する仕組みがあり、通告した職員は解雇その他の不利益取扱いから保護されます。
Q7小規模保育事業にも44条の4は適用される?
適用されます。本条は6条の3各項の事業を行う者を名宛人としており、小規模保育事業や一時預かり事業などが含まれます。
Q8不適切保育の記録はいつまで残る?
日誌や勤務記録の保存期間は省令や自治体基準で概ね2〜5年とされることが多く、過ぎると検証が困難になるため、早めの記録確保が重要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1保育園に苦情を言ったら、うちの子が退園させられたりしませんか?
認可保育所の利用は市町村の利用調整を前提とする関係で、施設が一方的に退園させられる余地は限られる。44条の4の人格尊重義務と法令遵守義務は、苦情を申し立てた保護者の子どもに対しても当然に及ぶ。実務のポイント:申立ては口頭相談ではなく日付入りの文書で所管課に出す。文書が入ると自治体側に記録が残り、その後の経過を追える。口頭相談は担当者の異動で消える。
Q244条の4に違反したら、施設はどうなるんですか?
この条文自体に刑罰も過料もない。効いてくるのは46条の系統で、都道府県知事が報告を求め、立入検査をし、基準に達しなければ改善を勧告・命令し、従わなければ事業の停止や制限まで命じられる。命令に違反すれば罰則の対象になる。実務のポイント:指導監査の結果は多くの自治体がサイトで公表している。入園先を決める前にそれを読む家庭はほとんどいない。
Q3障害児の施設はこの条文から除かれていますが、守らなくていいんですか?
除外は義務の免除ではなく管轄の振り分けである。指定障害児入所施設と指定通所支援に係る児童発達支援センターには、同じ児童福祉法の障害児支援の章に設置者の責務規定が別に置かれ、指定基準(省令)側でも同趣旨の義務が課される。実務のポイント:この二本立てのせいで、苦情の宛先が自治体内の別の課に分かれていることがある。最初に「障害児支援の指定の所管はどこか」を確認しないと、たらい回しで数週間失う。
間違えやすい点 AI による整理
- 「罰則がない条文だから意味がない」という問いの立て方そのものが的を外している。行政法の世界では、義務規定は刑罰と結びつくためにあるのではなく、行政の監督権限を起動させるために置かれる。問うべきは「違反したらいくら罰金か」ではなく「違反を誰に、どの窓口に、どの文書形式で申し立てれば権限が動くか」である。
- あなたから見れば「相性の悪い先生と自分の子の問題」だが、法律から見れば「設置者が人格尊重義務を果たしているか」という組織の問題である。この落差が保護者を潰す。担任と一対一で交渉し続ける限り、相手はいつでも「個人の資質や感じ方の違い」の話に引き戻せる。設置者の義務の話に移した瞬間、逃げ場を失うのは施設側だ。
- 「施設には施設の規則があるから従うのが当然」ということは多くの人が知っているが、その規則が法令の上に立てないという深刻さは知られていない。44条の4は「この法律又はこの法律に基づく命令を遵守し」と明記する。就業規則や園内ルール、長年の慣行が省令の最低基準に反していれば、設置者は自分のルールを完璧に守っていても義務違反になる。「うちのやり方ですから」は抗弁にならない。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 名宛人 | 児童福祉法44条の4:6条の3の事業者、里親、児童福祉施設の設置者 | 児童福祉法47条:児童福祉施設の長、里親等 児童福祉法33条の11:施設職員等 |
| 規律の内容 | 人格尊重・法令遵守・忠実な職務遂行という包括的責務 | 監護・教育上の措置権限と、体罰その他有害な言動の禁止 被措置児童等虐待その他心身に有害な行為の禁止 |
| 違反時の効果 | 本条に罰則なし、46条等の報告徴収・改善命令・事業停止の前提 | 施設運営への行政指導・監督の対象 通告・調査・措置を通じた行政対応の対象 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では兒少福利機構の設立許可と主管機関による監督を法律で定め、托育・幼兒園は別法で規律する。施設の違反には行政罰を直接規定する点が日本の責務規定型と異なる
韓国も児童福祉施設の設置・運営と行政の監督を一般法で定める。保育は영유아보육법で別途規律する二本立て構造は日本と類似
ドイツは施設運営に事前の許可を要し、児童の福祉(Kindeswohl)の確保を許可要件に組み込む。許可制と監督権限で担保する点が特徴
フランスは社会・医療社会施設の利用者の尊厳・私生活・安全などの権利を法典で明示し、施設側の義務として構成する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 4歳の子が「押し入れに入れられた」と言った。担任に確認すると「甘えを直すためです」と返ってきた。この瞬間に持ち出す言葉は「虐待だ」ではなく「設置者の人格尊重義務の履行状況を確認してほしい」である、その方が自治体の手が動く。
- もし施設に委託している子どもとの面会を、二か月間さまざまな理由で断られ続けたらどうなる? 経過の記録は施設側にしかなく、日誌や勤務記録は保存期間を過ぎれば廃棄される。都道府県の所管課に日付入りの文書を出すまで、検証できる材料は毎日薄くなっていく。あと数週間で、あなたの手元に残るのは記憶だけになる。
- あなたが認可を取ったばかりの小規模保育事業の代表だとする。職員が園児の顔写真をSNSに投稿して炎上した。本人を処分すれば収まると考えるだろうが、44条の4が義務を負わせているのは「設置者」であるあなた自身だ。指導監査での指摘は記録として残り、次の確認や更新の場面で必ず読まれる。
- 里親として委託を受けた中学生が、黙ってあなたのスマホを使った。強く叱りたくなるのは当然だが、里親もこの条文に明記された名宛人である。しかも懲戒を根拠にした体罰の言い分は、47条3項(有害な言動の禁止)と令和4年(2022年)の民法改正による懲戒権規定の削除で、法律上の足場を完全に失った。
- 同僚が入所児童のおやつを「罰」として抜いているのを見てしまった。内部で口にすれば自分が浮く。だが被措置児童等虐待の通告は職員本人が直接都道府県に出せる制度で、通告した職員は解雇その他の不利益取扱いから保護される。44条の4は、その通告が個人的な告発ではなく法令遵守義務の履行であることを裏書きする。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 起きた事実を日付・時刻・発言の引用形式でその日のうちに書き残す、子どもの発言は言い直させず原文のまま2. 施設への申し出は口頭で終わらせず、日付入りの文書かメールで残し、回答期限を書く3. 施設内で解決しなければ、都道府県または市町村の児童福祉施設所管課へ「設置者の44条の4の義務履行状況の確認」として文書で申し立てる4. 施設入所児童の事案なら被措置児童等虐待の通告ルートを並行して使う、両方を動かすと施設側に説明責任が二重にかかる
訴えられた側:1. 事実関係を職員の記憶ではなく記録で押さえる、日誌・シフト表・連絡帳・防犯カメラの保存期限を今日中に確認し保全指示を出す2. 対象職員個人の処分で終わらせず、設置者としての体制(研修、人員配置、苦情解決の仕組み)をどう是正したかを文書化する、監査で見られるのはそこだ3. 自治体への報告は先手で行う、保護者から先に入ると以後の説明はすべて後追いになる4. 省令の最低基準と自園ルールの食い違いを洗い出す、慣行が基準に反していれば個人の非ではなく設置者の義務違反として扱われる
時効(請求できる期限):本条自体に期間の定めはない。行政への申立てにも法定の期限はないが、施設の日誌・勤務記録・映像の保存期間は省令や自治体の指導監査基準で概ね2年から5年とされ、それを過ぎると事実の検証は事実上できなくなる。損害賠償まで視野に入れる場合は不法行為の消滅時効(民法724条、724条の2。人の生命または身体を害する場合は知った時から5年、行為時から20年)、施設との契約関係に基づく請求は一般消滅時効(民法166条、権利を行使できることを知った時から5年または行使できる時から10年)が働く。(最新の改正状況をご確認ください)
- 児童福祉法 第2条こどもの最善の利益優先と育成責任
- 児童福祉法 第44条の3従業者の秘密保持義務(現行効力を要確認)
- 児童福祉法 第46条報告徴収・立入検査・改善命令・事業停止
- 児童福祉法 第47条施設長等による体罰その他有害な言動の禁止
- 児童福祉法 第33条の11施設職員等による被措置児童等虐待の禁止(現行効力を要確認)
- 児童福祉法 第24条の11本条が除外する指定障害児入所施設側の責務規定(現行効力を要確認)
- 児童虐待の防止等に関する法律 第3条虐待禁止により人格尊重義務の下限を画す
- 社会福祉法 第5条福祉サービス提供者一般の原則を定める一般法
- こども基本法 第3条こども施策全体の基本理念を示す理念法
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