刑事訴訟法 第114条
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- 公務所内で差押状又は捜索状の執行をするときは、その長又はこれに代わるべき者に通知してその処分に立ち会わせなければならない。
- 2.前項の規定による場合を除き、人の住居又は人の看守する邸宅、建造物若しくは船舶内で差押状又は捜索状の執行をするときは、住居主若しくは看守者又はこれらの者に代わるべき者をこれに立ち会わせなければならない。これらの者を立ち会わせることができないときは、隣人又は地方公共団体の職員を立ち会わせなければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第114条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第114条の条文原文は「公務所内で差押状又は捜索状の執行をするときは、その長又はこれに代わるべき者に通知してその処分に立ち会わせなければならない。」で始まります。
- 刑事訴訟法第114条は第九章 押収及び捜索に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第114条の前の条は刑事訴訟法第113条です。
- 刑事訴訟法第114条の次の条は刑事訴訟法第115条です。
- 刑事訴訟法第114条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第114条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第114条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/114
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法114条は、捜索差押えの執行時に立会人を必須とする規定。住居等では住居主・看守者等を、不可能なら隣人又は地方公共団体の職員を立ち会わせなければならない。
Q · 警察が令状を持って家に来たら、立会人なしで勝手に部屋を漁られるの?
漁れません。住居主などの立会いが警察の義務です
刑事訴訟法114条により、捜索差押状等を住居内で執行するときは、住居主・看守者またはこれらに代わる者を立ち会わせなければなりません。これができないときだけ、隣人または地方公共団体の職員を立ち会わせます。立会いは警察側の義務であり、住居主であるあなた自身が立ち会う権利を持ちます。立会人を全く欠いた重大な手続違反は、適正手続違反として押収証拠が排除される余地があります。
解説
早朝、玄関の外に複数の警察官。手には捜索差押許可状。この瞬間、多くの人は抵抗もできず部屋を物色されるだけだと思い込む。だが刑事訴訟法114条は、捜索が密室で行われないための歯止めを定めている。役所の中なら、その長またはこれに代わる者に通知して立ち会わせなければならない。あなたの住居や会社、建物、船の中でも、住居主や看守者、またはこれらに代わる者を立ち会わせる義務がある。それができないときだけ、隣人か自治体の職員を呼ぶ。つまり警察は、誰の目もない場所であなたの家を一人で漁ることが許されない。立会人とは、捜索が適正に行われたかを見届ける証人(後にその手続が違法だったと争うときの足場になる人)である。この一条を知っているかどうかで、あなたが捜索現場で立ち尽くす人になるか、観察し記録する人になるかが変わる。
法的な位置づけ
刑事訴訟法114条は、捜索差押状・記録命令付差押状・捜索状の執行における立会人を定める規定である。公務所内ではその長等、人の住居等では住居主・看守者またはこれに代わる者の立会いを必須とし、これらを立ち会わせられない場合は隣人又は地方公共団体の職員を立ち会わせることを要求する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.令状(捜索差押許可状)の記載を確認 警察が令状を呈示したら、対象となる場所・差し押さえる物・有効期間を読み、捜索が令状の範囲内かを確認する。令状の呈示は刑訴110条の義務である
- 2.住居主・看守者として自ら立ち会う 住居主・看守者であるあなた自身が立会人になれる。隣人や職員に任せず自分で立ち会い、捜索の全過程を観察する。立会いは警察の義務であり、密室での執行は許されない
- 3.押収品を一点ずつ記録し目録交付を求める 押収された物を一つずつメモ・撮影し、押収品目録の交付をその場で求める(刑訴120条)。何を持っていかれたかを確定させ、後の争いの足場とする
- 4.手続の瑕疵を記録し弁護士へ相談 立会人不在・令状範囲外の捜索など違和感があれば現場状況を記録し、速やかに弁護士へ相談。押収処分への準抗告(刑訴430条)や証拠排除の可否を検討する
よくある質問 AI による整理
Q1捜索の立会人とは何ですか?
捜索差押えの執行に同席し、手続が適正に行われたかを見届ける第三者です。刑事訴訟法114条が定め、住居では住居主・看守者等が立ち会います。
Q2公務所が捜索されるときの立会人は誰ですか?
公務所内での執行は、その長またはこれに代わる者に通知して立ち会わせます(刑事訴訟法114条1項)。住居の場合とは立会人の指定が異なります。
Q3住居主が不在のとき捜索の立会人はどうなりますか?
住居主・看守者やこれに代わる者を立ち会わせられないときは、隣人または地方公共団体の職員を立ち会わせます(114条2項後段)。
Q4捜索の立会いを拒否できますか?
捜索自体は拒否できず、立会いは警察側の義務です。住居主には立ち会う権利があり、自ら立ち会って押収品を確認するほうが有利です。
Q5記録命令付差押状でも立会人は必要ですか?
必要です。平成23年改正で記録命令付差押状が114条の対象に加わり、電磁的記録の差押えにも立会いの規定が及びます。
Q6捜索の立会人がいないと押収はどうなりますか?
重大な立会手続違反は適正手続違反となり、違法収集証拠排除法則により押収証拠が排除される余地があります(憲法35条、刑訴114条)。
Q7捜査機関の捜索にも114条は適用されますか?
適用されます。刑事訴訟法222条が114条を準用し、捜査機関による令状捜索差押えにも立会人の規定が及びます。
Q8捜索の押収処分に不服があるときはどうしますか?
押収処分には準抗告(刑事訴訟法430条)で不服を申し立てられます。明文の期間制限はないものの、速やかに行うべきです。
この条文についての質問 AI による整理
Q1警察が令状を持ってきたら、立会いって拒否できるんですか? そもそも自分が立ち会わなくてもいいの?
捜索そのものは拒否できず、立会いは警察側の義務です(刑事訴訟法114条2項)。住居主のあなたには立ち会う権利がありますが、立ち会えない場合は隣人や自治体職員が代わりに立ちます。実務のポイント:拒否して立ち会わないより、自ら立ち会って押収品を一点ずつ記録した方が圧倒的に得です。あなたが見ていない隙の押収こそ、後で争いにくくなる
Q2立会人なしで勝手に家を捜索されたら、押収された物は証拠として使えなくなりますか?
立会手続の違反が直ちに全証拠排除につながるわけではありませんが、重大な手続違反は適正手続違反として違法収集証拠排除法則の対象になりえます(憲法35条、刑事訴訟法114条)。実務のポイント:排除されるかは違反の重大性と捜査機関の意図次第。だからこそ現場で「立会人がいなかった」「目録をくれなかった」という事実を記録しておくことが、弁護人が排除を主張する唯一の足場になる
間違えやすい点 AI による整理
- 立会人は警察が連れてくる形式的な付き添いだと思われているが、実は住居主であるあなた自身が立ち会う権利を持つ当事者だ。立ち会いながら押収品をその場で確認し、目録の交付を求めることができる。受け身の見物人ではなく、手続の適法性を監視する側に立てる
- 立会いの規定は知っていても、その違反がどれほど重いかを知らない人が多い。立会人を全く欠いたまま行われた捜索は、適正手続違反として、押収された証拠そのものが裁判で排除される可能性をはらむ。形式的な手続だと侮ると、防御の決定打を取りこぼす
- 「警察が来たら何もできない」と多くの人が問いを立てるが、その問いの立て方自体がずれている。問うべきは「止められるか」ではなく「どう適法性を見届け記録するか」だ。捜索は止められないが、手続の瑕疵を現場で押さえれば、戦う場所は法廷へと移せる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する内容 | 刑訴114条:捜索差押え執行時の立会人 | 刑訴113条:検察官・被告人・弁護人の立会権 刑訴110条:執行前の令状呈示義務 |
| 対象となる者 | 住居主・看守者等、不可なら隣人・地方公共団体職員 | 検察官・被告人・弁護人(捜査関係者側) 処分を受ける者(令状の名宛人) |
| 性質 | 立会人を欠けない捜査機関側の義務 | 立ち会うことができる権利(任意) 執行着手の前提となる手続義務 |
| 違反時の効果 | 重大なら適正手続違反で証拠排除の余地 | 立会権侵害として手続の適法性を争える 呈示なき執行は違法、証拠排除の余地 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も捜索時に住居主・看守人またはその代表者を在場させ、不在のときは隣人または公署人員を在場させる点で日本114条と構造が酷似する
韓国も公務所・住居等の捜索で責任者・住居主等の参与を要し、不在時は隣人または地方公共団体職員を参与させる点で日本とほぼ同型
ドイツは裁判官・検察官の立会いなき住居捜索では、原則として地方公共団体の公務員または2名の地域住民を立会人として加える
米国は第三者立会人を一律には要求せず、令状主義・knock and announce・物件目録(inventory)の交付で適正性を担保する。立会人必須の大陸法型とは設計が異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、ある朝あなたの部屋に警察が令状を持って現れたら、あなたは何を確認できる? 被疑者本人であっても、立会人なしで部屋を漁られる筋合いはない。住居主であるあなた自身が立会人になれるし、押収された物の目録交付を求める権利もある。何を持っていかれたか分からないまま終わらせない
- 同居する恋人が被疑者で、あなた名義の部屋が捜索対象になった。あなたは事件と無関係でも、住居主として立会いを求められる。このとき立会人として現場をよく見ておくと、後で恋人の弁護人が手続の適法性を争う際の最重要証言者になる
- 会社のオフィスにガサ入れ。社長は出張中で連絡がつかない。あと数時間で警察は捜索を始める。誰が代わりに立ち会うのか、立会人不在のまま強行されたサーバー押収が後で覆せるのか、現場の総務担当者の判断一つが会社の防御線を左右する
取るべき行動
被害を受けた側:1. 自宅や会社が捜索される側になったら、まず令状(捜索差押許可状)の記載を確認、対象の場所・物・有効期間を読む2. 住居主・看守者として自ら立ち会う、立ち会えるなら隣人や職員に任せず自分で見届ける3. 押収された物を一点ずつメモ・撮影し、押収品目録の交付を必ず求める(刑事訴訟法120条) 4. 立会人不在や不適格など手続に違和感があれば、その場の状況を記録し、速やかに弁護士へ相談、準抗告(同430条)や証拠排除の可否を検討する
訴えられた側:1. 被疑者本人でも、黙秘権を行使しつつ捜索の立会いと押収品の確認は冷静に行う2. 警察の発言・行動を記録、令状に記載のない場所や物への捜索が及んでいないか監視する3. 自白を迫られても令状の範囲を超える要求には応じる義務はない4. 当番弁護士制度を使い、捜索後できるだけ早く弁護人を確保、立会手続の瑕疵があれば押収処分への準抗告(刑事訴訟法430条)を弁護人と検討する
時効(請求できる期限):本条自体に時効はないが、押収処分に不服があれば準抗告(刑事訴訟法430条)を申し立てられる。明文の期間制限はないものの、処分を知った後できる限り速やかに行うべきで、現場記録の鮮度がそのまま争いの成否に直結する(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:114条の立会人は、捜索差押えの公正を担保し、捜査機関の恣意(無関係物の押収、証拠の捏造・持ち去り)を抑止する制度趣旨を持つ。立会手続の違反が直ちに全証拠排除に直結するわけではないが、違反の重大性と捜査機関の意図に照らし、違法収集証拠排除法則の適用対象となりうると解される。
改正沿革 AI による整理
- 平成23年(2011年) 情報処理の高度化等に対処するための刑法等改正に伴い、本条に「記録命令付差押状」が追加された。電磁的記録の差押えにも立会いの規定が及ぶよう改正された
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:現行刑事訴訟法の制定により、捜索差押え執行時の立会人規定として設けられた。日本国憲法35条の令状主義・住居の不可侵を執行段階で具体化する
- 2.平成23年(2011年) 改正:情報処理の高度化等に対処するための刑法等改正に伴い、記録命令付差押状が本条に追加された。電磁的記録の差押えにも立会いの規定が及ぶようになった
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