刑事訴訟法 第110条
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差押状又は捜索状は、処分を受ける者にこれを示さなければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第110条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第110条の条文原文は「差押状又は捜索状は、処分を受ける者にこれを示さなければならない。」で始まります。
- 刑事訴訟法第110条は第九章 押収及び捜索に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第110条の前の条は刑事訴訟法第109条です。
- 刑事訴訟法第110条の次の条は刑事訴訟法第110条の2です。
- 刑事訴訟法第110条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第110条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第110条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/110
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法110条は、差押状・記録命令付差押状・捜索状を執行する者が、処分を受ける者に令状を示さなければならないと定める。記載外の物の押収は違法となりうる。
Q · 家宅捜索に来た警察に、令状を見せてもらう権利はあるの?
あります。令状の現物を示す義務があり、コピーまでは不要です
刑事訴訟法110条により、差押状・記録命令付差押状・捜索状を執行する者は、処分を受ける者にこれを示さなければなりません。被処分者は令状の罪名・差し押さえるべき物・捜索すべき場所・有効期間・裁判官の署名をその場で確認できます。求められるのは『呈示』(示すこと)であり、謄本(コピー)の交付までは義務付けられていません。記載外の物の押収や、呈示のない執行は後の公判で違法と評価され、証拠排除の対象になりうるため、その場での内容確認が決定的です。
解説
ある朝、玄関のチャイムが鳴る。ドアを開けると警察官が数名立っていて、「家宅捜索です」と告げる。多くの人はその瞬間、頭が真っ白になって道を空けてしまう。だが刑事訴訟法110条は、あなたに一つの権利を握らせている。差押状、記録命令付差押状、捜索状を執行する者は、処分を受けるあなたに令状を「示さなければならない」。これは儀式ではない。あなたは令状の現物を読み、罪名は何か、差し押さえてよい物は何か、捜索してよい場所はどこか、有効期間は切れていないか、裁判官の署名はあるかを、その場で確認できる。書いていない物を持ち去ろうとすれば、それは令状の範囲外で違法になりうる。令状を見せないまま踏み込めば、そこで集められた証拠は後の裁判で排除される可能性が出てくる。見せろと言える人と、言えずに立ち尽くす人では、その日の家の中で起きることが変わる。
法的な位置づけ
刑事訴訟法110条は令状の呈示を定める規定であり、差押状・記録命令付差押状・捜索状を執行する者は、処分を受ける者にこれを示さなければならない。呈示は被処分者が令状の記載範囲を確認する機会を保障するとともに、強制処分に対する事後的な司法審査の基準を制度的に確保する機能を持つ。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.令状が示されたら五項目をその場で確認 令状が呈示されたら、罪名・差し押さえるべき物・捜索すべき場所・有効期間・裁判官の署名を声に出して読み上げ、立会人にも聞かせて記憶させる。コピーは交付されないため、その場の読み取りが唯一の点検機会になる
- 2.記載外の物に手が伸びたら明示的に指摘 捜査員が令状の差押対象物欄に書かれていない物に手を伸ばしたら、『それは令状の対象外と考えます』と立会人の前で口に出して述べ、いつ何が起きたかを時刻入りでメモする。黙認は同意とみなされかねない
- 3.押収品目録の交付を必ず受ける 捜索終了時に押収品目録(持ち去った物のリスト)の交付を必ず受ける。これは法律上の権利であり、後で『その物が令状にあったか』を争う際の証拠になる。目録を受け取らずサインだけで帰すのは最悪手
- 4.弁護人を呼び適法性を時系列で共有 直ちに弁護人(当番弁護士は初回無料)を呼び、呈示の有無・時期、範囲逸脱の有無を時系列で共有する。違法な押収と考えるなら、還付・仮還付請求や準抗告(刑訴430条)を検討する
よくある質問 AI による整理
Q1令状の呈示とは何ですか?
捜索差押えを執行する者が、処分を受ける者に令状の現物を示すことです。刑事訴訟法110条が定め、被処分者は罪名・対象物・場所・有効期間を確認できます。
Q2押収品目録とは何ですか?
捜査機関が持ち去った物のリストで、交付は法律上の義務です(刑訴120条)。後で『その物が令状の範囲内か』を争うとき、記憶した令状記載との照合資料になります。
Q3押収に不服があるときはどうすればいいですか?
押収処分に対しては準抗告(刑訴430条)を申し立てられます。押収物の還付・仮還付請求とあわせ、弁護人と速やかに検討するのが実務上の鉄則です。
Q4令状に有効期間はありますか?
あります。令状には有効期間が記載され(刑訴219条参照)、これを過ぎた令状での執行は違法です。呈示時に期間の記載を必ず確認してください。
Q5捜索には立会人が必要ですか?
住居や公務所等での捜索には責任者や立会人の立会いが必要です(刑訴114条)。立会人の前で令状内容を読み上げると、後の確認資料として有効です。
Q6記録命令付差押状とは何ですか?
サーバー管理者などに必要なデータの記録・印刷を命じる令状で、2011年に新設されました。110条の呈示義務はこの新型令状にも及びます。
Q7呈示のない捜索で集めた証拠は使えますか?
呈示なき執行が違法と評価されれば、そこで得た証拠は違法収集証拠として排除される可能性があります。時刻入りの記録が排除主張の土台になります。
Q8捜索中に黙秘していてもいいですか?
黙秘権は行使できますが、令状の範囲確認は別です。会話は最小限にしつつ、罪名と差押対象物の欄だけは正確に把握し記録しておくのが安全です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1令状って、コピーをもらえるんですか? それとも見せられるだけ?
110条が求めるのは『呈示』、つまり示すことであって、謄本(コピー)の交付までは義務付けられていません。実務上もコピーは渡されないのが通常です。だからこそ、その場で内容を読み取ることが決定的になります。実務のポイント:交付されるのは令状ではなく『押収品目録』です。これは持ち去った物のリストで、交付は義務。後で『あの物は令状にあったか』を争うとき、目録と記憶した令状記載との照合が証拠になります。目録を受け取らずにサインだけして帰すのは最悪手です
Q2令状を見せる前に部屋に踏み込んできたら、それだけで違法ですか?
原則は事前呈示ですが、それだけで直ちに全部違法とは限りません。証拠隠滅のおそれが高い事案では、捜査員が先に立ち入り直後に呈示する方法も最高裁が適法としています(最決平成14.10.4)。状況により評価が分かれる論点です。実務のポイント:争点になるのは『呈示が遅れた合理的理由があったか』です。だから踏み込まれた瞬間の状況、何分後に令状が出たか、その間に何を触られたかを時刻入りで記録しておくと、後で適法性を争うときの一次資料になります。記憶は薄れる、メモは残る
Q3捜索中に、令状に書いてない物まで持っていかれそうになったら止められますか?
差し押さえられるのは令状の『差し押さえるべき物』欄に記載された範囲に限られます。範囲外の押収は違法で、還付請求や準抗告(刑訴430条)の対象になります。物理的に妨害はできませんが、範囲外だと明確に述べることはできます。実務のポイント:捜査では『関連性』を理由に周辺の物まで広く押収されがちです。その場で立会人の前に『これは令状の対象外と考えます』と口に出して言った記録が残ると、後の証拠排除主張の重みが段違いになります。黙認は同意とみなされかねない
間違えやすい点 AI による整理
- 「令状を見せてもらった」で安心する人は多いが、本当に重要なのは見せられたかどうかではなく、中身を読んで範囲を把握したかどうかだ。呈示の権利は知っていても、その権利が『記載外の差押えを止める足場』になることまでは知られていない。読まずに頷けば、足場を自分で放棄したことになる
- 「令状さえあれば警察は何でも持っていける」と思い込んでいる人が多いが、令状は白紙委任状ではない。差し押さえてよいのは『差し押さえるべき物』欄に書かれた範囲だけ。それ以外を持ち去るのは違法な押収で、後に還付請求や証拠排除の対象になる。令状はあなたを縛る紙であると同時に、捜査員をも縛る紙だ
- 呈示は必ず踏み込む『前』だと信じられているが、実務はそう単純ではない。証拠隠滅のおそれが高い事案では、最高裁は捜査員が先に住居へ立ち入り、その直後に令状を示す方法も適法としている(最決平成14.10.4)。『見せる前に入ってきたから全部違法だ』という主張は、必ずしも通らない。ここは実務上、状況による評価が分かれる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する場面 | 刑訴110条:令状を執行する『方法』としての呈示義務 | 刑訴218条:捜査機関が令状で差押え・捜索する『権限の根拠』 刑訴222条:押収・捜索規定の捜査への『準用』 |
| 義務の名宛人 | 令状を執行する者(被処分者に呈示する義務) | 検察官・検察事務官・司法警察職員 捜査機関一般 |
| 被処分者の防御 | 呈示された令状を読み、範囲外の押収を指摘する足場になる | —(権限規定) 押収処分への準抗告(刑訴430条)に接続 |
他国ではどう定めているか 4 か国
搜索票を在場の者に提示すべきと定める点で日本と同趣旨。例外的に令状不要の捜索が認められる場面も規定
捜索差押令状を処分を受ける者に提示すべきとする。提示義務の構造は日本と類似
捜索は原則として裁判官の命令を要し、占有者の立会いを保障する。呈示そのものより事前の司法的許可と立会いに重点
執行官は令状の謄本を交付し押収品目録を残す義務を負う。日本が呈示にとどめる点と異なり謄本交付まで要求
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、捜査員が令状を一瞬だけ掲げて「はい確認しましたね」とすぐ閉じようとしたら、どうすればいい? あなたには内容を読み取る時間を求める権利がある。罪名・差押対象物・捜索場所の記載をスマホで撮るのは制限される場合があるが、声に出して読み上げ、立会人に記憶させることはできる。記載と違う物に手を伸ばしたら、その場で「それは令状に書いていない」と指摘する
- 副業の在庫を自宅に置いているあなたの部屋に、同居人の事件を理由とした捜索状が来た。令状の『捜索すべき場所』にあなたの個室まで含まれているかを読む。あなた個人が被疑者でなく、場所の特定が曖昧なら、その範囲は争点になる
- 会社にガサが入った。経理担当のあなたは、提示された差押状の『差し押さえるべき物』が『平成○年から令和○年の売上関連帳簿一切』と広く書かれているのを見て、無関係な顧客名簿まで箱詰めされそうになる。範囲外だと声を上げる根拠がここにある
- 深夜、あなたに残された時間はほぼない。捜査員が令状を示さずに証拠保全と称してパソコンを操作し始めた。呈示なき執行が後から違法と評価されれば、そこで得たデータは排除されうる。何時何分に何があったか、立会人と一緒に時系列をメモする
取るべき行動
被害を受けた側:1. 令状が示されたら、罪名・差し押さえるべき物・捜索すべき場所・有効期間・裁判官の署名を声に出して確認し、立会人にも聞かせる2. 記載のない物に手が伸びたら『それは令状の対象外では』とその場で述べ、いつ何が起きたか時刻入りでメモする3. 押収品目録(押収した物のリスト)の交付を必ず受ける、これは法律上の権利4. 違法な押収だと考えるなら、押収物の還付・仮還付請求、準抗告(刑訴430条)を弁護士と検討する
訴えられた側:1. 黙秘権を行使し、捜査員との会話を最小限にしつつ、令状の範囲だけは正確に把握する2. 範囲外と思われる押収には抗議の意思をその場で表明し記録化、ただし物理的な妨害は公務執行妨害になりうるので避ける3. 直ちに弁護人(当番弁護士は初回無料)を呼び、捜索の適法性、呈示の有無・時期を時系列で共有4. 呈示なき執行や範囲逸脱があれば、証拠能力を争う材料として弁護人に伝える
時効(請求できる期限):令状には有効期間が記載され、これを過ぎた令状での執行は違法(刑訴219条参照)。押収処分に不服があるときの準抗告(刑訴430条)には特段の法定期間はないが、押収状態が続く間に速やかに申し立てる必要がある。証拠排除の主張は遅くとも公判での証拠調べ前に行うのが実務上の鉄則(最新の運用をご確認ください)
学説
通説:110条の呈示は原則として執行に着手する前に行うべきだが、証拠隠滅のおそれが高い場合には立入直後の呈示も許容されるとする。呈示は被処分者の防御の機会の保障と事後的司法審査の基準確保に意義があると解される
改正沿革 AI による整理
- 平成16年(2004年) 刑事訴訟法の現代語化に伴う改正。文語体の条文を口語体に改め、呈示義務の文言を現行表現に整えた
- 平成23年(2011年) 情報処理高度化等に対処する刑事法改正により『記録命令付差押状』が新設され、本条の呈示義務の対象にこれが追加された
改正の年表
- 1.平成16年(2004年) 改正:刑事訴訟法の現代語化に伴い、文語体の条文を口語体に改め、呈示義務の文言を現行表現に整えた
- 2.平成23年(2011年) 改正:情報処理高度化等に対処する刑事法改正により記録命令付差押状が新設され、本条の呈示義務の対象に追加された
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