刑事訴訟法 第109条
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検察事務官又は裁判所書記官は、差押状又は捜索状の執行について必要があるときは、司法警察職員に補助を求めることができる。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第109条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第109条の条文原文は「検察事務官又は裁判所書記官は、差押状又は捜索状の執行について必要があるときは、司法警察職員に補助を求めることができる。」で始まります。
- 刑事訴訟法第109条は第九章 押収及び捜索に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第109条の前の条は刑事訴訟法第108条です。
- 刑事訴訟法第109条の次の条は刑事訴訟法第110条です。
- 刑事訴訟法第109条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第109条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第109条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/109
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法109条は、検察事務官又は裁判所書記官が令状の執行に必要があるとき、司法警察職員に補助を求められると定める規定である。
Q · 令状を持ってきたのが警察官じゃないんですが、警官を呼んでもいいんですか?
はい、執行に必要があれば補助を求められます
刑事訴訟法109条により、令状を執行する検察事務官や裁判所書記官は、執行について必要があるときに司法警察職員へ補助を求めることができます。警察官が後から加わっても越権ではなく、本条が認めた正規の手続です。ただし補助は『執行について必要があるとき』に限られ、必要性を欠く過剰な動員は後の証拠能力の争いで違法と評価されうる点に注意が必要です。
解説
家宅捜索と聞けば、制服警官が踏み込んでくる場面を思い浮かべるだろう。だが令状を執行するのは警察官だけではない。検察事務官、そして裁判所が自ら捜索差押えを行う場合には裁判所書記官も執行者になる。109条はこの執行者たちに一つの権限を与える。執行について必要があれば、司法警察職員に補助を求めることができる、と。つまり、ふだん力仕事や物理的制圧を担わない検察事務官や書記官が、現場で抵抗や障害に直面したとき、警察の人手を呼べる根拠がここにある。あなたの家や会社に令状を持って現れた人物が、必ずしも警察官とは限らない。そして彼らが途中から警官を呼び寄せても、それは越権ではなく、この一条が認めた正規の手続だ。誰が、どの権限で、あなたの空間に踏み込んでいるのか。それを見極める最初の手がかりが、この条文にある。
法的な位置づけ
刑事訴訟法109条は令状執行における補助要請の規定であり、検察事務官又は裁判所書記官が差押状・記録命令付差押状・捜索状を執行する際、必要があるときに司法警察職員へ補助を求めうる旨を定める。物理的制圧を本来担わない執行者の執行実効性を確保するための補充的権限である。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.執行者全員の身分を確認して区別する 令状の提示(110条)を受けたら、現場にいる執行者一人ひとりの身分章を確認し、検察事務官・裁判所書記官・補助の警察官を区別してメモする。誰がどの権限で立っているかを把握することが、後の適法性審査の起点になる
- 2.補助警察官の加入と行動範囲を記録する 途中から警察官が加わったら、その人数・加入時刻・どの作業に関与したかを時系列で記録する。人数の多寡そのものではなく、各人の行為が令状記載の場所・物の範囲内かを観察する
- 3.立会いの権利を行使して執行を監視する 立会い(113条・114条)を続け、執行が令状記載の範囲に限定されているかを監視する。範囲を超える捜索や押収があれば、その事実を記録に残す。現場での物理的抵抗は公務執行妨害のリスクがあるため避ける
- 4.終了後に執行調書の交付を請求し弁護士に精査を依頼する 執行終了後、調書の謄本交付を請求し、補助要請の必要性と補助警察官の行為範囲の適法性を弁護士に精査してもらう。範囲逸脱や必要性を欠く動員があれば、違法収集証拠排除や準抗告(430条)の足場になる
よくある質問 AI による整理
Q1記録命令付差押状とは何ですか?
保管者に電磁的記録の記録・印刷を命じて差し押さえる令状です。サイバー犯罪対応で平成23年改正により新設され、本条の補助要請の対象にも加えられました。
Q2差押えと押収はどう違いますか?
押収は物の占有を取得する処分の総称で、差押えはその一類型です。本条の対象である差押状は、物の占有を強制的に取得する令状を指します。
Q3捜索状の執行は誰がしますか?
司法警察職員のほか、検察官の指揮で検察事務官が、裁判所が自ら行う場合は裁判所書記官も執行できます。彼らは必要なら警察官の補助を求められます。
Q4検察事務官にはどんな権限がありますか?
検察官の指揮を受け、令状の執行や捜査の補助を行います。差押状・捜索状の執行(108条)が可能で、執行に必要なら警察の補助を要請できます(109条)。
Q5令状執行中に警察官の補助を拒否できますか?
拒否できません。補助は執行者が正規に求めたもので、妨害すれば公務執行妨害(刑法95条)のリスクを負います。争うなら現場ではなく後の手続で行います。
Q6補助に呼ばれた警察官は令状なしで動けますか?
補助警察官も令状の効力の範囲内で動きます。執行に必要な処分(111条)に加われますが、令状記載の場所・物を超える行為は範囲逸脱として違法評価の対象です。
Q7執行調書は立会人も請求できますか?
立会人や被処分者は、執行後に調書の謄本交付を求めて適法性を精査できます。補助要請の有無や必要性が記録に残っていれば、後の争いの足場になります。
Q8捜索差押えに立会いは必要ですか?
住居等では責任者や近隣者等の立会いが求められます(114条)。立会いは執行の適正を担保し、令状の範囲を超えた行為を監視する役割を持ちます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1令状を持ってきたのが警察官じゃなくて検察事務官でした。これって本物の捜索ですか?
本物です。差押状・捜索状は検察官の指揮で検察事務官が執行でき(108条)、裁判所が自ら行う場合は書記官も執行者になります。彼らは必要なら警察官に補助を求められます(109条)。実務のポイント:執行者の身分は令状の効力と無関係に見えて、実は『誰が令状の範囲を超えたか』を後で特定する鍵になります。立会いのとき、警察官と検察事務官を区別してメモしておくと、違法行為の主体を後から追えます
Q2途中から警官がぞろぞろ増えてきたんですが、これ違法じゃないんですか?
人数が増えただけでは違法になりません。109条は執行者が『必要があるとき』に司法警察職員へ補助を求めることを認めています。争点は人数ではなく、その補助が執行上本当に必要だったか、そして加わった警官が令状の範囲内で動いたかです。実務のポイント:弁護人は人数の多さより『補助警察官の個々の行為が令状の場所・物の範囲を超えたか』を狙います。範囲逸脱があれば、その部分の押収物だけ証拠排除を争える可能性があります
間違えやすい点 AI による整理
- 「捜索に来るのは警察官だけ」と思い込んでいるが、検察事務官も、裁判所が自ら行う場合は書記官も執行者になる。目の前の人物の身分を確かめないまま応対すると、誰に何を主張すべきかを見失う
- 検察事務官が警官を呼べることは知っていても、その『補助』がどこまで及ぶかを軽く見ている人が多い。補助の警察官は執行に必要な実力行使(111条の必要な処分)にも加われる。人数が増えることは、現場での圧力と物理的制圧力が一段上がることを意味する
- 「警官が増えたのは違法だ」と抗議の前提を立ててしまうと、的を外す。問うべきは人数ではなく、その補助要請が『執行について必要』だったか。必要性を欠く過剰な動員こそが争点であり、人数そのものではない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 109条:執行者が警察の補助を求める根拠 | 108条:令状の執行主体(誰が執行できるか) 111条:執行に必要な処分(実力行使の範囲) |
| 適用の前提 | 執行について『必要があるとき』 | 検察官の指揮・裁判所による執行 錠の破壊・封の除去など執行に必要な範囲 |
| 主体 | 補助を求める検察事務官・裁判所書記官 | 検察事務官・司法警察職員・書記官 執行者および補助に加わった警察官 |
| 争点になる場面 | 補助要請の必要性・動員の過剰性 | 執行権限の有無 処分が令状の範囲を超えたか |
他国ではどう定めているか 1 か国
台湾も搜索の執行主体を検察事務官・司法警察に開き、執行に必要な処分(封鎖・破壊等)を認める。補助の枠組みは日本と機能的に近い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし令状を持って現れたのが警察官ではなく検察事務官だったら、あなたは執行を拒めるのか。答えは否。差押状・捜索状は検察官の指揮で検察事務官が執行でき(108条)、必要なら109条で警官の応援も正規に呼べる。身分を確かめないまま「警察じゃないなら帰れ」と突っぱねると、公務執行妨害のリスクだけを背負う
- 会社の会議室に裁判所書記官が捜索に入り、途中で制服警官が数名加わった。違法な人数の水増しに見えるが、109条が認めた補助要請であれば適法だ。
- 差押えが始まって数時間、あなたは立会いを続けながら『この警官たちは何の権限でここにいるのか』と問う余裕もない。だが時間との勝負はその場で終わらない。執行調書に補助要請が記録されていれば、後で弁護人とその必要性・範囲の適法性を精査できる。調書の交付を請求するまでが、あなたの動ける時間だ
取るべき行動
被害を受けた側:1. 令状を提示されたら(110条)、執行者全員の身分を確認し、検察事務官・書記官・補助の警察官を区別してメモする2. 補助の警察官が後から加わったら、その人数と行動範囲を記録する3. 立会いの権利(113条、114条)を行使し、執行が令状記載の場所・物に限定されているか監視する4. 終了後、執行調書の写しを請求し、弁護士に補助要請の必要性と範囲の適法性を精査してもらう
訴えられた側:1. 黙秘権を保持しつつ、捜索の適法性に関わる事実(誰が何をしたか)だけは正確に記憶・記録する2. 検察事務官や書記官の執行に補助警察官が加わった場合、その行為が令状の範囲を超えていないか弁護人に伝える3. 範囲逸脱や必要性を欠く過剰な動員があれば、後の公判で違法収集証拠排除(判例法理)を申し立てる足場になる4. 現場での物理的抵抗は公務執行妨害(刑法95条)のリスク。抗議は記録に残る形で行う
時効(請求できる期限):押収・捜索の執行自体に特定の出訴期間はないが、その適法性を争うのは原則として公判の証拠調べの段階。押収処分そのものを争う準抗告(刑事訴訟法430条)は、処分を知った日が起算点。違法収集証拠排除の主張は事実審の口頭弁論終結前まで(最新の運用状況をご確認ください)
学説
通説:本条の補助要請は『執行について必要があるとき』という要件に服する。補助警察官の人数の多寡そのものが違法を基礎づけるのではなく、補助の必要性および加わった警察官の行為が令状の場所・物の範囲内にとどまるかが適法性判断の核心とされる。
改正沿革 AI による整理
- 平成23年(2011年) 情報処理の高度化等に対処するための刑法等改正に伴い、補助要請の対象となる令状に『記録命令付差押状』が追加された。サイバー犯罪・電磁的記録の差押えに対応する新類型を執行補助の枠に取り込んだ改正
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:現行刑事訴訟法の制定に伴い、検察事務官・裁判所書記官による令状執行への補助要請規定を置いた。令状主義の運用を実効化する補充規定として位置づけられる。
- 2.平成23年(2011年) 改正:情報処理の高度化等に対処するための刑法等改正に伴い、補助要請の対象となる令状に『記録命令付差押状』が追加された。サイバー犯罪・電磁的記録の差押えを補助の枠に取り込んだ。
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