刑事訴訟法 第115条
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女子の身体について捜索状の執行をする場合には、成年の女子をこれに立ち会わせなければならない。但し、急速を要する場合は、この限りでない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第115条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第115条の条文原文は「女子の身体について捜索状の執行をする場合には、成年の女子をこれに立ち会わせなければならない。但し、急速を要する場合は、この限りでない。」で始まります。
- 刑事訴訟法第115条は第九章 押収及び捜索に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第115条の前の条は刑事訴訟法第114条です。
- 刑事訴訟法第115条の次の条は刑事訴訟法第116条です。
- 刑事訴訟法第115条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第115条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第115条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/115
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法115条は、女子の身体の捜索状執行には成年女性の立会いを義務づける。急速を要する場合は例外だが、立会いを欠いた違法捜索の証拠は排除されうる。
Q · 女性が身体を捜索されるとき、女性の立会いがなかったら違法ですか?
原則、成年女性の立会いが必要。なければ証拠が排除されうる
刑事訴訟法115条により、女子の身体について捜索状を執行する場合は、成年の女子を立ち会わせなければなりません。立会人は女性警察官に限られず、一般の成年女性でも要件を満たします。ただし但書で『急速を要する場合』は例外とされます。立会いを欠いた違法な捜索で得られた証拠は、違法の程度が重大であれば違法収集証拠排除法則により公判で使えなくなる可能性があります。緊急性が本当にあったかは事後に法廷で検証されます。
解説
深夜、職務質問から一転して身体の捜索が始まる。バッグだけでなく、女性であるあなたの身体そのものに捜査員の手が及ぶ。このとき刑事訴訟法115条は、捜索する側に一つの義務を課している。成年の女子を立ち会わせること。男性の捜査員だけであなたの身体を捜索することは、原則として許されない。ただし条文には但書がある。急速を要する場合はこの限りでない。問題はこの但書だ。現場の捜査員は「緊急だった」と主張しがちだが、本当に成年女性を呼ぶ時間がなかったのか、その判断は後に法廷で争える。立会いを欠いた違法な捜索で得られた証拠は、違法収集証拠排除法則によって裁判で使えなくなる可能性がある。あなたが知っておくべきは、この一行が単なる礼儀ではなく、証拠の生死を分ける防壁だという点だ。
法的な位置づけ
刑事訴訟法115条は、女子の身体に対する捜索状の執行に際し、成年の女子を立会人として確保すべき義務を捜査機関に課す規定である。身体の尊厳と羞恥心への配慮を手続的に担保するもので、但書として急速を要する場合の例外を置く。立会人は女性警察官に限られず、捜査官以外の一般の成年女性でも要件を満たす。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.捜索直後に立会いの有無と状況を記録 身体捜索を受けた直後、記憶が鮮明なうちに、立会人の有無・性別、捜索の正確な時刻と場所、捜査員の人数を記録する。録音可能なら録音を残す。この記録が後に但書の緊急性を崩す決定打になる
- 2.緊急性が疑わしければ弁護人に即相談 立会いがなかった、または但書の『急速を要する場合』に当たるか疑わしいときは、弁護人に速やかに相談し、違法収集証拠排除を主張する準備に入る
- 3.公判前整理手続で証拠能力を争う 起訴された場合、証拠調べが始まる前の公判前整理手続の段階で、立会い義務違反を主張し証拠能力を争う。早い段階で突くほど検察の選択肢を奪える
- 4.違法が明白なら国家賠償請求を並行検討 立会いを欠いた違法な身体捜索が明白な場合、精神的苦痛に対する慰謝料を国や自治体に請求する国家賠償請求(国家賠償法1条)を並行して検討する
よくある質問 AI による整理
Q1身体捜索の立会いは誰がするのですか?
女子の身体捜索の立会人は『成年の女子』であれば足り、女性警察官に限られません(刑訴115条)。捜査官以外の一般の成年女性でも要件を満たします。
Q2刑事訴訟法115条とは何ですか?
女子の身体について捜索状を執行する際、成年女性の立会いを義務づける規定です。但書で急速を要する場合は例外とされます。
Q3急速を要する場合とはどんな場合ですか?
証拠隠滅や逃亡の危険が現に切迫し、立会人を確保する時間的余裕が客観的にない場面を指します。緊急性の有無は事後に法廷で検証されます。
Q4違法収集証拠排除法則とは何ですか?
違法な手続で得た証拠は、違法が重大で将来の違法捜査抑制の見地から相当でない場合、証拠能力が否定される法則です(最判昭和53.9.7)。
Q5身体捜索と身体検査の違いは何ですか?
身体捜索は捜索状による物の発見処分(115条)、身体検査は検証としての処分(131条)です。いずれも女性の身体には成年女性等の立会いが求められます。
Q6違法な身体捜索を受けたら国家賠償できますか?
立会い義務違反など違法な捜索は、国家賠償法1条により国や自治体への慰謝料請求の対象になりうります。
Q7職務質問の所持品検査と身体捜索は違いますか?
所持品検査は任意処分、捜索状による身体捜索は強制処分です。任意の範囲を超えて身体に及ぶ場合は令状と立会い要件が問題になります。
Q8立会いなしの捜索は必ず違法になりますか?
但書の急速を要する場合に当たれば適法です。ただし緊急性を捜査側が客観的に説明できなければ、但書は盾になりません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1身体を捜索されるとき、相手が女性警察官じゃなかったら違法ですか?
立会人は『成年の女子』であればよく、女性警察官に限られません(刑訴115条)。捜査官以外の一般の成年女性でも要件を満たします。問題は『成年女性が一人もいなかった』場合です。実務のポイント:現場では『近くに女性がいなかった』『緊急だった』と但書を盾にされがちですが、立会人を確保する時間的余裕が客観的にあったかが後で逐一検証されます。捜索の正確な時刻と現場状況を記録しておくと、その緊急性の主張を崩せる
Q2立会いがなかった捜索で見つかった物、証拠にできないんですか?
自動的に無効ではありませんが、違法の程度が重大で、証拠として使うことが将来の違法捜査抑制の見地から相当でないと判断されれば、違法収集証拠排除法則により証拠能力が否定されます(最判昭和53.9.7が基準を示す)。実務のポイント:立会い義務違反だけで即排除とは限らず、緊急性の有無や違反の重大性が総合判断されます。だからこそ『緊急ではなかった』ことを示す現場記録が、排除を勝ち取る分かれ目になる
間違えやすい点 AI による整理
- 立会いが必要なことは知っていても、立会いがなかった場合に何が起きるかを知らない人が多い。単なる手続ミスでは済まない。違法収集証拠排除法則により、その捜索で得た証拠が公判で使えなくなり、事件全体が崩れることがある。深刻度を見誤ると、争える余地を自ら捨てることになる
- 「但書があるから捜査機関はいつでも立会いを省ける」と考えるのは、問いの立て方そのものが間違っている。問うべきは『省けるか』ではなく『その緊急性を客観的に証明できるか』だ。立会いを省いた側がその必要性を説明できなければ、但書は盾にならない
- 立会人は女性警察官でなければならない、と思われがちだが、条文は「成年の女子」と書くだけで、女性警察官に限定していない。捜査官以外の一般の成年女性でも要件を満たしうる。逆に言えば『近くに女性が一人もいなかった』という弁解は、立会人確保の努力の有無で評価される
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象となる処分 | 115条:女子の身体に対する捜索状の執行 | 114条:捜索一般(住居等)の立会い 131条:検証としての身体検査 |
| 立会人の要件 | 成年の女子(女性警察官に限らない) | 住居主・看守者・隣人・地方公共団体の職員等 女子の身体検査は医師または成年の女子 |
| 例外(但書) | 急速を要する場合はこの限りでない | 立会人を得られないときは隣人等で代替 身体の検査は健康・名誉への配慮が必要 |
| 違反した場合の効果 | 違法収集証拠排除・国家賠償の対象になりうる | 手続の適法性が争われうる 検証結果の証拠能力が争われうる |
他国ではどう定めているか 4 か国
婦女の身体の捜索は婦女が行うべきとし、婦女が行えない場合の例外を置く。日本が『立会い』を求めるのに対し台湾は『実施者』を婦女に限る点で構造がやや異なる
女子の身体を捜索する場合に成年女子の参与(立会い)を求める点で日本と類似する
女性の身体検査は羞恥心に配慮し原則として同性者または医師が行う。検査(Untersuchung)に着目する点で、捜索を規律する日本の115条とは射程が異なる
単一の統一規定はなく、捜索の合理性審査の枠組みと、ストリップサーチ等での同性職員による実施という運用規則で対応する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 繁華街で職務質問を受け、所持品検査からそのまま身体の捜索へ移行した。その場にいたのは男性の捜査員3名のみ、成年女性の立会いはなかった。後にこの捜索で見つかった物が起訴の根拠になったとき、立会い義務違反は証拠能力を争う重大な武器になる。捜索が密室で行われたか、公衆の面前かでも、違法の重大性の評価は変わってくる
- もし、急いでいたという理由だけで捜査機関が女性の立会いを省略したら、それは本当に適法なのか。但書の「急速を要する場合」は無限定ではない。立会人を確保する時間的余裕が客観的にあったか、証拠隠滅や逃亡の危険が現に切迫していたかが、後の公判で逐一検証される
- 勾留期限まであと数日。検察の切り札は身体捜索で出た証拠だ。だがその捜索、成年女性の立会いはあったか。緊急性は本物か。弁護人が最初に確認するのはそこだ。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 捜索を受けた直後、立会人の有無と性別、捜索の時刻と場所、捜査員の人数を記録する(録音可なら録音) 2. 立会いがなかった、または緊急性が疑わしい場合、弁護人に即相談し違法収集証拠排除を主張する準備3. 起訴された場合は公判前整理手続の段階で証拠能力を争う4. 違法が明白なら国家賠償請求(国家賠償法1条)も並行して検討する
訴えられた側:1. 身体捜索で得た物が証拠請求されたら、その捜索の適法性を全面点検2. 立会人の不在、または但書の緊急性が後付けと疑われる場合、弁護人を通じて証拠能力を争う(違法収集証拠排除法則) 3. 捜索調書と現場の客観状況(時刻、立会人確保の余地)の矛盾を突く4. 排除が認められれば、その証拠を土台とする派生証拠の波及的排除(毒樹の果実)も主張する
時効(請求できる期限):捜索の適法性を争う特定の出訴期限はないが、証拠能力の争いは公判での証拠調べ前に主張する必要がある。違法捜索に対する国家賠償請求は、損害および加害者を知った時から3年、行為時から20年(国家賠償法4条、民法724条)
学説
通説:115条の立会い義務違反は手続違反として違法収集証拠排除の対象となりうるが、即排除ではなく、但書の緊急性の有無と違反の重大性を総合的に判断する。立会いを省いた側がその必要性を客観的に説明できなければ、但書は正当化根拠とならない。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:現行刑事訴訟法の制定(昭和23年法律第131号)に伴い、女子の身体に対する捜索状執行における成年女子の立会い義務を規定。身体の尊厳保護を手続的に担保する条項として置かれた。
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