刑事訴訟法 第171条
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前章の規定は、勾引に関する規定を除き、鑑定について準用する。この場合において、第百五十七条の六第二項中「ときは、」とあるのは、「とき、又は鑑定人を尋問する場合(鑑定の経過及び結果に関する尋問をする場合を除く。)において、相当と認めるときは、」と読み替えるものとする。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第171条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第171条の条文原文は「前章の規定は、勾引に関する規定を除き、鑑定について準用する。」で始まります。
- 刑事訴訟法第171条は第十二章 鑑定に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第171条の前の条は刑事訴訟法第170条です。
- 刑事訴訟法第171条の次の条は刑事訴訟法第172条です。
- 刑事訴訟法第171条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第171条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第171条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/171
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法171条は、証人尋問に関する前章の規定を勾引を除いて鑑定に準用する。鑑定人も宣誓と出頭を求められ、不出頭には過料が科されるが、勾引による強制連行はされない。
Q · 裁判で出てきた鑑定書って、もう覆せないんですか?
覆せます。鑑定人を法廷に呼んで反対尋問にかけられます。
刑事訴訟法171条により、証人尋問に関する前章の規定が勾引を除いて鑑定に準用されます。そのため鑑定書が提出されても、鑑定人を法廷に呼んで反対尋問にかけ、前提資料や鑑定方法、結論の整合性を問い質すことができます。鑑定書は証拠の一つにすぎず、裁判所を拘束しません。なお鑑定人は証人と異なり勾引(強制連行)の対象外ですが、不出頭には過料が、宣誓後の虚偽鑑定には刑法171条の虚偽鑑定罪が科されます。
解説
刑事裁判で精神鑑定や DNA 鑑定、筆跡鑑定が出てきたとき、その鑑定人は神様ではない。171条はたった一文で、証人尋問の章にある規定を鑑定人にも準用すると定める。つまり鑑定人は宣誓させられ、法廷で尋問され、正当な理由なく出頭しなければ過料を科される。証人とほぼ同じ扱いだ。ところが一点だけ証人と決定的に違う。勾引、つまり身柄を強制的に引っぱってくる手続だけは準用されない。証人は事件を見た唯一無二の存在だから力ずくでも連れてくるが、鑑定人は別の専門家に代えられるから、そこまではしない。この区別を知っていれば、あなたに不利な鑑定が出ても、その鑑定人を法廷に呼んで反対尋問にかけられると分かる。鑑定書は証拠の一つにすぎず、判決を縛る聖域ではない。
法的な位置づけ
刑事訴訟法171条は、証人尋問を定める前章の規定を、勾引に関する規定を除いて鑑定に準用する規定である。これにより鑑定人には宣誓義務、出頭義務、不出頭に対する過料などが及ぶ一方、身柄を強制的に確保する勾引の手続だけは準用の対象から除外される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.鑑定書は結論ではなく前提と方法から読む 不利な鑑定書を受け取ったら、結論の一行ではなく、使用された前提資料・鑑定方法・鑑定人の専門分野の適否から先に精査する。崩せる隙はここに隠れている
- 2.結審前に鑑定人尋問を必ず申し出る 弁護人を通じ、弁論終結(結審)前に鑑定人尋問の実施を申し出る。準用される証人尋問規定が根拠。証拠調べの最中に鑑定人本人を法廷に立たせ、前提や手法の限界を引き出す
- 3.弁護側の私的鑑定を準備して対質させる 検察側の鑑定が固まる前に、弁護側で独自の私的鑑定を用意する。二つの鑑定書を法廷で突き合わせ、専門家でも見解が割れる構図に持ち込み、合理的疑いを生む
- 4.必要なら再鑑定を申し入れる 鑑定の信頼性に重大な疑問が残れば、別の専門家による再鑑定の必要性を検察官・裁判所へ申し入れる。結審後の新たな鑑定申請は採用されにくいため、結審前に動く
よくある質問 AI による整理
Q1鑑定の準用とは何ですか?
刑事訴訟法171条が、証人尋問に関する前章の規定を勾引を除いて鑑定に当てはめる仕組みです。鑑定人にも宣誓・出頭・尋問・過料の規定が及びます。
Q2鑑定人尋問はどう請求しますか?
証拠調べ手続のなかで、弁護人を通じて鑑定人尋問の実施を裁判所に申し出ます。準用される証人尋問規定が根拠で、前提資料や鑑定方法の妥当性を問えます。
Q3鑑定人は勾引(強制連行)されますか?
されません。171条が勾引に関する規定を準用から除外しています。鑑定人は別の専門家に代替できるため、身柄の強制確保までは不要とされたからです。
Q4虚偽鑑定罪はどのくらい重い罪ですか?
宣誓した鑑定人が虚偽の鑑定をすると刑法171条の虚偽鑑定罪に問われ、偽証罪と同じ3月以上10年以下の拘禁刑となります。重い責任が伴います。
Q5裁判員裁判でも鑑定人を反対尋問できますか?
できます。準用により鑑定人を法廷で尋問でき、市民の裁判員が見ている前で結論の信頼性を検証させられます。精神鑑定が争点の重大事件で特に重要です。
Q6鑑定書の証明力は誰が判断しますか?
裁判所です。自由心証主義(刑訴318条)により、鑑定書の証明力も裁判官の自由な判断に委ねられ、結論にそのまま拘束されるわけではありません。
Q7再鑑定はどんな場合に認められますか?
鑑定の前提資料の偏りや手法の限界など、信頼性に重大な疑問がある場合に検察官や裁判所へ申し入れます。結審前の請求が原則で、結審後は採用されにくくなります。
Q8鑑定人が出頭しないとどうなりますか?
正当な理由のない不出頭には過料(刑訴150条の準用)が科され、費用賠償の対象にもなります。ただし証人と違い勾引による強制連行はされません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1裁判所から鑑定人に指名されたんですが、断れますか?
正当な理由なく出頭・宣誓・鑑定を拒むと、証人の規定の準用により過料(刑訴150条)や費用賠償の対象になります。ただし証人と違い、本条が勾引を準用から外しているので、身柄を強制連行されることはありません。実務のポイント:引き受けて宣誓した瞬間に刑事責任のスイッチが入り、虚偽の鑑定をすれば刑法171条の虚偽鑑定罪(偽証と同じ3月以上10年以下)に問われます。安請け合いせず、自分の専門分野と適合するかを先に見極めるのが鉄則です
Q2精神鑑定の結論にどうしても納得できません。覆せますか?
覆す道はあります。本条の準用により鑑定人尋問が可能で、鑑定の前提資料・手法・結論の整合性を法廷で問い質せます(刑訴165条以下が鑑定手続の枠組み)。鑑定書は証拠の一つで、裁判所を拘束しません。実務のポイント:検察側鑑定に対し、弁護側が独自の私的鑑定を用意して対抗するのが実務の常套手段です。二つの鑑定が法廷で衝突すれば、裁判官や裁判員に「専門家でも判断が割れる」と伝わり、有利な合理的疑いを生めます
間違えやすい点 AI による整理
- 鑑定書が「証拠の一つ」であることは知っていても、それを法廷で正面から崩せることを知らない人が多い。鑑定書は提出された時点で確定するのではなく、準用される証人尋問の規定により、鑑定人本人を呼んで前提・方法・結論の不整合を尋問できる。崩せる隙があるのに、提出された結論だけを見て諦める。これが本当の損失だ
- 「鑑定人は強制連行できないなら、嫌がる専門家は逃げ得では?」という問いの立て方そのものが誤っている。勾引が外れているだけで、不出頭には過料(刑訴150条の準用)が、宣誓した上での虚偽鑑定には刑法171条の虚偽鑑定罪(偽証と同じ重さ)が待っている。身柄を拘束しない代わりに、別の鎖が二重にかかっている
- 専門家の鑑定だから絶対に正しいと思い込みがちだが、実際には鑑定の結論は使用した資料、手法、鑑定人の専門分野の適否によって大きく変わる。同じ事件で検察側と弁護側の鑑定が正反対になることは珍しくない。準用される尋問規定は、その揺らぎを法廷で可視化するための装置である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 勾引(強制連行) | 171条により準用除外。鑑定人は勾引されない | 証人:刑訴152条で勾引の対象 |
| 不出頭への制裁 | 過料(刑訴150条を準用) | 証人:刑訴150条で過料 |
| 宣誓と虚偽の制裁 | 宣誓あり。虚偽は刑法171条の虚偽鑑定罪 | 証人:宣誓あり。虚偽は刑法169条の偽証罪 |
| 代替可能性 | 他の専門家に代替可能(だから勾引は不要) | 証人:体験した唯一の存在で代替不可 |
他国ではどう定めているか 4 か国
鑑定について、特別規定を除き人證(証人)に関する規定を準用する点で日本171条とほぼ同型の立法構造
感情(鑑定)に証人尋問の規定を準用する規定。日本と同じく証人規定の準用方式を採る
後続の特別規定がない限り、証人証拠に関する規定を鑑定人に準用する。日本171条の母法的位置にある準用条項
専門家証言と裁判所選任鑑定人を規律。準用方式ではなく独立した専門家証言ルールとして反対尋問を保障する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 殺人事件で起訴され、検察が依頼した精神鑑定が「完全責任能力あり」と結論づけた。あなたの弁護人はこの準用規定を使い、鑑定人を法廷に呼んで反対尋問にかける。鑑定の前提とされた資料が偏っていたと引き出せれば、責任能力の判断、ひいては量刑そのものが揺らぐ
- もし、あなたが医師や建築士として裁判所から鑑定を命じられ、本業の合間に引き受ける余裕がないとしたら? 正当な理由なく出頭を拒めば過料を科されるが、証人と違って身柄を強制連行(勾引)されることはない。指定された出頭日まであと十日、引き受けるか辞退を上申するか、今週中に腹を決める必要がある
- 筆跡鑑定が唯一の決め手という文書偽造事件。鑑定人を尋問できると知る弁護人は鑑定方法の限界を突き、知らない弁護人は鑑定書をそのまま受け入れる。同じ証拠で、結論が分かれる
取るべき行動
被害を受けた側:あなたが被害者参加制度で刑事裁判に関与し、加害者に有利な鑑定(例:責任能力を肯定する精神鑑定)が出た場合。1. 弁護人や検察官を通じて鑑定書の全文と前提資料を確認2. 証拠調べ段階で鑑定人尋問の実施を求め、手法や前提の妥当性を問う機会を作る3. 鑑定の信頼性に重大な疑問があれば、再鑑定(別の専門家による鑑定)の必要性を検察官に申し入れる。鑑定書は裁判所を拘束せず、尋問で揺らげば証明力は下がる
訴えられた側:1. 不利な鑑定が証拠請求されたら、結論ではなく前提資料・鑑定方法・鑑定人の専門適合性を精査2. 弁護人を通じ、弁論終結前に鑑定人尋問を必ず申し出る(準用される証人尋問規定が根拠) 3. 必要なら弁護側で私的鑑定を用意し、法廷で対質させる4. 自分が鑑定を命じられた専門家の立場なら、不出頭でも勾引はされないが過料(刑訴150条準用)があり、引き受けて宣誓後に虚偽鑑定をすれば刑法171条のリスクがある点を理解しておく
時効(請求できる期限):鑑定そのものに特定の時効はない。手続上の勝負どころは、当該公判の証拠調べ手続から弁論終結(結審)までの間。鑑定人尋問や再鑑定の請求は、原則として結審前に申し出る必要があり、結審後の新たな鑑定申請は採用されにくい(最新の運用は事件係属裁判所にご確認ください)
学説
通説:171条の準用により、鑑定人には証人と同様に宣誓・出頭・尋問・過料の規定が及ぶが、勾引のみは代替可能性を理由に除外される。鑑定書の証明力は自由心証主義のもとで裁判所が評価し、結論に拘束されないと解される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 制定:現行刑事訴訟法(法律第131号)制定。証人尋問に関する規定を鑑定に準用しつつ、勾引のみを準用対象から除外する構造を明文化
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