受講中の講座ブックマーク無料で登録

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年9月5日読了 7 分7 分7 分

刑事訴訟法 第295条

クイックジャンプ
  1. 裁判長は、訴訟関係人のする尋問又は陳述が既にした尋問若しくは陳述と重複するとき、又は事件に関係のない事項にわたるときその他相当でないときは、訴訟関係人の本質的な権利を害しない限り、これを制限することができる。訴訟関係人の被告人に対する供述を求める行為についても同様である。
  2. 2.裁判長は、証人、鑑定人、通訳人又は翻訳人を尋問する場合において、証人、鑑定人、通訳人若しくは翻訳人若しくはこれらの親族の身体若しくは財産に害を加え又はこれらの者を畏怖させ若しくは困惑させる行為がなされるおそれがあり、これらの者の住居、勤務先その他その通常所在する場所が特定される事項が明らかにされたならば証人、鑑定人、通訳人又は翻訳人が十分な供述をすることができないと認めるときは、当該事項についての尋問を制限することができる。ただし、検察官のする尋問を制限することにより犯罪の証明に重大な支障を生ずるおそれがあるとき、又は被告人若しくは弁護人のする尋問を制限することにより被告人の防御に実質的な不利益を生ずるおそれがあるときは、この限りでない。
  3. 3.裁判長は、第二百九十条の二第一項又は第三項の決定があつた場合において、訴訟関係人のする尋問又は陳述が被害者特定事項にわたるときは、これを制限することにより、犯罪の証明に重大な支障を生ずるおそれがある場合又は被告人の防御に実質的な不利益を生ずるおそれがある場合を除き、当該尋問又は陳述を制限することができる。訴訟関係人の被告人に対する供述を求める行為についても、同様とする。
  4. 4.第二百九十条の三第一項の決定があつた場合における訴訟関係人のする尋問若しくは陳述又は訴訟関係人の被告人に対する供述を求める行為についても、前項と同様とする。この場合において、同項中「被害者特定事項」とあるのは、「証人等特定事項」とする。
  5. 5.裁判所は、前各項の規定による命令を受けた検察官又は弁護士である弁護人がこれに従わなかつた場合には、検察官については当該検察官を指揮監督する権限を有する者に、弁護士である弁護人については当該弁護士の所属する弁護士会又は日本弁護士連合会に通知し、適当な処置をとるべきことを請求することができる。
  6. 6.前項の規定による請求を受けた者は、そのとつた処置を裁判所に通知しなければならない。

この条文の基本情報

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 刑事訴訟法第295条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
  2. 刑事訴訟法第295条の条文原文は「裁判長は、訴訟関係人のする尋問又は陳述が既にした尋問若しくは陳述と重複するとき、又は事件に関係のない事項にわたるときその他相当でないときは、訴訟関係人の本質的な…」で始まります。
  3. 刑事訴訟法第295条は第一節 公判準備及び公判手続に置かれています。
  4. 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
  5. 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
  6. 刑事訴訟法第295条の前の条は刑事訴訟法第294条です。
  7. 刑事訴訟法第295条の次の条は刑事訴訟法第296条です。
  8. 刑事訴訟法第295条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第295条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131
  • 本サイト収録刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第295条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/295
裁判例 5件に引用されています

関連度の高い3件を表示しています

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点刑事訴訟法295条は、裁判長が重複・無関係・不相当な尋問を制限できる権限を定める。ただし訴訟関係人の本質的な権利は害せず、2項以下は証人保護のための尋問制限も規定する。

Q · 法廷で裁判長に質問を止められたら、もう争えないの?

原則は制限できるが、本質的な権利は害せない

刑事訴訟法295条により、裁判長は重複・無関係・その他相当でない尋問を制限できます。ただし制限は「訴訟関係人の本質的な権利を害しない限り」という上限の中でのみ許され、被告人の防御に実質的な不利益を生じる制限は違法です。違法な制限には処分の直後に異議(刑訴309条2項)を述べて調書に残せます。一方2項以下は、証人の住所・勤務先など身元が割れる尋問を制限し、報復の恐怖から証人を守る規定でもあります。

解説

法廷で弁護人が証人に鋭い質問を畳みかけている最中、裁判長が「その質問は制限します」と一言投げる。ドラマでは弁護士が自由に丁々発止でやり合うように見えるが、実際の刑事法廷で質問の流れを握っているのは裁判長だ。刑事訴訟法295条は、その裁判長が「重複する質問」「事件に関係ない質問」「その他相当でない質問」を打ち切れる権限を定める。ただし条文には太い歯止めがある。「訴訟関係人の本質的な権利を害しない限り」だ。あなたが被告人なら、弁護人の防御に不可欠な質問まで封じられれば、それは違法な訴訟指揮であり、控訴・上告の火種になる。さらにこの条文には別の顔がある。2項以下は、証人や被害者が加害者側に住所や勤務先を知られて畏怖し、十分に証言できなくなる事態を防ぐため、身元が割れる質問を制限する盾になっている。質問を切る刃と、証人を守る盾、その両方が一本の条文に同居している。

法的な位置づけ

刑事訴訟法295条は尋問の制限を定める規定であり、裁判長が重複・無関係・その他相当でない尋問を、訴訟関係人の本質的な権利を害しない限り制限できる旨を規定する。2項以下は証人・鑑定人・通訳人・翻訳人およびその親族を加害・畏怖から守るため、身元が特定される事項の尋問を制限する保護規定を定める。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.制限が「本質的な権利」を害するか即時判断 弁護人として尋問を制限されたら、その制限が単なる重複整理なのか、防御の核心を潰すものかをその場で見極める。重複・無関係の整理なら受け入れ、防御に実質的不利益が生じるなら次のステップへ
  2. 2.処分の直後に異議を述べ調書に残す 違法な制限と判断したら、その処分の直後に即座に異議を申し立てる(刑訴309条2項、刑訴規則205条)。沈黙すると「制限を受け入れた」と扱われ、上訴で争えなくなる
  3. 3.証人側は尋問開始前に身元秘匿を申し出る 証人・被害者として身元を守りたい場合、尋問が始まる前に担当検察官へ住所・勤務先等の秘匿を申し出る。法廷で一度口にされた情報は取り消せないため、事前申出が鉄則
  4. 4.秘匿決定・遮へい等の保護措置を併用 被害者特定事項の秘匿決定(刑訴290条の2)や証人等特定事項の秘匿決定(同290条の3)を得れば、295条3項4項で尋問制限の根拠が強固になる。付添い・遮へい・ビデオリンク方式(刑訴157条の4以下)も併せて検討
  5. 5.控訴趣意書で制限の不当性を特定して主張 違法な尋問制限があった場合、控訴趣意書でどの質問が封じられ防御がどう害されたかを具体的に特定して主張する。抽象的に「不当」と書くだけでは足りない

よくある質問 AI による整理

Q1刑事訴訟法295条とは何ですか?

裁判長が重複・無関係・その他相当でない尋問を制限できる権限と、証人の身元保護のための尋問制限を定める規定です。本質的な権利を害さない範囲が上限です。

Q2裁判長の尋問制限はどこまで許されますか?

訴訟関係人の本質的な権利を害しない限りで許されます。被告人の防御に実質的な不利益を生じる制限や、犯罪の証明に重大な支障を生じる制限はできません。

Q3尋問の制限に異議は出せますか?

出せます。訴訟指揮に関する処分への異議として、刑訴309条2項により処分の直後に申し立てます。沈黙すると上訴での争点化が困難になります。

Q4証人の住所を法廷で明かさないようにできますか?

できる余地があります。加害や畏怖のおそれがあり住所等が明らかになると十分な供述ができないと認められれば、裁判長が295条2項で質問を制限します。

Q5尋問制限の対象になる証人は誰ですか?

証人だけでなく鑑定人・通訳人・翻訳人、さらにこれらの者の親族まで保護対象に含まれます。専門家として出廷する立場でも保護され得ます。

Q6弁護人が制限命令に従わないとどうなりますか?

裁判所は所属弁護士会または日本弁護士連合会に通知し、適当な処置を請求できます(5項)。検察官の場合は指揮監督権者に通知されます。

Q7被害者特定事項への尋問は制限されますか?

刑訴290条の2の秘匿決定があれば、295条3項により被害者特定事項にわたる尋問を制限できます。証拠への重大な支障がある場合は例外です。

Q8尋問制限が違法だと判決は覆りますか?

尋問制限が被告人の防御権を実質的に侵害したと認められれば、訴訟手続の法令違反として控訴・上告の理由になり、判決が破棄され得ます。

この条文についての質問 AI による整理

Q1裁判長に質問を止められたら、もう何も言えないんですか?

言えます。その制限が訴訟関係人の本質的な権利を害する、あるいは被告人の防御に実質的な不利益を生じるものなら、刑訴295条1項・2項ただし書の限界を超えた違法な制限です。処分の直後に異議(刑訴309条2項)を述べて調書に残せます。実務のポイント:弁護人がその場で異議を述べたかどうかが、控訴審の勝負を分ける。沈黙してしまうと「制限を受け入れた」と扱われ、後から「あの質問を封じられた」と主張しても取り合ってもらえない。だから経験ある刑事弁護人は、不当な制限には反射的に異議を入れて記録を作る

Q2証人として呼ばれましたが、相手に住所を知られるのが怖いです。隠せますか?

隠せる余地があります。あなたや親族の身体・財産に害が加えられる、または畏怖・困惑させられるおそれがあり、住所や勤務先が明らかになると十分な証言ができないと認められれば、裁判長は刑訴295条2項によりその質問を制限できます。証人等特定事項の秘匿決定(同290条の3)があればさらに強固です。実務のポイント:この保護は質問が始まる前に検察官へ申し出ておくことが肝心。法廷で一度口にされた住所は取り消せない。事前に伝えておけば、検察官が裁判所に秘匿措置や付添い・遮へい(刑訴157条の4以下)を求め、あなたを表に出さずに証言させる段取りを組める

間違えやすい点 AI による整理

  • 「裁判長が質問を止めるのは法廷を仕切っているだけで、争いようがない」と思われがちだが、295条1項の制限権には「本質的な権利を害しない限り」という明確な上限がある。被告人の防御に不可欠な質問まで封じる制限は違法であり、それ自体が上訴で判決を覆す理由になりうる。裁判長の一言は、絶対ではない
  • 証人保護の制限(2項以下)は被害者だけのものと誤解されやすいが、保護の対象は証人・鑑定人・通訳人・翻訳人とその親族にまで及ぶ。専門家として法廷に呼ばれる立場でも、報復を恐れる正当な理由があれば、住所や勤務先を明かさずに済む制度が用意されている。自分には関係ないと思っていた人ほど、当事者になりうる
  • 「証人を守るなら質問は全部止められる」と考えるのは前提が誤っている。条文は、検察官の質問制限で犯罪の証明に重大な支障が生じる場合、または被告人側の質問制限で防御に実質的な不利益が生じる場合には、制限してはならないと明記する。証人保護と真実発見は、どちらか一方が常に勝つわけではない
比較の観点この条文ほかの条文
条文の役割295条:裁判長による尋問の制限(重複・無関係・証人保護)304条:証人尋問の方式と裁判長の訴訟指揮
309条:訴訟指揮に関する処分への異議申立
誰の権限・権利か裁判長の制限権限(上限は本質的権利の不可侵)裁判長の尋問順序・方式の指揮権限
訴訟関係人の異議申立権
限界・歯止め本質的な権利の侵害不可、防御に実質的不利益を生じる制限の禁止当事者の尋問権を不当に奪わない範囲
処分の直後に申し立てる時間的制約

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
中華民國刑事訴訟法第167条・第167条之1

台湾も当事者の尋問に対し審判長が制限・異議処理を行う構造。詰問の方式と異議の手続を明文化する点で日本295条・309条に近い

韓国
대한민국 형사소송법 제299조

韓国は不必要・重複する尋問や弁論を裁判長が制限できると定める。証人保護は別途特定犯罪関連の保護法で補完される

ドイツ
StPO § 241

ドイツは裁判長が不適切・不相当な質問を却下できると定める。当事者主義より職権主義が強く、裁判所主導の尋問統制が前提

アメリカ
Federal Rules of Evidence Rule 611

米国は裁判所が尋問の方式・順序を合理的に統制し、証人への嫌がらせや不当な質問から保護する。当事者主義のもと反対尋問権を重視

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • もし、あなたが被告人として法廷に立ち、弁護人がアリバイを立証する核心の質問をしようとした瞬間、裁判長が「重複する」と制限したらどうなる。それが本当に重複なら正当だが、防御に実質的な不利益が生じるなら295条1項の限界を超えた違法な制限であり、その場で異議を述べて調書に残させなければ、後で取り返せない
  • 性犯罪の被害者として証言台に立つあなたが、被告人側から自宅住所や勤務先を聞き出されそうになる。295条2項と3項は、加害者に居場所を知られて畏怖する事態を防ぐため、裁判長がその質問を制限できると定める。あなたの恐怖は、感情ではなく制度上の保護に裏打ちされている
  • 弁護人が裁判長の制限命令に従わず質問を続けた。裁判所は所属弁護士会や日本弁護士連合会に通知し、適切な処置を請求できる(5項)。たかが法廷での一言の応酬が、弁護士の懲戒手続にまで連動する

取るべき行動

被害を受けた側:1. 証人・被害者として出廷し、加害者に身元を知られたくない場合、尋問が始まる前に担当検察官に住所・勤務先等の秘匿を申し出る。事前申出が鉄則2. 被害者特定事項の秘匿決定(刑訴290条の2)や証人等特定事項の秘匿決定(同290条の3)が出ていれば、295条3項4項により裁判長がその事項への質問を制限する根拠になる3. 付添い・遮へい・ビデオリンク方式(刑訴157条の4以下)の利用も併せて検討4. 法廷で身元に関わる質問が出たら、検察官に異議を促す

訴えられた側:1. 弁護人の質問が制限されたら、その制限が防御に実質的な不利益を生じるか即座に判断、生じるなら処分の直後に異議を申し立てて調書に残させる(沈黙は厳禁) 2. 295条1項の「本質的な権利を害しない限り」「2項ただし書の防御に実質的な不利益」を根拠に、制限が違法であることを記録化3. 制限の不当性は控訴趣意書で具体的に主張、どの質問が封じられ防御がどう害されたかを特定4. 弁護人選任の段階で、訴訟指揮への異議に慣れた刑事弁護経験者を選ぶ

時効(請求できる期限):裁判長の尋問制限は訴訟指揮に関する処分であり、これに対する異議は、その処分の直後に即時に申し立てなければならない(刑事訴訟法309条2項、刑事訴訟規則205条)。タイミングを逃すと異議権を失い、上訴での争点化が著しく困難になる

改正沿革 AI による整理

  • 平成19年(2007年)犯罪被害者保護関連改正(要検証) 証人等への加害・畏怖を防ぐための尋問制限(2項)および被害者特定事項に関する制限(3項)が整備されたとされるが、各項の新設年・新設か改正かの区別は人的検証が必要
  • 平成28年(2016年)刑事訴訟法改正(要検証) 証人等特定事項の秘匿(290条の3)に対応する4項の整備等が行われたとされるが、条文番号と改正内容の正確な対応は人的検証が必要

ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。

刑事訴訟法の全文を見る所属する編章節を開く:第一節 公判準備及び公判手続

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

次に調べる

判例を探す:条文単位の判例の紐づけは準備中です。上のカードから法令名で検索できます。裁判所「裁判例検索」で探す ›