刑事訴訟法 第394条
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第一審において証拠とすることができた証拠は、控訴審においても、これを証拠とすることができる。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第394条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第394条の条文原文は「第一審において証拠とすることができた証拠は、控訴審においても、これを証拠とすることができる。」で始まります。
- 刑事訴訟法第394条は第二章に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第394条の前の条は刑事訴訟法第393条です。
- 刑事訴訟法第394条の次の条は刑事訴訟法第395条です。
- 刑事訴訟法第394条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第394条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第394条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/394
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法394条は、第一審で証拠とできた証拠は控訴審でもそのまま証拠にできると定める。刑事控訴審は事後審であり、新証拠の取調べは393条の例外に限られる。
Q · 控訴したら、控訴審でまた一から証拠を調べ直せるの?
原則できない。一審の証拠がそのまま引き継がれる
刑事訴訟法394条により、第一審で証拠とすることができた証拠は、控訴審でも改めて取り調べることなくそのまま証拠になります。日本の刑事控訴審は一審をやり直す覆審ではなく、一審判決の当否を一審の記録で審査する事後審だからです。控訴審で新しい証人や証拠を出すには、事実の取調べ(393条)の要件を満たす必要があり、一審で取調べを請求できなかったやむを得ない事由などが求められます。勝負の大半は一審で決まり、控訴審は逆転劇の舞台ではなく一審記録を採点し直す場です。
解説
刑事裁判の一審で有罪判決が出た。控訴すれば法廷でまた一から証人を呼び直し、証拠を出し直せる。テレビドラマの印象でそう思い込んでいる人は多い。だが刑事訴訟法394条が、その期待を静かに打ち砕く。「第一審において証拠とすることができた証拠は、控訴審においても、これを証拠とすることができる」。つまり、一審で取り調べた証拠は、控訴審で改めて調べ直さなくても、そのまま判断材料になる。日本の刑事控訴審は一審をゼロからやり直す覆審ではなく、一審判決の当否を一審の記録に基づいて審査する事後審だからだ。あなたが控訴審で新しい証拠を出したくても、393条の事実の取調べという狭い門をくぐらなければならない。勝負の大半は一審で決まっている。控訴審はその結果を覆す逆転劇の舞台ではなく、一審の記録を採点し直す場なのである。
法的な位置づけ
刑事訴訟法394条は、第一審で証拠能力が認められた証拠を控訴審でもそのまま証拠として用いることができる旨を定める規定である。日本の刑事控訴審を、一審を白紙からやり直す覆審ではなく、一審判決の当否を一審の訴訟記録に基づいて審査する事後審として位置づける根拠となり、控訴審における新証拠の取調べを限定する前提を構成する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.一審判決と訴訟記録を精査する 新証拠探しに走る前に、一審の判決理由と採用された証拠の矛盾点を読み込む。394条で証拠は引き継がれるため、控訴の主戦場は『一審記録のどこに判決を覆す矛盾があるか』である
- 2.14日以内に控訴を申し立てる 判決宣告日の翌日から14日以内に控訴を申し立てる(刑訴373条、初日不算入)。期間を1日でも過ぎると控訴は棄却され、一審判決が確定する
- 3.控訴趣意書で一審記録の誤りを指摘する 裁判所が指定する期限までに控訴趣意書を提出する(刑訴376条)。『新証拠を出す』より『一審のこの認定はこの証拠と矛盾する』と、事実誤認(382条)や訴訟手続の法令違反(379条)の角度で書く方が事後審の裁判官に刺さる
- 4.新証拠は事実の取調べを請求する どうしても新証拠を出すなら、一審で取調べを請求できなかったやむを得ない事由を示し、事実の取調べ(393条)を請求する。単なる出し忘れでは認められにくい
よくある質問 AI による整理
Q1刑事の控訴審とは何ですか?
一審判決が正しかったかを一審の記録に基づいて審査する『事後審』です。リングで再戦する場ではなく、一審という試合のビデオ判定室にあたります(刑訴394条)。
Q2控訴審で新しい証拠は出せますか?
原則として難しいです。新証拠を取り調べてもらうには事実の取調べ(393条)の要件が必要で、一審で取調べを請求できなかったやむを得ない事由などが問われます。
Q3刑事控訴の期限はいつまでですか?
判決宣告日の翌日から14日以内です(刑訴373条、初日不算入)。さらに控訴趣意書の提出期限を控訴裁判所が指定します。1日でも過ぎると控訴は棄却されます。
Q4刑事控訴で逆転できる割合はどのくらいですか?
実務では原判決が破棄される割合は限られ、弁護士の間では『勝負は一審』が鉄則とされます。事後審のため、新証拠より一審記録の矛盾を突くのが現実的です。
Q5裁判員裁判の判決も控訴できますか?
できます。ただし控訴審は職業裁判官だけの事後審となり、市民6名が参加して認定した事実を、394条で引き継いだ記録をもとに机上で審査します。
Q6一審で証拠採用に異議を出さなかったらどうなりますか?
不利な自白調書などが採用されていれば、394条により控訴審にもそのまま引き継がれます。一審で任意性や信用性を争わなかったツケが残ります。
Q7刑事の控訴審は書面審理だけですか?
一審の証拠は記録として引き継がれますが、控訴審でも公判期日は開かれます。新証拠の取調べは事実の取調べ(393条)の範囲に限られる点が一審と大きく異なります。
Q8控訴審から弁護人を替えられますか?
替えられます。一審の弁護に不満がある場合、控訴審から弁護人を交替することは現実的な選択肢であり、一審記録の弱点を整理し直す機会になります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1控訴したら、また法廷で証人を呼んで一から裁判をやり直せるんですよね?
原則できません。日本の刑事控訴審は『事後審』で、一審判決が正しかったかを一審の記録に基づいて審査します(刑事訴訟法394条)。新たに証人を呼ぶには事実の取調べ(393条)が必要で、一審で取調べを請求できなかったやむを得ない事由などが求められます。実務のポイント:弁護士の世界では『勝負は一審』が鉄則です。控訴審で原判決が破棄される割合は全体の数%にとどまる。一審で全力を出し切らず『ダメなら控訴で挽回』と考えるのが、最も多い負けパターンです
Q2一審の弁護士が有利な証拠を出し忘れた気がします。控訴審で出し直せますか?
簡単ではありません。394条で一審の証拠は引き継がれますが、一審で出さなかった証拠を控訴審で新たに取り調べてもらうには事実の取調べ(393条)の要件を満たす必要があり、『なぜ一審で出せなかったのか』が問われます。単なる出し忘れでは認められにくい。実務のポイント:一審の弁護に明らかな不備があった場合、それ自体を訴訟手続の法令違反や事実誤認の論拠として控訴趣意書に組み込む手があります。新証拠を出す入口ではなく、一審判決の誤りを示す入口から攻めるのが実務の定石です
間違えやすい点 AI による整理
- 「控訴審で一からやり直せる」という前提そのものが誤っている。あなたが立てるべき問いは『どうやって新証拠を出すか』ではなく『一審記録のどこに判決を覆す矛盾があるか』だ。日本の刑事控訴審は覆審(やり直し)ではなく事後審(一審判決の審査)。問いの立て方を間違えると、控訴戦略の全体がずれる
- 控訴審で一審の証拠が引き継がれること自体は知っていても、その深刻さに気付いていない人が多い。一審で不利な自白調書や供述調書が証拠採用されていれば、それは394条で控訴審にもそのまま生き続ける。一審の証拠採用の段階で任意性や信用性を争わなかったツケが、控訴審で取り返しのつかない形で残る
- 「新しい証拠さえ出せば逆転できる」と思いがちだが、控訴審で新証拠が取り調べられるのは事実の取調べ(393条)の限られた場合だけだ。やむを得ない事由で一審において取調べを請求できなかった証拠など、要件は決して緩くない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 394条:一審で証拠とできた証拠を控訴審でもそのまま使える(事後審の証拠面の帰結) | 393条:控訴審における事実の取調べ(新証拠の例外的取調べ) 397条:原判決の破棄(控訴審の救済機能) |
| 新証拠の扱い | 一審の証拠を引き継ぎ、原則として再調べ不要 | やむを得ない事由などがあれば例外的に新証拠を取り調べる 事実誤認等が認められれば原判決を破棄する |
| 控訴理由としての位置づけ | 理由ではなく、控訴審の審理構造(事後審)を支える前提 | 382条:事実誤認を理由とする控訴の根拠 379条:訴訟手続の法令違反を理由とする控訴 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾の刑事第二審は第一審の審判規定を準用し、運用上は覆審的色彩が強い点で、事後審を徹底する日本とは構造が異なる。
韓国の航訴審は続審的要素を含み、日本の事後審より新証拠の取調べに開かれているとされる。
ドイツは新証拠を伴う Berufung(事実審)と記録に基づく Revision(法律審)を分け、日本の事後審は Revision に近い記録審査の性格を持つ。
米国の刑事控訴は一審記録に基づく審査が原則で新証拠は提出できず、日本の事後審と発想が近い。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 一審で有罪判決を受けた。控訴して無罪を勝ち取るつもりで、新しい証人を10人リストアップした。だが弁護人は首を振る。控訴審では一審で調べた証拠が394条によってそのまま使われ、新証人の尋問は393条のハードルを越えなければ認められない。一審で出し惜しんだカードが、控訴審で復活する保証はどこにもない
- もし一審の弁護がずさんで、有利な証拠を出し忘れていたら、控訴審で挽回できるのか。答えは原則として厳しい。394条で一審の証拠はそのまま引き継がれるが、出さなかった証拠を新たに取り調べるかは事実の取調べ(393条)の裁量次第。一審でやり残したことは、控訴審で取り戻せないことが多い
- 控訴の申立期限は判決宣告から14日(刑事訴訟法373条)。さらに控訴趣意書の提出期限も裁判所が指定する。その短い期間に、一審の記録のどこを争点にするかを決め切らねばならない。一審の証拠が全部引き継がれる以上、新証拠より一審記録の弱点を突く戦略が現実的だ
取るべき行動
被害を受けた側:1. 被害者・遺族として一審の無罪や軽い量刑に納得できない場合、控訴できるのは検察官であって被害者本人ではない(刑事訴訟法351条)。まず担当検察官に控訴を求める上申を検討する2. 控訴審は事後審で、394条により一審の証拠がそのまま引き継がれる。新たな証拠で逆転を狙うのは構造的に難しいと理解しておく3. 被害者参加制度(刑事訴訟法316条の33以下)を使い、控訴審でも意見陳述の機会を確保する4. 量刑不当(刑事訴訟法381条)を理由とする検察官控訴の見込みを、検察官・弁護士と早期に相談する
訴えられた側:1. 控訴するなら判決宣告から14日以内に控訴を申し立て(刑事訴訟法373条)、その後の控訴趣意書で具体的な争点を組む2. 394条で一審の証拠はそのまま引き継がれるため、新証拠頼みの戦略は危険。一審記録の中の矛盾、事実誤認(382条)、訴訟手続の法令違反(379条)を洗い出すのが先決3. どうしても新証拠を出すなら、一審で取調べを請求できなかったやむを得ない事由を示し、事実の取調べ(393条)を請求する4. 一審の弁護に不満があるなら、控訴審から弁護人を替えることも現実的な選択肢だ
時効(請求できる期限):控訴の申立ては判決宣告日の翌日から14日以内(刑事訴訟法373条、初日不算入)。控訴趣意書の提出は控訴裁判所が指定する最終日まで(刑事訴訟法376条)。この期間を1日でも過ぎると控訴は棄却され、一審判決が確定する
学説
通説:日本の刑事控訴審は事後審であり、394条により一審で証拠とできた証拠は控訴審でもそのまま証拠となる。新証拠の取調べは事実の取調べ(393条)の限られた場合に限定され、一審集中主義を支える解釈が確立している。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:現行刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)の制定により、控訴審を事後審とする構造が採られ、一審で証拠とできた証拠を控訴審でも証拠とできる旨が定められた。
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