刑事訴訟法 第402条の2
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- 控訴裁判所は、拘禁刑以上の刑に当たる罪で起訴されている被告人であつて、保釈又は勾留の執行停止をされているものが判決を宣告する公判期日に出頭しないときは、次に掲げる判決以外の判決を宣告することができない。ただし、第三百九十条の二ただし書に規定する場合であつて、刑の執行のためその者を収容するのに困難を生ずるおそれがないと認めるときは、この限りでない。
- 一無罪、免訴、刑の免除、公訴棄却又は管轄違いの言渡しをした原判決に対する控訴を棄却する判決
- 二事件を原裁判所に差し戻し、又は管轄裁判所に移送する判決
- 三無罪、免訴、刑の免除又は公訴棄却の言渡しをする判決
- 2.拘禁刑以上の刑に当たる罪で起訴されている被告人であつて、保釈又は勾留の執行停止を取り消されたものが勾留されていないときも、前項本文と同様とする。ただし、被告人が逃亡していることにより勾留することが困難であると見込まれる場合において、次に掲げる判決について、速やかに宣告する必要があると認めるときは、この限りでない。
- 一公職選挙法(昭和二十五年法律第百号)第二百五十三条の二第一項に規定する刑事事件について、有罪の言渡し(刑の免除の言渡しを除く。以下この号において同じ。)をする判決又は有罪の言渡しをした原判決に対する控訴を棄却する判決
- 二組織的犯罪処罰法第十三条第三項の規定による犯罪被害財産の没収若しくは組織的犯罪処罰法第十六条第二項の規定による犯罪被害財産の価額の追徴の言渡しをする判決又はこれらの言渡しをした原判決に対する控訴を棄却する判決
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第402条の2は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第402条の2の条文原文は「控訴裁判所は、拘禁刑以上の刑に当たる罪で起訴されている被告人であつて、保釈又は勾留の執行停止をされているものが判決を宣告する公判期日に出頭しないときは、次に掲げ…」で始まります。
- 刑事訴訟法第402条の2は第二章に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第402条の2の前の条は刑事訴訟法第402条です。
- 刑事訴訟法第402条の2の次の条は刑事訴訟法第403条です。
- 刑事訴訟法第402条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第402条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第402条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/402_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法402条の2は、保釈中の被告人が控訴審の判決宣告期日に出頭しないとき、裁判所は有罪判決を宣告できないと定める。ただし選挙違反や組織的犯罪の没収には例外がある。
Q · 保釈中に控訴審の判決の日へ行かなかったら、有罪はどうなるの?
有罪は宣告されないが、保釈は取り消され収容される
刑事訴訟法402条の2により、拘禁刑以上の罪で起訴され保釈または勾留執行停止中の被告人が控訴審の判決宣告期日に出頭しないとき、裁判所は有罪判決を宣告できません。言い渡せるのは無罪・免訴・刑の免除・公訴棄却・差戻し・移送など身柄拘束を伴わない判決だけです。ただし収容に困難がないと認められる場合、また公職選挙法違反や組織的犯罪の被害財産没収については、逃亡中でも速やかに判決を宣告できる例外があります。出頭しないことは刑を消すわけではなく、保釈取消・勾留・保証金没取を招きます。
解説
保釈中の被告人が控訴審の判決の日に法廷へ現れない。普通なら裁判所は欠席のまま判決を言い渡せそうに思える。だが刑事訴訟法402条の2は、拘禁刑以上の罪で起訴された被告人が判決宣告期日に出頭しないとき、裁判所は有罪判決を言い渡せないと定める。言い渡せるのは無罪、免訴、刑の免除、公訴棄却、差戻し、移送など、身柄拘束を伴わないものだけだ。理由は逆説的に見える。有罪判決を出した瞬間にその人を収容しなければならないのに、本人が逃げて法廷にいなければ収容できない。そこで「出てこないなら有罪は出さない」という構造で、判決と身柄確保をひとつの回路に縛った。2023年、ある著名経営者の国外逃亡を引き金にした逃亡防止改正で新設された条文であり、保釈という制度の信頼を立て直すための部品になっている。
法的な位置づけ
刑事訴訟法402条の2は、控訴審における被告人不出頭時の判決宣告を制限する規定である。拘禁刑以上の罪で起訴され保釈または勾留執行停止中の被告人が判決宣告期日に出頭しない場合、裁判所は無罪・免訴・刑の免除・公訴棄却・差戻し・移送など身柄拘束を伴わない判決に限り宣告でき、有罪判決の宣告と収容を一体で確保するための手続的制約として機能する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.対象事件かを確認 起訴罪名が拘禁刑以上の刑に当たり、被告人が保釈または勾留執行停止中で控訴審係属中かを確認する。これらを満たすと402条の2の適用場面に入る
- 2.判決宣告期日の出頭義務を説明 弁護人は依頼者に対し、判決宣告期日への出頭が法的義務であり、欠席しても有罪は宣告されないが保釈取消・勾留状発付・保証金没取がほぼ確実であると正確に伝える
- 3.出頭困難の事情は事前届出 病気・入院など正当な出頭困難の事情があれば、期日前に弁護人を通じて診断書を添え裁判所へ届け出る。無断欠席と区別し、保釈取消のリスクを下げる
- 4.逃亡リスクへの実務対応を準備 被害者・検察側の立場では、収容準備や保釈取消申立ての状況を確認する。組織的犯罪の被害財産没収が絡む場合、2項ただし書による速やかな没収判決の可能性を弁護士に相談する
よくある質問 AI による整理
Q1刑事訴訟法402条の2とは何ですか?
控訴審で被告人が判決宣告期日に出頭しないとき、有罪判決の宣告を制限する規定です。2023年の逃亡防止改正で新設されました。身柄拘束を伴わない判決のみ宣告できます。
Q2控訴審の判決宣告期日に出頭しないとどうなりますか?
有罪判決は宣告されませんが、保釈や勾留執行停止は取り消され、勾留状が発付されます。最終的に収容されるため、逃亡しても刑を免れることはできません。
Q3刑事訴訟法402条の2はいつ新設されましたか?
令和5年(2023年)法律第28号の逃亡防止改正で新設されました。著名経営者の国外逃亡事件を契機に、保釈制度の信頼回復を目的としています。
Q4402条の2が適用されるのはどんな罪ですか?
拘禁刑以上の刑に当たる罪で起訴されている被告人が対象です。罰金刑のみの軽微な罪は対象外で、有罪後に収容を要する重い事件に限られます。
Q5勾留執行停止中でも402条の2は適用されますか?
適用されます。保釈中だけでなく勾留の執行停止中の被告人も対象です。さらに保釈・執行停止を取り消されたのに勾留されていない状態も2項で同様に扱われます。
Q6402条の2の例外にはどんなものがありますか?
収容に困難がない場合のほか、公職選挙法253条の2関連事件、組織的犯罪処罰法による被害財産の没収・追徴については、逃亡中でも速やかに有罪等を宣告できます。
Q7第一審にも同じルールはありますか?
あります。第一審は刑事訴訟法390条の2が同様に被告人不出頭時の判決宣告を制限しており、402条の2はその控訴審版に当たります。
Q8402条の2で無罪なら欠席でも言い渡せますか?
言い渡せます。制限されるのは有罪判決などで、無罪・免訴・刑の免除・公訴棄却・差戻し・移送は身柄拘束を伴わないため不出頭でも宣告できます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1保釈中に判決の日へ行かなければ、有罪を逃れられるんですか?
逃れられません。402条の2で控訴審は被告人不出頭のまま有罪判決を言い渡せませんが、これは刑の消滅ではなく宣告の先送りにすぎません。出頭しなければ保釈は取り消され勾留状が出て、最終的に収容されます。実務のポイント:2023年の逃亡防止改正は、有罪を出せない代わりに身柄確保の手段を強化した。「判決が出ないから安全」と考える被告人ほど、勾留と保釈保証金没取で結局重い代償を払う
Q2選挙違反の事件だと、逃げても判決が出ると聞きましたが本当ですか?
本当です。2項ただし書1号により、公職選挙法253条の2第1項の刑事事件では、被告人が逃亡で勾留困難でも有罪判決を速やかに宣告できます。連座制や当選無効の時間的要請があるためです。実務のポイント:組織的犯罪の被害財産没収(組織的犯罪処罰法13条3項)も同じ例外枠。立法者は『逃げ得を許さない優先順位』を例外規定の中に隠している。どの罪が例外かを知る者だけが、逃亡戦略の無意味さを見抜ける
間違えやすい点 AI による整理
- 「被告人が逃げれば判決は出せず時間を稼げる」と思われがちだが、結果は逆だ。出頭しなければ有罪は出ないが、保釈は取り消され勾留され、最終的に収容される。逃亡は判決を遅らせるだけで、刑そのものを消すわけではない
- 「欠席のまま有罪にされてしまうのでは」という問いそのものが、この条文の下では成り立たない。402条の2は控訴審で被告人不出頭のまま有罪を宣告すること自体を禁じている。恐れるべきは欠席有罪ではなく、出頭しないことで保釈の信用を失い、以後の身柄拘束が一気に厳しくなることだ
- この条文が「逃亡防止」のためだとは知っていても、その射程が公職選挙法違反や組織的犯罪の被害財産没収にまで例外を張り巡らせていることまでは知られていない。例外の置き方こそが、立法者が何を最優先で守ろうとしたかを露わにする
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 適用される審級 | 402条の2:控訴審(第二審)の判決宣告期日 | 390条の2:第一審の判決宣告期日 96条:保釈・執行停止の取消し全般 |
| 効果 | 有罪等の判決宣告を禁止、身柄拘束を伴わない判決のみ可 | 第一審で同様に有罪判決の宣告を制限 保釈を取り消し勾留・保証金没取を可能にする |
| 例外 | 収容に困難なし、選挙違反、組織的犯罪の被害財産没収 | 390条の2ただし書の対応規定 取消事由(逃亡・召喚不応・罪証隠滅等)に該当する場合 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は二審で被告が正当な理由なく不到庭の場合、その陳述を待たず逕行判決できる構造で、日本の不出頭時宣告制限とは方向が逆になる点が対照的。
中国は汚職・国外逃亡事案などに限り欠席裁判手続を認める。逃亡被告に判決を出す方向で、日本の宣告制限とは設計思想が異なる。
ドイツは控訴審(Berufung)で被告人が正当理由なく不出頭の場合、控訴棄却等の処理を認める。出頭確保の手段として機能する点で問題意識は共通。
米国は被告人の出頭権・出頭義務を定め、一定の場合に欠席のまま手続を続行できる。重罪の有罪認定における在廷要請は日本の発想と近い。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたが業務上横領で一審有罪、保釈されて控訴中だとする。控訴審の判決の日、行けば収監されるかもしれないと怖くて出頭を迷う。だが402条の2を知っていれば、欠席しても有罪は宣告されない一方、保釈は取り消され勾留状が出ると分かる。逃げ得にはならない構造だ
- もし保釈中の被告人が判決期日に消えたら、被害者の財産はどうなる? 組織的犯罪で被害財産の没収が絡む事件では、2項ただし書により、被告人が逃亡中でも没収判決を速やかに言い渡せる。被害者の財産回復だけは止めない設計になっている
- 判決期日まであと三日。被告人が国外へ。検察は収容の準備を急ぐ。出頭がなければ有罪は宣告されず、審理は宙づりになる
- 公職選挙法違反で起訴された候補者が控訴審の判決日に出頭しない。連座制や当選無効の時間的要請があるため、2項1号により有罪判決を速やかに宣告できる例外が働く。逃亡しても選挙の決着だけは引き延ばせない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 被告人が保釈中で控訴審の判決期日に出頭しない懸念があれば、検察官や被害者支援を通じて保釈取消の申立てや収容の準備状況を確認する2. 組織的犯罪で被害財産の没収・追徴が絡むなら、2項ただし書により被告人逃亡中でも没収判決を速やかに求められる余地がある旨を弁護士に相談3. 被害弁償・損害賠償は刑事手続とは別に民事(民法709条)で確保しておく
訴えられた側:1. 保釈中なら判決期日への出頭は法的義務であり、欠席すれば保釈取消と勾留状発付がほぼ確実と理解する2. 欠席しても402条の2により有罪判決は宣告されないが、それは刑を免れることを意味せず収容が遅れるだけ3. 病気など出頭困難の事情があれば事前に弁護人を通じて裁判所へ届け出る4. 逃亡は新たな罪や保釈保証金の没取(刑事訴訟法96条)を招くため、弁護人と出頭の段取りを詰める
時効(請求できる期限):本条は時効の条文ではなく、判決宣告期日に被告人が出頭するか否かが分岐点。1項は保釈・勾留執行停止中の不出頭、2項は保釈・執行停止を取り消されたのに勾留されていない状態が起算となる。出頭期日は裁判所の指定によるため、召喚状・通知の期日を厳守すること
学説
立法趣旨(通説的理解):402条の2は、保釈中等の被告人の逃亡を防止し、有罪判決の宣告と収容を一体で確保することを目的とする。被告人不出頭のままの有罪宣告を禁じる一方、迅速性が特に求められる選挙違反・被害財産没収には例外を限定列挙して調停する。
改正沿革 AI による整理
- 令和5年(2023年)法律第28号 刑事訴訟法等の一部を改正する法律により新設。保釈中の被告人の逃亡を防止し公判期日への出頭と刑の執行を確保する目的で、控訴審において被告人不出頭の場合に有罪判決の宣告を制限する規定を導入。公職選挙法違反・組織的犯罪の被害財産没収については例外を設けた
改正の年表
- 1.令和5年(2023年) 新設:刑事訴訟法等の一部を改正する法律(令和5年法律第28号)により新設。保釈中の被告人の逃亡を防止し公判期日への出頭と刑の執行を確保する目的で、控訴審において被告人不出頭の場合に有罪判決の宣告を制限。公職選挙法違反・組織的犯罪の被害財産没収については例外を設けた。
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