刑事訴訟法 第413条
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前条に規定する理由以外の理由によつて原判決を破棄するときは、判決で、事件を原裁判所若しくは第一審裁判所に差し戻し、又はこれらと同等の他の裁判所に移送しなければならない。但し、上告裁判所は、訴訟記録並びに原裁判所及び第一審裁判所において取り調べた証拠によつて、直ちに判決をすることができるものと認めるときは、被告事件について更に判決をすることができる。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第413条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第413条の条文原文は「前条に規定する理由以外の理由によつて原判決を破棄するときは、判決で、事件を原裁判所若しくは第一審裁判所に差し戻し、又はこれらと同等の他の裁判所に移送しなければな…」で始まります。
- 刑事訴訟法第413条は第三章に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第413条の前の条は刑事訴訟法第412条です。
- 刑事訴訟法第413条の次の条は刑事訴訟法第413条の2です。
- 刑事訴訟法第413条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第413条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第413条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/413
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法413条は、上告審が原判決を破棄したとき、原則として事件を下級審へ差し戻すことを定める。ただし証拠で直ちに判決できる場合に限り上告審が自判する。
Q · 最高裁で「破棄」されたら、もう無罪が確定したってことですか?
いいえ。原則は差戻しで、事件は下級審に戻ってやり直しです。
刑事訴訟法413条の原則は破棄「差戻し」です。上告審が原判決を破棄しても、多くは事件が原裁判所や第一審裁判所に差し戻され、そこで再び審理されます。無罪が確定するわけではありません。例外は但書の破棄自判で、上告裁判所が訴訟記録と取り調べ済みの証拠だけで直ちに判決できると認めるときに限り、その場で自ら結論を出します。ニュースの「逆転無罪」はこの稀な自判のケースで、報じられない差戻しのほうがむしろ多数派です。
解説
最高裁まで争って原判決が破棄された。勝ったと思った次の瞬間、判決書にこう書かれている。「本件を○○高等裁判所に差し戻す」。刑事訴訟法413条が定めるのは、上告審が原判決を破棄したあとの行き先だ。原則は差戻しまたは移送、つまり下級審でもう一度審理をやり直すことであって、あなたの無罪が確定したわけではない。例外は但書にある。上告裁判所が訴訟記録とすでに取り調べた証拠だけで直ちに判決できると認めれば、その場で自ら判決を下す(破棄自判)。この一文が、あなたの裁判があと一年続くか、今日終わるかを分ける。弁護人が上告趣意書で「自判してほしい」と書くか「差戻しでよい」と書くかは、被告人にとって身柄拘束の長さと時間を左右する戦略判断である。
法的な位置づけ
刑事訴訟法413条は、上告審が原判決を破棄した後の処理を定める規定である。前条(412条)以外の理由による破棄では、原則として事件を原裁判所または第一審裁判所へ差し戻し、もしくは同等の他の裁判所へ移送する。ただし但書により、訴訟記録および取り調べ済みの証拠で直ちに判決できる場合には、上告裁判所が自ら判決する破棄自判が認められる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.破棄判決の主文が「差戻し」か「自判」かを確認 判決書が届いたら、まず主文を読み、事件を「差し戻す/移送する」のか、上告審が自ら「破棄自判」して結論を出したのかを確認する。差戻しなら裁判は続行、自判なら決着である
- 2.戻り先と審理範囲を弁護人と整理 差戻しの場合、戻り先が原裁判所か第一審裁判所か、上告審がどの法律判断を示して差戻審を拘束しているか(裁判所法4条)を確認し、その枠内で主張を組み直す
- 3.勾留中なら身柄の見通しと保釈を再検討 勾留されている場合、差戻審の判決までに拘束が続く見通しを弁護人と詰め、差戻審での保釈請求の再検討を行う。迅速な裁判を受ける権利(憲法37条1項)も踏まえる
- 4.差戻審での立証・弁護方針を再構築 差戻審は上告審の法律判断に拘束されるため、その判断を前提に証拠調べや主張を再設計する。上告段階であれば、上告趣意書で自判を求めるか差戻しでよいかを身柄と時間を踏まえて戦略決定する
よくある質問 AI による整理
Q1破棄差戻しとは?
上告審などが原判決を破棄し、事件を下級審に戻してもう一度審理させることです。刑事訴訟法413条本文が定める原則的な処理で、無罪確定とは異なります。
Q2破棄差戻しと破棄自判の違いは?
差戻しは下級審に戻して審理をやり直させる処理、自判は上告審がその場で結論を出す処理です。413条は差戻しを原則、但書の自判を例外とします。
Q3破棄差戻しになったらどれくらい時間がかかる?
差戻審で改めて審理されるため、数か月から年単位で延びることがあります。法定の審理期間はなく、勾留中なら身柄拘束も続く可能性があります。
Q4差戻審は無罪になりやすい?
一概には言えません。差戻審は上告審が示した法律判断に拘束されるため(裁判所法4条)、その枠内で再び有罪となることも珍しくありません。
Q5破棄差戻しで勾留はいつまで続く?
差戻審の判決が出るまで勾留が続くことがあります。被告人は差戻審での保釈請求を再検討でき、弁護人と身柄の見通しを詰めるのが実務的です。
Q6刑事訴訟法413条但書とは?
上告裁判所が訴訟記録と取り調べ済みの証拠だけで直ちに判決できると認めるとき、自ら判決できるとする例外規定です。いわゆる破棄自判の根拠です。
Q7上告審は事実認定をやり直せる?
原則できません。上告審は法律審であり事実審ではないため、事実に争いがあれば自判せず下級審へ差し戻して事実認定をやり直させます。
Q8破棄移送と破棄差戻しの違いは?
差戻しは原裁判所など元の裁判所に戻すこと、移送は同等の他の裁判所に送ることです。413条は両方を規定し、412条は管轄違いの破棄移送を定めます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1最高裁が「破棄」したって聞いたら、もう無罪ってことですよね?
そうとは限りません。刑訴413条の原則は破棄「差戻し」で、事件は下級審に戻ってもう一度審理されます。その場で無罪になるのは但書の「破棄自判」が発動した場合だけで、こちらはむしろ例外です。実務のポイント:弁護士は破棄判決を見たら真っ先に主文が「差し戻す」か「自判(被告人は無罪)」かを確認します。同じ「破棄」でも、前者は裁判続行、後者は決着。ニュースの「逆転」報道のほとんどは後者の稀なケースで、報じられない差戻しが実は多数派です
Q2差し戻されたら、また一から全部やり直しなんですか?
完全にゼロからではありません。差戻審は最高裁が示した法律判断に拘束されます(裁判所法4条)。最高裁が「この点の解釈はこうだ」と示した枠内で、その部分を踏まえて審理し直します。実務のポイント:差戻審で最高裁の判断を無視した判決を出すと、再上告でまた破棄されます。経験ある弁護人は、差戻審の戦術を上告趣意書を書く段階から逆算して組みます。どの法律判断を最高裁に確定させるかが、戻されたあとの土俵を決めるからです
間違えやすい点 AI による整理
- 「最高裁で破棄=無罪確定」と思われがちだが、413条の原則は差戻しである。破棄されても事件は下級審に戻り、そこで再び有罪判決が出ることも珍しくない
- 「最高裁は最終判断だから、ここで決着がつく」という前提そのものが誤っている。最高裁は法律審であって事実審ではない。事実認定に問題があると判断すれば、自ら結論を出さず下級審に差し戻す。決着の場所は最高裁ではなく、戻された下級審であることが多い
- 差戻しになることは知っていても、その後どこまで縛りが及ぶかを知らない人は多い。差戻審は最高裁が示した法律判断に拘束される(裁判所法4条)。最高裁が示した法解釈の枠内で再審理されるため、戻されたあとに何でも蒸し返せるわけではない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 発動の場面 | 413条:前条以外の理由で上告審が原判決を破棄したとき | 412条:管轄違いを理由に破棄するとき 400条:控訴審が原判決を破棄するとき |
| 原則的な処理 | 原裁判所・第一審裁判所への差戻し、または同等裁判所への移送 | 管轄裁判所への移送 差戻し・移送、または控訴審による自判 |
| 自判(自ら判決)の可否 | 但書により、記録と取調べ済み証拠で直ちに判決できる場合に限り可 | 管轄違いのため原則自判しない 但書により控訴審が自判できる場合がある |
| 審級 | 上告審(法律審) | 上告審(法律審) 控訴審(事実審・法律審) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も第三審(法律審)が原判決を破棄した場合、発回更審(差戻し)を原則とし、一定の場合に自為判決(自判)を認める点で日本と類似する
韓国も上告審の破棄後は파기환송(破棄差戻し)が原則で、自判は限定的。事実審を下級審に委ねる構造は日本とほぼ同じ
ドイツの Revision(法律審)も原則として事件を原審へ差し戻すが、§ 354は一定の場合に Revisionsgericht 自身による裁判(自判)を認める
米国の上訴裁判所も判決を破棄(reverse)した後、事件を下級審へ remand(差戻し)する権限を持ち、事実審理は下級審が担う
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 無実を訴えて最高裁まで来た。ある日届いた判決書に「破棄差戻」の四文字。これは勝ちなのか負けなのか。答えは「まだ決まっていない」。あなたの事件は高裁に戻り、もう一度審理される。無罪を勝ち取るには、差し戻された先でもう一戦が要る
- 勾留されたまま上告中。破棄差戻になれば、差戻審の判決が出るまで身柄拘束が続くことがある。今日終わるはずだった裁判が、さらに半年延びる
- 親族が上告して原判決が破棄された。弁護士から「自判ではなく差戻しです」と聞いて意味が分からない。これは、最高裁が証拠だけでは結論を出せず、下級審に事実認定をやり直させるという意味。証拠調べがもう一度必要になる可能性がある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 被告人が上告し原判決(有罪)が破棄されても、それが差戻しなら無罪確定ではないと理解する。差戻審で再び審理される2. 被害者参加制度(刑訴316条の33)を使っていれば、差戻審でも引き続き参加・意見陳述ができる3. 検察官と連絡を取り、差戻審での立証方針を確認する4. 但書の自判で無罪が確定した場合は刑事手続は終了、民事の損害賠償(民法709条)は別軌道で検討する
訴えられた側:1. 破棄の通知が来たら、それが但書の自判か差戻しか、戻り先は原裁判所か第一審裁判所かをまず確認する2. 勾留中なら差戻審までの身柄拘束の見通しを弁護人と詰め、保釈請求の再検討もする3. 差戻審は最高裁の法律判断に拘束される(裁判所法4条)ため、その枠内で主張を組み直す4. まだ上告段階なら、上告趣意書で破棄自判を求めるか差戻しでよいかを、身柄と時間を踏まえて戦略決定する
時効(請求できる期限):413条自体に時効はない。ただし上告の申立ては原判決の宣告後14日以内(刑訴414条による373条の準用、上告提起期間)。差戻審に法定の審理期間はないが、勾留中の被告人には迅速な裁判を受ける権利(憲法37条1項)が及ぶ(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:413条本文の差戻し・移送が原則、但書の自判は例外という関係が確立している。上告審は法律審であり事実認定をやり直す機関ではないため、事実に争いが残る場合は自判せず下級審へ差し戻して事実審理を尽くさせると解されている。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:現行刑事訴訟法の制定により、上告審の破棄判決後の処理として、差戻し・移送を原則、破棄自判を例外とする本条が置かれた。
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