刑事訴訟法 第442条
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- 再審の請求は、刑の執行を停止する効力を有しない。ただし、管轄裁判所に対応する検察庁の検察官は、再審の判決が確定するまで刑の執行を停止することができる。
- 2.管轄裁判所に対応する検察庁の検察官は、前項ただし書の規定により死刑の執行を停止したときは、刑法第十一条第二項の規定による拘置を停止することができる。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第442条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第442条の条文原文は「再審の請求は、刑の執行を停止する効力を有しない。ただし、管轄裁判所に対応する検察庁の検察官は、再審の判決が確定するまで刑の執行を停止することができる。」で始まります。
- 刑事訴訟法第442条は第四編に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第442条の前の条は刑事訴訟法第441条です。
- 刑事訴訟法第442条の次の条は刑事訴訟法第443条です。
- 刑事訴訟法第442条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第442条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第442条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/442
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法442条は、再審の請求に刑の執行を停止する効力がないと定める。ただし管轄検察庁の検察官は、再審についての裁判があるまで執行を停止できる。
Q · 再審を申し立てたら、結論が出るまで刑の執行は止まるの?
原則止まりません。但し検察官が裁量で停止できます
止まりません。刑事訴訟法442条本文は、再審の請求に刑の執行を停止する効力がないと定めます。無実を訴えて再審を申し立てている間も、原則として服役は続き、罰金の取り立ても進みます。ただし但書により、管轄裁判所に対応する検察庁の検察官は、再審の請求についての裁判があるまで刑の執行を停止できます。これは検察官の裁量であるため、請求と同時に検察官へ執行停止を働きかけられるかどうかが、塀の外で結果を待つか中で待つかを分けます。
解説
無実を証明する新証拠が出た。弁護士に頼んで再審を請求する。それで刑務所から出られる、多くの人がそう信じている。だが刑事訴訟法442条は冷たい。再審の請求には、刑の執行を止める効力はない。つまり、あなたが無実を叫んで再審を申し立てている間も、懲役は一日ずつ消化され、罰金は取り立てられ続ける。確定死刑囚が約半世紀拘置され続けた現実の背景にも、この原則がある。ただし逃げ道もある。但書は、管轄裁判所に対応する検察庁の検察官が、再審の裁判が出るまで刑の執行を停止できると定める。これは検察官の裁量だ。誰も動かなければ、何も起きない。だから再審請求と同時に検察官へ執行停止を働きかけるかどうかが、塀の外で結果を待つか、中で待つかを分ける。
法的な位置づけ
刑事訴訟法442条は、再審の請求と刑の執行との関係を定める規定である。本文は再審請求に執行停止効がないことを原則とし、但書は管轄裁判所に対応する検察庁の検察官が、再審の請求についての裁判があるまで刑の執行を停止できる裁量を認める。確定判決の執行と非常救済手続との調整を図る。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.明白な新証拠を弁護士と精査する 無罪を基礎づける明白な新証拠(刑訴435条6号)を弁護士と精査し、再審請求書にまとめる。証拠の明白性が高いほど、後の執行停止の働きかけが通りやすくなる
- 2.請求と同時に検察官へ執行停止を上申する 再審請求書の提出と同時に、管轄裁判所に対応する検察庁の検察官へ執行停止の上申書を出す(442条但書)。請求が受理されてから動くのでは遅い
- 3.再審開始決定が出たら改めて執行停止を求める 再審開始決定(448条)が出た直後は、裁判所自身が再審に理由ありと判断した状態であり、執行停止を求める最大の好機。決定が出たその日のうちに動く
- 4.無罪確定後は補償と賠償を二本立てで請求する 再審で無罪が確定したら、刑事補償法に基づく補償と、違法な公権力行使に対する国家賠償請求(国家賠償法1条)の二本立てで損害回復を図る
よくある質問 AI による整理
Q1再審とは何ですか?
確定した有罪判決に重大な誤りがある場合に、判決を取り消して審理をやり直す非常救済手続です。控訴・上告と異なり、判決確定後にいつでも請求できます(刑訴439条)。
Q2再審請求中でも刑務所から出られますか?
原則出られません。再審の請求には刑の執行を停止する効力がなく(刑訴442条本文)、服役は続きます。検察官の裁量による執行停止か、再審開始決定での執行停止が必要です。
Q3再審の執行停止は検察官にどう求めますか?
管轄裁判所に対応する検察庁の検察官へ執行停止の上申書を提出します(刑訴442条但書)。請求書の提出と同時に出すと通りやすく、新証拠の明白性が高いほど裁量が発動されやすくなります。
Q4再審請求中でも罰金は払わないといけませんか?
原則納付義務は止まりません。再審請求に執行停止効はないため、罰金・追徴の執行は進みます。検察庁と分納や徴収猶予を交渉する余地があります。
Q5再審開始決定とは何ですか?
裁判所が再審に理由ありと認め、審理をやり直す決定です(刑訴448条)。この決定が出ると裁判所は刑の執行を停止でき、執行停止を求める最大の好機になります。
Q6再審請求に期間制限はありますか?
ありません。判決確定後いつでも請求でき、有罪を受けた者が死亡した後も一定の遺族が請求できます(刑訴439条)。
Q7冤罪が晴れたら補償はいくらもらえますか?
再審無罪が確定すると刑事補償法に基づき、身体拘束日数に応じた補償が出ます。1日あたりの上限額が法定され、長期服役なら大きな金額になります。別途国家賠償請求も可能です。
Q8再審は何回でも請求できますか?
新たな理由があれば複数回請求できます。ただし同一証拠の蒸し返しは認められにくく、435条6号の明白な新証拠など新たな根拠が必要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1再審を申し立てたら、とりあえず仮釈放みたいに出してもらえないんですか?
出してもらえません。再審の請求には刑の執行を停止する効力がなく(刑訴法442条本文)、原則として服役は続きます。ただし検察官が裁量で執行を停止できる但書があり、再審開始決定が出れば裁判所も執行を停止できます(448条)。実務のポイント:実務では請求を出してから動くより、請求書の提出と同時に検察官へ執行停止の上申をぶつける方が通りやすい。新証拠の明白性が高いケースほど、検察官も裁量を使いやすくなる
Q2死刑囚は再審を申し立てている間に処刑されちゃうことはないんですか?
条文上は再審請求に執行停止効はありません(442条)。ただし死刑の執行は法務大臣の命令を要し(刑訴法475条)、再審請求中は事実上その命令が出されない運用が続いています。実務のポイント:これは『法律が止めている』のではなく『運用で止めている』にすぎない点が重要で、運用変更があれば前提が変わりうる脆さがある。だからこそ弁護団は再審請求を係属させ続けることに意味を見いだす(最新の運用状況をご確認ください)
間違えやすい点 AI による整理
- 「再審を申し立てれば、結論が出るまで刑の執行は止まる」と思い込んでいる人が多い。実際は逆で、原則として執行は続く(442条本文)。止めるには検察官の裁量による執行停止(同条但書)を引き出すしかない
- 「再審が認められれば自動的に出られる」という問いの立て方が、そもそも段階を飛ばしている。再審請求の審理、再審開始決定(448条)、再審公判という三段階があり、執行停止のタイミングと根拠条文は段階ごとに違う。今どの段階にいるかを取り違えると、誰に何を求めればいいか分からなくなる
- 死刑確定者は再審請求中でも執行されない、と聞いて安心する人がいる。だがそれは442条が死刑執行を止めているからではない。死刑の執行は法務大臣の命令を要し(475条)、再審請求中は事実上その命令が出されないという運用にすぎない。条文上の保証ではなく運用上の慣行だという落差は重い
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 執行を止める主体 | 442条但書:管轄検察庁の検察官(裁量) | 448条:裁判所(再審開始決定時) 475条:死刑は法務大臣の命令が前提(運用で事実上停止) |
| 発動の前提 | 再審請求の係属 + 検察官の裁量判断 | 再審に理由ありとの開始決定 死刑確定 + 再審請求係属中は命令が出されない運用 |
| 効力の確実性 | 裁量のため不発動もありうる | 決定により執行を停止できる 条文上の保証ではなく運用上の慣行 |
| 求める相手・タイミング | 請求と同時に検察官へ上申 | 開始決定の直後に裁判所・検察官へ 弁護団が再審請求を係属させ続ける |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も再審の聲請に刑罰執行停止効を認めず、但し管轄法院に対応する検察官が裁定前に執行停止を命じうる点で日本442条とほぼ同型
韓国も再審請求に執行停止効はなく、管轄検察庁の検事が裁判があるまで執行を停止できる構造で、日本法と酷似
ドイツも再審申立て(Wiederaufnahme)に執行停止効はないが、裁判所が職権で執行猶予(Aufschub)を命じうる。停止の主体が裁判所中心である点が日本と異なる
米国では有罪後救済(post-conviction relief)や habeas corpus 中の執行停止(stay)は裁判所の裁量で個別に判断される。死刑事件では連邦法に基づく stay の枠組みがある
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 新証拠の DNA 鑑定が出た。あなたの父は12年前の有罪判決で今も服役中。再審を請求すれば、明日から出てこられるのか。答えはノー。請求しただけでは刑は止まらない。執行停止を勝ち取るには、別の働きかけが要る
- 罰金刑が確定し、納付期限が迫っている。再審を請求中だから払わなくていい、とは法は言ってくれない。
- 服役中の家族が無実を訴え続け、再審の準備に何年もかかっている。その間、刑期は粛々と進む。だからこそ、検察官への執行停止の申し入れが、家族にできる数少ない一手になる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 無罪を基礎づける明白な新証拠(435条6号)を弁護士と精査し、再審請求書にまとめる2. 請求と同時に、管轄裁判所に対応する検察庁の検察官へ執行停止の上申書を出す(442条但書)。請求だけでは刑は止まらない3. 再審開始決定(448条)が出たら、その勢いで改めて執行停止を求める4. 無罪確定後は刑事補償法に基づく補償と、国家賠償請求(国家賠償法1条)の二本立てで損害回復を図る
訴えられた側:1. 罰金・追徴の執行が進む場合、再審請求中でも納付義務は止まらない前提で、分納や徴収猶予を検察庁と交渉する2. 服役中なら、執行停止が認められるまでの処遇(医療・面会・労働)を記録に残す。後の補償・賠償の証拠になる3. 検察官の執行停止は裁量なので不発動でも不服申立てになりにくい。だからこそ新証拠の信用性を高める方が早道4. 死刑確定の場合、再審請求中の執行はまず行われない運用だが、条文上の保証ではないと理解しておく
時効(請求できる期限):再審の請求自体に期間制限はなく、判決確定後いつでも、有罪を受けた者が死亡した後も一定の遺族が請求できる(439条)。検察官による執行停止は『再審の請求についての裁判があるまで』が時間的射程(442条但書)。ただし執行が完了すれば(服役満了・罰金完納)、止める対象自体が消える点に注意
学説
通説:442条本文は再審請求に執行停止効を認めず、確定判決の法的安定性を維持する。但書の検察官による執行停止は裁量行為であり、新証拠の明白性が高い事案で発動の余地が広がると解されている。再審開始決定後は448条により裁判所も執行を停止できる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:現行刑事訴訟法の制定により、再審請求に執行停止効がないこと(本文)と、検察官による裁量的執行停止(但書)が定められた。
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