刑事訴訟法 第443条
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- 再審の請求は、これを取り下げることができる。
- 2.再審の請求を取り下げた者は、同一の理由によつては、更に再審の請求をすることができない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第443条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第443条の条文原文は「再審の請求は、これを取り下げることができる。」で始まります。
- 刑事訴訟法第443条は第四編に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第443条の前の条は刑事訴訟法第442条です。
- 刑事訴訟法第443条の次の条は刑事訴訟法第444条です。
- 刑事訴訟法第443条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第443条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第443条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/443
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法443条は、再審の請求を取り下げられると定めるが、取り下げた者は同一の理由では二度と再審を請求できない。取下げは不可逆の処分である。
Q · 再審請求を一度取り下げたら、もう同じ証拠では戦えないの?
はい、同一理由では二度と請求できません
刑事訴訟法443条1項により再審の請求はいつでも取り下げられますが、2項で取り下げた者は同一の理由では再び再審を請求できないと定められています。封じられるのはあくまで「同一の理由」であり、前回と質的に異なる新たな証拠・事実があれば、別の理由として再請求できる余地は残ります。ただし何が同一理由に当たるかは解釈問題で、安易な取下げは取り返しがつかないため、署名前に必ず確認が必要です。
解説
再審とは、確定した有罪判決をもう一度ひっくり返すための、ほぼ最後の扉である。袴田事件のように、何十年も戦ってようやく開く扉だ。その請求は、いつでも取り下げられる(443条1項)。問題はその先にある。一度取り下げると、同じ理由では二度と再審を請求できない(443条2項)。あなたが新証拠を握って請求したものの、弁護方針の対立や精神的消耗で取り下げてしまったら、その理由はもう使えない。別の新たな証拠を一から探し直すしかない。取り下げは、撤回ボタンではなく封印ボタンだ。冤罪を訴える者にとって、この一項は最大の地雷になりうる。
法的な位置づけ
刑事訴訟法443条は再審請求の取下げを定める規定であり、第1項で請求の取下げを認め、第2項で取り下げた者による同一理由での再請求を禁じる。確定判決の安定と手続濫用の防止を図りつつ、取下げの不可逆性によって再審の機会を一度きりのものとする効果を持つ。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.署名前に同一理由再請求禁止を確認する 取下書に署名する前に、刑訴443条2項により同一理由での再請求が永久に封じられる事実を確認する。取下げが「仕切り直し」ではなく「その理由の永久放棄」であると理解した上で判断する
- 2.複数の弁護士のセカンドオピニオンを取る 取下げを検討する局面では即決せず、現在の弁護団とは別の弁護士から意見を取る。一度押せば戻せないボタンだからこそ、押す前のこの確認が最も効く
- 3.取下げより棄却決定→即時抗告の道を検討する 理由に自信があるなら、安易に取り下げず棄却決定(447条)を受けてから即時抗告(450条)で上級審に争う。取下げと違い、争う回路を一本多く確保できる
- 4.既に取り下げた場合は別理由の新証拠を精査する 封じられるのは同一の理由のみ。前回と質的に異なる新証拠・新事実があれば別理由として再請求できる余地が残るため、過去請求との同一性を弁護士と詰める
よくある質問 AI による整理
Q1再審請求の取下げとは何ですか?
再審の請求を当事者が自ら撤回することです。刑訴443条1項が認めますが、取り下げると同一理由での再請求は禁じられます(2項)。
Q2取下げで封じられる「同一の理由」とは何ですか?
条文に明確な定義はなく解釈で争われます。前回請求の根拠とした新証拠と実質的に同じ理由を指し、質的に異なる新証拠なら別理由となる余地があります。
Q3再審請求の取下げは誰ができますか?
再審の請求権者である本人のほか、439条が定める配偶者・直系親族等の請求権者が、自ら行った請求を取り下げられます。
Q4棄却決定と取下げは何が違いますか?
棄却決定なら即時抗告(450条)で上級審に争えますが、取下げは不服申立ての回路ごと消し、同一理由の再請求も封じます。
Q5取下げは撤回できますか?
撤回できません。取下げの法的効果である同一理由の再請求禁止(443条2項)は、取り下げた瞬間に確定します。
Q6袴田事件のような長期化はなぜ起きるのですか?
一つの理由を一度しか使えない一発勝負の構造があり、弁護団がどの証拠をいつ出すかに神経を尖らせるためです。
Q7再審請求の取下げに期限はありますか?
再審の請求自体に出訴期間はなく確定後いつでも可能ですが、取下げの効果は撤回不能で、押した瞬間に同一理由が封じられます。
Q8弁護士に「取り下げて出し直そう」と言われたら従うべきですか?
同一理由なら出し直しは法律上できません。署名前に「何が同一理由になるか」を書面で確認し、複数の弁護士の意見を取るべきです。
この条文についての質問 AI による整理
Q1一度取り下げても、新しい証拠が見つかればまた再審を請求できますよね?
「同一の理由」では二度とできません(刑訴443条2項)。ただし封じられるのはあくまで同一の理由。前回と質的に異なる新証拠であれば、別の理由として再請求できる余地があります。実務のポイント:『同一の理由』の範囲は条文に明確な定義がなく、解釈で争われるグレーゾーンです。弁護士は安易な取り下げを避けますが、その理由を依頼者に丁寧に説明しないことも多い。取り下げを提案されたら、必ず『何が同一理由になるのか』を書面で確認すべきです。
Q2再審を請求している間は、刑務所から出られたり刑の執行が止まったりするんですか?
止まりません。再審の請求には刑の執行を停止する効力がありません(刑訴442条)。取り下げの有無にも関係なく、確定した刑は執行されます。実務のポイント:ただし再審開始決定が出れば、裁判所は決定で刑の執行を停止できます(刑訴448条2項)。袴田事件で再審開始決定とともに釈放されたのはこの規定によるものです。『請求中』と『開始決定後』では立場が全く違うことを知っておくと、報道の見え方が変わります。
間違えやすい点 AI による整理
- 「取り下げても、また出せばいい」と思いがちだが、同一の理由では二度と請求できない(443条2項)。取り下げは仕切り直しではなく、その理由の永久放棄である
- 再審のハードルが高いことは多くの人が知っているが、その『高さ』の本当の意味までは理解していない。新証拠の明白性要件(435条6号)は極めて厳格で、有効な理由を一つ持っていること自体が貴重な資源だ。それを自ら手放す取り下げの重さは、想像をはるかに超える
- 「取り下げれば刑の執行が止まるのか」と問う人がいるが、問いの立て方そのものが間違っている。再審請求には執行停止の効力がない(442条)。取り下げの有無に関わらず、刑は粛々と執行される。止めたいなら、検察官の職権による執行停止を促すという別の回路を探すしかない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 行為の性質 | 443条:取下げ(当事者の処分行為) | 447条:請求棄却(裁判所の決定) 442条:執行停止効の有無 |
| 同一理由の再請求 | 禁止(443条2項) | 禁止(棄却確定後も同一理由は不可) —(執行に関する規律) |
| 不服申立て | 不可(回路ごと消滅) | 即時抗告できる(450条) — |
| 刑の執行への影響 | なし(取下げでも執行は継続) | なし(棄却でも継続) 再審請求に執行停止効はない(442条) |
他国ではどう定めているか 4 か国
再審判決前は撤回でき、撤回した者は同一原因で再聲請できないと定め、日本443条とほぼ同一の構造を持つ
再審請求を取り下げられ、取り下げた者は同一理由で再請求できないとし、日本法と実質的に一致する
再審(Wiederaufnahme)の要件を厳格に定める。取下げ後の同一理由再請求の扱いは個別規律によるが、確定判決の安定を重視する点は共通
再審に直接対応する制度はないが、new trial の申立てや habeas corpus があり、successive petition の制限が『同一理由の再主張禁止』に機能的に近い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、再審請求中に弁護人と方針が食い違い、感情的になって取り下げてしまったら? その瞬間、同じ証拠で戦い直す道は閉じる。あと戻りはできず、別の新証拠を見つけるまで扉は二度と開かない
- 服役中の家族の無実を信じ、あなたが法定代理人として再審を請求した(439条)。検察側の圧力や周囲の助言に迷い、いったん取り下げる。後から有利な鑑定結果が出ても、それが取り下げた請求と『同一の理由』の範囲なら、もう持ち出せない
- 弁護士に『一度取り下げて出し直しましょう』と言われた。だがそれは罠かもしれない。同じ理由なら、出し直しは法律上できない。署名する前に必ず確認すべき一言だ
取るべき行動
被害を受けた側:1. 再審請求は新証拠の明白性が全て(435条6号)。請求前に証拠を弁護団と精査し、一度の請求で使える理由を最大限盛り込む2. 取り下げを検討する状況になっても即決しない。同一理由の再請求は封じられる(443条2項)と肝に銘じる3. 取り下げるくらいなら、棄却決定(447条)を受けて即時抗告(450条)で争う道を先に検討する4. 弁護団内で方針対立があるなら、取り下げ前に必ず外部のセカンドオピニオンを取る
訴えられた側:1. すでに取り下げてしまった場合、封じられるのは『同一の理由』のみ。前回と質的に異なる新証拠・新事実があれば、別の理由として再請求できる余地が残る2. 何が『同一の理由』に当たるかは解釈問題。過去の請求と新証拠の同一性を弁護士と詰める3. 取り下げを周囲から迫られている段階なら、書面提出前に踏みとどまり、取り下げの法的効果を文書で確認する4. 本人が迷い心神喪失等の状態にあるなら、439条の請求権者(配偶者・直系親族等)が別途検討できる場合もある
時効(請求できる期限):再審の請求に出訴期間の制限はなく、有罪判決確定後はいつでも請求できる(刑の執行終了後や本人死亡後でも可、439条)。ただし取り下げの法的効果、すなわち同一理由による再請求の禁止(443条2項)は取り下げた瞬間に確定し、撤回はできない
学説
通説:443条2項の趣旨は、同じ理由を繰り返し持ち出す再請求の濫用を防ぎ確定判決の安定を保つ点にある。封じられる『同一の理由』の範囲は条文に定義がなく、前回請求との実質的同一性を基準に解釈で画定される。質的に異なる新証拠は別理由として扱われ得る。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:現行刑事訴訟法の制定により再審の章を整備。請求の取下げを認めつつ、同一理由による再請求を禁じる規律を置き、手続濫用の防止と確定判決の安定を図った。
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