受講中の講座ブックマーク無料で登録

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年9月5日読了 7 分7 分7 分

刑事訴訟法 第77条

クイックジャンプ
  1. 被告人を勾留するには、被告人に対し、弁護人を選任することができる旨及び貧困その他の事由により自ら弁護人を選任することができないときは弁護人の選任を請求することができる旨を告げなければならない。ただし、被告人に弁護人があるときは、この限りでない。
  2. 2.前項の規定により弁護人を選任することができる旨を告げるに当たつては、勾留された被告人は弁護士、弁護士法人又は弁護士会を指定して弁護人の選任を申し出ることができる旨及びその申出先を教示しなければならない。
  3. 3.第六十一条ただし書の場合には、被告人を勾留した後直ちに、第一項に規定する事項及び公訴事実の要旨を告げるとともに、前項に規定する事項を教示しなければならない。ただし、被告人に弁護人があるときは、公訴事実の要旨を告げれば足りる。
  4. 4.前条第三項の規定は、第一項の告知、第二項の教示並びに前項の告知及び教示についてこれを準用する。

この条文の基本情報

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 刑事訴訟法第77条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
  2. 刑事訴訟法第77条の条文原文は「被告人を勾留するには、被告人に対し、弁護人を選任することができる旨及び貧困その他の事由により自ら弁護人を選任することができないときは弁護人の選任を請求することが…」で始まります。
  3. 刑事訴訟法第77条は第八章 被告人の召喚、勾引及び勾留に置かれています。
  4. 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
  5. 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
  6. 刑事訴訟法第77条の前の条は刑事訴訟法第76条です。
  7. 刑事訴訟法第77条の次の条は刑事訴訟法第78条です。
  8. 刑事訴訟法第77条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第77条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131
  • 本サイト収録刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第77条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/77

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点刑事訴訟法77条は、被告人を勾留する際、裁判所が弁護人選任権と国選弁護人の請求権を告げ、弁護士会等への申出先を教示する義務を定める。被告人に弁護人があるときは告知を要しない。

Q · 勾留されたとき、裁判所はどんな権利を告げてくれるの?

弁護人選任権と国選弁護人の請求権、その申出先を告げる義務です

刑事訴訟法77条により、裁判所は被告人を勾留する際、弁護人を選任できること、及び貧困その他の事由で自ら選任できないときは国選弁護人を請求できることを告げなければなりません(1項)。さらに2項は、弁護士・弁護士法人・弁護士会を指定して選任を申し出られることと、その申出先まで教示する義務を定めます。61条ただし書の場合は勾留後直ちに、これらの事項と公訴事実の要旨が告げられます(3項)。告知・教示は裁判所の温情ではなく法的義務です。

解説

勾留状が執行されるその場で、裁判官はあなたに向かって決まった事項を告げなければならない。「弁護人を選任できること」、そして「貧困その他の事由で自分では頼めないなら、弁護人の選任を請求できること」。これは裁判所の温情ではなく、77条が課した法的義務だ。さらに2項は、ただ告げるだけでは足りないと定める。あなたが特定の弁護士、弁護士法人、または弁護士会を指定して選任を申し出られること、その申出先まで教えなければならない。つまり「どこに連絡すればいいか分からない」状態にあなたを放置することを、法が禁じている。多くの人は、勾留されたら自力で弁護士を探すしかないと思い込んでいる。違う。あなたには、国に弁護人を用意させる入口が、勾留されたその瞬間に開かれている。問題は、その入口があることを知っている人と知らない人で、取調べと公判の質が決定的に変わる点だ。

法的な位置づけ

刑事訴訟法77条は、被告人の勾留に際して裁判所が負う権利告知・教示義務を定める規定である。弁護人選任権および貧困等の場合の国選弁護人請求権の告知(1項)、弁護士会等を指定した選任申出とその申出先の教示(2項)、61条ただし書の場合の勾留後直ちの告知・教示(3項)を内容とする。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.勾留時の権利告知を受けたか確認する 勾留質問または勾留時に、裁判官から弁護人選任権・国選弁護人請求権・弁護士会等への申出先の告知教示があったかを確認する。形式的な読み上げだけでなく、申出先まで教示されたかをチェックする
  2. 2.その場で国選弁護人の選任を請求する 勾留質問の場(裁判官の前)で「国選弁護人をお願いします」と口頭で請求するか、弁護士・弁護士法人・弁護士会を指定して申し出る。後から書面で出すより、その場の一言が圧倒的に早い
  3. 3.家族が外部から弁護士会・法テラスに連絡する 本人が動けない場合、家族が弁護士会の当番弁護士や法テラスに連絡し、弁護士派遣を要請する。本人が77条2項の教示を受ける前後を問わず、外から弁護士アクセスを起動できる。初動の数時間が取調べの供述内容を左右する
  4. 4.公訴事実の要旨を把握する 61条ただし書の場合、勾留後直ちに公訴事実の要旨が告げられる。何で勾留されているのかを必ず確認し、弁護人と防御方針を相談する。取調べに応じる前に弁護人を確保し、黙秘権の行使も検討する

よくある質問 AI による整理

Q1勾留と逮捕の違いは何ですか?

逮捕は最大72時間の短期身柄拘束、勾留はそれに続く比較的長期の拘束です。被告人勾留は原則2か月で、1か月ごとに更新されます(刑訴法60条2項)。77条の告知義務は勾留の場面で働きます。

Q2国選弁護人は誰でも頼めますか?

被告人は貧困その他の事由で自ら弁護人を選任できないとき、請求により国選弁護人をつけられます(刑訴法36条)。資力要件はありますが、弁護士費用が払えない人を救済する制度です。請求が起点になります。

Q3勾留されたら何を告げられますか?

弁護人を選任できること、貧困等の場合は国選弁護人を請求できること、弁護士会等を指定して申し出られることとその申出先です(刑訴法77条)。61条ただし書なら公訴事実の要旨も告げられます。

Q4弁護士費用がなくても弁護人はつきますか?

つきます。貧困その他の事由で自ら選任できない場合、請求により国選弁護人が選任されます(刑訴法36条)。問題はお金の有無ではなく、どの窓口から請求・申出をするかです。77条2項が申出先を教示します。

Q5当番弁護士とは何ですか?

弁護士会が運営する制度で、身柄拘束された人のもとへ初回無料で弁護士を1人派遣します。国選が正式に決まる前から接見でき、77条2項の弁護士会への申出先がこの仕組みにつながっています。

Q6被告人国選弁護人はどう請求しますか?

勾留質問の場で口頭で「国選をお願いします」と伝えるか、書面で請求します。裁判所が弁護士会に候補を求め選任します。口頭請求が最も早く、後から書面で出すより手続が速く動きます。

Q7被告人の勾留期間はどれくらいですか?

公訴提起後の被告人勾留は原則2か月で、必要があるときは1か月ごとに更新されます(刑訴法60条2項)。更新には相当の理由が必要で、無制限に延びるわけではありません。

Q8必要的弁護事件とは何ですか?

死刑・無期・長期3年を超える懲役禁錮にあたる事件など、弁護人がいなければ公判を開けない事件です(刑訴法289条)。弁護人不在では審理が進まないため、被告人の防御を制度的に保障します。

この条文についての質問 AI による整理

Q1勾留されたとき「国選弁護人を頼みたい」と言えば、すぐ弁護士は来てくれますか?

請求すれば裁判所が選任手続を進めますが、即時ではありません。被告人国選は原則あなたの請求が起点で(刑訴法36条)、裁判所が弁護士会に候補を求め、選任まで数日かかることもあります。実務のポイント:その空白を埋めるのが当番弁護士制度です。弁護士会に連絡すれば初回は無料で1人派遣され、国選が正式に決まる前から接見してくれる。77条2項の「弁護士会を指定して申し出る」窓口が、この当番弁護士につながっている

Q2被疑者のときに国選をつけたら、起訴された後もそのまま続きますか?

実務上は同じ弁護士が引き続き被告人段階を担当することが多いですが、被疑者国選(37条の2)と被告人国選(36条)は制度上は別の選任なので、継続の扱いは確認が必要です。実務のポイント:逮捕直後の被疑者段階で当番弁護士を呼び、そのまま被疑者国選に切り替えておくと、起訴後の被告人段階まで同じ弁護士がほぼ切れ目なく付く。最初の72時間で動くかどうかが、その後の弁護の連続性を左右する

間違えやすい点 AI による整理

  • 「国選弁護人は裁判所が勝手につけてくれる」と思われがちだが、被告人の場合、原則はあなたの請求が起点だ(刑訴法36条)。裁判所は「請求できる」と告げる義務はあるが、あなたが請求しなければ国選はつかない。必要的弁護事件(289条)等の例外を除き、黙っていれば弁護人不在のまま手続が進む
  • 「弁護士を雇うお金がないから諦めるしかない」という問いの立て方そのものが間違っている。問うべきは「どの弁護士会に、どの窓口から申し出るか」だ。77条2項は、その申出先を裁判所があなたに教示する義務まで定めている。お金の有無は、弁護人がつくかどうかの分岐点ではない
  • 勾留時に権利を告げられること自体は何となく知っていても、その教示を怠った手続がどれほど深刻かを知らない人が多い。告知・教示の懈怠は勾留手続の適法性に関わり、後の公判で防御方法の一つになりうる。形式的な読み上げと、実質的な教示は別物だ
比較の観点この条文ほかの条文
場面77条:被告人を勾留するとき76条:勾引された被告人に対するとき
61条:勾留質問(勾留前の被告人質問)
告知教示の内容弁護人選任権・国選請求権・申出先の教示公訴事実の要旨・弁護人選任権等(3項を準用)
被告事件の告知と陳述の機会の付与
国選弁護の入口被告人の請求が起点(36条と連動)勾引段階での告知
勾留要件の審査の場

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
中華民国刑事訴訟法第95条・第27条

台湾も身柄拘束時に得選任辯護人であることの告知義務を定める。強制弁護(指定辯護)の範囲も併せて防御権を保障する点で日本と類似

韓国
대한민국 형사소송법 제72조·제88조

韓国も구속 시に範囲(구속이유)と弁護人選任権の告知を要求。国選弁護(제33조)の入口を制度的に保障する構造は日本と近い

ドイツ
StPO § 114b

ドイツは逮捕された被疑者に対し書面で権利を告知する詳細な規定を持ち、弁護人選任権・無料法律相談へのアクセスを明示。告知の書面化が徹底している

アメリカ
Miranda v. Arizona, 384 U.S. 436 (1972)

米国は連邦最高裁判例により、身柄拘束下の取調べ前に弁護人依頼権等の告知を要求。告知を欠いた供述は原則証拠排除される点が日本より強力

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 起訴された後に勾留状が執行された。あなたは初犯で、弁護士の知り合いもいない。裁判官が「貧困その他の事由により自ら弁護人を選任することができないときは…」と読み上げたその瞬間、あなたが国選弁護人を請求するかどうかで、この後の裁判の質が決まる。黙っていれば、誰もあなたに代わって動かない(刑訴法36条)
  • もし、勾留質問もないまま、いきなり勾留状を執行されたら? それは61条ただし書の例外ケース(あなたが逃亡していた等)だ。その場合、77条3項により、勾留した後直ちに、弁護人選任権と公訴事実の要旨が告げられる。何で勾留されたのかすら知らされない、という事態を法が防いでいる
  • 家族が突然勾留された。面会に行くと「弁護士なんて頼んでない」と言う。あなたが伝えるべきは一つ、お金がなくても国選弁護人を請求できると裁判所はもう告げているはずだ、ということ。今夜のうちに弁護士会へ電話できるかが分岐点になる

取るべき行動

被害を受けた側:1. 勾留質問または勾留時に、裁判官から弁護人選任権・国選弁護人請求権の告知があったか確認(77条1項)。2. その場で国選弁護人の選任を口頭で請求するか、弁護士会・法テラスを指定して申し出る(77条2項、36条)。3. 本人が動けないなら、家族が外から弁護士会の当番弁護士・法テラスに連絡。4. 起訴状の公訴事実の要旨を把握し、何で勾留されているか必ず確認する

訴えられた側:1. 取調べに応じる前に弁護人を確保、黙秘権を行使し供述は弁護人と相談後に。2. 裁判所が77条の告知・教示を怠った形跡があれば、勾留質問調書等の記録を弁護人を通じて精査、勾留の適法性を争う材料になりうる。3. 必要的弁護事件(289条、死刑・無期・長期3年超)なら弁護人なしで公判は開けない、これを盾にする。4. 国選から私選への切替えも可能、相性が合わなければ弁護人選任のやり直しを検討

時効(請求できる期限):勾留の告知・教示は勾留時(61条ただし書の場合は勾留後直ちに)に行われるべきもので、特定の消滅時効はない。ただし被告人勾留には期間の上限があり、原則2か月、その後1か月ごとに更新される(刑訴法60条2項)。国選弁護人の請求はいつでも可能だが、早いほど取調べ・公判の防御に有利(最新の改正状況をご確認ください)

学説

通説:77条の告知・教示義務は憲法34条・37条3項の弁護人依頼権を勾留手続上で実質化するもので、形式的な読み上げにとどまらず、国選請求権と申出先の教示まで含めて初めて義務を尽くしたと解される。懈怠は勾留手続の適法性に影響しうる。

改正沿革 AI による整理

改正の年表

  1. 1.昭和23年(1948年) 新設:現行刑事訴訟法の制定により、被告人勾留時の弁護人選任権の告知義務を規定。日本国憲法の弁護人依頼権保障を手続化したもの

ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。

刑事訴訟法の全文を見る所属する編章節を開く:第八章 被告人の召喚、勾引及び勾留

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

次に調べる

判例を探す:条文単位の判例の紐づけは準備中です。上のカードから法令名で検索できます。裁判所「裁判例検索」で探す ›