刑事訴訟法 第98条の8
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- 裁判所は、次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、検察官の請求により、又は職権で、監督者を解任することができる。
- 一監督者が、正当な理由がなく、第九十八条の四第四項の規定による命令に違反したとき。
- 二心身の故障その他の事由により、監督者が第九十八条の四第四項の規定により命ぜられた事項をすることができない状態になつたとき。
- 三監督者から解任の申出があつたとき。
- 2.前項(第一号に係る部分に限る。)の規定により監督者を解任する場合には、裁判所は、決定で、監督保証金の全部又は一部を没取することができる。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第98条の8は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第98条の8の条文原文は「裁判所は、次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、検察官の請求により、又は職権で、監督者を解任することができる。」で始まります。
- 刑事訴訟法第98条の8は第八章 被告人の召喚、勾引及び勾留に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第98条の8の前の条は刑事訴訟法第98条の7です。
- 刑事訴訟法第98条の8の次の条は刑事訴訟法第98条の9です。
- 刑事訴訟法第98条の8には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第98条の8 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第98条の8(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/98_8
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法98条の8は、監督者が正当な理由なく報告等の命令に違反した場合に、裁判所が解任し監督保証金を没取できると定める。令和5年改正で新設された。
Q · 親族に頼まれて保釈の監督者になったら、相手が逃げなくても自分のお金が取られることがあるの?
監督者自身が報告を怠れば、被告人が逃げなくても没取されうる
刑事訴訟法98条の8は、監督者が正当な理由なく裁判所の命令(98条の4第4項の報告等)に違反したとき、裁判所が監督者を解任し、監督保証金の全部または一部を没取できると定めます。没取の引き金は被告人の逃亡ではなく、監督者自身の命令違反です。被告人がおとなしくしていても、監督者が報告を怠れば保証金は没取されうる点が、従来の身元引受けと決定的に違います。
解説
2019年末、保釈中の著名経営者が楽器ケースに隠れて国外へ逃亡した事件を覚えているだろうか。あの一件が引き金となり、令和5年(2023年)に監督者制度が新設された。被告人を保釈や勾留執行停止で釈放する代わりに、誰かが「監督者」として身元を引き受け、監督保証金を裁判所に預ける仕組みである。本条はその監督者を裁判所が解任できる場面を定める。鍵は、没取の引き金が被告人ではなく監督者自身にあることだ。被告人がおとなしくしていても、監督者が正当な理由なく報告等の命令(98条の4第4項)に違反すれば、解任のうえ預けた監督保証金の全部または一部を没取されうる。家族や勤務先の頼みで安易に監督役を引き受けると、他人の刑事手続のために、あなた自身の財布が削られる。
法的な位置づけ
刑事訴訟法98条の8は監督者の解任を定める規定であり、令和5年改正で新設された監督者制度の一部を構成する。監督者が命令に違反した場合、心身の故障等で職務遂行が不能となった場合、または監督者自身の申出があった場合に裁判所が解任でき、命令違反による解任には監督保証金の没取が連動する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.引き受け前に命令内容と頻度を確認 監督役を引き受ける前に、裁判所が命じる報告等の事項(98条の4第4項)の具体的な中身と頻度を弁護人を通じて確認する。命令の重さを把握しないまま額だけ決めると履行できず没取を招く
- 2.監督保証金額に同意する前にリスクを評価 提示された監督保証金額が、自分が没取に耐えられる範囲かを評価する。報告を継続できる生活・勤務状況かを冷静に判断し、無理なら引き受けを断る
- 3.報告義務を期限管理する 命じられた報告の期限をカレンダーに登録し、遅滞なく履行する。転勤や多忙で遅れそうなら事前に裁判所・弁護人へ連絡し、命令違反の状態を作らない
- 4.続行不能なら命令違反の前に解任の申出を出す 監督役を続けられないと判断したら、報告を放置して1号で切られる前に、3号の解任の申出を自ら裁判所に提出する。3号による解任は没取の対象外で保証金が戻る
よくある質問 AI による整理
Q1監督者制度とは何ですか?
保釈や勾留執行停止で被告人を釈放する代わりに、第三者が監督者として身元を引き受け監督保証金を裁判所に預ける制度です。令和5年(2023年)に新設されました。
Q2監督者が解任されるのはどんなときですか?
命令違反、心身の故障等で職務不能になったとき、監督者からの解任の申出があったときの3つです(98条の8第1項各号)。
Q3監督者になれるのは誰ですか?
親族、勤務先の関係者など被告人と一定の関係があり、監督保証金を納め報告義務を果たせる人です。裁判所が適格性を判断して選任します。
Q4監督者の報告義務とは何ですか?
98条の4第4項に基づき裁判所が命じる報告等の事項を履行する義務です。被告人の所在や状況を定期的に裁判所へ報告するのが典型です。
Q5監督者制度はいつから始まりましたか?
令和5年(2023年)の刑事訴訟法改正で新設されました。2019年のカルロス・ゴーン元会長の国外逃亡事件が立法の引き金とされます。
Q6監督者と身元引受人の違いは何ですか?
従来の身元引受人は事実上の道義的責任にとどまりましたが、監督者は裁判所の命令に従う法的義務を負い、違反すれば自分名義の保証金を没取されます。
Q7監督保証金が没取されるのはどんな場合ですか?
監督者が正当な理由なく命令に違反し、1号により解任された場合です(98条の8第2項)。全部か一部かは裁判所の裁量で決まります。
Q8監督者を途中でやめたら保証金は戻りますか?
3号の解任の申出による解任は没取の対象外なので、原則として保証金は返還されます。放置して1号で解任されると没取される点が分かれ目です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1知り合いに頼まれて保釈の監督者になるんですが、もし相手が逃げたら私のお金は取られますか?
本条が監督保証金の没取を定めるのは、被告人の逃亡そのものではなく、監督者であるあなたが正当な理由なく裁判所の命令(98条の4第4項の報告等)に違反した場合です(本条2項、1項1号)。逆に言えば、あなたが命令を誠実に守っていれば、被告人の行動だけで直ちに没取されるわけではありません。実務のポイント:弁護士は監督者を引き受ける前に、裁判所が具体的に何をどの頻度で命じるかを必ず確認します。命令の中身を見ずに保証金額だけ決めると、後で履行できず没取される。引き受け前に命令内容の開示を求めるのが守りの一手です
Q2監督者をもう続けられません。途中でやめることはできますか?
できます。本条1項3号が「監督者から解任の申出があつたとき」を解任事由として定めており、自ら申し出れば裁判所が解任します。重要なのは、この3号による解任は没取の対象外であることです(没取は1項1号の命令違反による解任に限られる、本条2項)。実務のポイント:続けられないのに報告を放置すると、1号の命令違反で解任され保証金を没取されます。同じ「やめる」でも、自分から申し出るか、放置して切られるかで、お金が戻るか消えるかが分かれる。やめると決めたら、違反が起きる前に申し出るのが鉄則です
間違えやすい点 AI による整理
- 「監督者は被告人が逃げたときだけ責任を問われる」と思われがちだが、本条が没取の引き金にするのは被告人の逃亡ではなく、監督者自身の命令違反(報告義務違反など)である。被告人がどれだけおとなしくしていても、監督者が役目を果たさなければ、保証金は没取されうる
- 監督者の負担を「昔ながらの保釈の身元引受人と同じ程度」と軽く見ている人が多い。役目を引き受けたことは知っていても、深刻度を見誤っている。従来の身元引受けは事実上の道義的責任にとどまったが、令和5年新設の監督者は、裁判所の命令に従う法的義務を負い、違反すれば自分名義の保証金を失う。重さの桁が違う
- あなたから見れば「親切で監督役を引き受けただけ」だが、裁判所から見れば「逃亡防止の責任を引き受けた当事者」である。この視点の落差を理解しないまま安請け合いすると、報告一つの遅れが財産の喪失に直結する
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 98条の8:監督者の解任と没取 | 98条の4:監督者の選任と監督命令 96条:保釈等の取消しと保証金没取 |
| 没取の引き金 | 監督者自身の命令違反(報告義務違反等) | (選任段階のため没取規定なし) 被告人の逃亡・条件違反等 |
| 保証金を負担する主体 | 監督者(監督保証金) | 監督者(監督保証金を納付) 被告人または保証人(保釈保証金) |
| 没取を避ける出口 | 3号の解任の申出を命令違反の前に行う | 命令を誠実に履行する 保釈条件を遵守し逃亡しない |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾の責付は被告人を一定の責任者に引き受けさせて釈放する制度で、身元引受けの点で類似するが、日本の監督者のような保証金没取の金銭的制裁構造は同一ではない
ドイツは勾留状の執行停止に遵守事項を付す枠組みで逃亡防止を図る。第三者監督に保証金没取を直結させる日本の構成とは制度設計が異なる
フランスの司法統制(contrôle judiciaire)は被疑者・被告人に遵守義務を課す制度で、第三者監督者の没取という発想とは枠組みが異なる
米国では third-party custodian を釈放条件に付すことがあるが、保証は通例 surety/bail bond により担保され、監督者個人の保証金没取という日本固有の構成とは異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 弟が起訴され、保釈の条件として親族の監督者が必要だと言われた。あなたが引き受け、監督保証金を納めた。半年後、転勤で多忙になり裁判所への報告を二度怠った。弟は逃げていない。それでも検察官の請求で解任され、保証金の一部が没取されうる。被告人の素行とは無関係に、あなたの怠慢が直接の引き金になる
- もし、あなたが監督役を続けられなくなったら、どうする? 仕事の都合で、もう被告人を見ていられない。そんなとき、放置して報告を怠るのは最悪手だ。本条1項3号には「監督者からの解任の申出」という出口がある。自ら申し出れば没取の対象外。動くなら、命令違反が起きる前に
- あなたの監督者が突然解任された。次の瞬間、あなたの保釈や勾留執行停止そのものが揺らぐ。監督者がいなくなれば、釈放を支えていた前提が崩れるからだ
取るべき行動
被害を受けた側:あなたが被告人で、監督者が解任されそう、または解任された場合。1. 保釈や勾留執行停止の前提が崩れ、再収容のリスクが生じるため、まず弁護人に連絡2. 新たな監督者の候補を速やかに用意し、裁判所に提示できるよう準備3. 監督者が解任を申し出る前に事情を聞き、続行可能なら裁判所への報告体制を立て直す4. 再収容を避けるため、代替の身元引受けと保証金の手当てを並行して進める
訴えられた側:あなたが監督者で、解任や没取に直面した場合。1. 報告命令に違反した、または違反しそうなら、放置せず速やかに裁判所と弁護人に事情を説明2. 続けられないなら、1号での解任(没取あり)を待たず、3号の解任の申出を自ら行う3. すでに没取の手続が始まったら、命令違反に正当な理由があったこと(病気、災害、連絡不能の事情)を疎明する資料を集める4. 没取は全部または一部、裁判所の裁量。一部にとどめる事情を主張する
時効(請求できる期限):本条による解任に固定の期限はないが、監督命令違反の状態を放置するほど1号解任と没取のリスクが高まる。続行不能を自覚したら、命令違反が生じる前に3号の解任の申出を行うのが分水嶺。没取の決定に対しては抗告による不服申立ての余地がある(手続の詳細は最新の改正状況をご確認ください)
学説
立法趣旨(通説的理解):監督者制度は、被告人を勾留し続ける負担と保釈による逃亡の危険の板挟みを解くために令和5年改正で導入され、98条の8は監督が形骸化した場合に監督者を解任して制度の健全性を保つとともに、命令違反には没取という金銭的制裁を連動させて実効性を確保する規定と理解される
改正沿革 AI による整理
- 令和5年(2023年) 被告人の逃亡防止を図る監督者制度の新設により本条が追加された。保釈・勾留執行停止で釈放する際に監督者と監督保証金の仕組みを導入し、本条はその監督者の解任事由と、命令違反による解任に伴う監督保証金の没取を定めた(新設、施行時期は最新の改正状況をご確認ください)
改正の年表
- 1.令和5年(2023年) 新設:被告人の逃亡防止を図る監督者制度の新設に伴い本条が追加された。監督者の解任事由(命令違反・職務不能・解任の申出)と、命令違反による解任に伴う監督保証金の没取を定める(施行時期は最新の改正状況をご確認ください)
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