医療法 第10条
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- 病院(第三項の厚生労働省令で定める病院を除く。次項において同じ。)又は診療所の開設者は、その病院又は診療所が医業をなすものである場合は臨床研修等修了医師に、歯科医業をなすものである場合は臨床研修等修了歯科医師に、これを管理させなければならない。
- 2.病院又は診療所の開設者は、その病院又は診療所が、医業及び歯科医業を併せ行うものである場合は、それが主として医業を行うものであるときは臨床研修等修了医師に、主として歯科医業を行うものであるときは臨床研修等修了歯科医師に、これを管理させなければならない。
- 3.医師の確保を特に図るべき区域における医療の確保のために必要な支援を行う病院その他の厚生労働省令で定める病院の開設者は、その病院が医業をなすものである場合又は医業及び歯科医業を併せ行うものであつて主として医業を行うものである場合は、臨床研修等修了医師であつて第五条の二第一項の認定を受けたものに、これを管理させなければならない。ただし、地域における医療の提供に影響を与える場合その他の厚生労働省令で定める場合は、臨床研修等修了医師であつて当該認定を受けていないものに、これを管理させることができる。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 医療法第10条は、日本の医療法に含まれる条文です。
- 医療法第10条の条文原文は「病院(第三項の厚生労働省令で定める病院を除く。」で始まります。
- 医療法第10条は第二節 管理に置かれています。
- 医療法の公布日は昭和23年7月30日です。
- 医療法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 医療法第10条の前の条は医療法第9条です。
- 医療法第10条の次の条は医療法第10条の2です。
- 医療法第10条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第10条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000205 - 本サイト収録
医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第10条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000205/10
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点医療法10条は、病院・診療所の開設者に対し、臨床研修等修了医師(歯科は歯科医師)に施設を管理させる義務を課す。地域医療支援病院等では医師少数区域経験の認定も原則必要。
Q · 医師免許さえあれば、クリニックの院長になれるの?
臨床研修を修了していなければ院長にはなれない
医療法10条により、病院・診療所の管理者(いわゆる院長)は、医業なら臨床研修等修了医師、歯科医業なら臨床研修等修了歯科医師でなければなりません。医科と歯科を併せ行う施設では、主としてどちらを行うかで資格が決まります。さらに厚生労働省令で定める病院(地域医療支援病院など)では、医師少数区域での勤務経験について5条の2の認定を受けた医師であることが原則として求められます。ただし省令で定める例外があります。
解説
病院や診療所の看板に出ている「院長」と、実際に経営している人は同じとは限らない。医療法10条は、病院・診療所の開設者に対して、医師免許を持っているだけでなく臨床研修まで修了した医師(歯科なら歯科医師)に施設を管理させるよう義務づけている。開設者は医療法人でも自治体でも構わない。つまり、お金を出す人と医療の最終責任を負う人は、法律上はっきり分かれている。医科と歯科を両方行う施設は「主としてどちらを行うか」で管理者の資格が決まる。第3項はさらに厳しい。医師が足りない地域を支援する役割を持つ一定の病院(厚生労働省令で指定、地域医療支援病院など)の管理者には、医師少数区域で勤務し厚生労働大臣の認定(5条の2)を受けた医師が原則として求められる。ここを押さえておくと、美容クリニックの「雇われ院長」募集や、院長が突然辞めたクリニックの混乱が、まったく違って見えてくる。院長のポストは飾りではない。法律が医療の安全を背負わせている結節点である。
法的な位置づけ
医療法10条は病院等の管理者の資格を定める規定であり、開設者に対し、医業を行う病院・診療所は臨床研修等修了医師に、歯科医業を行うものは臨床研修等修了歯科医師に管理させる義務を課す。医科・歯科併設の場合は主たる診療科目で区別し、厚生労働省令で定める病院には医師少数区域経験認定医師による管理を原則として要求する。
よくある質問 AI による整理
Q1医療法10条とは?
病院・診療所の管理者(院長)を、臨床研修等を修了した医師・歯科医師に限定する規定です。開設者に対して、有資格者に施設を管理させる義務を課しています。
Q2臨床研修等修了医師とは何ですか?
医師法16条の2に基づく臨床研修を修了し、その旨の登録を受けた医師を指します。医師免許を持つだけでは足りず、研修修了が管理者資格の前提となります。
Q3研修医は院長になれる?
なれません。臨床研修を修了していない医師は、医療法10条の管理者要件を満たさないため、病院・診療所を管理することはできません。
Q4院長の名義貸しは違法?
実際に管理していない名目だけの院長は、医療法上の管理者の義務を果たせず問題となります。不適任として管理者変更命令(28条)の対象となり得るほか、医師法違反への関与を問われる危険もあります。
Q5医科と歯科を併設するクリニックの院長は医師と歯科医師どっち?
主として医業を行う施設なら臨床研修等修了医師、主として歯科医業を行う施設なら臨床研修等修了歯科医師が管理者となります(10条2項)。
Q6医師少数区域経験認定医師とは?
医師少数区域などで一定期間勤務し、厚生労働大臣の認定(医療法5条の2)を受けた医師です。省令で定める一定の病院の管理者要件になっています。
Q7院長が辞めたら診療所はどうなる?
管理者がいない状態では適法に運営できないため、開設者は後任の有資格者を管理者に据え、変更の届出を行う必要があります。空白期間を作らない準備が重要です。
Q8管理者変更の届出はいつまで?
管理者を変更した場合は、医療法施行令等に定める期限内に都道府県知事等への届出が必要です。期限は施設の種類で異なるため、所轄の保健所で事前に確認してください。
この条文についての質問 AI による整理
Q1医者じゃない自分がクリニックのオーナーになるって、そもそもできるの?
医療法人の設立や都道府県知事の開設許可(7条)を経れば、非医師が開設者側に関わること自体は可能です。ただし管理者は必ず臨床研修等修了医師でなければなりません(10条)。実務のポイント:医療法人の理事長は原則医師・歯科医師とされ(46条の6)、例外には都道府県知事の認可が必要です。非医師が実権を握る構図は、MS法人(メディカルサービス法人)への業務委託の形をとることが多く、委託料の設計が行政の監査で最も見られるポイントです
Q2院長を掛け持ちして、2つのクリニックを見ることってできますか?
原則としてできません。医療法12条は、管理者が他の病院・診療所を管理することを制限しています。ただし都道府県知事の許可があれば例外的に兼任できます。実務のポイント:許可の運用は自治体によってかなり差があり、距離や診療時間の重なりが細かく審査されます。「前例があるから大丈夫」と言われても、所在地を管轄する自治体の運用を必ず自分で確認してください
Q3第3項の医師少数区域の認定って、普通の開業医にも関係ある?
現状、第3項が直接かかるのは厚生労働省令で定める一定の病院(地域医療支援病院など)の管理者です。一般の診療所の院長には求められていません。ただし認定(5条の2)は将来、大病院の院長候補になるときの資格になります。実務のポイント:認定を受けるには医師少数区域などで一定期間勤務する必要があります。キャリアの後半で大病院の管理職を目指すなら、若いうちの地方勤務が後になって効いてきます(対象病院の範囲は最新の改正状況をご確認ください)
間違えやすい点 AI による整理
- 「院長は経営のトップ、理事長の部下」と思われがちだが、医療法上の管理者と医療法人の理事長は別の役職である。理事長は原則として医師・歯科医師(46条の6)とされるが、施設を管理する義務と責任は管理者に課されている。一人が兼ねていることが多いので混同されるだけだ
- 名義貸しのリスクは「バレたら恥ずかしい」程度だと思っている医師は多い。実際は深刻である。管理者として不適任と判断されれば都道府県知事が管理者の変更を命じ得る(28条)し、無資格者に医業をさせていた場合は医師法17条違反に関与したと評価される危険もある。自分の免許そのものが行政処分の対象になり得る
- 「医師免許があれば誰でも院長になれる」という理解は、問いの立て方がずれている。問うべきは免許の有無ではなく、臨床研修等を修了しているかどうか、さらに施設が第3項の病院に当たる場合は医師少数区域経験の認定があるかどうかだ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 医療法10条:病院・診療所の管理者の資格 | 医療法12条:管理者による他施設の兼任制限 医療法46条の6:医療法人理事長の資格 |
| 求められる資格・条件 | 臨床研修等修了医師(歯科医師)、3項病院は認定も原則必要 | 原則として他の病院等を管理しないこと 原則として医師または歯科医師 |
| 例外の仕組み | 3項ただし書:省令で定める場合は認定なしでも可 | 都道府県知事の許可で兼任可 都道府県知事の認可で非医師も可 |
他国ではどう定めているか 2 か国
台湾も医療機関に負責医師を置くことを義務づけ、一定期間の医師訓練を受けた者に限定する点で日本の管理者要件と同じ発想に立つ
韓国は医療機関の開設主体自体を医師等に限定する規律が中心で、開設者と管理者を分ける日本とは規制の置き方が異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 医療法人ではなく、実質的にはコンサル会社がオーナーの美容クリニックから「院長として名前だけ貸してほしい、月2回来てくれればいい」と誘われたら、どうなる? 管理者は医療法上、従業者の監督(15条)や医療事故の報告(6条の10)を負う。名前を貸した瞬間に、その責任はあなたに付いてくる
- 開業医の父が急に倒れた。ベッドのない小さな診療所で、医師である息子は大学病院勤務中。後任の管理者を決めない限り診療所は適法に動かせず、管理者変更の届出期限も迫る。残された時間は数日単位だ
- 卒後1年目の研修医が、知人から「週末だけのクリニックの院長をやらないか」と持ちかけられた。臨床研修を修了していないので、そもそも管理者になれない。短い話で終わる
- あなたが地域医療支援病院の院長選考に関わる理事だとする。院内で最も人望のある候補者が医師少数区域での勤務経験がなく、5条の2の認定も受けていない。第3項ただし書の省令例外に当てはまるかを確認しないまま人事を決めると、後で都道府県とのやり取りがこじれかねない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 名ばかり院長を頼まれた、または就任後に経営側から医療判断へ介入されている場合、指示・勤務実態・権限の範囲をメールや議事録で記録する2. 管理者として必要な権限が与えられていないなら、書面で改善を求める3. 改善されなければ辞任を検討する。その際、後任への引継ぎと届出の時期を開設者と書面で確認する4. 無資格者による医療行為などを把握した場合は、医療法務に強い弁護士に相談したうえで保健所や都道府県への相談を検討する
訴えられた側:1. 開設者として、管理者が臨床研修等修了医師(歯科医師)かを登録証で確認し、写しを保管する2. 施設が第3項の病院に当たる場合、5条の2の認定の有無と省令例外の該当性を都道府県に事前に照会する3. 管理者の退任が見えたら、空白が生じないよう後任を先に確保する4. 保健所の立入検査で指摘を受けたら、期限内に改善計画を出し、管理者変更命令(28条)へ進むのを防ぐ
時効(請求できる期限):本条自体に時効はない。管理者の資格は開設期間中ずっと満たし続ける必要がある。管理者を変更したときの届出には期限がある(期限は施設の種類や医療法施行令・施行規則によって異なる。最新の改正状況をご確認ください)。私法上の紛争は一般消滅時効(民法166条、権利を行使できることを知った時から5年、行使できる時から10年)が適用される
改正沿革 AI による整理
- 平成30年(2018年)医療法及び医師法の一部を改正する法律 医師偏在対策の一環として、医師少数区域経験認定医師(5条の2)を一定の病院の管理者要件とする第3項が加えられたとされる。施行時期や対象病院の範囲は人による検証が必要
- 医師臨床研修必修化に伴う改正(平成10年代) 管理者の資格が「臨床研修等修了医師」に改められたとされる。改正年と条文の文言は人による検証が必要
改正の年表
- 1.平成12年(2000年) 改正:第4次医療法改正により、医師臨床研修の必修化と連動して、管理者の資格を臨床研修等修了医師・歯科医師とする方向に改められた(施行時期は人による検証が必要)
- 2.平成30年(2018年) 改正:医療法及び医師法の一部を改正する法律により、医師偏在対策として医師少数区域経験認定医師制度が設けられ、省令で定める病院の管理者要件とする第3項が整備された(施行時期は人による検証が必要)
- 医療法 第5条の2医師少数区域経験認定、第3項の前提
- 医療法 第12条管理者の兼任制限と知事許可による例外
- 医療法 第15条管理者の従業者監督義務
- 医療法 第28条不適任管理者の変更命令
- 医療法 第46条の6医療法人理事長の医師要件
- 医師法 第17条非医師の医業禁止、名義貸し問題と連動
- 歯科医師法 第17条非歯科医師の歯科医業禁止
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