医療法 第10条の2
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- 特定機能病院の開設者は、前条の規定により管理させる場合は、厚生労働省令で定めるところにより、第十六条の三第一項各号に掲げる事項の実施その他の特定機能病院の管理及び運営に関する業務の遂行に関し必要な能力及び経験を有する者を管理者として選任しなければならない。
- 2.前項の規定による特定機能病院の管理者の選任は、厚生労働省令で定めるところにより、特定機能病院の開設者と厚生労働省令で定める特別の関係がある者以外の者を構成員に含む管理者となる者を選考するための合議体を設置し、その審査の結果を踏まえて行わなければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 医療法第10条の2は、日本の医療法に含まれる条文です。
- 医療法第10条の2の条文原文は「特定機能病院の開設者は、前条の規定により管理させる場合は、厚生労働省令で定めるところにより、第十六条の三第一項各号に掲げる事項の実施その他の特定機能病院の管理及…」で始まります。
- 医療法第10条の2は第二節 管理に置かれています。
- 医療法の公布日は昭和23年7月30日です。
- 医療法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 医療法第10条の2の前の条は医療法第10条です。
- 医療法第10条の2の次の条は医療法第11条です。
- 医療法第10条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第10条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000205 - 本サイト収録
医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第10条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000205/10_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点医療法10条の2は、特定機能病院の開設者に、医療安全を含む管理運営の能力と経験を持つ者を、外部委員を含む合議体の審査を経て管理者に選任するよう義務づける。
Q · 大学病院の院長って、教授会の選挙で決めてもいいの?
選挙だけでは不可、外部委員入りの委員会審査が必要
特定機能病院については、医療法10条の2により、開設者が16条の3第1項各号の業務を含む管理運営の能力と経験を持つ者を管理者に選ばなければなりません。選任にあたっては、開設者と特別の関係がない者を構成員に含む合議体(選考委員会)を設置し、その審査結果を踏まえる必要があります。教授会の投票だけで病院長を決める方式は、この手続を満たしません。
解説
日本の最上位クラスの病院には、かつて病院長を教授会の選挙や持ち回りで決めるところがあった。医療法10条の2は、その決め方を法律で変えた条文である。特定機能病院(高度な医療・研究・研修を担うとして厚生労働大臣の承認を受けた病院。大学病院が中心で全国に約90ある)の開設者は、医療安全を含む病院運営をこなせる能力と経験を持つ人物を、自ら管理者(病院長)として選ばなければならない。選考にあたっては合議体(複数人で構成する選考委員会)を置き、その中に開設者と特別な関係がない外部の人を入れ、審査結果を踏まえて選ぶ。きっかけは、東京女子医科大学病院と群馬大学医学部附属病院で相次いだ患者死亡事案と、2015年の両院の特定機能病院承認取消しである。大学病院でメスを入れられる前に、その病院のトップがどう選ばれたかを確かめる手がかりが、この条文によってできた。
法的な位置づけ
医療法10条の2は、特定機能病院の管理者選任に関する規定である。開設者は、厚生労働省令に従い、16条の3第1項各号の事項の実施その他の管理運営業務を遂行する能力と経験を有する者を管理者に選任しなければならず、その選任は、開設者と特別の関係がない者を構成員に含む合議体の審査結果を踏まえて行う必要がある。
よくある質問 AI による整理
Q1特定機能病院とは何ですか?
高度な医療の提供・開発評価・研修を担う病院として、厚生労働大臣の承認を受けた病院です(医療法4条の2)。大学病院が中心です。
Q2病院長の選考委員会とは?
特定機能病院の管理者候補を審査する合議体です。医療法10条の2第2項により、開設者と特別の関係がない外部の者を構成員に含める必要があります。
Q3特定機能病院の管理者の要件は?
16条の3第1項各号の業務の実施など、病院の管理運営を遂行する能力と経験が求められます。細目は医療法施行規則で定められています。
Q4病院長の選考結果は公表されますか?
多くの特定機能病院が選考基準や結果、選考過程をホームページで公表しています。公表の範囲と方法は省令の定めを確認してください。
Q5大学病院の院長は誰が任命する?
任命するのは開設者(大学法人など)です。医療法10条の2により、合議体の審査結果を踏まえて選任する必要があります。
Q6特定機能病院の承認取消しはどんな場合?
承認要件を欠いた場合や管理運営体制に問題がある場合などに、医療法29条に基づき厚生労働大臣が承認を取り消すことがあります。
Q7病院長選考の外部委員は何人必要?
医療法10条の2自体は人数を定めていません。構成の細目は厚生労働省令で定められているため、医療法施行規則の現行規定を確認する必要があります。
Q8病院長の選び方は違法になる?
外部の者を含む合議体を置かずに教授会の選挙だけで決めた場合、医療法10条の2の手続違反になり、承認の維持に影響するおそれがあります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1大学病院の院長って、結局は教授の中から選ばれるんですよね?
結果として学内の教授が選ばれることは多い。ただ本条により、開設者が外部委員を含む合議体を置き、医療安全を含む運営能力を審査したうえで選ばなければならない。教授会の投票だけで決めることはできない。実務のポイント:選考基準や結果、選考過程を公表している病院は多い。候補者に何を求めたかの書きぶりには、病院の本気度が出る
Q2この規定に違反したら、病院はどうなるんですか?
本条違反そのものに直接の刑事罰はない。ただし特定機能病院は承認制で、管理運営体制に問題があれば、厚生労働大臣による改善の求めや承認取消し(29条)の対象になりうる。2015年には医療安全上の問題を理由に大学病院2院の承認が取り消された。実務のポイント:病院経営にとって怖いのは罰金ではなく承認を失うことである。看板と診療報酬上の評価をまとめて失う
Q3外部委員って誰でもいいんですか?理事長の友達でもOK?
だめである。本条2項は、開設者と厚生労働省令で定める「特別の関係」がある者以外の者を委員に含めるよう求めている。具体的な範囲は医療法施行規則で定められている。実務のポイント:形式上は要件を満たしていても、委員が何人いて、議決でどれほどの重みを持つかは病院ごとに違う。選考委員の名簿と肩書きを公表しているかどうかが見極めのポイントになる
間違えやすい点 AI による整理
- 「大学病院の院長は一番偉い教授がなる」と思われがちだが、特定機能病院では、診療実績や研究業績の高さだけでは足りない。本条1項が求めるのは、16条の3第1項各号の業務(高度医療の提供、医療安全の確保など)を含む病院運営をこなす能力と経験である。名医であることと、病院を安全に運営できることは別の資質として評価される
- 外部委員を一人入れればそれで済むと考えるのは危うい。本条が選考委員会に外部の目を入れさせたのは、東京女子医大と群馬大で、内輪の論理が患者の死亡を見過ごさせたという反省からである。形だけ整えて中身が伴わなければ、医療安全体制の不備として特定機能病院の承認取消し(29条)が議論される水準の問題になりうる。承認を失えば、高度医療の拠点という看板と、それに連動する診療報酬上の評価をまとめて失う
- 「どうせ病院内部の人事の話で、患者には関係ない」という見方は、病院の内側だけを見た発想である。法律から見れば、病院長の選任は患者の生命を守る体制の出発点に置かれている。院長選びがゆがめば、安全管理の報告も改善も院長の裁量の中で止まる。そのしわ寄せを最初に受けるのは手術台の上の患者である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象となる病院 | 医療法10条の2:特定機能病院に限る | 医療法10条:すべての病院・診療所 医療法16条の3:特定機能病院の管理者 |
| 規律の中身 | 管理者の能力・経験要件と選考手続(外部委員を含む合議体) | 臨床研修等修了医師に管理させる義務 管理者が行うべき業務(高度医療の提供、医療安全の確保など) |
| 義務を負う者 | 開設者 | 開設者 管理者 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は医療機関に負責醫師の設置を求め、教學醫院は評鑑制度で管理するが、病院長の選考手続に外部委員を義務づける規定は見当たらない
韓国は上級総合病院を指定制で管理する。病院長の選考手続そのものを医療法で規律する形はとっていない
ドイツの大学病院は州法で規律され、監督委員会(Aufsichtsrat)が経営陣を任命する形が一般的。外部者の関与は組織法で担保される
米国はメディケア参加条件として、病院の governing body が CEO を任命し病院運営に責任を負うことを求める。選考手続の外部性は法定されていない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 親の手術先として大学病院を紹介された。候補は二つ。どちらも特定機能病院だが、片方は最近、病院長選考の過程をホームページで詳しく公表しており、もう片方は選考結果が一行だけ。この違いから、ガバナンスへの向き合い方の差が見えることがある
- あなたは私立医科大学の理事会事務局にいる。次期病院長の選考委員会を立ち上げることになったが、理事長は委員を全員、学内の教授と理事長の知人で固めようとしている。外部委員が名ばかりでは、本条2項が求める合議体の趣旨を満たさない。承認取消しという最悪のシナリオまで、理事長に説明できるか?
- 大学病院で家族が術後に亡くなった。調べると、同じ診療科で似た死亡例が続いていた。病院全体の安全管理を担うはずの管理者がどう選ばれ、何をしていたのかは、損害賠償請求で組織の責任を問う入口になる
- 病院長選考の任期満了まで残り3か月。選考委員会の規程改定がまだ理事会を通っておらず、外部委員の人選も決まっていない。時間切れで旧来の学内選挙に戻せば、厚生労働省の立入検査で真っ先に指摘されるおそれがある
- 教授会の投票で次期病院長が内定済み、という噂が院内に流れている。それは本当に合法なのか?
取るべき行動
被害を受けた側:1. 事故が起きた病院が特定機能病院かを厚生労働省の公表一覧で確認する2. 病院ホームページで管理者の選考結果・医療安全管理体制・監査委員会の報告を保存する(後で更新される前に) 3. カルテ開示を請求し、医療事故調査制度(医療法6条の10以下)の対象になるかを病院に書面で照会する4. 医療過誤に強い弁護士に、個人の過失と組織の安全体制の不備の両面から相談する
訴えられた側:1. 開設者側は、選考委員会の規程・外部委員の人選理由・審査記録を文書で残す2. 外部委員が開設者と「特別の関係」にないことを、厚生労働省令の基準に照らして事前に確認する3. 候補者の医療安全に関する経験を具体的な実績で評価し、選考理由として示せるようにする4. 立入検査や承認更新で指摘を受けたら、改善計画を速やかに出し、承認取消し(29条)に至る前に手を打つ
時効(請求できる期限):本条自体に特定の期限はない。ただし医療事故で損害賠償を請求する場合は、不法行為なら損害と加害者を知った時から5年(生命・身体侵害、民法724条の2)かつ行為時から20年、診療契約の債務不履行なら権利を行使できることを知った時から5年・行使できる時から20年(民法166条、167条)の時効に注意する(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 平成29年(2017年)医療法改正 東京女子医大・群馬大の事案を受けた特定機能病院のガバナンス改革の一環として、管理者の能力要件と外部委員を含む合議体による選考が法律上の義務として整備されたとされる。施行時期と、本条が新設か既存条文の改正かは人的検証が必要
改正の年表
- 1.平成29年(2017年) 新設:医療法等の一部を改正する法律により、特定機能病院のガバナンス改革の一環として、管理者の能力要件と外部委員を含む合議体による選考が整備されたとされる。施行日は要確認
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