医療法 第12条
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- 病院、診療所又は助産所の開設者が、病院、診療所又は助産所の管理者となることができる者である場合は、自らその病院、診療所又は助産所を管理しなければならない。ただし、病院、診療所又は助産所の所在地の都道府県知事の許可を受けた場合は、他の者にこれを管理させることができる。
- 2.病院、診療所又は助産所を管理する医師、歯科医師又は助産師は、次の各号のいずれかに該当するものとしてその病院、診療所又は助産所の所在地の都道府県知事の許可を受けた場合を除くほか、他の病院、診療所又は助産所を管理しない者でなければならない。
- 一医師の確保を特に図るべき区域内に開設する診療所を管理しようとする場合
- 二介護老人保健施設その他の厚生労働省令で定める施設に開設する診療所を管理しようとする場合
- 三事業所等に従業員等を対象として開設される診療所を管理しようとする場合
- 四地域における休日又は夜間の第三十条の三第一項に規定する医療提供体制の確保のために開設される診療所を管理しようとする場合
- 五その他厚生労働省令で定める場合
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 医療法第12条は、日本の医療法に含まれる条文です。
- 医療法第12条の条文原文は「病院、診療所又は助産所の開設者が、病院、診療所又は助産所の管理者となることができる者である場合は、自らその病院、診療所又は助産所を管理しなければならない。ただし…」で始まります。
- 医療法第12条は第二節 管理に置かれています。
- 医療法の公布日は昭和23年7月30日です。
- 医療法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 医療法第12条の前の条は医療法第11条です。
- 医療法第12条の次の条は医療法第12条の2です。
- 医療法第12条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第12条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000205 - 本サイト収録
医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第12条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000205/12
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点医療法12条は、管理者資格のある開設者に自ら施設を管理する義務を課し、管理者による他の病院・診療所の兼務管理を、知事の許可がある例外を除き禁止する。
Q · クリニックの院長は、別のクリニックの院長を掛け持ちできる?
原則できない。法定の例外+知事の許可がある場合のみ可
医療法12条2項により、病院・診療所・助産所を管理する医師等は、原則として他の施設を管理できません。例外は、医師の確保を特に図るべき区域内の診療所、介護老人保健施設等に開設する診療所、事業所内の従業員向け診療所、休日・夜間診療所などの法定事由に該当し、かつ所在地の都道府県知事の許可を受けた場合に限られます。非常勤医として他院で診療すること自体は禁止されていません。
解説
「院長」という肩書きは、法律上の名前ではない。医療法が見ているのは「開設者」と「管理者」の二つの椅子であり、12条はこの二つの関係に決まりを置いている。第1項は、医師である個人がクリニックを開いたなら、その人が自分で管理しなければならないと定める。他人に任せるには、所在地の都道府県知事の許可(役所から個別に受ける正式な承認)が必要になる。第2項は、管理者になった医師が別の病院や診療所の管理者を掛け持つことを原則として禁じている。例外は、医師不足の地域、介護老人保健施設などの中にある診療所、社員向けの企業内診療所、休日・夜間診療所などに限られ、ここでも知事の許可が要る。あなたが勤務医なら、「名前だけ院長になってくれれば手当を出す」という誘いの重みがここで分かる。管理者の欄に名前が載った瞬間、その診療所で起きることの責任はあなたに向く。あなたが開業医なら、分院を出したいと思った時点で、この条文が医療法人化を考えるきっかけになる。
法的な位置づけ
医療法第12条は、病院・診療所・助産所の管理に関する規定である。管理者資格を有する開設者に自己管理義務を課し、都道府県知事の許可がある場合に限り他者への管理委託を認める。あわせて、管理者による他施設の兼務管理を原則として禁止し、医師確保区域内の診療所等、法定の事由に該当し知事の許可を受けた場合のみ例外とする。
よくある質問 AI による整理
Q1医療法12条とは何を定めた条文ですか?
開設者の自己管理義務(1項)と、管理者による他施設の兼務管理の原則禁止(2項)を定めた条文です。いずれも都道府県知事の許可による例外があります。
Q2開設者と管理者の違いとは?
開設者は医療機関を開き経営上の主体となる者、管理者は施設の現場を管理し従業者を監督する医師等です。医師個人の開業では同一人物になるのが原則です。
Q3管理者の兼務許可はどこに申請する?
管理する施設の所在地を管轄する都道府県知事に申請します。実務上の窓口は保健所や都道府県の医務担当課で、事前相談が推奨されます。
Q4雇われ院長 責任はどこまで?
管理者は医療法15条により従業者を監督する義務を負い、不適当と判断されれば28条による管理者変更命令の対象になります。肩書きではなく届出上の地位で責任が決まります。
Q5管理医師 名義貸し 違法?
実態のない名義上の管理者は、12条・15条が求める管理・監督を果たしていないと評価されるおそれがあり、行政指導や管理者変更命令につながりえます。
Q6企業内診療所の管理者は兼務できる?
事業所等に従業員向けに開設される診療所の管理は12条2項の例外事由に当たり、所在地の都道府県知事の許可を受ければ兼務が認められえます。
Q7休日夜間診療所の管理者は掛け持ちできる?
地域の休日・夜間の医療提供体制確保のための診療所は法定の例外事由です。知事の許可を受ければ、本来の施設の管理者との兼務が可能になります。
Q8開設者が医師でない場合も自分で管理する義務がある?
ありません。12条1項の自己管理義務は、開設者が管理者となれる者である場合に限られます。医療法人など医師でない開設者は、医師を管理者として置きます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1院長って週一回しか来なくても大丈夫なんですか?
12条には「常勤」という言葉はないが、医療法15条で管理者は従業者を監督する義務を負う。行政実務では、管理者は原則として常勤であることが求められている(都道府県で運用に差があるため要確認)。実務のポイント:保健所の立入検査で見られるのは肩書きではなく、出勤簿とスタッフへの指示の記録である。週一回しか来ていないのが分かれば、28条による管理者変更の指導につながりうる
Q2開業医ですが、分院を出して両方の院長をやることはできますか?
原則としてできない。12条2項は管理者が他の施設を管理することを禁じ、例外は医師確保区域など法律に挙げられた場合で知事の許可を得たときに限られる。実務のポイント:個人開業のまま分院を持つには、12条1項ただし書の許可を得て分院を別の医師に管理させる必要がある。これが通りにくいため、2院目を考えた時点で医療法人化(39条)を検討するのが実務の定石である
Q3医療法人の理事長なら、自動的に院長にもなるんですか?
ならない。12条1項の自分で管理する義務がかかるのは、開設者自身が管理者になれる場合、つまり医師である個人が開設者のときである。医療法人は法人なので自分で管理することができず、管理者として医師を置く。実務のポイント:理事長と管理者が別人のクリニックは珍しくない。トラブルのときに誰が現場の責任を負うのかは、登記簿ではなく保健所に届け出た管理者の欄で決まる
間違えやすい点 AI による整理
- 「兼務禁止だから、他院で働くこと自体がダメ」と思う医師がいるが、12条2項が禁じているのは他院を「管理」することであり、非常勤医として診療に出ることではない。管理者を務めながら週一回よそで外来を担当するのは、この条文の問題ではない。問題になるのは、二つ目の施設でも管理者の欄に名前を載せることである
- 名義だけの管理者を「医師業界ではよくある話」と軽く見ている人は、その深刻さを分かっていない。管理者には医療法15条による従業者の監督義務があり、管理者が不適当と判断されれば都道府県知事は28条で管理者の変更を命じられる。名前を貸した医師は、行ったこともない現場の監督責任を負う立場に置かれる
- 「どうすれば院長が二つのクリニックを掛け持ちできるか」と考える時点で、問いの立て方がずれている。個人開業医が複数の施設を持ちたいなら、医療法人(39条)を作って法人を開設者にし、各施設に管理者を置くのが本来の設計である。12条は、一人の医師が管理できる範囲は原則一施設だという前提で組まれている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 医療法12条:誰が管理するか(自己管理義務)と兼務管理の禁止 | 医療法10条:管理者になれる資格(臨床研修等修了医師等) 医療法15条:管理者が負う従業者監督義務 |
| 名宛人 | 開設者(1項)と管理者(2項) | 開設者(有資格者に管理させる義務) 管理者 |
| 例外・違反時の扱い | 都道府県知事の許可で他者管理・兼務が可能 | 資格要件自体に知事許可の例外はない 監督不十分なら28条の管理者変更命令につながりうる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は医療機関ごとに負責医師一人を置き、医療業務の監督責任を負わせる。一施設一責任者という発想は日本と共通
韓国は医療人が複数の医療機関を開設・運営することを禁じる「1人1 개소」原則を置き、日本より開設段階で強く制限する
ドイツは医師職業規則で開業地を規律し、一定数の追加診療拠点を認める。管理者許可という行政許可の仕組みとは構造が異なる
フランスは医師職業倫理規範で複数拠点での診療を条件付きで認める。職業団体の規律が中心である点が日本と異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 月20万円の管理者手当で「週一回顔を出すだけでいい」と美容クリニックの運営会社から誘われた。そこで施術事故が起きたとき、保健所から最初に呼ばれるのは誰になる? 管理者として届け出た、あなた自身である
- 開業5年目の内科医が、隣の市に分院を出そうと物件を契約した。自分が両方の管理者を兼ねられると思っていたが、12条2項の兼務禁止で行き詰まり、分院には別の管理者を探すしかなくなった
- 父が院長を務める個人クリニックで、父が脳梗塞で倒れた。開設者は父、管理者も父。代わりの医師が診療を続けるには、管理者の変更と知事の許可の段取りが必要になる。来週の予約患者は300人いる
- へき地の診療所に、週二日だけ来てくれる医師が管理者に就くことになった。本院の管理者も続けたいなら、医師確保区域の例外に当たるか、知事の許可が取れるかを事前に確認しなければ、開設の届出そのものが止まる
- 保健所の立入検査で、管理者の医師が実際には他院で常勤していることが分かった。検査官が口にしたのは「管理者の実態」という言葉だけだった
取るべき行動
被害を受けた側:名義だけの管理者を求められている勤務医の場合:1. 実際に勤務する日数と、スタッフへの指揮命令権を書面で確認する2. 実態がないまま名前を載せる話なら断る。管理者は15条の監督義務と28条の変更命令の対象になる3. すでに名義が載っているなら、辞任の意思を書面で伝え、管理者変更の届出がいつ出るのかを運営側に確認する4. 対応がなければ所在地の保健所に相談する
訴えられた側:保健所から管理体制の指導を受けた開設者・管理者の場合:1. 管理者の勤務実態(出勤記録、指示の記録)をすぐに整理する2. 兼務があるなら、12条2項の例外と知事の許可の有無を確認する3. 許可がないなら、管理者の交代か許可申請を指導の期限内に進める4. 同じ問題を抱える施設が複数あるなら、医療法人化と施設ごとの管理者の配置を医療法に詳しい弁護士や行政書士と検討する
時効(請求できる期限):12条そのものに時効の定めはない。私法上の請求には一般の消滅時効(民法166条、債権は知った時から5年または行使できる時から10年)が適用される。管理者を変更したときの届出には短い期限が定められている(最新の改正状況と都道府県の運用をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 平成30年(2018年)医療法及び医師法の一部を改正する法律(人的検証要) 医師偏在対策の一環として、第2項に医師の確保を特に図るべき区域内の診療所を管理する場合の兼務の例外が加えられたとみられる。号の構成と施行日は要確認
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:医療法の制定により、開設者の自己管理義務と管理者の兼務制限を定める規定として設けられた
- 医療法 第10条管理者は臨床研修等修了医師であることを要求
- 医療法 第15条管理者の従業者監督義務
- 医療法 第28条不適当な管理者への変更命令
- 医療法 第7条病院・診療所の開設許可
- 医療法 第39条医療法人制度、複数施設開設の器
- 医師法 第16条の2臨床研修義務、管理者資格の前提(現行効力を要確認)
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