医療法 第20条
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病院、診療所又は助産所は、清潔を保持するものとし、その構造設備は、衛生上、防火上及び保安上安全と認められるようなものでなければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 医療法第20条は、日本の医療法に含まれる条文です。
- 医療法第20条の条文原文は「病院、診療所又は助産所は、清潔を保持するものとし、その構造設備は、衛生上、防火上及び保安上安全と認められるようなものでなければならない。」で始まります。
- 医療法第20条は第二節 管理に置かれています。
- 医療法の公布日は昭和23年7月30日です。
- 医療法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 医療法第20条の前の条は医療法第19条の2です。
- 医療法第20条の次の条は医療法第21条です。
- 医療法第20条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第20条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000205 - 本サイト収録
医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第20条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000205/20
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点医療法20条は、病院・診療所・助産所に清潔の保持と、衛生・防火・保安上安全な構造設備を義務付ける。違反すると保健所の検査を経て使用制限や修繕命令を受けうる。
Q · 病院やクリニックが不衛生だったり危険だったりしたら、法律違反になるの?
なる。医療法20条が清潔と安全な設備を義務付けている
医療法20条は、病院・診療所・助産所に清潔の保持と、衛生上・防火上・保安上安全な構造設備を義務付けています。20条違反そのものに直接の罰則はありませんが、保健所は25条に基づき立入検査を行い、清潔を欠くときや保安上危険と認めるときは24条により使用制限・使用禁止や修繕・改築を命じられます。命令に従わなければ罰則の対象となり、29条による開設許可の取消しや閉鎖命令に至ることもあります。
解説
条文はたった一文で、書き出しは「清潔を保持する」という拍子抜けするほど素朴な言葉だ。だが読み飛ばすと損をする。医療法20条は、病院・診療所・助産所の開設者に、清潔と、衛生・防火・保安の三方向の安全を守る公法上の義務(国や自治体に対して負う義務)を課している。具体的な数値基準は21条・23条と医療法施行規則に任されているが、守らせる仕組みは本法の中にそろっている。保健所の立入検査(25条)、使用制限・使用禁止・修繕や改築の命令(24条)、それでも従わなければ開設許可の取消しや閉鎖命令(29条)へと進む。患者としてのあなたには意味が二つある。待合室の非常口をふさぐ段ボールや、器具の使い回しを見たとき、苦情を言う先は受付ではなく保健所だということ。そして院内で転倒や感染が起きたとき、この基準を守っていたかどうかが、損害賠償請求で過失を主張する有力な材料になるということだ。
法的な位置づけ
医療法20条は医療施設の清潔保持と構造設備の安全を定める規定であり、病院・診療所・助産所に対し、施設を清潔に保ち、構造設備を衛生上・防火上・保安上安全と認められるものとする公法上の義務を課す。具体的な基準は同法21条・23条およびこれに基づく厚生労働省令に委ねられ、同法24条・25条・29条の監督措置によって担保される。
手順
- 1.気付いた状況を記録する 器具の使い回し、ふさがれた非常口、濡れたままの床など、衛生上・保安上の問題に気付いたら、日時・場所・状況をメモし、可能な範囲で写真を撮る。他の患者が写り込まないよう配慮する
- 2.院内の相談窓口に伝える まず院内の患者相談窓口や事務長に具体的に伝え、改善を求める。対応者の氏名と回答内容を記録しておく
- 3.保健所・医療安全支援センターに相談する 院内で改善されない場合、管轄の保健所または医療安全支援センターに、記録した日時・場所・状況と写真を添えて相談する。医療法25条の立入検査につながる可能性がある
- 4.被害があれば記録の開示を請求する 転倒や感染で実際に被害を受けた場合、診療録・事故報告書・清掃記録・設備点検記録の開示を文書で請求し、弁護士に相談のうえ民法415条または709条に基づく損害賠償を検討する
よくある質問 AI による整理
Q1医療法20条とは何ですか?
病院・診療所・助産所に、清潔の保持と、衛生上・防火上・保安上安全な構造設備を義務付ける規定です。具体的基準は21条・23条と施行規則が定めます。
Q2医療法20条に違反したら罰則はありますか?
20条違反そのものに直接の罰則はありません。ただし24条の使用制限や修繕命令に従わなければ罰則の対象となり、29条で許可取消しや閉鎖命令に進みえます。
Q3病院の衛生状態はどこに通報できますか?
管轄の保健所、または各都道府県等の医療安全支援センター(医療法6条の13)に相談できます。日時・場所・状況を具体的に伝え、写真を添えると効果的です。
Q4保健所の立入検査はいつ行われますか?
医療法25条に基づき、定期的な立入検査(医療監視)のほか、通報や事故をきっかけに臨時で行われることがあります。検査の頻度は施設の種類や自治体の運用で異なります。
Q5クリニックの構造設備基準はどこに書いてありますか?
医療法20条は理念的な義務のみで、具体的な基準は21条・23条の委任を受けた医療法施行規則16条などに定められています。消防法上の基準も別途適用されます。
Q6病院で転倒してけがをしたら賠償請求できますか?
できる可能性があります。濡れた床の放置など保安上の安全確保を怠った事情を過失として主張し、民法415条または709条に基づき損害賠償を請求します。
Q7助産所にも医療法20条は適用されますか?
適用されます。20条は病院・診療所に加えて助産所も明示しており、清潔の保持と構造設備の安全が同様に求められます。
Q8医療機関が閉鎖命令を受けるのはどんな場合ですか?
24条の使用制限や修繕命令などに従わない場合、医療法29条に基づき、都道府県知事等が開設許可の取消しや閉鎖を命じることがあります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1病院が汚いって保健所に言ったら、本当に来てくれるんですか?
保健所には医療法25条にもとづく立入検査の権限があり、通報をきっかけに臨時の検査が行われることもあります。不衛生や危険が確認されれば、24条の使用制限や修繕命令まで出せます。実務のポイント:感想だけの通報は優先度が下がりやすい。日時、場所、状況を具体的に書き、写真を添えると、行政が動く可能性が大きく上がる
Q2院内で転んで骨折しました。病院の責任を問えますか?
問える可能性があります。20条は開設者に保安上の安全確保を求めていて、濡れた床を放置した、手すりがないなどの事情は過失を主張する材料になります。請求の根拠は民法415条または709条です。実務のポイント:病院側は「患者の不注意」と過失相殺(民法418条、722条2項)を主張してくることが多い。転倒リスクの評価記録や看護記録を早めに開示請求すると、病院が危険を予見できたかどうかが見えてくる
Q3小さなクリニックを開業するんですが、20条のために何を準備すればいいですか?
20条の具体的な中身は、医療法施行規則16条などの構造設備基準と消防法上の設備に落とし込まれています。設計段階で保健所と消防署に事前相談するのが基本です。実務のポイント:内装業者は建築と消防には詳しくても、医療法の基準には詳しくないことが多い。開設届や許可申請の直前に基準違反が見つかれば、開業日そのものがずれる
Q4美容クリニックも病院と同じ規制を受けるんですか?
受けます。医師が医業を行う場所は医療法上の診療所で、20条の清潔と安全の義務がそのまま適用されます。保健所の立入検査の対象にもなります。実務のポイント:エステサロンは医療機関ではないので、この枠組みの外にある。同じ脱毛でも、トラブルが起きたときに頼れる監督の仕組みがまったく違う
間違えやすい点 AI による整理
- 「清潔さは院長のこだわり次第で、法律が口を出す話ではない」と思われがちだが、20条は清潔の保持を法的義務として定めている。保健所には立入検査の権限(25条)があり、不衛生と判断すれば使用の制限・禁止や修繕命令(24条)まで出せる。趣味の領域ではなく、許可を維持するための条件である
- 20条違反そのものに直接の罰則がないことを知って、軽い規定だと判断する院長がいる。だが仕組みは段階式だ。24条の命令に従わなければ罰則の対象になり、29条で開設許可の取消しや閉鎖命令にまで進みうる(最新の改正状況をご確認ください)。最初の指摘を軽く扱うと、最後の段階まで一直線に進む
- 患者の立場では「病院が汚いのは不快だけど、自分には何もできない」と感じる。法律の見方は違う。20条は患者を直接の請求権者にしていないが、行政が動くための入口を患者の通報に開いている。さらに院内事故の民事訴訟では、20条や施行規則の基準に違反していた事実が過失を裏付ける事情として主張される。あなたが撮った写真一枚が、行政ルートと民事ルートの両方で証拠になる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 医療法20条:清潔保持と構造設備の安全という理念的義務 | 医療法23条:構造設備の具体的基準を厚生労働省令に委任 医療法24条:違反時の使用制限・禁止、修繕・改築命令 |
| 名宛人 | 病院・診療所・助産所(開設者) | 厚生労働大臣(基準の制定) 都道府県知事等が開設者に対し命令 |
| 違反時の効果 | 直接の罰則なし、24条命令の前提となる | 省令基準違反は24条命令の対象 命令違反は罰則、さらに29条の許可取消し・閉鎖へ |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も医療機関に適当な医療場所と安全設施を求め、具体基準は中央主管機関の設置標準に委ねる。日本の20条と施行規則の関係に近い構造
韓国は医療機関の遵守事項として施設・衛生管理の基準を定め、違反時の是正命令などの監督措置を置く
ドイツは院内感染対策とハイジーンを感染症予防法の枠組みで規律し、施設の衛生管理を公衆衛生当局が監督する
米国は Medicare 参加条件として病院の物理的環境(防火・安全)を定め、連邦の認証・監査を通じて担保する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 通っている歯科で、前の患者に使ったタービンが拭いただけで次の人の口に入るのを見てしまったら、どこに言えばいい? 受付に言っても「大丈夫です」で終わる。管轄の保健所や医療安全支援センター(医療法6条の13)に相談すれば、25条の立入検査につながる可能性がある
- あなたは開業3年目のクリニック院長。予約が増えて、非常口の前を点滴スタンドとダンボールの置き場にしていた。年に一度の保健所の立入検査で指摘され、改善報告書の提出を求められる。「たかが物置き」が、医療監視の記録に残る
- 夜間の病棟で、濡れた床に表示がなく、高齢の母親が転倒して大腿骨を骨折した。病院は「本人の不注意」と言う。だが保安上の安全確保は開設者の責任だ。事故直後の床の写真と、当日の清掃記録の開示請求が勝負を分ける
- 有床診療所の改装工事が来週始まる。内装業者は「消防の件はこっちでやります」と言う。構造設備の変更に必要な許可申請や届出、消防法上の設備の確認を業者任せにした結果、完成後に使用制限を受けたケースは珍しくない。着工まで残り7日、確認するなら今だ
- 美容クリニックで脱毛施術を受けたあと、施術室の衛生状態が気になった。美容クリニックも医療法上の「診療所」なので、20条の義務はそのまま適用される
取るべき行動
被害を受けた側:1. 不衛生な器具の扱いや、ふさがれた避難経路、濡れた床など、気付いた状況をその場で写真とメモに残す2. 院内の相談窓口で改善されなければ、管轄の保健所または医療安全支援センター(医療法6条の13)に相談する3. 転倒や感染で実際に被害を受けたときは、診療録、事故報告書、清掃記録の開示を請求する4. 損害賠償は民法415条(診療契約上の債務不履行)または709条で組み立て、基準違反の事実を過失を裏付ける事情として主張する
訴えられた側:1. 保健所から指摘を受けたら、期限内に是正内容を写真付きで報告し、指摘を放置しない2. 清掃、滅菌、設備点検の記録を日付入りで継続して残す。記録がなければ、実際に守っていても証明できない3. 構造設備を変更する前に、医療法上必要な許可や届出と消防法上の設備を、保健所と消防署に事前相談する4. 院内事故が起きたら、事実関係を記録し、記録を後から修正しない。改ざんを疑われれば、事故そのものより重い不利益になる
時効(請求できる期限):20条そのものに特定の時効はない。院内事故の損害賠償は、生命・身体の侵害について、不法行為構成なら損害および加害者を知った時から5年・不法行為の時から20年(民法724条、724条の2)、債務不履行構成なら権利を行使できることを知った時から5年・行使できる時から20年(民法166条、167条)
学説
一般的理解:20条は開設者が国や自治体に対して負う公法上の義務であり、患者に直接の請求権を与えるものではない。ただし院内事故の民事訴訟では、20条や施行規則の基準違反が注意義務違反(過失)を裏付ける事情として考慮されうる
改正沿革 AI による整理
- 昭和23年(1948年)医療法制定 医療法制定時から医療施設の清潔保持と構造設備の安全を定める規定として置かれた。その後の文言改正の有無と時期は人による確認が必要
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:医療法制定時に、医療施設の清潔保持と構造設備の安全を定める規定として置かれた。その後の文言改正の有無と時期は要確認
- 医療法 第21条病院の人員と施設の具体的基準
- 医療法 第23条構造設備基準を厚生労働省令に委任
- 医療法 第24条違反時の使用制限と修繕・改築命令
- 医療法 第25条保健所等による立入検査の権限
- 医療法 第29条命令違反時の開設許可取消・閉鎖
- 消防法 第17条消防用設備の設置と維持を別途義務付け
- 民法 第709条院内事故での損害賠償の根拠
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