医療法 第66条
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- 都道府県知事は、医療法人が法令の規定に違反し、又は法令の規定に基く都道府県知事の命令に違反した場合においては、他の方法により監督の目的を達することができないときに限り、設立の認可を取り消すことができる。
- 2.都道府県知事は、前項の規定により設立の認可を取り消すに当たつては、あらかじめ、都道府県医療審議会の意見を聴かなければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 医療法第66条は、日本の医療法に含まれる条文です。
- 医療法第66条の条文原文は「都道府県知事は、医療法人が法令の規定に違反し、又は法令の規定に基く都道府県知事の命令に違反した場合においては、他の方法により監督の目的を達することができないとき…」で始まります。
- 医療法第66条は第九節に置かれています。
- 医療法の公布日は昭和23年7月30日です。
- 医療法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 医療法第66条の前の条は医療法第65条です。
- 医療法第66条の次の条は医療法第66条の2です。
- 医療法第66条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第66条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000205 - 本サイト収録
医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第66条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000205/66
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点医療法66条は、法令違反の医療法人について、他の方法で監督目的を達成できない場合に限り、都道府県知事が設立認可を取り消せると定める。事前に医療審議会の意見聴取が必要。
Q · 医療法人が法令違反をしたら、県はすぐに法人の認可を取り消せるの?
他の手段で是正できるなら取消しは不可。最後の手段です
医療法66条1項により、都道府県知事が医療法人の設立認可を取り消せるのは、法令違反又は知事の命令違反があり、かつ「他の方法により監督の目的を達することができないとき」に限られます。報告徴収・立入検査(63条)や改善命令(64条)で是正できる段階では、取消しは認められません。また同条2項により、取消し前に都道府県医療審議会の意見を聴く必要がありますが、その意見に法的拘束力はありません。
解説
医療法人が法令に違反しても、都道府県知事はすぐに法人を潰せるわけではない。66条が設立認可の取消し(法人の存在そのものを消す役所の決定)を認めるのは、「他の方法により監督の目的を達することができないとき」に限られる。報告徴収や立入検査(63条)、改善命令(64条)、業務停止命令(64条の2)といった手前の手段で是正できるなら、取消しは違法となりうる。これは比例原則(違反の重さに見合った手段しか使えないというルール)を条文にしたものだ。さらに知事は、取り消す前に都道府県医療審議会の意見を聴かなければならない。ただし、その意見に従う義務まではない。経営者の側から見れば、指導を受けた段階でどれだけ是正の記録を積み上げたかが、最後の局面で「まだ他の方法がある」と主張する材料になる。職員や患者の側から見れば、取消しは法人の解散事由(55条)にあたる。勤め先の病院が、ある日を境に法的な主体ごと消える可能性がある。
法的な位置づけ
医療法第66条は、医療法人に対する設立認可取消しの要件と手続を定める規定である。法令違反又は法令に基づく知事の命令違反があり、かつ他の監督手段では目的を達成できない場合に限り、都道府県知事は設立認可を取り消すことができる。取消しの前には都道府県医療審議会への意見聴取が義務付けられる。
よくある質問 AI による整理
Q1医療法人の設立認可取消しとは何ですか?
都道府県知事が医療法人の設立認可を取り消し、法人格の基盤を失わせる行政処分です。医療法66条が根拠で、取消しは法人の解散事由になります(55条)。
Q2医療法人の認可取消しの要件は?
①法令違反又は法令に基づく知事の命令違反があること、②他の方法により監督の目的を達成できないこと、の二つです。さらに事前の医療審議会への意見聴取が必要です。
Q3医療法人の認可取消しは誰が決めるのですか?
処分庁は都道府県知事です。厚生局や厚生労働大臣ではありません。知事は取消し前に都道府県医療審議会の意見を聴く義務を負いますが、最終判断は知事が行います。
Q4医療法人の認可取消しの前に聴聞はありますか?
あります。許認可の取消しは不利益処分であり、行政手続法13条により原則として聴聞が必要です。聴聞では同法18条に基づき行政側の資料を閲覧できます。
Q5医療法人の認可取消しに不服がある場合はいつまで争えますか?
審査請求は処分を知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)、取消訴訟は処分を知った日から6か月以内・処分の日から1年以内(行政事件訴訟法14条)です。
Q6医療法人の認可が取り消されたら職員の給料はどうなりますか?
取消しで法人は解散し清算手続に入ります。未払い賃金や退職金は清算手続の中で債権として扱われるため、雇用契約書や給与明細などの記録を残しておくことが重要です。
Q7改善命令に従わないと認可取消しになりますか?
直ちにではありませんが、命令違反は66条の取消し要件に直接あたります。是正を拒み続けると「他の方法では監督目的を達成できない」と評価される可能性が高まります。
Q8医療審議会が反対しても認可取消しはできる?
法律上はできます。66条2項が求めるのは意見を「聴く」ことであり、従う義務はありません。ただし意見と異なる判断の経緯は、裁量逸脱を争う材料になりえます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1不正請求で保険指定を取り消されたら、医療法人も潰れるんですか?
自動的には潰れません。保険医療機関の指定取消しは健康保険法80条による厚生局の処分であり、医療法66条の設立認可取消しとは別の制度です。ただ、保険診療ができなくなれば、事実上経営が成り立たないことが多い。実務のポイント:指定取消しの原因となった事実が医療法上の法令違反にもあたると、都道府県が別ルートで改善命令から監督を始めることがある。二つの手続が並行して進みうると知っておくべきだ
Q2理事長を交代させれば、取消しを避けられますか?
有効な手になりうります。66条は「他の方法により監督の目的を達することができないときに限り」取消しを認めるので、違反の原因となった役員の交代や体制の刷新は、他の方法で是正できていることを示す強い事情になります。実務のポイント:64条の2には、知事が役員の解任を勧告できる仕組みもあります(現行効力を要確認)。行政に言われてから動くのではなく、自分から体制を変えた記録のほうが、聴聞でも訴訟でもはるかに重く評価される
Q3認可が取り消されたら、入院している患者はどうなるんですか?
取消しは医療法人の解散事由となり(55条)、法人は清算に入ります。病院を運営する主体がなくなるため、患者は転院や他の医療機関への引継ぎが必要になります。実務のポイント:取消しの実務で行政が最も神経を使うのは、この地域医療への影響です。医療審議会の意見聴取(本条2項)が求められるのも、そのためです。取消し件数が少ないのは、違反が少ないからではなく、行政が最後の手段として慎重に扱っているからだ
間違えやすい点 AI による整理
- 保険医療機関の指定取消し(健康保険法80条)と、医療法人の設立認可取消しを同じものだと思っている人が多い。前者は厚生局が保険診療の資格を奪う処分、後者は都道府県知事が法人の存在そのものを消す処分であり、根拠法も処分庁も効果もまったく違う。不正請求で指定を取り消されても、法人が自動的に消えるわけではない
- 「医療審議会が反対すれば取消しはできない」と考えがちだが、法律上の義務は意見を「聴く」ことまでである。拘束力はない。ただ、審議会の意見と異なる判断をした経緯は、取消訴訟で知事の裁量逸脱を争う材料になりうる。手続が済んでいることと、中身が適法であることは別の問題だ
- 経営者の目には「悪質でなければ取り消されない」と映るが、法律は悪質さそのものではなく、命令違反の有無と他の手段の可能性を見る。一つひとつは軽微な違反でも、改善命令を無視し続ければ「他の方法では足りない」と評価される。取消しに近づけるのは違反の重さではなく、是正を拒み続ける態度である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 処分の内容 | 医療法66条:設立認可の取消し(法人の解散事由) | 医療法64条:改善命令(不従時は業務停止命令・役員解任勧告) 医療法65条:設立認可の取消し(業務不開始・休廃止型) |
| 発動の要件 | 法令違反又は知事の命令違反 + 他の方法で監督目的を達成できないこと | 業務・会計の法令等違反又は運営が著しく適正を欠くこと 正当な理由なく一定期間内に病院等を開設・再開しないこと |
| 補充性(最後の手段)の限定 | あり:他の手段で足りる場合は取消し不可 | なし:監督の手前段階の是正手段として機能 明文なし:業務実態の欠如自体が取消し理由 |
| 監督の段階における位置 | 最上段(非常ブレーキ) | 中段(是正命令・制裁) 別類型(違反ではなく休眠法人への対処) |
他国ではどう定めているか 2 か国
台湾にも医療財団法人・医療社団法人の制度があり、主管機関が違反時に段階的な処分を行う監督体系を持つ。条番号・要件の細部は原典で要確認
韓国の医療法も医療法人の設立許可取消しを定めるが、補充性を明文で要件とする日本の本条とは構造が異なりうる。細部は原典で要確認
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 理事長が交代したばかりの医療法人に、前任者時代の役員報酬の不透明な支出について、県から報告を求める文書が届いた。回答期限は2週間後だ。ここで放置するか、是正計画をつけて誠実に回答するかで、その後の改善命令の中身も、取消しまで進むかどうかも変わる
- 勤め先のクリニックを運営する医療法人が改善命令を受けたと、職員の間で噂になっている。自分の雇用はどうなるのか。取消しで法人が解散すれば、雇用契約の相手方そのものが清算手続に入る
- もし改善命令に二度従わなかったら、どうなる? 県は「他の方法では足りない」と判断する根拠を手にする。命令違反そのものが、66条の取消し要件の一つに直接あてはまるからだ
- 医療法人の顧問税理士が、剰余金の配当禁止(54条)に触れかねない、理事長親族への資金移動に気付いた。県の立入検査より前に自主的に是正すれば、取消しまでの距離はまったく違ってくる
取るべき行動
被害を受けた側:職員や患者の立場で法人の取消しが迫っていると知ったら、1. 自分の雇用契約書と未払い賃金を確認し、清算手続で債権を届け出られるよう記録を残す2. 患者は通院中の医療機関の継続可否を確かめ、診療録の写しや紹介状を早めに求める3. 県の医務担当課に、地域医療の継続について情報提供や相談を行う。清算中の退職金などは労働基準監督署や弁護士への相談も視野に入れる
訴えられた側:法人側は、1. 報告徴収や改善命令の段階で、是正計画と実施結果をすべて文書化する2. 命令には期限内に必ず応じ、応じられない事情があれば書面で理由を伝える3. 取消しの通知や聴聞の通知が届いたら、医療法人の案件に詳しい弁護士をすぐに立て、行政手続法に基づく聴聞で資料を閲覧し、監督手段が尽くされていないことを主張する4. 処分後は、執行停止の申立てを含めて取消訴訟を検討する
時効(請求できる期限):取消処分に対する審査請求は、処分があったことを知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)。取消訴訟は、処分を知った日から6か月以内、処分の日から1年以内(行政事件訴訟法14条)。本条そのものに時効はない
学説
通説:本条の「他の方法により監督の目的を達することができないときに限り」は、比例原則・補充性を明文化したものと理解される。報告徴収、立入検査、改善命令等の段階的手段を経ずに取消しを行えば、裁量権の逸脱・濫用として違法となりうる
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和25年(1950年) 新設:医療法人制度の創設に伴い、医療法人に対する監督規定の一つとして設立認可取消しの規定が設けられた
- 医療法 第63条報告徴収・立入検査、監督の第一段階
- 医療法 第64条改善命令、取消し前の是正手段
- 医療法 第64条の2業務停止命令等、取消し直前の段階(現行効力を要確認)
- 医療法 第65条業務不開始による認可取消しの別類型
- 医療法 第55条設立認可の取消しを解散事由と定める
- 行政手続法 第13条許認可取消し前の聴聞手続義務
- 行政事件訴訟法 第14条取消訴訟の出訴期間
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