医療法 第6条の9
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国並びに都道府県、保健所を設置する市及び特別区は、医療の安全に関する情報の提供、研修の実施、意識の啓発その他の医療の安全の確保に関し必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 医療法第6条の9は、日本の医療法に含まれる条文です。
- 医療法第6条の9の条文原文は「国並びに都道府県、保健所を設置する市及び特別区は、医療の安全に関する情報の提供、研修の実施、意識の啓発その他の医療の安全の確保に関し必要な措置を講ずるよう努めな…」で始まります。
- 医療法第6条の9は第一節 医療の安全の確保のための措置に置かれています。
- 医療法の公布日は昭和23年7月30日です。
- 医療法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 医療法第6条の9の前の条は医療法第6条の8です。
- 医療法第6条の9の次の条は医療法第6条の10です。
- 医療法第6条の9には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第6条の9 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000205 - 本サイト収録
医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第6条の9(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000205/6_9
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点医療法第6条の12(現行第6条の9)は、国や都道府県等に医療安全の情報提供・研修・啓発に努めるよう求める努力義務規定で、罰則はない。
Q · 医療法の『国の医療安全の責務』って、患者に何の関係があるの?
直接は訴えられないが、相談窓口などの根拠規定です
医療法第6条の12(現行第6条の9)は、国・都道府県・保健所設置市・特別区に対し、医療安全の情報提供、研修、意識啓発などに努めるよう求める努力義務規定です。罰則はなく、この条文だけを根拠に国や自治体へ賠償を求めることは原則できません。一方で、無料で相談できる医療安全支援センター(同法第6条の13)や、医療従事者向けの研修といった行政の取組みは、この規定を土台にしています。
解説
罰則はない。違反しても誰も処分されない。条文は「努めなければならない」で終わり、法律家はこうした規定を努力義務と呼ぶ(守らなくても罰や強制がない、方向だけを示す義務)。ここで「なら自分には関係ない」と閉じると損をする。国や都道府県、保健所を置く市(政令指定都市や中核市など)、東京の特別区が医療安全の情報提供・研修・啓発に取り組む根拠は、この一文にある。医療安全支援センターの相談窓口、医療事故の事例を集めた公開データベース、病院職員向けの研修は、すべてこの一文につながっている。つまり医療に不安を感じたとき、あなたの手元には病院の外にある公的な仕組みが最初から用意されている。ただし、それらは『誰が悪いか』を決める場所ではない。相談する場所、情報を得る場所、裁く場所。この三つを区別できる人だけが、この仕組みを空振りせずに使える。※入力された条番号(第6条の12)と条文本文の対応は要照合:現行医療法ではこの本文は第6条の9に置かれている
法的な位置づけ
医療法第6条の12(現行第6条の9)は、国、都道府県、保健所を設置する市及び特別区に対し、医療の安全に関する情報の提供、研修の実施、意識の啓発その他医療の安全の確保に必要な措置を講ずるよう努めることを定めた規定である。罰則を伴わない努力義務であり、私人に具体的な請求権を付与するものではない。
よくある質問 AI による整理
Q1努力義務とは何ですか?
「努めなければならない」と定める義務で、違反しても罰則や強制がありません。医療法の本条はその典型で、行政の取組みの方向を示すものです。
Q2医療法の医療安全の規定は何条?
現行法では、国等の責務が第6条の9、事故報告が第6条の10、院内調査が第6条の11、管理者の安全管理が第6条の12、支援センターが第6条の13です。
Q3医療安全支援センターの相談は無料?
無料です。都道府県・保健所設置市・特別区が設置し、患者や家族からの医療に関する苦情・相談を中立の立場で受け付けています。
Q4医療安全支援センターに相談すると病院に伝わる?
相談者が希望すれば、センターが医療機関に情報を伝えることがあります。伝えてほしいか助言だけ欲しいかを、最初に明確にしておくと安心です。
Q5医療安全の研修は義務?
行政主催の研修への参加自体は任意ですが、病院等の管理者には医療法上、従業者研修を含む安全管理体制の確保が義務付けられています。
Q6医療事故調査制度とは?
予期しない死亡・死産が起きた際に、医療機関が医療事故調査・支援センターへ報告し院内調査を行う制度で、2015年10月に始まりました。
Q7医療ミスは保健所に相談できる?
できます。医療安全支援センターが保健所などに置かれ、相談を受け付けています。ただし過失の判定や賠償交渉は行いません。
Q8医療安全の取組みを怠った自治体に罰則はある?
ありません。本条は努力義務で罰則規定がなく、取組みの程度は各自治体の施策と予算に委ねられています。
この条文についての質問 AI による整理
Q1病院のミスっぽいんだけど、まずどこに相談すればいいの?
都道府県や保健所設置市・特別区の医療安全支援センター(医療法第6条の13)が無料で相談を受けています。本条が掲げる行政の安全確保措置を、住民向けの窓口として具体化したものです。ただし過失の判定や賠償の仲介はしません。実務のポイント:相談の最初に『助言だけ欲しい』のか『病院に伝えてほしい』のかをはっきり言うと、担当者は動き方を決めやすくなる
Q2国が医療安全に努めるって法律に書いてあるなら、事故のとき国を訴えられる?
本条は努力義務なので、それだけを根拠に国や自治体に賠償を求めることは原則できません。医療過誤は病院の開設者や医師を相手に、民法709条・715条や診療契約の債務不履行(415条)で争うのが基本です。実務のポイント:最初にやるべきは『誰を訴えるか』の特定。医療法人か、個人開設のクリニックか、公立病院の設置者かで、請求書の宛名から変わる
Q3同じようなミスが他の病院でも起きてないか、調べる方法ってある?
日本医療機能評価機構が医療事故情報やヒヤリ・ハット事例を集め、匿名化してWebで公開し、注意喚起の医療安全情報も出しています。本条のいう行政の情報提供とつながる仕組みです。実務のポイント:病院名は出ないが、同種事故の頻度や典型パターンは分かる。『珍しい不運』か『繰り返されている型』かを知るだけで、病院との面談で投げる質問の鋭さが変わる
間違えやすい点 AI による整理
- 『国に医療安全の責務があるなら、医療事故のとき国を訴えられる』という問いの立て方自体が外れている。本条は努力義務で、個人が直接何かを請求できる権利を生まない。医療過誤で争う相手は、原則として病院の開設者や医師であり、根拠は民法709条・715条や診療契約の債務不履行(415条)である
- 医療安全支援センターの存在を知っている人でも、その限界までは知らないことが多い。センターは相談を受け、助言し、必要に応じて医療機関に情報を伝えるが、過失の有無を判定したり賠償の仲介をしたりはしない。ここを期待して相談すると、『何もしてくれなかった』という誤解が生まれる
- 患者から見れば『医療ミスの情報は病院の中に隠されている』。だが制度の側から見ると、医療事故やヒヤリ・ハットの事例は公益財団法人日本医療機能評価機構の事業を通じて集められ、匿名化された形で公開されている。病院名は出ないが、どんな場面でどんな事故が起きやすいかは誰でも調べられる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 義務の名宛人 | 国・都道府県・保健所設置市・特別区 | 医療法第6条の13:都道府県・保健所設置市・特別区(医療安全支援センター) 医療法第6条の10:病院等の管理者(医療事故の報告) |
| 義務の性質 | 努力義務(罰則なし) | センター設置の努力義務 医療事故調査・支援センターへの報告義務 |
| 患者・家族との関係 | 直接の請求権は生じない(施策の根拠) | 患者・家族が相談窓口として利用できる 遺族への説明が伴い、第三者調査の入口になる |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾は2022年公布の同法で医療事故の予防と紛争処理を一体で規律し、病人安全の推進を制度化した。日本は医療法の努力義務と事故調査制度に機能を分けている
韓国は2015年施行の患者安全法で国・自治体の責務と患者安全事故の報告学習システムを単独法として定める
米国は患者安全機関(PSO)への任意報告と報告情報の秘匿特権により、責任追及ではなく学習を促す設計をとる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 退院した母の薬が入院前の倍の量になっている。処方ミスなのか、意図した増量なのか分からない。病院に電話する勇気が出ない夜、都道府県や保健所設置市の医療安全支援センターなら中立の立場で話を聞き、病院にどう尋ねればよいかを一緒に整理してくれる
- クリニックで働く看護師のあなたは、行政主催の医療安全研修の案内を『また研修か』と後回しにしてきた。行政の研修自体は任意でも、病院等の管理者には医療法上の安全管理措置の義務があり、立入検査では研修の実施状況も確認される。後回しにした一枚が、院長の指導対象につながることがある
- 家族が手術の後に予期しない形で亡くなったら、最初に何を聞けばいい? 聞くべきは『医療事故調査・支援センターに報告しますか』である。報告されなければ、第三者機関による調査の入口に立てない
- 保健所に電話した。相談を受ける窓口はあったが、裁く窓口ではなかった。この違いを知らない人ほど、電話を切ったあとで失望する
- 明日の午後、病院側との面談が入った。残り一晩でやることは二つ。経過を日時・説明者・発言内容の順で時系列メモにすること、カルテの開示請求の方法を確認しておくこと。記憶が新しいうちに書いたメモほど、後で強い材料になる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 経過を時系列でメモする(日時、説明した医師名、言われた内容) 2. 診療記録の開示を請求する(本人は個人情報の保護に関する法律に基づく開示請求が可能) 3. 医療安全支援センターで論点を整理し、病院への質問を絞る4. 死亡事案なら、医療事故調査制度への報告の有無と解剖の要否を火葬前に確認する5. 賠償を考えるなら、医療事件を扱う弁護士や弁護士会の医療ADRに相談する
訴えられた側:1. 事実を正確に記録し、カルテは改ざんしない(追記するなら日時と理由を明記) 2. 速やかに管理者へ報告し、院内の医療安全管理の仕組みに乗せる3. 予期しない死亡であれば、医療事故調査制度の報告対象かを管理者が判断する4. 患者・家族への説明は一人で抱えず、複数の職員で対応する5. 医療安全支援センターから連絡があれば、誠実に事実を伝える
時効(請求できる期限):本条自体に特定の時効はない。ただし医療過誤の損害賠償請求では、不法行為として構成すると損害及び加害者を知った時から5年(生命・身体の侵害)、行為時から20年(民法724条、724条の2)。債務不履行として構成すると、権利を行使できることを知った時から5年、権利を行使できる時から20年(民法166条、167条)。病理解剖の判断は火葬前に限られる
学説
通説:「努めなければならない」と定める努力義務規定は、行政の施策の方向を示すものであり、私人に具体的な請求権を付与せず、その不履行のみを理由とする損害賠償請求は原則として認められないと解されている
改正沿革 AI による整理
- 条番号照合(人的検証が必要) 入力された条番号は第6条の12だが、この本文は現行医療法では第6条の9に置かれている。現行の第6条の12は病院等の管理者の安全管理措置義務と理解されるため、データ側の条番号の対応を確認する必要がある
- 平成18年(2006年)医療法改正(要確認) 医療の安全の確保に関する規定群が整備され、国等の努力義務がこの時期に設けられたと理解されているが、新設・改正の区別と施行日は人的に照合すること
- 平成26年(2014年)医療法改正(要確認) 医療事故調査制度の導入に伴い、後続条文の番号が繰り下がった。本条本文の文言が変わったかどうかは未確認
改正の年表
- 1.平成18年(2006年) 新設:第五次医療法改正により「医療の安全の確保」に関する章が整備され、国等の医療安全確保の努力義務が設けられた(施行日・条番号の対応は要照合)
- 医療法 第1条医療の安全確保を法目的に明示
- 医療法 第6条の10管理者の医療事故報告義務
- 医療法 第6条の11医療事故発生時の院内調査
- 医療法 第6条の13医療安全支援センターの設置
- 医療法 第6条の17遺族等によるセンター調査の依頼
- 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律 第1条の2医薬品分野における国の責務(通称 薬機法)
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