医療法 第7条の3
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- 都道府県知事は、病院の開設の許可又は病院の病床数の増加の許可の申請(療養病床等に関するものに限る。)があつた場合において、当該申請に係る病院の所在地を含む構想区域における療養病床及び一般病床の数の合計が、医療計画において定める当該構想区域における第三十条の四第二項第七号イに規定する将来の病床数の必要量の合計に既に達しているか、又は当該申請に係る病院の開設若しくは病院の病床数の増加によつてこれを超えることになると認めるときは、当該申請をした者(以下この条において「申請者」という。)に対し、当該構想区域において病院の開設又は病院の病床数の増加が必要である理由その他の厚生労働省令で定める事項(以下この条において「理由等」という。)を記載した書面の提出を求めることができる。
- 2.都道府県知事は、理由等が十分でないと認めるときは、申請者に対し、第三十条の十四第一項に規定する協議の場における協議に参加するよう求めることができる。
- 3.申請者は、前項の規定により都道府県知事から求めがあつたときは、これに応ずるよう努めなければならない。
- 4.都道府県知事は、第二項の協議の場における協議が調わないとき、その他の厚生労働省令で定めるときは、申請者に対し、都道府県医療審議会に出席し、理由等について説明をするよう求めることができる。
- 5.申請者は、前項の規定により都道府県知事から求めがあつたときは、都道府県医療審議会に出席し、理由等について説明をするよう努めなければならない。
- 6.都道府県知事は、第二項の協議の場における協議の内容及び第四項の説明の内容を踏まえ、理由等がやむを得ないものと認められないときは、申請者(前条第一項各号に掲げる者に限る。)に対し、第七条第四項の規定にかかわらず、同条第一項又は第二項の許可を与えないことができる。
- 7.都道府県知事は、前項の規定により第七条第一項又は第二項の許可を与えない処分をしようとするときは、あらかじめ、都道府県医療審議会の意見を聴かなければならない。
- 8.前各項の規定は、診療所の病床の設置の許可又は診療所の病床数の増加の許可の申請について準用する。この場合において、第六項中「同条第一項又は第二項」とあるのは「同条第三項」と、前項中「第七条第一項又は第二項」とあるのは「第七条第三項」と読み替えるものとする。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 医療法第7条の3は、日本の医療法に含まれる条文です。
- 医療法第7条の3の条文原文は「都道府県知事は、病院の開設の許可又は病院の病床数の増加の許可の申請(療養病床等に関するものに限る。」で始まります。
- 医療法第7条の3は第一節 開設等に置かれています。
- 医療法の公布日は昭和23年7月30日です。
- 医療法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 医療法第7条の3の前の条は医療法第7条の2です。
- 医療法第7条の3の次の条は医療法第8条です。
- 医療法第7条の3には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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- 正式書式
医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第7条の3 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000205 - 本サイト収録
医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第7条の3(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000205/7_3
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点医療法7条の3は、病床が必要量に達した構想区域での病院開設・増床申請に対し、知事が理由書・協議・審議会説明を求められると定める。不許可は公的医療機関等に限られる。
Q · 病床が余っている地域で増床を申請したら、許可はもらえないの?
民間は本条では不許可にならず、公的医療機関等のみ不許可がありうる
医療法7条の3により、構想区域の病床数が将来の必要量に達している場合、知事は申請者に理由等の書面提出を求め、不十分なら協議の場への参加、協議が調わなければ都道府県医療審議会での説明を求めることができます。理由がやむを得ないと認められないときに許可を与えないことができるのは、7条の2第1項各号の公的医療機関等に限られます。民間病院には、30条の11の勧告と健康保険法65条による保険医療機関指定の制限という別の関門があります。
解説
病床は、土地と資金と医師がそろえば増やせるものではない。医療法7条の3は、地域医療構想(都道府県が医療計画の中で地域ごとの将来の病床の必要量を見積もった設計図)で、その数にすでに達している構想区域が対象である。そこで病院の開設や療養病床・一般病床の増床を申請すると、知事はあなたに「なぜ今ここで必要なのか」を書面で説明させることができる。理由が弱いと判断されれば、地域の医療関係者が集まる協議の場に呼ばれる。それでも協議が調わなければ、都道府県医療審議会(知事の諮問機関)で説明を求められる。ここに見落とされやすい分岐点がある。最後に「許可を与えない」という切り札を使えるのは、申請者が自治体・日赤・済生会などの公的医療機関等である場合に限られる。民間病院は、この条文だけで不許可になることはない。ただし民間には別の関門がある。30条の11の勧告と、健康保険法65条による保険医療機関の指定の制限である。許可が下りても保険診療に使えない病床では、経営はほぼ成り立たない。
法的な位置づけ
医療法第7条の3は、構想区域における療養病床及び一般病床の数が医療計画上の将来の病床数の必要量に既に達し、又は申請により超えることとなる場合に、都道府県知事が病院の開設・増床の申請者に対し、理由等の書面提出、協議の場への参加及び都道府県医療審議会での説明を求め、公的医療機関等に限り許可を与えないことができる旨を定める手続規定である。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.構想区域の必要量と既存病床数を照合する 都道府県の医療計画(地域医療構想)で、申請予定地を含む構想区域の将来の病床数の必要量と既存の療養病床・一般病床数を確認し、申請後に必要量を超えるかを試算する
- 2.需要データで理由書を組み立てる 知事から理由等の提出を求められたら、厚生労働省令で定める記載事項に沿い、入院待ち日数、救急の受入れ困難件数、地域で不足する診療科・病床機能などのデータで必要性を示す
- 3.協議の場で役割分担案を示す 理由等が不十分とされ協議の場への参加を求められたら出席し、他の医療機関が担っていない機能への重点化など、地域全体の役割分担案を提示する。事前に主要医療機関と個別調整しておく
- 4.都道府県医療審議会で説明する 協議が調わない場合などに医療審議会への出席を求められたら、理由等を説明する。増床を自院の拡大ではなく地域の不足補完として位置づける
- 5.処分・勧告への対応を決める 公的医療機関等が不許可処分を受けたら審査請求または取消訴訟を検討する。民間が30条の11の勧告を受けたら、保険医療機関指定への影響を試算し、取消訴訟の可否を弁護士と検討する
よくある質問 AI による整理
Q1医療法7条の3とは何ですか?
病床数が地域医療構想上の必要量に達した構想区域で、病院の開設や増床を申請した者に、知事が理由等の書面提出などを求められる手続規定です。
Q2構想区域とは何ですか?
都道府県が医療計画の中で地域医療構想を定める単位となる区域です。区域ごとに将来の病床数の必要量が定められ、本条の判断基準になります。
Q3病床過剰地域で有床診療所は開設できる?
8項により、診療所の病床の設置・増床にも同じ手続が準用されます。理由書の提出や協議の場への参加を求められる可能性があり、開業日程に影響します。
Q4理由書には何を書けばいいですか?
開設・増床が当該構想区域で必要な理由その他、厚生労働省令で定める事項です。入院待ち日数や救急受入れ困難件数など、需要を示すデータが中心になります。
Q5医療審議会での説明は断れる?
5項は努力義務で罰則はありません。ただし知事は説明の内容を踏まえて判断するため、欠席すると申請者側の言い分が判断材料に反映されにくくなります。
Q6増床の不許可に不服があるときはどうする?
行政不服審査法による審査請求(知った日の翌日から3か月以内)か、行政事件訴訟法による取消訴訟(知った日から6か月以内)を検討します。
Q7公的医療機関等には何が含まれますか?
医療法7条の2第1項各号に掲げる者で、都道府県・市町村などの自治体、日本赤十字社、済生会などが開設する医療機関が該当します。
Q8病床の必要量はどこで確認できる?
各都道府県が公表する医療計画(地域医療構想)に、構想区域ごとの将来の病床数の必要量が記載されています。都道府県のウェブサイトで確認できます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1うちは民間の医療法人なんですが、病床過剰地域だと増床はもう無理なんですか?
7条の3第6項の不許可は、前条第1項各号の公的医療機関等に限られる。民間病院は本条だけでは不許可にならない。ただし知事は30条の11で開設や増床について勧告でき、従わなければ健康保険法65条により、その病床が保険医療機関の指定から外されうる。実務のポイント:この勧告は形のうえでは行政指導だが、最判平成17.7.15は保険指定への影響を理由に処分性を認めた。勧告の段階で取消訴訟を検討できる
Q2協議の場って、欠席したら罰金とかあるんですか?
罰則はない。3項・5項の参加と説明は努力義務である。ただし知事は、理由がやむを得ないかを判断するとき、協議の内容と審議会での説明の内容を踏まえる(6項)。欠席すれば、あなたの言い分は判断材料に残らない。実務のポイント:協議の場の構成員には、地域の競合医療機関が入ることが多い。事前に主要な病院と個別に役割分担を話し合っておくと、当日の議論が反対から調整へ変わりやすい
間違えやすい点 AI による整理
- 「病床過剰地域での増床申請は門前払い」と思われがちだが、そうではない。7条の3は、知事が理由等の提出を求めることが「できる」と定める規定であり、自動的に不許可になる仕組みではない。6項の不許可は民間病院には及ばない。公的医療機関等に対しても、協議と説明の内容を踏まえ、さらに医療審議会の意見を聴いたうえでなければ、不許可処分は出せない(7項)
- 申請者からすると、協議の場への参加や審議会での説明は、条文上「努めなければならない」とされる努力義務にすぎず、欠席しても罰はないように見える。しかし知事は、協議の内容と説明の内容を踏まえて、理由がやむを得ないかどうかを判断する。欠席すれば、あなたの言い分は判断材料に残らない。形のうえでは任意でも、実務上は不利に働きうる。この落差につまずく申請者は多い
- 「許可さえ取れれば勝ち」という問いの立て方が、そもそもずれている。民間病院が30条の11の勧告に従わずに開設や増床をすると、健康保険法65条により、その病床を保険医療機関の指定から外されうる。問うべきは「許可が出るか」ではなく、「保険診療に使える病床になるか」である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 医療法7条の3:病床が必要量に達した区域での理由審査手続 | 医療法7条:病院開設・増床の許可の原則 医療法30条の11:開設・増床に関する知事の勧告 |
| 対象となる申請者 | 全申請者(不許可は公的医療機関等に限る) | 病院・診療所の開設・増床をする全ての者 主に民間の医療機関 |
| 知事の最終手段 | 許可を与えない処分(医療審議会の意見聴取が必要) | 要件を満たせば原則許可(7条4項) 勧告(従わなければ健康保険法65条で保険指定の制限) |
| 争い方 | 不許可処分への審査請求・取消訴訟 | 不許可処分への審査請求・取消訴訟 勧告の取消訴訟(最判平成17年7月15日が処分性を肯定) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も醫院の設立・擴充に主管機關の許可を要し、醫療網計畫に基づいて地域ごとの病床配置を調整する。公立・私立の区別による不許可範囲の差は日本ほど明確ではない
韓国は병상 수급계획(病床需給計画)を定め、病床過剰地域での開設・増床を調整する。日本の地域医療構想と発想が近い
ドイツは州の病院計画(Krankenhausplan)への収載が公的財政支援の条件となり、計画外の病床は事実上運営が困難になる。財政を通じた間接規制という点で日本の保険指定と似る
米国の一部の州は病院の新設・増床に必要性証明(CON)を求める。連邦レベルの統一制度はなく、州ごとに廃止・存続が分かれる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 病床数がすでに必要量を超えている構想区域で、あなたの医療法人が一般病床60床の増床を申請した。知事から届いたのは許可証ではなく、増床が必要な理由を書面で出すようにという求めだった。ここで示す数字(入院待ちの日数、救急の受入れを断った件数、地域で欠けている診療科)が、その後の協議の場と審議会で使える唯一の持ち札になる
- 市立病院の院長として増床を申請したところ、協議の場で地元医師会や民間病院から反対が相次いだ。公立病院であれば、6項により知事は許可そのものを出さないことができる。民間には開かれている道が、公立には閉ざされうる
- 有床診療所を開くつもりで、内装工事の契約を先に済ませていたらどうなるか? 8項により、診療所の病床にも同じ手続が準用される。審議会の日程しだいで開業が数か月ずれ込み、その間も家賃と医療機器のリース料は出ていく
取るべき行動
被害を受けた側:(不許可処分を受けた公的医療機関等の場合)1. 処分通知書で、処分理由と教示欄(審査請求の提出先・期間)を確認する2. 協議の場の議事録と医療審議会の意見(7項)を情報公開請求で入手し、判断材料に偏りがないか点検する3. 行政不服審査法に基づく審査請求か、行政事件訴訟法に基づく取消訴訟を検討する4. 並行して、病床機能や規模を見直した再申請案を準備し、争う道と交渉する道を二本立てで進める
訴えられた側:(理由等の提出を求められた申請者の場合)1. 厚生労働省令で定める記載事項を確認し、需要データ(入院待ち、救急の受入れ困難、地域で欠けている診療科)で理由を組み立てる2. 協議の場への参加は努力義務だが、実務上は出席して他の医療機関との役割分担案を示すほうが有利に働きやすい3. 民間であっても、30条の11の勧告と、健康保険法65条による保険指定への影響を試算しておく4. 勧告を受けたら、勧告の処分性を認めた最判平成17.7.15を踏まえ、取消訴訟を起こせるか弁護士と検討する
時効(請求できる期限):本条そのものに期限の定めはない。6項の不許可処分に不服があるときは、審査請求は処分があったことを知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)、取消訴訟は処分があったことを知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条)に行う。いずれも、処分の日から1年を過ぎると原則として起こせない(最新の改正状況をご確認ください)
学説
行政法上の一般的理解:本条は公的医療機関等には不許可という直接規制を、民間には勧告と保険指定による間接規制を用いる二重構造をとる。民間への直接の許可制限を避けるのは、職業選択の自由(憲法22条)への配慮によるものと説明される
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