弁護士法 第24条(委嘱事項等を行う義務)
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弁護士は、正当の理由がなければ、法令により官公署の委嘱した事項及び会則の定めるところにより所属弁護士会又は日本弁護士連合会の指定した事項を行うことを辞することができない。
この条文の基本情報
委嘱事項等を行う義務とは何ですか?
定義委嘱事項等を行う義務とは、弁護士法第24条に定められた規定で、「弁護士は、正当の理由がなければ、法令により官公署の委嘱した事項及び会則の定めるところにより所属弁護士会又は日本弁護士連合会の指定した事項を行うことを辞することが…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 弁護士法第24条(委嘱事項等を行う義務)は、日本の弁護士法に含まれる条文です。
- 弁護士法第24条の条文原文は「弁護士は、正当の理由がなければ、法令により官公署の委嘱した事項及び会則の定めるところにより所属弁護士会又は日本弁護士連合会の指定した事項を行うことを辞することが…」で始まります。
- 弁護士法第24条は第四章 弁護士の権利及び義務に置かれています。
- 弁護士法の公布日は昭和24年6月10日です。
- 弁護士法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 弁護士法第24条の前の条は弁護士法第23条の2です。
- 弁護士法第24条の次の条は弁護士法第25条です。
- 弁護士法第24条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
弁護士法(昭和二十四年法律第二百五号)第24条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC1000000205 - 本サイト収録
弁護士法(昭和二十四年法律第二百五号)第24条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/324AC1000000205/24
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点弁護士法24条は、弁護士が正当の理由なく、官公署が委嘱した事項や弁護士会・日弁連が指定した事項を辞退できないと定める受任義務の規定である。違反は懲戒の対象となる。
Q · 弁護士って、面倒な事件や報酬の低い依頼は自由に断れるんですか?
国選・当番・委嘱は正当な理由がなければ断れません
弁護士法24条により、法令で官公署が委嘱した事項(国選弁護人・成年後見人・破産管財人など)や、会則に基づき弁護士会・日弁連が指定した事項(当番弁護・無料相談担当など)は、正当の理由がなければ辞退できません。報酬が低い、面倒という理由だけでは正当な理由になりません。利益相反・過重な受任数・健康上の支障などがあって初めて辞退でき、正当な理由なく断れば弁護士法56条の懲戒(戒告から除名まで)の対象になります。
解説
弁護士はドラマのように依頼人を自由に選り好みできる、と多くの人が信じている。だが弁護士法24条は、その自由に確かな例外を刻んでいる。「法令により官公署が委嘱した事項」(国選弁護人、成年後見人、破産管財人など、役所や裁判所が法律に基づいて任せる仕事)と、「会則の定めにより弁護士会や日弁連が指定した事項」(当番弁護、無料法律相談の担当など)について、弁護士は正当な理由がなければ辞退できない。あなたが深夜に逮捕され、頼める弁護士も払える金もないと絶望したとき、当番弁護士が来るのはこの条文があるからだ。弁護士の側に「断る自由」がない領域を作ることで、社会の底に法的アクセスのセーフティネットを張った。違反すれば懲戒(弁護士法56条、戒告から除名まで)の対象になる。あなたが思っている「弁護士=選べる側」という構図は、ここで反転する。
法的な位置づけ
弁護士法24条は弁護士の受任義務を定める規定であり、法令により官公署が委嘱した事項、及び会則に基づき所属弁護士会又は日本弁護士連合会が指定した事項について、正当の理由がない限り辞退を認めない。国選弁護・当番弁護・成年後見人の選任などがこれに該当し、弁護士自治を介して社会の最低限の司法アクセスを担保するセーフティネットとして機能する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.逮捕されたら真っ先に当番弁護士を呼ぶ 警察官に対し「当番弁護士を呼んでください」と明確に口頭で伝える。当番弁護士の初回接見は無料で、本人が請求しない限り手配されないため、取調べが本格化する前に最初の接見を確保する
- 2.起訴後は国選弁護人を請求する 私選弁護士を依頼する資力がない場合、資力申告書を提出して国選弁護人を請求する(刑訴法36条)。一定の重大事件は被疑者段階でも被疑者国選の対象になる(刑訴法37条の2)
- 3.担当弁護士の対応に重大な不満があれば記録する 指名された弁護士が正当な理由なく対応を放棄したと感じたら、接見記録や対応経緯をメモに残し、所属弁護士会への苦情申立てや解任申立ての具体的根拠とする
- 4.弁護士会・家庭裁判所の窓口に相談する 国選弁護・成年後見・破産管財などで委嘱された専門家への不満は、所属弁護士会の苦情窓口や監督権を持つ家庭裁判所が相談先となる。懲戒請求の制度も利用できる
よくある質問 AI による整理
Q1弁護士の受任義務とは何ですか?
弁護士法24条に基づき、官公署の委嘱事項や弁護士会・日弁連の指定事項を、正当な理由なく辞退できない義務です。国選弁護や当番弁護がその代表例です。
Q2当番弁護士はどうやって呼びますか?
逮捕・勾留された本人や家族が、警察に「当番弁護士を呼んでほしい」と明確に伝えれば手配されます。初回接見は無料で、頼まないと来ない点に注意が必要です。
Q3国選弁護人は誰でも頼めますか?
起訴後は資力要件を満たせば請求でき(刑訴法36条)、一定の重大事件は被疑者段階でも対象です(刑訴法37条の2)。費用は国費で賄われます。
Q4弁護士は依頼を自由に断れますか?
私選依頼は原則自由に断れますが、国選・当番・官公署の委嘱事項は弁護士法24条により正当な理由がなければ辞退できません。
Q5弁護士が受任義務に違反するとどうなりますか?
弁護士法56条の懲戒事由となり、戒告・業務停止・退会命令・除名のいずれかの処分対象になります。所属弁護士会や日弁連が手続を行います。
Q6成年後見人を弁護士は断れますか?
家庭裁判所が法令に基づき委嘱した成年後見人の選任は官公署の委嘱事項にあたり、正当な理由がなければ弁護士は辞退できません。
Q7弁護士自治とは何ですか?
弁護士の指導・監督を国家でなく弁護士会・日弁連が自律的に行う制度です。24条の「会則による指定」もこの自治を前提としています。
Q8官公署の委嘱事項にはどんなものがありますか?
国選弁護人、成年後見人、破産管財人、相続財産管理人など、裁判所や役所が法令に基づいて弁護士に任せる職務が含まれます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1逮捕されたとき、お金がなくても本当に弁護士は来てくれるんですか?
来ます。逮捕直後は弁護士会の当番弁護士制度で初回接見が無料、起訴後は資力要件を満たせば国費の国選弁護人が付きます(刑訴法36条)。担当に指定された弁護士は弁護士法24条により正当な理由なく断れません。実務のポイント:当番弁護士は『呼んで』と言わないと来ません。警察が親切に手配してくれるとは限らないので、逮捕されたら真っ先に『当番弁護士を呼んでください』と口に出すこと。これを知っているかどうかが、最初の取調べを一人で受けるか弁護人の助言付きで受けるかを分けます
Q2国選弁護人って、やる気のない弁護士が当てられるって本当ですか?
報酬が私選より低いのは事実ですが、弁護士法24条のもとで受任した以上、手を抜けば懲戒(56条)のリスクを負うのは私選と同じです。多くは誠実に対応します。実務のポイント:もし国選弁護人の対応に重大な不満があれば、解任を裁判所に申し立てる道があります。ただし『相性が悪い』程度では認められにくい。本当に問題があると感じたら、接見記録や対応の経緯をメモしておくと、解任申立てや弁護士会への相談で具体的に主張できます
Q3弁護士が『正当な理由』で委嘱を断れるのは、どんな場合ですか?
利益相反(相手方をすでに代理しているなど)、すでに抱える事件で物理的に対応不能、重い病気、専門外で適切に処理できないといった事情です。単なる多忙や報酬の低さは原則として正当な理由になりません。実務のポイント:弁護士が辞退を判断するとき、最も慎重になるのが『過重負担』の主張です。後で懲戒請求されたとき、当時の受任件数や状況を客観的に示せるかが勝負になる。だから辞退する弁護士ほど、その時点の理由を記録に残しています
間違えやすい点 AI による整理
- 「弁護士は誰の弁護でも自由に断れる」と思われているが、国選・当番・委嘱の領域では『正当の理由』がなければ辞退できない。職業選択の自由があるのに依頼を断れないのは矛盾に見えるが、これは弁護士という資格に公共的な役割が組み込まれているからだ。あなたが知らなかったのは、弁護士の自由が一律ではなく、領域ごとに線引きされているという点である
- 「お金がなければ弁護士はつかない」と諦めている人が多いが、これは深刻な誤解。問題は『金がないとつかない』ではなく、『この制度を知らないと使えない』こと。逮捕後の当番弁護士は無料、起訴後の国選弁護は資力要件を満たせば国費。知っている人だけが最初の接見を勝ち取り、知らない人は権利を持ったまま黙秘もできず取調べに晒される
- 「弁護士が委嘱を断るかどうかは弁護士の良心の問題」と捉えられがちだが、法律から見れば、これは懲戒という制裁で担保された法的義務である。あなたから見れば『お願い』でも、弁護士の側では『正当な理由なく断れば資格に傷がつく』義務。この落差が、当番弁護を呼んだときに弁護士が来る理由を説明する
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の性格 | 弁護士法24条:委嘱・指定事項の受任義務(断る自由の制限) | 弁護士法1条:弁護士の使命(理念規定) 弁護士法56条:懲戒事由(制裁規定) |
| 適用場面 | 国選・当番・官公署委嘱・弁護士会指定の各事項 | 弁護士の職務全般の基本姿勢 本条を含む各種義務違反があった場合 |
| 違反した場合 | 正当な理由なき辞退は56条の懲戒の入口に立つ | 理念規定のため直接の制裁はない 戒告・業務停止・退会命令・除名の処分 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も律師が正当な理由を釈明しなければ法院指定の弁護や律師公会の指派事務を辞退できない構造で、日本の受任義務と趣旨が一致する
韓国も国選弁護や公益活動を弁護士の義務として位置づけ、弁護士会の監督下に置く点で日本と類似する
ドイツは裁判所の選任(Beiordnung)を受けた弁護士に受任義務を課し、正当な理由がある場合のみ免除を認める。日本の構造と近い
米国は裁判所による選任を good cause がなければ回避してはならないとし、報酬や依頼人への嫌悪は原則理由にならないとする
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 深夜に身に覚えのない容疑で逮捕され、知り合いに弁護士はいない、貯金もほとんどない。もし、当番弁護士を呼んだとして、その弁護士は『面倒な事件だから』と断れるのか。答えは原則ノー。会則で指定された当番弁護の担当に正当な理由なく拒否はできない。あなたが最初の72時間で接見できる弁護人は、この条文に支えられている
- あなたが弁護士で、裁判所から国選弁護人に指名された。被告は否認事件で立証は困難、報酬も私選より遥かに低い。『割に合わない』だけでは辞退理由にならない。正当な理由(利益相反、すでに過重な事件数、健康上の支障など)がなければ、断った時点で懲戒請求のリスクを背負う
- 高齢の親の成年後見人を、家庭裁判所が地元の弁護士に委嘱した。その弁護士は『手間がかかる』と感じても、正当の理由なく辞することはできない。家族にとっては、頼れる専門家が確保される仕組みだ
- 弁護士会から無料法律相談の担当を指定された弁護士が、繁忙を理由に何度も穴を空けた。あと一回の無断欠席で、弁護士会の調査対象になる。会則上の指定事項を正当な理由なく繰り返し放棄することは、24条違反として懲戒の入口に立つ
取るべき行動
被害を受けた側:1. あなたや家族が逮捕されたら、警察に『当番弁護士を呼んでほしい』と明確に伝える。初回接見は無料2. 起訴後に弁護士費用が払えない場合は、資力要件を満たせば国選弁護人を請求できる(刑訴法36条)。被疑者段階でも一定の重大事件は被疑者国選の対象(刑訴法37条の2) 3. 指名された弁護士が正当な理由なく対応を放棄したと感じたら、所属弁護士会への苦情申立てや懲戒請求の道がある4. 成年後見・破産管財などで委嘱された専門家への不満も、家庭裁判所や弁護士会が窓口になる
訴えられた側:1. 弁護士として委嘱・指定を受け、辞退を検討する場合は『正当の理由』に該当するか冷静に精査。単なる多忙や報酬の低さは原則該当しない2. 利益相反、すでに過重な受任数、健康上の支障など、辞退の根拠とその時点での判断を必ず記録に残す3. 辞退の意思は速やかに委嘱元(裁判所・弁護士会)へ通知し、後任への引継ぎに配慮する4. 懲戒請求を受けた場合に備え、辞退理由の正当性を客観資料で説明できるよう準備する
時効(請求できる期限):本条の義務自体に特定の時効はないが、違反に対する懲戒手続には注意が必要。懲戒の請求自体に出訴期間の定めはないものの、懲戒事由には事案の経過に応じた判断が働く(弁護士法56条以下)。委嘱・指定の辞退は、辞退事由が生じた時点で速やかに行うことが実務上求められる
学説
通説:弁護士法24条は、弁護士に公共的・公益的役割を組み込み、職業活動の自由を一定領域で制約する規定と解される。受任義務は書面要件等の形式ではなく、委嘱・指定の根拠と「正当の理由」の有無で判断され、単なる多忙や報酬の低さは正当な理由に含まれないとするのが一般的理解である。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和24年(1949年) 新設:現行弁護士法(昭和24年法律第205号)の制定により、弁護士自治を前提とした受任義務の規定として置かれた。官公署の委嘱事項と弁護士会・日弁連の指定事項を辞退できない旨を明文化
- 弁護士法 第1条弁護士の使命、受任義務の理念的基盤
- 弁護士法 第2条職責の根本基準、誠実義務との連結
- 弁護士法 第22条会則遵守義務、指定事項の効力の前提
- 弁護士法 第56条懲戒事由、本条違反に対する制裁
- 刑事訴訟法 第36条被告人国選弁護、委嘱事項の代表例
- 刑事訴訟法 第37条の2被疑者国選弁護の対象事件
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