要点弁護士法 78 条は両罰規定であり、社員等が業務に関して非弁活動等をすると、行為者本人に加えて会社にも罰金刑が科される。会社は選任監督上の過失なしを証明しなければ免れない。
Q · 社員が無資格で法律事務を請け負ってトラブルになったら、会社も罰金を払うんですか?
はい、両罰規定で会社にも別途罰金が科されます
弁護士法 78 条の両罰規定により、社員その他の従業者が業務に関して非弁活動(72 条・77 条等)をすると、行為者本人を罰するほか、会社にも罰金刑が科されます。会社の罰金は社員個人の罰金とは別腹です。「社長は知らなかった」では免れません。最高裁は両罰規定を会社の選任監督上の過失を推定するものと解しており(最大判昭和 32.11.27)、違反防止に必要な注意を尽くしたと証明できなければ、会社の過失は推定されます。
あなたの会社が示談交渉の代行をうたっている、あるいはコンサル会社の社員が顧客の契約トラブルに踏み込んだ「法的助言」をしている。その社員が弁護士資格を持たないなら、第72条の非弁活動に当たりうる。そこで弁護士法78条2項が効いてくる。違反したのが社員一人でも、罰金はその社員「と」会社の両方に科される。これが両罰規定だ。多くの経営者が誤解しているのは、「現場が勝手にやったこと、自分は知らない」で逃げられると思っている点。だが両罰規定は、会社自身の選任監督上の過失(人を選び監督する立場として当然払うべき注意を怠ったこと)を前提に組み立てられている。最高裁は、会社が違反防止に必要な注意を尽くしたと証明できなければ、会社の過失は推定されると判断した(最大判昭和32.11.27)。つまり知らなかったことを証明するのではなく、防ぐ努力をしたことを証明できなければ、会社も罰金を払う。
両罰規定とは、違反行為をした行為者本人を罰するほか、その者が属する法人または事業主に対しても罰金刑を科す処罰方式をいう。弁護士法 78 条は、弁護士法人の社員等、または法人・個人の従業者が業務に関して非弁活動等の違反行為をした場合に、行為者と法人・事業主の双方を処罰の対象とする。法人処罰の根拠は事業主の選任監督上の過失に求められる。
違反した行為者本人を罰するほか、その者が属する法人や事業主にも罰金刑を科す処罰方式です。弁護士法 78 条のほか多くの行政刑罰法規に置かれています。
弁護士資格のない者が報酬を得る目的で法律事務(示談交渉・債権回収の代行・法律相談等)を業として行うことです。弁護士法 72 条で禁止され、77 条で罰則があります。
別です。両罰規定では行為者個人の罰金と法人の罰金は独立して科されます。社員が略式起訴されれば、会社にも別途罰金の請求が来ます。
あります。最高裁は会社の選任監督上の過失を推定する構成をとり(最大判昭和 32.11.27)、違反防止に必要な注意を尽くしたと証明できれば免責の余地があります。
許認可の欠格事由、公共工事の入札参加資格、取引先のコンプライアンス審査で不利に働きます。罰金額より、法人に犯罪歴が残る事実が長期的に重い影響を及ぼします。
罰金刑に当たる罪の公訴時効は 3 年です(刑事訴訟法 250 条 2 項)。起算点は犯罪行為が終わった時で、行為者個人の罪の時効とは別に進行しうる点に注意が必要です。
違います。78 条 1 項は弁護士法人固有の規定、2 項は一般の法人・個人向けです。コンサルや士業補助者を使う一般会社は 2 項の非弁の射程に入りやすいです。
無資格者が報酬目的で他人の債権回収を代行・交渉すると非弁活動に当たりえます。それを従業者的に使う会社は両罰規定の対象になります。弁護士または認定司法書士に依頼すべきです。
弁護士法78条2項の両罰規定によるものです。社員その他の従業者が業務に関して非弁活動(72条、77条3号)などをすると、行為者本人を罰するほか、会社にも罰金が科されます。「知らなかった」では免れません。業界裏話ヒント:最高裁は両罰規定を、会社の選任監督上の過失を推定するものと解しています(最大判昭和32.11.27)。会社が違反防止に必要な注意を尽くしたと証明できれば免責の余地がある。ただし平時に監督体制の記録がない会社は反証材料を作れず、ほぼ自動的に罰金を負う
金銭の問題だけでは終わりません。法人に有罪判決と前科が残ります。これは建設業・宅建業などの許認可の欠格事由、公共工事の入札参加資格、金融機関や取引先のコンプライアンス審査で不利に働きます。業界裏話ヒント:罰金額そのものより、「法人に犯罪歴がある」という事実が長期的にボディブローのように効く。一度の有罪で失う入札案件や取引の損失は、罰金の何十倍にもなりうる。だから会社側弁護人は罰金額の交渉より、起訴自体を回避する不起訴の獲得に全力を注ぐ
違います。78条1項は弁護士法人に固有の規定で、社員等が30条の20関連(76条)や27条・28条の準用違反をした場合に法人へ罰金が科されます。2項は一般の法人や個人事業主向けで、代表者や従業者が非弁活動など(77条3号・4号、77条の2、77条の3)をした場合に適用されます。業界裏話ヒント:弁護士法人は1項で重く扱われる一方、普通の会社が踏みやすいのは2項の非弁。コンサル、士業の補助者、債権回収代行など「法律事務に近いサービス」を提供する会社が、無意識に2項の射程に入っている
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 適用対象 | 78 条 1 項:弁護士法人とその社員等 | — |
| 対象となる違反 | 76 条(30 条の 20 関連)、77 条 1 号・2 号(27 条・28 条準用) | — |
| 法人・事業主に科される刑 | 300 万円以下の罰金等(各号所定の罰金刑) | — |
| 免責・反証の余地 | 選任監督上の過失なしの証明(最大判昭和 32.11.27) | — |
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