放送法 第111条(設備等の維持)
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- 認定基幹放送事業者は、基幹放送設備及びその運用のための業務管理体制(当該認定基幹放送事業者が基幹放送設備の一部を構成する設備の運用を他人に委託している場合にあつては、委託先における業務管理体制を含む。以下「基幹放送設備等」という。)を総務省令で定める基準に適合するように維持しなければならない。
- 2.前項の基準は、これにより次に掲げる事項が確保されるものとして定められなければならない。
- 一基幹放送設備の損壊若しくは故障又は不適切な運用により、基幹放送の業務に著しい支障を及ぼさないようにすること。
- 二基幹放送設備等を用いて行われる基幹放送の品質が適正であるようにすること。
この条文の基本情報
設備等の維持とは何ですか?
定義設備等の維持とは、放送法第111条に定められた規定で、「認定基幹放送事業者は、基幹放送設備及びその運用のための業務管理体制(当該認定基幹放送事業者が基幹放送設備の一部を構成する設備の運用を他人に委託している場合にあつ…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 放送法第111条(設備等の維持)は、日本の放送法に含まれる条文です。
- 放送法第111条の条文原文は「認定基幹放送事業者は、基幹放送設備及びその運用のための業務管理体制(当該認定基幹放送事業者が基幹放送設備の一部を構成する設備の運用を他人に委託している場合にあつ…」で始まります。
- 放送法第111条は第二款 業務に置かれています。
- 放送法の公布日は昭和25年5月2日です。
- 放送法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 放送法第111条の前の条は放送法第110条の2です。
- 放送法第111条の次の条は放送法第112条です。
- 放送法第111条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
放送法(昭和二十五年法律第百三十二号)第111条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000132 - 本サイト収録
放送法(昭和二十五年法律第百三十二号)第111条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000132/111
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点放送法111条は、認定基幹放送事業者に対し、基幹放送設備と委託先を含む業務管理体制を総務省令の基準に適合するよう維持する義務を課す規定である。
Q · BS 放送の事故が外注先のミスで起きたら、責任を負うのは誰?
外注先のミスでも、責任を負うのは認定基幹放送事業者です
放送法111条1項は、認定基幹放送事業者に対し、基幹放送設備とその運用のための業務管理体制を総務省令の基準に適合するよう維持する義務を課しています。括弧書きにより、設備の一部の運用を他人に委託している場合は委託先の業務管理体制も含まれます。そのため外注先の運用ミスで放送が止まった場合でも、行政上の責任を問われるのは事業者自身です。委託先への求償は、委託契約に基づいて別途行います。
解説
テレビやラジオの画面が数分間真っ黒になる「放送事故」は、ただの気まずいハプニングで終わらない。BS・CS などの認定基幹放送事業者(総務大臣の認定を受け、他社が持つ送信設備などを使って放送する事業者)には、放送法111条によって法律上の義務がかかっている。基幹放送設備に加え、それを動かす人や手順、つまり「業務管理体制」まで総務省令の基準に合わせて維持しなければならない。注目すべきは括弧書きである。設備の運用を外部の会社に委託していても、委託先の業務管理体制まで事業者自身の責任範囲に入る。「外注先がミスしたから」という言い訳は、法律上は通らない。基準が守ろうとしているのは二つ。一つは、設備の故障や誤操作で放送が止まらないこと。もう一つは、映像や音声の品質が適正に保たれることである。放送局に設備を納めるベンダー、マスター設備(番組や CM を切り替えて送り出す中枢設備)の運用を請け負う会社、有料放送の視聴者、CM を出す広告主。立場は違っても、この条文を知っていれば、事故が起きた後に誰がどこまで責任を負い、どこから交渉を始めればよいかが分かる。
法的な位置づけ
放送法111条は、認定基幹放送事業者に課される基幹放送設備等の維持義務を定める規定である。維持の対象は、基幹放送設備と、その運用のための業務管理体制(委託先における業務管理体制を含む)であり、総務省令の基準に適合させる必要がある。基準は、設備の損壊・故障や不適切な運用による著しい業務支障の防止と、放送品質の適正確保を内容とする。
よくある質問 AI による整理
Q1認定基幹放送事業者とは?
放送法93条に基づき総務大臣の認定を受けて基幹放送の業務を行う事業者です。BS・CS 放送の番組を編成して放送する事業者が典型例です。
Q2基幹放送設備とは何ですか?
基幹放送を行うための送出設備などをいいます。番組や CM を切り替えて送り出すマスター設備も含まれ、放送法111条の維持義務の中心的な対象です。
Q3業務管理体制とは何を指す?
設備を運用する人員、手順、監督の仕組みのことです。放送法111条では、設備の運用を委託している場合は委託先の体制もここに含まれます。
Q4放送法111条に違反するとどうなる?
総務大臣から基準適合のための措置を命じられることがあります。法令違反が続く場合は、業務停止などの監督処分(放送法174条)につながるおそれがあります。
Q5放送事故の報告はいつまでに必要?
重大な事故は放送法113条に基づいて総務大臣への報告が必要です。報告の期限と様式は放送法施行規則で定められているので、最新の条文を確認してください。
Q6放送設備の運用委託契約に何を書くべき?
運用手順書の提出義務、監査権、事故発生時の報告期限、ログの保全義務、求償条項です。委託先の体制も事業者の維持義務に含まれるためです。
Q7放送の品質が適正とはどういう意味?
映像や音声が乱れたり欠けたりせず、技術基準どおりに届くことです。放送法111条2項2号が基準の目的として定めています。
Q8放送設備の技術基準はどこで確認できる?
放送法111条の委任を受けた総務省令(放送法施行規則など)で定められています。e-Gov 法令検索で現行の条文を確認できます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1テレビが数分止まっただけで、そんなに大ごとになるんですか?
なりえます。111条2項1号は「基幹放送の業務に著しい支障」が生じないようにすることを求めている。一定の規模を超える停止は重大事故として総務省への報告対象になり、運用体制まで調べられる。実務のポイント:行政の目が厳しくなるのは、停止時間の長さより原因である。「手順の不備」と判明した事故は、機械の故障と比べて改善を求められる範囲が格段に広い
Q2外注先がミスったのに、なんで放送局が怒られるんですか?
111条1項の括弧書きが、委託先の業務管理体制も事業者の維持義務に含めているからである。総務省から見れば、委託先を選び監督する体制そのものが事業者の責任範囲になる。実務のポイント:総務省に提出する報告書で「委託先の過失」と書くと、かえって監督体制の不備を自ら認める形になる。原因の記述より、再発防止のための監督強化策を厚く書く方が実務上は得策である
Q3有料の CS 放送が途中で切れたら、お金は返ってくる?
111条は事業者に行政上の義務を課す規定であり、視聴者に直接の返金請求権を与えるものではない。返金の可否は加入契約の約款と、民法415条の債務不履行の問題として判断される。実務のポイント:問い合わせの際に「重大事故として報告されていますか」と一言添えると、担当者の対応が定型の回答から個別対応に切り替わることが多い
Q4地上波のキー局も、この条文の対象ですか?
111条の直接の対象は、93条の認定を受けた「認定基幹放送事業者」である。自ら無線局の免許を持つ地上波局には、主に電波法や放送法の別の規定が適用され、設備維持の規律は条文が分かれている。実務のポイント:誰がどの条文で縛られているかは、ハード(送信設備を持つ側)とソフト(番組を編成する側)を分ける制度の中でどの立場にいるかで決まる。局名だけで判断せず、免許と認定のどちらを受けているかを確認する
間違えやすい点 AI による整理
- 放送事故は「機械のトラブルで仕方ないもの」と受け止められがちだが、111条の基準の対象は設備そのものだけではない。2項1号は「不適切な運用」による支障の防止も求めている。手順書がない、二重確認をしていない、交代要員の引継ぎ記録がない。こうした運用上の穴も基準違反として評価されうる
- 業務委託をすれば責任も委託先に移ると考える経営者は多いが、法律の見方は逆である。委託先の業務管理体制も事業者自身の維持義務に含まれるため、外注は責任を手放すことにならない。監督する対象が一つ増えるだけである。この点を誤解したまま外部委託を進めると、事故後に総務省へ説明できる材料が手元に残らない
- 「放送法の規制は番組内容の話だ」という問いの立て方そのものがずれている。番組編集の自由が憲法上強く保護される一方で、設備や運用といった技術面は、行政が基準を定めて監督する領域として切り分けられている。事業者への監督が実際に及びやすいのは、むしろ技術面の方である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の段階 | 放送法111条:事故の前の予防(設備と業務管理体制の維持) | 放送法113条:事故の後の報告(重大事故の報告義務) 放送法174条:違反があった後の制裁(業務停止命令) |
| 義務・権限の主体 | 認定基幹放送事業者が維持義務を負う | 事業者が総務大臣に報告する義務を負う 総務大臣が処分権限を持つ |
| 委託先の扱い | 委託先の業務管理体制も維持義務の対象として明記 | 原因が委託先にあっても、報告するのは事業者 処分の名宛人は事業者であり、委託先ではない |
他国ではどう定めているか 2 か国
台湾では、放送事業者の設備と技術規範は国家通訊伝播委員会(NCC)の監督の下で規律される。委託先の体制まで事業者の義務として明記する日本の括弧書きのような構造があるかは要確認
中国では「安全播出」として、放送の中断や品質劣化の防止を事業者の責任とする行政規律が整備されている
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたは放送設備の保守を請け負う IT ベンダーの技術者だ。深夜にソフトウェア更新を行ったところ、翌朝、BS チャンネルの送出が20分止まった。放送事業者からの第一声は「当社は法律上の義務を負っている。御社の体制を書面で説明してほしい」だった。委託先の体制も111条の基準の対象に含まれる。そのため、あなたの作業手順書は事業者の法令遵守を証明する書類として扱われる
- 大型スポーツ中継の最中に、映像が乱れて音声だけが流れ続けた。スポンサーとして高額の CM 枠を買っていたのに、自社の CM は誰にも見えていなかった。補填の交渉ではどこから攻めればいい? 品質を適正に保つことは111条2項2号の要請である。その事実を交渉材料として持ち出せる
- 月額料金を払って CS の専門チャンネルを契約していたのに、楽しみにしていた試合の生中継が途中で途切れた。返金の請求は可能か?
- 放送事業者の技術部長であるあなたは、重大事故を総務省に報告しなければならない。報告期限まで残り数日だが、事故の原因が送出委託先にあるのか自社にあるのか、まだ特定できていない。委託先の業務管理体制も自社の維持義務に含まれる以上、「調査中なので委託先に聞いてほしい」とは書けない
- 地方で地震が起きた夜、BS チャンネルの一つが数分間停波した。災害報道が最も必要とされる時間帯の停波は、品質の問題にとどまらず、放送の公共的な役割を損なうものとして厳しく見られる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 事故の日時、チャンネル名、影響が出た時間を記録し、録画やスクショで証拠を残す2. 広告主であれば、放送確認書(CM が実際に放送されたことを示す報告書)と事故報告の開示を代理店経由で求める3. 有料放送の契約者であれば、加入契約約款の返金・補償条項を確認したうえでカスタマーセンターに書面で申し入れる4. 補償に応じない場合は、債務不履行(民法415条)を根拠とする請求を検討する
訴えられた側:1. 事故直後にログと作業記録を保全し、委託先にも同時に保全を指示する2. 原因が設備にあるのか、運用にあるのか、委託先にあるのかを切り分け、総務省への報告内容と矛盾しないよう社内の窓口を一本化する3. 再発防止策は設備と業務管理体制の両面で示す4. 委託先に責任がある場合は、委託契約に基づく求償を別途行う。総務省に対する責任と委託先への求償は別の軌道で処理する
時効(請求できる期限):111条自体に時効はない。事故後の重大事故報告には、放送法施行規則で短い期限が定められている(最新の改正状況をご確認ください)。損害賠償請求は、契約に基づく場合は権利を行使できると知った時から5年(民法166条)、不法行為に基づく場合は損害及び加害者を知った時から3年(民法724条)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成22年(2010年) 新設:放送法等の一部を改正する法律(平成22年法律第65号)による放送法制の大改正で、基幹放送制度の創設とあわせて認定基幹放送事業者の設備維持義務として新設された
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