放送法 第12条(広告放送の識別のための措置)
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放送事業者は、対価を得て広告放送を行う場合には、その放送を受信する者がその放送が広告放送であることを明らかに識別することができるようにしなければならない。
この条文の基本情報
広告放送の識別のための措置とは何ですか?
定義広告放送の識別のための措置とは、放送法第12条に定められた規定で、「放送事業者は、対価を得て広告放送を行う場合には、その放送を受信する者がその放送が広告放送であることを明らかに識別することができるようにしなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 放送法第12条(広告放送の識別のための措置)は、日本の放送法に含まれる条文です。
- 放送法第12条の条文原文は「放送事業者は、対価を得て広告放送を行う場合には、その放送を受信する者がその放送が広告放送であることを明らかに識別することができるようにしなければならない。」で始まります。
- 放送法第12条は第二章 放送番組の編集等に関する通則に置かれています。
- 放送法の公布日は昭和25年5月2日です。
- 放送法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 放送法第12条の前の条は放送法第11条です。
- 放送法第12条の次の条は放送法第13条です。
- 放送法第12条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
放送法(昭和二十五年法律第百三十二号)第12条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000132 - 本サイト収録
放送法(昭和二十五年法律第百三十二号)第12条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000132/12
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点放送法12条は、放送事業者が対価を得て広告放送を行う場合、受信者が広告放送だと明らかに識別できるようにする義務を定める。違反に直接の刑罰はない。
Q · テレビ番組の中でお金をもらって商品を紹介するとき、広告だと分かるようにしないといけないの?
対価を得た広告は視聴者が識別できる形で流す義務がある
放送法12条により、放送事業者が対価を得て広告放送を行う場合、受信者が広告放送であると明らかに識別できるようにする必要があります。義務を負うのは放送局であり、出演者や広告主ではありません。判断基準は「表示したか」ではなく「視聴者が明らかに識別できるか」です。違反に直接の刑罰はありませんが、総務大臣による業務停止命令(174条)など行政上の是正の根拠になりえます。
解説
テレビの情報番組で話題のサプリが紹介され、司会者が絶賛し、スタジオが沸く。それが番組の企画なのか、メーカーがお金を払った枠なのか、あなたは見分けられているだろうか。放送法12条は、放送事業者が対価を得て広告放送を行うなら、受信者が「これは広告だ」と明らかに識別できるようにしなければならないと定めている。押さえるべき点は三つある。第一に、義務を負うのは出演者やメーカーではなく放送局である。第二に、基準は「表示したかどうか」ではなく「受信者が明らかに識別できるか」という視聴者側の目線である。第三に、違反そのものに直接の刑罰規定はないが、放送法違反として総務大臣による業務停止命令(174条)など、行政上の是正手段の根拠になりうる。番組と広告の境目を守らせる法的根拠があると知っていれば、違和感を「気のせい」で流さず、声を上げる先を持てる。
法的な位置づけ
放送法12条は広告放送の識別義務を定める規定であり、放送事業者が対価を得て広告放送を行う場合に、受信者が当該放送を広告放送であると明らかに識別できるよう措置を講じることを求める。義務の名宛人は放送事業者であり、出演者や広告主ではない。違反に対する直接の罰則規定は置かれていない。
手順
- 1.放送内容を記録して証拠を保全する 広告ではないかと違和感を覚えた放送について、放送日時、局名、番組名を記録し、可能なら録画やスクリーンショットを残す。局の番組保存義務は原則として放送後3か月(放送法10条)のため、早めに保全する
- 2.放送局の視聴者窓口に具体的に指摘する 局の視聴者窓口に、どの場面がなぜ広告と識別できなかったかを具体的に伝える。放送法12条の識別義務に触れて書くと、単なる感想ではなく考査上の問題として扱われやすい
- 3.BPO・総務省へ情報を届ける 局の対応に納得できない場合は、BPO(放送倫理・番組向上機構)へ視聴者意見を送り、総務省の総合通信局へ情報提供する
- 4.購入被害があれば消費者法の枠で相談する 番組を信じて商品を購入し被害が出た場合は、消費者ホットライン188に相談し、特定商取引法・消費者契約法に基づく返金交渉を検討する。放送法12条は局の義務であり、購入トラブルは別ルートで争う
よくある質問 AI による整理
Q1広告放送とは何ですか?
放送事業者が対価を得て、他人の商品やサービスなどを宣伝するために行う放送です。CM枠だけでなく、番組内の有償の紹介も含まれえます。
Q2テレビのステマは違法?
対価を得た紹介を広告と識別できない形で流せば、放送局は放送法12条違反を問われえます。広告主側には景品表示法のステマ規制も別に及びます。
Q3放送法12条の義務を負うのは誰?
放送事業者、つまりテレビ局・ラジオ局です。出演者やタレント、広告主のメーカーは12条の名宛人ではなく、別の法律で規律されます。
Q4提供表示とは何ですか?
番組の冒頭や末尾に「ご覧のスポンサーの提供でお送りします」などと示す表示です。広告であることを視聴者に識別させる措置の一つとして機能します。
Q5放送法12条はネット動画にも適用される?
原則として適用されません。12条の対象は放送事業者です。ネット動画のPR表記は、主に景品表示法のステマ告示(令和5年10月施行)が規律します。
Q6インフォマーシャルとは?
番組のような構成で商品を詳しく紹介する長尺の広告です。番組風の作りでも対価を得た広告なら、視聴者が広告と識別できる措置が必要です。
Q7ラジオ番組にも放送法12条は適用される?
適用されます。12条は放送事業者全般を対象としており、ラジオ局が対価を得て広告放送を行う場合も、聴取者が広告と識別できるようにする必要があります。
Q8テレビ局への苦情はどこに言える?
まず局の視聴者窓口、次にBPO(放送倫理・番組向上機構)への意見送付、さらに総務省の総合通信局への情報提供という複数のルートがあります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1テレビショッピングって、番組なの?広告なの?
放送局が対価を得て流している以上、広告放送に当たり、12条により広告だと識別できる作りが求められる。通販業者側には別途、特定商取引法11条の広告表示義務もかかる。実務のポイント:民放各局には、日本民間放送連盟の放送基準などを踏まえてCMや通販番組を事前にチェックする「考査」部門がある。意見を送るなら「12条の識別ができていない」と条文を挙げて具体的に書くと、単なる感想ではなく考査の問題として扱われる可能性が高まる
Q2番組の中で商品を紹介するタイアップって、そもそも違法じゃないの?
タイアップ自体は違法ではない。12条が求めるのは、対価を得た紹介なら視聴者が広告だと識別できるようにすることである。ただし、お金が局ではなく制作会社や出演者側に流れた場合に「放送事業者が対価を得て」に当たるかは、実務上、解釈が分かれている。実務のポイント:金銭を払わず商品だけ提供する「物品協力」も、対価性が問われるグレーゾーンになりうる。エンドロールの「協力」表記だけで広告識別として足りるかは、別に検討が必要だ
Q312条に違反した局って、実際どうなるの?
12条違反に直接の刑罰はない。法律上は、総務大臣が放送法違反の放送事業者に業務停止を命じうる(174条。地上テレビ局など特定地上基幹放送事業者には電波法76条の運用停止)。ただ実際には、まず行政指導(法的拘束力のない是正の要請)が使われるのが通例である。実務のポイント:局にとって重いのは、法的制裁よりもBPOの審議入りや公表による評判への打撃である場合が多い。スポンサーの反応に直結するからだ
間違えやすい点 AI による整理
- 「CMの時間帯以外はすべて番組だ」と思いがちだが、番組の中に対価を得た紹介が入っていれば、それも広告放送になりうる。境界線は時間枠ではなく、お金の流れで引かれる
- 「ステマをした出演者を放送法で罰せないのか」という問いそのものがずれている。12条の名宛人(義務を課される相手)は放送事業者であり、出演者個人ではない。しかも12条違反に刑罰規定はない。追及の筋は、局に対しては行政上の是正、広告主に対しては景品表示法、購入被害なら民事・消費者法と、相手ごとに分かれる
- 視聴者から見れば「画面の隅に小さく提供と出ていたからセーフ」でも、法律が問うのは「受信者が明らかに識別できるか」である。一瞬のテロップや早口の音声だけで足りるかは、表示の大きさ、表示時間、内容との一体性で評価され、実務上も判断が分かれる。問われるのは表示した事実ではなく、伝わった事実だ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の内容 | 放送法12条:対価を得た広告放送を受信者が識別できるようにする義務 | 放送法83条:NHKによる他人の営業に関する広告の放送禁止 景品表示法5条:広告主による不当表示の禁止(ステマ告示を含む) |
| 義務を負う者 | 放送事業者(民放のテレビ・ラジオ局など) | 日本放送協会(NHK) 商品・サービスを供給する事業者(広告主) |
| 広告への態度 | 広告は認めるが、番組との識別を求める | 他人の営業に関する広告そのものを原則禁止 広告であることを隠した表示を不当表示として規制 |
| 是正の手段 | 直接の刑罰なし。業務停止命令(174条)等の行政上の是正の根拠になりうる | 放送法に基づく総務大臣の監督 消費者庁による措置命令等 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も放送する広告を番組と明確に区分することを求め、番組と広告の分離を放送規律の柱とする点で日本と共通する
韓国は放送広告の種類や時間を放送法で詳細に規律しており、番組と広告の区分は日本より細かく法定されている
ドイツは番組と広告の分離原則(Trennungsgebot)と表示義務を州間協定で定め、EU視聴覚メディアサービス指令とも連動する
米国は対価を受けた放送内容についてスポンサーの表示を義務付け、FCCが監督する。いわゆるペイオラ規制の文脈でも知られる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 深夜の通販番組を「健康情報番組」だと思って見ていた。もし画面のどこにも広告だと分かる表示がなく、出演医師のコメントが実はメーカーの台本だったとしたら、どうなる? 放送局は12条の識別義務を問われる側に立つ。購入トラブルそのものは、特定商取引法や消費者契約法の土俵で争うことになる
- あなたは地方局の営業担当。スポンサーから「番組の中で自然に商品を紹介してほしい、CMっぽくなく」と頼まれた。対価を受け取って番組内で紹介するなら、それは広告放送であり、視聴者が識別できる措置が要る。「自然に」という要望をそのまま飲めば、責任を負うのは局の側だ
- 番組内で美容液を絶賛する台本を渡されたタレント。12条の義務を負うのは局である。ただし広告主のメーカーには、景品表示法のステマ規制が別ルートで及ぶ
- 放送で見た「独占取材」が、実は企業提供の広告企画だったと気付いた。録画を残していないなら急いだほうがいい。放送局の番組保存義務は原則として放送後3か月(放送法10条)。BPOや総務省に情報を届けるにしても、材料が消える前に録画、スクショ、放送日時を記録しておく
- 案件動画を作っている友人に「テレビは広告表示がゆるいのに、なぜネットだけ厳しいの?」と聞かれた。放送法12条が対象とするのはテレビ・ラジオの放送事業者であり、ネット動画には原則として及ばない。ネットのPR表記を縛っているのは、主に景品表示法のステマ告示(令和5年10月施行)である
取るべき行動
被害を受けた側:1. 放送日時、局名、番組名を記録し、可能なら録画やスクショで保存2. 局の視聴者窓口に具体的に指摘(局には番組審議機関の設置義務もある、放送法6条) 3. BPO(放送倫理・番組向上機構)へ視聴者意見を送る4. 総務省の総合通信局へ情報提供5. 購入被害があれば消費者ホットライン188に相談し、特定商取引法・消費者契約法の枠で返金交渉を組む
訴えられた側:1. 指摘を受けたら当該回の録画、スポンサー契約書、発注書、台本を即時保全2. 対価の有無と流れ(局、制作会社、代理店)を整理し、12条の「対価を得て」に当たるか検証3. 識別措置の表示位置と時間を客観的に再確認4. 該当しうるなら、次回以降の表示改善と社内考査基準の見直しを先に示す。行政対応では是正の速さが心証を左右しやすい
時効(請求できる期限):12条違反そのものに特定の時効はなく、刑罰規定もないため公訴時効も問題にならない。ただし放送番組の保存義務は原則として放送後3か月(放送法10条、訂正放送の請求等があれば延長あり)。購入被害で損害賠償を請求する場合は、一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)や不法行為の時効(民法724条、原則3年)が適用される
学説
解釈上の論点(対価の帰属):対価が放送事業者ではなく制作会社や出演者側に流れた場合に「放送事業者が対価を得て」に当たるかは、実務上解釈が分かれている。物品のみの提供の対価性もグレーゾーンとされる
改正沿革 AI による整理
- 平成22年(2010年)放送法改正(要検証) 放送法制の大改正に伴い、旧規定(一般放送事業者に関する条文群)から現行12条の位置へ整理されたとされる。旧条番号および文言変更の有無は人的検証が必要
改正の年表
- 1.昭和25年(1950年) 新設:放送法制定(昭和25年法律第132号)。放送法制の基本法として公布
- 2.平成22年(2010年) 改正:放送法制の大改正に伴い、旧規定(一般放送事業者に関する条文群)から現行12条の位置へ整理されたとされる。旧条番号および文言変更の有無は要検証
- 放送法 第4条番組編集準則、放送内容の基本規律
- 放送法 第5条番組基準の策定と公表義務
- 放送法 第10条放送番組の保存義務、検証材料の確保
- 放送法 第83条NHKの広告放送禁止、識別義務との対比
- 放送法 第174条法令違反時の業務停止命令の根拠
- 不当景品類及び不当表示防止法 第5条広告主側の不当表示・ステマ規制(通称 景品表示法)
- 特定商取引に関する法律 第11条通販番組における通信販売の広告表示義務
- 電波法 第76条放送法違反時の無線局運用停止
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