建築基準法 第85条の2(景観重要建造物である建築物に対する制限の緩和)
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景観法第十九条第一項の規定により景観重要建造物として指定された建築物のうち、良好な景観の保全のためその位置又は構造をその状態において保存すべきものについては、市町村は、同法第二十二条及び第二十五条の規定の施行のため必要と認める場合においては、国土交通大臣の承認を得て、条例で、第二十一条から第二十五条まで、第二十八条、第四十三条、第四十四条、第四十七条、第五十二条、第五十三条、第五十四条から第五十六条の二まで、第五十八条、第六十一条、第六十二条、第六十七条第一項及び第五項から第七項まで並びに第六十八条第一項及び第二項の規定の全部若しくは一部を適用せず、又はこれらの規定による制限を緩和することができる。
この条文の基本情報
景観重要建造物である建築物に対する制限の緩和とは何ですか?
定義景観重要建造物である建築物に対する制限の緩和とは、建築基準法第85条の2に定められた規定で、「景観法第十九条第一項の規定により景観重要建造物として指定された建築物のうち、良好な景観の保全のためその位置又は構造をその状態において保存すべきものについては、市…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 建築基準法第85条の2(景観重要建造物である建築物に対する制限の緩和)は、日本の建築基準法に含まれる条文です。
- 建築基準法第85条の2の条文原文は「景観法第十九条第一項の規定により景観重要建造物として指定された建築物のうち、良好な景観の保全のためその位置又は構造をその状態において保存すべきものについては、市…」で始まります。
- 建築基準法第85条の2は第六章 雑則に置かれています。
- 建築基準法の公布日は昭和25年5月24日です。
- 建築基準法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 建築基準法第85条の2の前の条は建築基準法第85条です。
- 建築基準法第85条の2の次の条は建築基準法第85条の3です。
- 建築基準法第85条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第85条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000201 - 本サイト収録
建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第85条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000201/85_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点建築基準法85条の2は、景観法で景観重要建造物に指定された建築物について、市町村が国土交通大臣の承認を得て、条例で接道義務や容積率などの制限を適用除外・緩和できると定める。
Q · 古民家を残したいのに建築基準法に適合しません。緩和してもらう方法はありますか?
景観重要建造物の指定と市町村の緩和条例が揃えば可能です
建築基準法85条の2により、景観法19条1項で景観重要建造物に指定された建築物のうち、位置や構造を現状のまま保存すべきものについては、市町村が国土交通大臣の承認を得て、条例で接道義務(43条)、容積率(52条)、防火地域の規制(61条)などを適用除外・緩和できます。ただし指定を受けただけでは規定は一つも外れません。緩和条例を制定している市町村は多くないため、設計に入る前に自治体の例規集を確認することが先決です。
解説
築120年の町家を買った。梁も土壁も残したい。ところが敷地が道路に2メートルしか接しておらず、接道義務(建築基準法43条)を満たさない。そのままでは増改築の確認申請すら通らない。ここで効いてくるのが85条の2だ。景観法19条1項で「景観重要建造物」に指定された建築物のうち、位置や構造を今の状態のまま保存すべきものについては、市町村が国土交通大臣の承認を得たうえで、条例によって建築基準法の主要な制限、構造耐力(21条)、防火(22条から25条)、居室の採光・換気(28条)、接道義務(43条)、容積率(52条)、建蔽率(53条)、高さ・日影の制限(54条から56条の2)、防火地域の規制(61条、62条)まで、その全部または一部を適用しない、あるいは緩和することができる。あなたの建物が「動かせない」という理由で、法律の側が引き下がる仕組みが用意されている。ただし入口は所有者ではない。指定と条例、二つの行政手続がそこに立っている。
法的な位置づけ
建築基準法85条の2は、景観法19条1項により景観重要建造物として指定され、位置又は構造を現状のまま保存すべき建築物を対象とする特例規定である。市町村は国土交通大臣の承認を得たうえで、条例により構造耐力、防火、採光・換気、接道義務、容積率、建蔽率、高さ制限、防火地域の規制等の全部又は一部を適用せず、又はこれらの制限を緩和することができる。
よくある質問 AI による整理
Q1景観重要建造物とは?
景観法19条1項に基づき景観行政団体が指定する建築物です。良好な景観を形づくる要素として重要なもので、指定後は現状変更が許可制になります。
Q2建築基準法85条の2で緩和できる規定は?
構造耐力(21条)、防火(22〜25条)、採光・換気(28条)、接道義務(43条)、容積率(52条)、建蔽率(53条)、高さ・日影(54〜56条の2)、防火地域(61・62条)などです。
Q3景観重要建造物の指定は誰がするの?
景観行政団体(多くは市町村)が景観法19条により指定します。国や都道府県が一律に指定する制度ではなく、所有者の意見聴取を経て行われます。
Q4再建築不可の古民家でも改修できる?
通常は接道義務(建築基準法43条)で困難ですが、景観重要建造物に指定され市町村に85条の2の緩和条例があれば、43条自体を適用除外にできます。
Q5景観重要建造物に指定されるとどうなる?
景観法22条により増築・改築・移転・除却や外観変更に市町村長の許可が必要になります。同法25条の管理義務も生じ、緩和と規制はセットで来ます。
Q685条の2の緩和に国の関与はある?
あります。市町村は国土交通大臣の承認を得なければ条例で緩和できません。地域が判断し、安全基準の骨抜きを国が牽制する二段構えです。
Q7景観重要建造物は解体できる?
除却も景観法22条の許可対象で、無許可ではできません。解体を考える前に、指定の解除や譲渡・寄附を含めて景観行政団体に相談する必要があります。
Q8建築基準法85条の2と85条の3の違いは?
85条の2は景観法の景観重要建造物が対象、85条の3は伝統的建造物群保存地区が対象です。条例で制限を緩和する同型の仕組みが、別の保存制度に接続しています。
この条文についての質問 AI による整理
Q1うちの町にも古い建物がたくさんありますが、どこの市町村でもこの緩和は使えるんですか?
使えません。85条の2は市町村が条例を作って初めて動く仕組みで、しかも国土交通大臣の承認が前提です。景観法19条1項の指定を受けただけでは、建築基準法の規定は一つも外れません。実務のポイント:緩和条例まで整備している市町村は全国でごく少数です。保存を検討するなら、まず自治体の例規集を「景観重要建造物」で検索する。ヒットしなければ、設計より先に制度づくりの交渉から始めるという判断が立つ
Q2重要文化財なら建築基準法は関係ないと聞きました。それと何が違うんですか?
重要文化財等は建築基準法3条1項で法そのものの適用が除外されます。一方85条の2は法が適用されたままで、市町村の条例が個別の条文を外す、または制限を緩めるという二段構えです。実務のポイント:文化財の指定は国や都道府県、景観重要建造物の指定は景観行政団体である市町村が行う。同じ建物でもどちらのルートに乗せるかで、使える補助金も改修の自由度も、許可を出す窓口も変わる
Q3条例で接道義務まで外せるなら、その建物で宿やカフェを開いても安全面は問題ないということですか?
適法であることと安全であることは別です。緩和の対象には21条の構造耐力、22条から25条の防火、28条の採光・換気といった安全衛生の中核が含まれ、外した分の代替措置は条例や運用で個別に求められるのが通常です。実務のポイント:消防法は建築基準法とは別系統で動く。建築基準法が緩和されても、不特定多数を入れる用途になれば消防設備の義務は残る。建築の窓口だけで話を終えると、開業直前に消防で止まる
間違えやすい点 AI による整理
- 「景観重要建造物に指定されれば建築基準法は自動的に外れる」と考えて指定を勝ち取ろうとする人がいるが、問いの立て方が間違っている。景観法19条1項の指定だけでは、建築基準法の規定は一つも外れない。市町村が条例を制定し、しかも国土交通大臣の承認を得ていて初めて緩和が動く。あなたが最初に確認すべきは指定の可否ではなく、その市町村に緩和条例が存在するかどうかだ
- 緩和されるのは容積率や建蔽率の数字だけだと思われがちだが、射程はもっと深い。構造耐力(21条)、防火(22条から25条)、居室の採光・換気(28条)、接道義務(43条)という安全・衛生の中核まで「適用しない」ことができる。裏返せば、緩和を受けた建物は法が保証する最低基準の外側に出る。避難計画、火災保険の引受条件、利用者の安全確保は、そこから先は所有者自身の判断に委ねられる
- 所有者から見れば「うちの建物が制度に守られる」だが、法律の側から見れば「現状変更が許可制に入る」(景観法22条)。緩和と規制はセットでしか来ない。外壁の塗り替え一つ、建具の交換一つに許可が要る生活が始まる。この落差を知らずに指定に同意すると、数年後の改修計画で身動きが取れなくなる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 緩和の仕組み | 85条の2:法は適用されたまま、条例で個別条文を適用除外・緩和 | 3条1項:重要文化財等は建築基準法そのものが適用されない 85条の3:伝統的建造物群保存地区で条例により適用除外・緩和 |
| 前提となる指定 | 景観法19条1項の景観重要建造物の指定 | 文化財保護法等による重要文化財・国宝等の指定 伝統的建造物群保存地区の決定 |
| 決める主体 | 市町村の条例+国土交通大臣の承認 | 国・都道府県による文化財指定(条例不要) 市町村の条例+国土交通大臣の承認 |
| 同時に生じる規制 | 景観法22条の現状変更許可、25条の管理義務 | 文化財保護法上の現状変更許可・管理義務 保存地区の保存計画に基づく現状変更規制 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は古蹟・歴史建築の修復再利用について、区域計画法・都市計画法・建築法・消防法等の全部又は一部の適用を除外できる。緩和主体が主管機関であり、日本のように市町村条例+国の承認という二段構えを取らない点が異なる
韓国は韓屋等の建築資産について建築基準の特例を設け、地方自治体の条例に委ねる部分がある。文化財保護法系の指定制度と併走する構造は日本と類似する
ドイツは記念物保護が州法の管轄で、建築規制法(LBO)側に記念物・既存建築物への例外規定を置く。連邦の承認を要しない点で、国土交通大臣の承認を必要とする日本と対照的
米国はモデルコードの章立てで歴史的建築物に代替的適合ルートを認め、州・自治体が採択する。条例単位で緩和する点は日本と近いが、連邦の個別承認は介在しない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、あなたが相続した築90年の洋館が、道路に1.2メートルしか接していなかったら? 接道義務を満たさないので、建て替えも大規模な改修も原則できず、不動産業者からは「再建築不可」と値をつけられる。だが景観重要建造物に指定され、市町村に緩和条例があれば、43条そのものを外せる。朽ちるに任せるか現役の建物として生き返るか、分岐点は図面ではなく行政手続の側にある
- あなたが市の景観担当職員で、駅前のシンボルである旧銀行建築の保存を任された。景観法22条で外観の現状変更を許可制にしても、建築基準法が「今のままでは不適合」と言い続ける限り、所有者は改修費を出す決断ができない。85条の2の条例を用意しない限り、規制と緩和が噛み合わないまま所有者だけが板挟みになる
- 隣の古民家が突然カフェに変わった。同じ狭い路地に面しているのに、なぜあちらだけ工事の許可が下りたのか。景観重要建造物の指定と、市の緩和条例が先に動いていた
- 解体業者の見積もりが出て、着工まであと3週間。だがその建物が景観法19条の指定候補に挙がっているなら、話の順序が変わる。指定されれば現状変更に許可が要るようになり、同時に85条の2の条例があれば壊さずに使い続ける道が開く。先に重機を入れると、この選択肢は二度と戻らない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 市町村の景観部局に、その建築物が景観重要建造物に指定されているか、指定候補に挙がっているかを確認する2. 並行して、85条の2に基づく緩和条例が制定されているかを条例集で調べる。整備していない自治体の方が多い3. 指定と条例が揃っているなら、どの条文(43条、52条、61条など)が適用除外・緩和の対象かを条例本文で特定し、設計者に渡す4. 条例がなければ、景観計画への位置付けと制度創設を景観審議会や議員経由で働きかける。ここから先は法律論ではなく政治の領域になる
訴えられた側:1. 指定を受けた建築物の増改築・外観変更は景観法22条の許可が必要で、無許可着工は原状回復命令(役所があなたに直接下す、元に戻せという決定)のリスクを負う。着工前に必ず申請する2. 緩和条例で建築基準法の規定が外れていても、それは適法化であって安全の保証ではない。構造・防火の実態評価を自費でも行い、記録に残す3. 保存の負担に耐えられないと判断するなら、解体を選ぶ前に指定の解除、所有権の移転、自治体や NPO への寄附を景観行政団体に相談する
時効(請求できる期限):本条自体に期限や時効はない。時間を支配するのは行政手続の側で、景観重要建造物の現状変更は景観法22条により着工前の許可申請が必要であり、事後申請は原則として認められない。緩和条例の効力は条例の施行日以降の建築行為に及ぶため、確認申請の受付日が分水嶺になる。損害賠償など民事の争いが絡む場合は一般消滅時効(民法166条、権利を行使できることを知った時から5年または行使できる時から10年)が適用される
改正沿革 AI による整理
- 平成16年(2004年)景観法制定に伴う関係法律の整備 景観法の創設に合わせ、景観重要建造物について建築基準法の制限を条例で適用除外・緩和できる規定として新設された。以後、引用されている各条(防火地域関係など)の再編に伴う条番号の整理が行われているが、改正回数と各改正の内容は人的検証を要する
改正の年表
- 1.平成16年(2004年) 新設:景観法の制定に伴う関係法律の整備により、景観重要建造物について建築基準法の制限を条例で適用除外・緩和できる規定として新設された。以後、引用する各条の再編に伴う条番号整理が行われている
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