地方税法 第3条の2(地方団体の長の権限の委任)
クイックジャンプ
地方団体の長は、この法律で定めるその権限の一部を、当該地方団体の条例の定めるところによつて、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第百五十五条第一項の規定によつて設ける支庁若しくは地方事務所、同法第二百五十二条の二十第一項の規定によつて設ける市の区の事務所、同法第二百五十二条の二十の二第一項の規定によつて設ける市の総合区の事務所又は同法第百五十六条第一項の規定によつて条例で設ける税務に関する事務所の長に委任することができる。
この条文の基本情報
地方団体の長の権限の委任とは何ですか?
定義地方団体の長の権限の委任とは、地方税法第3条の2に定められた規定で、「地方団体の長は、この法律で定めるその権限の一部を、当該地方団体の条例の定めるところによつて、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第百五十五条第一項の規定によ…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 地方税法第3条の2(地方団体の長の権限の委任)は、日本の地方税法に含まれる条文です。
- 地方税法第3条の2の条文原文は「地方団体の長は、この法律で定めるその権限の一部を、当該地方団体の条例の定めるところによつて、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第百五十五条第一項の規定によ…」で始まります。
- 地方税法第3条の2は第一節 通則に置かれています。
- 地方税法の公布日は昭和25年7月31日です。
- 地方税法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 地方税法第3条の2の前の条は地方税法第3条です。
- 地方税法第3条の2の次の条は地方税法第4条です。
- 地方税法第3条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第3条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000226 - 本サイト収録
地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第3条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000226/3_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点地方税法3条の2は、地方団体の長が条例により税務権限の一部を県税事務所や区の事務所などの長に委任できると定める。委任を受けた長は自己の名義で処分を行う。
Q · 税金の通知の差出人が、知事ではなく県税事務所長になっているのはなぜ?
条例で権限を委任された事務所長が、自分の名前で処分しているため
地方税法3条の2により、知事や市長は、条例の定めに従って地方税法上の権限の一部を支庁、地方事務所、指定都市の区・総合区の事務所、税務に関する事務所の長に委任できます。委任を受けた事務所長は自分の名義で課税や差押えなどの処分を行う処分庁になります。ただし、審査請求は原則として最上級行政庁である知事や市長に対して行い、取消訴訟の被告は県や市になります。
解説
自動車税の納税通知書、差押予告書、固定資産税の課税明細書。差出人欄をちゃんと見たことはあるだろうか。「知事」ではなく「○○県税事務所長」、政令指定都市なら「○○区長」と書かれていることが多い。地方税法は課税や徴収の権限を地方団体の長に与えているが、本条によって、その一部を条例で支庁、地方事務所、指定都市の区や総合区の事務所、税務事務所の長に委任できる。ここでいう委任は「代わりにハンコを押す」ことではない。委任を受けた事務所長は、自分の名前で処分(役所があなたに直接下す具体的な決定、例:課税決定や差押え)をする「処分庁」になる。だから、誰に不服を言うか、審査請求をどこに出すか、取消訴訟で誰を訴えるかを考えるときは、差出人欄の一行から始めることになる。窓口で言い争う前に、その書類を誰が自分の名前で出したのかを確かめておきたい。
法的な位置づけ
地方税法第3条の2は、地方団体の長が持つ税務権限の委任について定める規定である。都道府県知事や市町村長は、条例の定めにより、地方税法上の権限の一部を、地方自治法に基づく支庁、地方事務所、指定都市の区・総合区の事務所、または税務に関する事務所の長に委任できる。委任を受けた長は、自らの名義で処分を行う処分庁となる。
よくある質問 AI による整理
Q1県税事務所とは何ですか?
都道府県が地方自治法156条に基づき条例で設ける税務の出先機関です。地方税法3条の2による委任を受けた所長が、自動車税などの課税・徴収の処分を行います。
Q223区の固定資産税は区役所と都税事務所のどちらが課税する?
特別区の区域内の固定資産税は、地方税法734条により都が課税します。そのため、通知は区役所ではなく、委任を受けた都税事務所の長の名義で届きます。
Q3自動車税の差押予告が届いたらどこに相談する?
通知の差出人になっている県税事務所の納税担当課に相談します。処分権限の委任を受けている窓口なので、分納や猶予についての具体的な話をするのが早いです。
Q4政令市の住民税は誰が課税している?
課税主体は市です。区には独自の課税権がなく、区長は条例による委任を受けて、市長の権限の一部を自分の名義で行使しています。
Q5税務権限の委任に条例が必要なのはなぜ?
権限の所在を住民が確認できるようにし、議会のコントロールを効かせるためです。長の判断だけで課税権限を移すことはできない仕組みになっています。
Q6総合区とは何ですか?
指定都市が条例で設けることができる区で、区長は市長が議会の同意を得て選ぶ特別職です(地方自治法252条の20の2)。一般の行政区より広い権限を担います。
Q7市町村にも税務事務所を置けますか?
地方自治法156条は普通地方公共団体全般に行政機関の設置を認めているため、市町村も条例で税務に関する事務所を設けられます。その長も本条による委任の対象になります。
Q8権限を委任した後でも知事は自分で処分できる?
通説では、委任すると委任した範囲の権限は受任者に移り、委任者は自分ではその権限を行使しなくなるとされます。ただし、内部的な指揮監督は残ります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1県税事務所長の名前で来た課税に不服があるとき、審査請求は事務所に出せばいいんですか?
処分をしたのは、本条によって権限の委任を受けた事務所長である。ただし審査請求先は、行政不服審査法4条により原則として最上級行政庁の知事になる。提出期限は、処分があったことを知った日の翌日から3か月以内(同法18条)。実務のポイント:通知書の末尾にある教示欄には、審査請求の宛先と取消訴訟の被告が書かれている。電話をする前に、まずそこを読むこと
Q2区役所から住民税の通知が来たけど、訴えるなら区を訴えるんですか?
政令指定都市の区は法人格を持たないので、取消訴訟の被告は市になる(行政事件訴訟法11条1項)。区長は本条にもとづく委任によって処分をしているだけである。東京23区の特別区民税なら、特別区そのものが被告になる。実務のポイント:同じ「区」という名前でも、特別区と行政区では法的な位置づけがまったく違う。訴状の被告欄を書き間違えると、手続のやり直しが生じかねない
間違えやすい点 AI による整理
- 「委任」は知事の名前で事務所が代わりに作業しているだけだと思われがちである。法的にはまったく違う。権限の委任では、委任された範囲の権限は事務所長に移り、事務所長が自分の名前で処分をする。知事の名前で内部の担当者が決裁する「専決」とは別物で、処分庁が誰になるかが変わる
- 「区役所から来たのだから区が相手だ」という考えは、東京23区と政令指定都市を混同している。特別区は独立した地方公共団体だが、指定都市の区は市の内部組織にすぎない。しかも23区内の固定資産税は区ではなく都が課税する(地方税法734条)ので、通知は都税事務所から届く。住所によって、相手にする役所はまるで違う
- 審査請求は処分をした事務所長あてに出すものだと考える人が多い。実際の宛先は、行政不服審査法4条により原則として最上級行政庁、つまり知事や市長になる。訴訟の被告も事務所長ではなく、その事務所長が属する県や市である(行政事件訴訟法11条)。処分をした者と、争う相手が一致しないところで手続を間違えやすい
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 地方税法3条の2:長の税務権限を事務所の長に委任する根拠 | 地方税法3条:地方税の賦課徴収は条例によるとする原則 地方自治法153条:長の権限委任の一般規定 |
| 委任先 | 支庁・地方事務所、指定都市の区・総合区の事務所、税務に関する事務所の長に限定 | 委任先の定めなし(課税の根拠を条例に求める規定) 補助機関である職員、または長の管理に属する行政庁 |
| 要件 | 条例の定めが必要、委任できるのは権限の一部に限る | 税目・税率などを条例で定める 長の権限に属する事務の一部 |
他国ではどう定めているか 2 か国
台湾では、行政機関が法規に基づいて権限の一部を所属の下級機関に委任でき、委任の事実と根拠法規を公告しなければならない。地方税の徴収は直轄市・県市の税捐稽徴機関が担う。
韓国でも、地方自治体の長が地方税に関する権限の一部を区や邑・面などに委任する規定が置かれている。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 政令市に住んでいて、住民税の課税額に納得がいかない。通知書には「○○区長」とある。区役所に文句を言えば済むのか、それとも市役所なのか? 指定都市の区は独立した自治体ではない。区長は委任を受けて処分をしているだけなので、取消訴訟を起こすなら被告は市になる
- 県税事務所の名前で自動車税の滞納による差押予告が届き、指定された期限まであと10日しかない。分納の相談先は、通知を出した事務所の担当課。知事あての陳情を書いても、実際に動いている窓口からは遠回りになるだけだ
学説
通説:権限の委任は法令の根拠を要し、委任があれば委任された範囲の権限は受任者に移転する。受任者は自己の名義で処分を行い、処分庁となる。委任者の名義で内部的に決裁する専決・代決とは区別される。
改正沿革 AI による整理
- 要人的検証 委任先に「総合区の事務所」が含まれているのは、平成26年(2014年)の地方自治法改正で総合区制度が創設されたことに対応する改正とみられる。ただし、本条の改正年と施行日は確認できていない
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める