地方税法 第419条(固定資産の価格等の修正に関する道府県知事の勧告)
クイックジャンプ
- 道府県知事は、市町村における固定資産の価格の決定が第三百八十八条第一項の固定資産評価基準によつて行なわれていないと認める場合においては、当該市町村の長に対し、固定資産課税台帳に登録された価格を修正して登録するように勧告するものとする。
- 2.前項の勧告をうけた市町村長は、その勧告について、固定資産の価格等を修正する必要があると認める場合においては、遅滞なく、その価格等を修正して登録しなければならない。
- 3.市町村長は、前項の規定によつて、固定資産の価格等を修正して登録した場合においては、直ちに、その旨を公示しなければならない。
- 4.市町村長は、第二項の規定によつて、土地又は家屋の価格等を修正して登録した場合においては、直ちに、土地価格等縦覧帳簿又は家屋価格等縦覧帳簿を作成しなければならない。
- 5.市町村長は、総務省令で定めるところにより、前項の土地価格等縦覧帳簿又は家屋価格等縦覧帳簿の作成を電磁的記録の作成をもつて行うことができる。
- 6.市町村長は、第四項の規定によつて、土地価格等縦覧帳簿又は家屋価格等縦覧帳簿を作成した場合においては、その作成の日から二十日以上の期間、その指定する場所において、当該土地価格等縦覧帳簿若しくはその写し(当該土地価格等縦覧帳簿の作成が前項の規定により電磁的記録の作成をもつて行われている場合にあつては、当該土地価格等縦覧帳簿に記録をされている事項を記載した書類。次項において同じ。)を当該市町村内に所在する土地に対して課する固定資産税の納税者の縦覧に供し、又は家屋価格等縦覧帳簿若しくはその写し(当該家屋価格等縦覧帳簿の作成が前項の規定により電磁的記録の作成をもつて行われている場合にあつては、当該家屋価格等縦覧帳簿に記録をされている事項を記載した書類。次項において同じ。)を当該市町村内に所在する家屋に対して課する固定資産税の納税者の縦覧に供しなければならない。
- 7.市町村長は、前項の規定により土地価格等縦覧帳簿若しくはその写し又は家屋価格等縦覧帳簿若しくはその写しを当該市町村内に所在する土地又は家屋に対して課する固定資産税の納税者の縦覧に供する場合においては、土地価格等縦覧帳簿又は家屋価格等縦覧帳簿に記載(当該土地価格等縦覧帳簿又は家屋価格等縦覧帳簿の作成が第五項の規定により電磁的記録の作成をもつて行われている場合にあつては、記録)をされている事項を映像面に表示して縦覧に供することができる。
- 8.市町村長は、第六項の縦覧の場所及び期間を、あらかじめ、公示しなければならない。
この条文の基本情報
固定資産の価格等の修正に関する道府県知事の勧告とは何ですか?
定義固定資産の価格等の修正に関する道府県知事の勧告とは、地方税法第419条に定められた規定で、「道府県知事は、市町村における固定資産の価格の決定が第三百八十八条第一項の固定資産評価基準によつて行なわれていないと認める場合においては、当該市町村の長に対し、固…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 地方税法第419条(固定資産の価格等の修正に関する道府県知事の勧告)は、日本の地方税法に含まれる条文です。
- 地方税法第419条の条文原文は「道府県知事は、市町村における固定資産の価格の決定が第三百八十八条第一項の固定資産評価基準によつて行なわれていないと認める場合においては、当該市町村の長に対し、固…」で始まります。
- 地方税法第419条は第五款に置かれています。
- 地方税法の公布日は昭和25年7月31日です。
- 地方税法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 地方税法第419条の前の条は地方税法第418条です。
- 地方税法第419条の次の条は地方税法第420条です。
- 地方税法第419条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第419条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000226 - 本サイト収録
地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第419条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000226/419
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点地方税法419条は、市町村の固定資産価格が評価基準に従っていないと認めるとき、道府県知事が市町村長に価格修正を勧告すると定める。修正するかは市町村長が判断する。
Q · 県知事が固定資産税の評価を直すよう勧告したら、税額は必ず下がるの?
勧告に拘束力はなく、修正は市町村長の判断次第
地方税法419条1項により、道府県知事は、市町村の固定資産の価格決定が固定資産評価基準によっていないと認めるとき、市町村長に修正を勧告します。ただし勧告に拘束力はなく、市町村長が修正の必要を認めた場合にだけ修正登録の義務が生じます(2項)。修正されると公示され(3項)、土地・家屋の縦覧帳簿が作成されて20日以上納税者の縦覧に供されます(4項・6項)。修正後の価格に不服があれば、固定資産評価審査委員会への審査申出(432条)で争います。
解説
固定資産税の額は、市町村が固定資産課税台帳に登録した「価格」に標準税率1.4% を掛けて、ほぼ機械的に決まる。その価格が、総務大臣の定める固定資産評価基準(388条1項)どおりに出されていないと道府県知事がみた場合、知事は市町村長に「価格を直して登録し直せ」と勧告する。本条はその仕組みを定めている。ただし勧告に強制力はない。修正するかどうかを最後に決めるのは市町村長である(2項)。修正されると、その旨が公示され、土地と家屋の縦覧帳簿が作り直され、20日以上のあいだ納税者に公開される。あなたにとって意味があるのは、この公示の瞬間だ。修正の公示は、ふだんは閉じている審査申出の窓口をもう一度開く合図になりうる。隣の土地と自分の土地の価格を並べて比べる機会も、ここでもう一度めぐってくる。公示の日付を見落とせば、その窓はまた閉じてしまう。
法的な位置づけ
地方税法419条は、道府県知事による固定資産の価格等の修正勧告を定める規定である。市町村の価格決定が同法388条1項の固定資産評価基準によっていないと知事が認める場合に勧告が行われ、市町村長は修正の必要を認めたときに価格等を修正登録し、公示および縦覧帳簿の作成・縦覧を行う義務を負う。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.修正の公示を確認する 市町村の掲示場やホームページで「固定資産の価格等の修正」の公示を確認し、公示日を記録する。その日から審査申出の期限計算が始まりうるため、手帳に期限を書き込む
- 2.自分の物件が対象か資産税課に問い合わせる 市町村の資産税課に、自分の土地・家屋が修正の対象か、修正前後の価格はいくらかを問い合わせる
- 3.縦覧期間中に縦覧帳簿で比較材料を集める 縦覧帳簿の作成日から20日以上の縦覧期間中に指定場所へ出向き、自分と近隣の土地・家屋の価格を書き写す。期間が終わると比較の正規ルートは閉じる
- 4.審査申出の要否を判断し期限内に提出する 修正後の価格になお不服があれば、固定資産評価審査委員会に審査申出書を提出する(432条)。決定に不服なら、決定を知った日から6か月以内に取消訴訟を検討する(434条)
よくある質問 AI による整理
Q1固定資産税の価格等の修正の公示とは?
市町村長が登録済みの固定資産の価格等を修正したことを知らせる公示です。知事の勧告で修正した場合、地方税法419条3項により直ちに公示しなければなりません。
Q2縦覧帳簿はいつまで見られる?
知事の勧告で修正した場合、縦覧帳簿の作成日から20日以上の期間、市町村が指定する場所で縦覧できます(419条6項)。場所と期間は事前に公示されます。
Q3縦覧帳簿で他人の土地の価格は見られる?
見られます。縦覧帳簿は同じ市町村内の土地・家屋の価格を記載したもので、納税者は自分以外の物件の価格と比べられます。比較材料を集める数少ない正規ルートです。
Q4固定資産評価基準とは?
総務大臣が地方税法388条1項に基づき定める、土地・家屋・償却資産の評価方法と手続の基準です。市町村長はこれに従って価格を決定しなければなりません。
Q5固定資産税の評価額がおかしい時の相談先は?
まず市町村の資産税課に評価の根拠を問い合わせます。価格に不服があれば、固定資産評価審査委員会に審査申出(432条)をするのが正面の手段です。
Q6知事の勧告を市町村長は無視できる?
法的には拘束されません。419条2項は「修正する必要があると認める場合」にだけ修正義務を課しており、最終判断は市町村長に委ねられています。
Q7固定資産税の価格修正 いつ反映される?
市町村長は修正の必要を認めたら遅滞なく修正登録します(419条2項)。税額への反映は、修正登録後の賦課決定や更正の手続によって行われます。
Q8固定資産の評価替えは何年ごと?
土地と家屋は原則3年ごとに評価替えされます(基準年度)。直近は令和6年度、次は令和9年度で、それ以外の据置年度は原則として価格が据え置かれます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1県知事に「うちの評価おかしいから勧告して」って頼めるんですか?
本条は、知事から市町村長への勧告を定めているだけで、納税者が勧告を求める権利は書かれていない。県の税務担当課に情報として伝えることはできるが、県が答える法的な義務はない。正面から争う道は432条の審査申出である。実務のポイント:審査申出の期間が過ぎていても、市町村長は登録された価格に重大な誤りを見つければ修正できる(417条)。根拠資料をつけて資産税課に書面で誤りを指摘するほうが、知事ルートより実際に動いてもらいやすい
Q2何年も払いすぎてた固定資産税、どこまで戻ってくるの?
地方税法による還付は、更正の期間制限があるため原則5年分である(17条の5、18条の3)。ただし最判平成22.6.3は、評価の誤りで税を払いすぎた場合、審査申出を経なくても国家賠償を請求できると判断し、5年を超える分を取り戻す道を開いた。実務のポイント:多くの自治体は「返還金要綱」を設け、訴訟を待たずに20年分程度まで返している。まず自分の自治体に要綱があるか確認する(各自治体の要綱をご確認ください)
間違えやすい点 AI による整理
- 「知事が勧告すれば、価格は自動的に直る」と思われがちだが、勧告に拘束力はない。市町村長が「修正する必要がある」と判断したときにだけ、修正の義務が生じる(2項)。勧告は、都道府県が市町村に関わる正式な手段の一つ(関与)にすぎず、命令ではない
- 「知事に勧告を出してもらうには、どう申し立てればいいのか」という問いそのものがずれている。本条には、納税者が勧告を求める権利が書かれていない。自分の評価を争う正面の道は、固定資産評価審査委員会への審査申出(432条)である。知事ルートを主戦場にした時点で、時間を失う
- 納税者にとって縦覧は「自分の評価額を確かめる場」に見える。しかし法律がみているのは、地域の中で評価の釣り合いが取れているかどうかだ。縦覧帳簿の本当の値打ちは、他人の土地や家屋の価格と比べられる点にある。比べる材料のない不服は、なかなか通らない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 修正のきっかけ | 419条:道府県知事の勧告 | 417条:市町村長が自ら重大な誤りを発見 432条:納税者の審査申出 |
| 誰が判断するか | 市町村長(勧告に拘束力なし) | 市町村長 固定資産評価審査委員会 |
| 納税者への開示 | 公示+縦覧帳簿の作成・20日以上の縦覧 | 納税者への通知 審査決定書の送付 |
| 納税者が起動できるか | できない(知事・市町村長間の手続) | 誤りの指摘は可能だが修正請求権はない できる(期限内の申出が必要) |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾では房屋標準價格を不動產評價委員會が、公告地價を地價評議委員會が評定する。評価の場面に合議体を置く点が、市町村長が単独で価格を決める日本と異なる
韓国は国が公示する公示価格を基礎に財産税を課す。評価の全国統一性を、日本の評価基準方式とは別の方法で確保している
ドイツは2025年からの新 Grundsteuer に向け、州の財務当局が Grundsteuerwert を評価する。市町村は税率(Hebesatz)を決める役割にとどまる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 市のホームページの片すみに「固定資産の価格等の修正について」という公示が出た。そこから三か月のカウントダウンが始まっていることに、あなたは気付いているだろうか? 修正の対象にあなたの土地が入っているなら、縦覧帳簿で新旧の価格と近所の土地の価格を確かめ、審査申出をするかどうかを期限内に決めなければならない
- あなたは市役所の資産税課の担当者である。県から、評価替えで使った補正率が評価基準とずれているという正式な勧告が届いた。修正するなら、遅れずに登録し、すぐに公示し、縦覧帳簿を作り、縦覧の場所と期間も事前に公示する。どれか一つでも飛ばせば、あとで納税者から手続の不備を突かれる
- 同じ広さで、同じ道路に面した隣の土地より、自分の土地の評価が三割高い。理由が分からないまま、もう五年払い続けている。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 修正の公示を見つけたら、自分の土地や家屋が修正の対象か、市町村の資産税課に問い合わせる。2. 縦覧期間のうちに縦覧帳簿を見て、新旧の価格と近所の土地との違いを記録する。3. 修正後の価格に納得できなければ、固定資産評価審査委員会に審査申出をする(432条)。その決定にも不服なら取消訴訟を起こす(434条。審査申出を先に済ませることが条件)。4. 過去の年度にも払いすぎがあったと分かれば、還付と国家賠償の両方の道を検討する
訴えられた側:勧告を受けた市町村の側として:1. 勧告の内容を評価基準と突き合わせ、修正が必要かを判断する。必要ないと判断したなら、その理由を文書で残す。2. 修正するなら、遅れずに登録し、すぐに公示し、縦覧帳簿を作り、縦覧の場所と期間を事前に公示する。3. 過去の年度分の更正と還付の範囲を確かめる(17条の5、18条の3)。4. 問い合わせが集中するのに備え、納税者向けの説明資料を用意しておく
時効(請求できる期限):修正後の価格への審査申出は、修正の公示の日から3か月以内と解されている(432条1項。最新の改正状況をご確認ください)。審査決定への取消訴訟は、決定を知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条)。縦覧期間は、帳簿の作成日から20日以上(本条6項)。過去の年度分の還付は、更正の期間制限があるため原則5年分(17条の5)。国家賠償は、損害と加害者を知った時から3年、不法行為の時から20年(国家賠償法4条、民法724条)
学説
通説:本条の勧告は都道府県による市町村への関与の一形態であり、法的拘束力を持たない。市町村の課税自主権を尊重しつつ、全国一律の評価基準による税負担の均衡を確保するための調整手段と位置づけられる
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和25年(1950年) 新設:地方税法の制定により固定資産税が創設され、評価の均衡を図る知事の関与規定として設けられた
- 2.平成14年(2002年) 改正:縦覧制度の見直しにより、平成15年度から土地価格等縦覧帳簿・家屋価格等縦覧帳簿による他の物件との比較縦覧の仕組みに改められた
- 地方税法 第388条固定資産評価基準、本条の判断の物差し
- 地方税法 第417条市町村長が自ら行う価格修正
- 地方税法 第416条通常の縦覧期間と縦覧制度
- 地方税法 第432条評価審査委員会への審査申出
- 地方税法 第434条取消訴訟と審査申出前置
- 地方自治法 第245条の4技術的な助言・勧告の一般規定
- 国家賠償法 第1条評価の誤りによる過納分の賠償の道
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める