道路運送車両法 第94条の7(罰則の適用)
クイックジャンプ
自動車検査員その他第九十四条の五第一項及び第九十四条の五の二第一項の証明その他の保安基準適合証、保安基準適合標章及び限定保安基準適合証の交付の業務に従事する指定自動車整備事業者並びにその役員及び職員は、刑法その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
この条文の基本情報
罰則の適用とは何ですか?
定義罰則の適用とは、道路運送車両法第94条の7に定められた規定で、「自動車検査員その他第九十四条の五第一項及び第九十四条の五の二第一項の証明その他の保安基準適合証、保安基準適合標章及び限定保安基準適合証の交付の業務に従事する指定…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 道路運送車両法第94条の7(罰則の適用)は、日本の道路運送車両法に含まれる条文です。
- 道路運送車両法第94条の7の条文原文は「自動車検査員その他第九十四条の五第一項及び第九十四条の五の二第一項の証明その他の保安基準適合証、保安基準適合標章及び限定保安基準適合証の交付の業務に従事する指定…」で始まります。
- 道路運送車両法第94条の7は第六章に置かれています。
- 道路運送車両法の公布日は昭和26年6月1日です。
- 道路運送車両法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 道路運送車両法第94条の7の前の条は道路運送車両法第94条の6です。
- 道路運送車両法第94条の7の次の条は道路運送車両法第94条の8です。
- 道路運送車両法第94条の7には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
道路運送車両法(昭和二十六年法律第百八十五号)第94条の7 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC0000000185 - 本サイト収録
道路運送車両法(昭和二十六年法律第百八十五号)第94条の7(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/326AC0000000185/94_7
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点道路運送車両法94条の7は、車検の適合証交付に携わる指定工場の検査員や役員・職員を、刑法等の罰則適用上は公務員とみなし、贈収賄罪などの対象とする規定である。
Q · 民間の車検工場の検査員にお金を渡すと、賄賂になるの?
なりうる。交付業務の従事者は刑法上公務員とみなされる
道路運送車両法94条の7により、保安基準適合証などの交付業務に従事する指定自動車整備事業者、その役員・職員(自動車検査員を含む)は、刑法その他の罰則の適用について公務員とみなされます。そのため、職務に関して金品を受け取れば収賄罪(刑法197条)、渡した側は贈賄罪(刑法198条)の対象になりえます。検査をせずに適合証を作成すれば、公文書に対する罪の問題にもなります。
解説
ディーラーに車検を頼むと、陸運局(運輸支局)に一度も車を持ち込まないまま、夕方には新しい検査標章が貼られて戻ってくる。そんなことができるのは、国が本来持っている「この車は安全だ」と証明する権限の一部を、指定自動車整備事業者(いわゆる民間車検場・指定工場)に任せているからだ。任せる代わりに、法律は条件を付けた。保安基準適合証や保安基準適合標章などを交付する業務に就く検査員、役員、職員は、刑法などの罰則を当てはめるときに限り公務員とみなされる。つまり、作業着を着た会社員であっても、賄賂を受け取れば収賄罪になり、検査をせずに適合証を作れば公文書の虚偽作成として裁かれる。お金を渡したあなたの側も、贈賄罪の当事者になる。「民間の人へのちょっとしたお礼」のつもりが、法律上は公務員への賄賂と同じ扱いになる。その線がどこにあるかを知っていれば、あなたが車検の窓口でうっかり渡してしまう封筒は一つもなくなる。
法的な位置づけ
道路運送車両法第94条の7は、いわゆるみなし公務員規定である。自動車検査員その他、保安基準適合証・保安基準適合標章・限定保安基準適合証の交付業務に従事する指定自動車整備事業者並びにその役員及び職員を、刑法その他の罰則の適用に限り、法令により公務に従事する職員とみなす。
よくある質問 AI による整理
Q1みなし公務員とは?
公務員ではないものの、公的性質を持つ業務に従事するため、刑法などの罰則を適用するときに限り公務員として扱われる者のことです。車検の指定工場の検査員が典型例です。
Q2指定工場の検査員は公務員ですか?
身分は民間企業の社員です。ただし道路運送車両法94条の7により、適合証の交付業務については罰則の適用上で公務員とみなされます。
Q3車検 賄賂 罰則はどれくらい?
受け取った側は単純収賄罪(刑法197条1項)で5年以下の拘禁刑、渡した側は贈賄罪(刑法198条)の対象です。依頼を受けて受け取れば受託収賄としてさらに重くなります。
Q4不正車検 バレたらどうなる?
関与した個人は虚偽公文書作成罪などの刑事責任を問われえます。事業者は指定の取消しなどの行政処分を受けえます。車の使用者が再検査を求められた例もあります。
Q5保安基準適合証とは?
指定工場の自動車検査員が、車両が保安基準に適合していると証明する書面です。これを運輸支局に提出すると、継続検査での現車の持ち込みが省略されます(同法62条・94条の5)。
Q6認証工場の整備士もみなし公務員ですか?
原則として該当しません。本条の対象は、適合証などの交付業務に従事する指定自動車整備事業者側の者です。整備だけを行う認証工場は適合証を交付しません。
Q7検査員の賄賂要求 通報先はどこ?
管轄の運輸支局や警察に情報提供できます。日時・場所・発言内容を記録し、録音があれば保全しておくと、事実確認に役立ちます。
Q8不正車検の会社役員も罰せられる?
本条は役員も明示的に対象に含めています。不正を指示・黙認していた場合、共犯として刑事責任を問われるおそれがあります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1車検のときに整備士さんにお菓子とかちょっとしたお礼を渡すのもアウトなんですか?
本条により、交付業務に携わる検査員は刑法上の公務員とみなされる。賄賂かどうかは職務との対価関係で判断され、金額の大小だけでは決まらない。社交儀礼の範囲なら成立しないとする見方もあり、実務上、解釈が分かれている。実務のポイント:最も危ないのは「検査に通るかどうか」の話と結びつけて渡すこと。多くの指定工場は社内規程で心付けの受け取りを禁じているので、渡さないのが一番安全である
Q2車検を頼んだ工場が不正車検で処分されたら、自分の車はどうなるんですか?
虚偽の保安基準適合証で車検が通っていた場合、過去の事例では運輸支局から使用者に再検査の受検が求められている。本条で罰せられるのは工場側だが、車を持ち込み直す手間はあなたに降りかかる。実務のポイント:再検査の費用や代車代は、契約した工場への債務不履行(民法415条)として請求できる余地がある。黙って自腹を切る前に、工場からの通知書と領収書は必ず残しておくこと
間違えやすい点 AI による整理
- 「民間企業の社員にお金を渡しても賄賂にはならない」と考える人は多い。だが保安基準適合証などの交付業務に従事する者は、刑法の適用上は公務員とみなされる。ディーラーの検査員への「お礼」も、職務との対価関係があれば贈収賄の枠組みで判断される
- 検査員の目に映るのは「社内で回している書類一枚」かもしれない。しかし法律の目から見れば、それは国に代わって安全を証明する公文書である。検査を省略して適合証に記名押印すれば、虚偽有印公文書作成罪(刑法156条、法定刑は1年以上10年以下の拘禁刑)の問題になる。この認識の落差が、懲戒処分で済むと思っていた人を刑事被告人に変える
- 不正車検は「現場の一人の暴走」で片付くと思われがちだが、深刻度はそこで止まらない。条文は検査員だけでなく事業者の役員と職員まで明示的に含めている。さらに行政処分として指定の取消しが別に動くため、刑事責任と事業継続の危機が同時に一つの会社を襲う
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の性質 | 94条の7:罰則適用上の身分規定(みなし公務員) | 94条の5:保安基準適合証・標章の交付権限の根拠 94条の5の2:限定保安基準適合証の交付権限の根拠 |
| 規律の対象 | 交付業務に従事する事業者・役員・職員(検査員を含む)の刑事責任 | 指定自動車整備事業者による適合性の証明と交付の手続 限定的な範囲での適合性の証明と交付の手続 |
| 違反時の主な帰結 | 刑法上の贈収賄罪・公文書に対する罪などが公務員と同じ枠組みで適用される | 不適正な交付は指定の取消しなどの行政処分の対象 不適正な交付は指定の取消しなどの行政処分の対象 |
他国ではどう定めているか 2 か国
台湾は刑法総則で「委託を受けて公共事務に従事する者」を包括的に公務員とする方式をとり、個別法での擬制を要しない点が日本と異なる
ドイツでは車検を担う民間の検査技術者が公権力を委ねられた者(Beliehene)として、刑法上の Amtsträger に当たりうる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、車検の見積もりの席で「タイヤの溝がギリギリだけど、今回は通してもらえませんか。お礼はしますので」と一万円を差し出したら、どうなる? 受け取った検査員は収賄罪(刑法197条)、差し出したあなたは贈賄罪(刑法198条)の対象になりうる。相手が民間企業の社員でも、交付業務に関わる限り公務員への賄賂と同じ土俵で判断される
- あなたは指定工場の役員だ。月末の車検ノルマに追われた現場の検査員が、ブレーキ検査を省いたまま保安基準適合証を発行していたことを内部通報で知った。運輸支局の監査まであと一週間しかない。適合証は公文書として扱われ、虚偽の作成は虚偽有印公文書作成罪(刑法156条)の問題になる。役員であるあなたが知りながら放置すれば、会社の指定取消しにとどまらず、共犯として責任を問われるリスクまで背負うことになる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 検査員から金銭や見返りを求められたら、その場で明確に断り、日時・場所・発言内容をメモや録音で残す2. 不正な車検が疑われる工場で検査を受けた場合は、点検整備記録簿と保安基準適合証の控えを保管する3. 管轄の運輸支局に情報提供する4. 後日、再検査などで費用が生じたら、工場に対して債務不履行(民法415条)として負担を求める
訴えられた側:1. 検査員や役員として疑いを受けたら、社内聴取や捜査機関への供述の前に弁護士へ相談する2. 自分の関与範囲(交付業務に従事していたか、指示・黙認の有無)を時系列で整理する3. 会社としては事実調査・関係書類の保全・運輸支局への報告を同時に進め、捜査機関に発覚する前であれば自首(刑法42条)の余地を検討する4. 証拠隠滅と疑われる書類の廃棄は絶対にしない
時効(請求できる期限):公訴時効の目安は、単純収賄罪(刑法197条1項、5年以下の拘禁刑)が5年、贈賄罪(刑法198条)が3年、虚偽有印公文書作成罪(刑法156条)が7年(刑事訴訟法250条2項)。起算点は犯罪行為が終わった時点(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:みなし公務員規定の趣旨は、公的な業務を民間に委ねた場合にも職務の公正と国民の信頼を守る点にある。身分は民間のままで、刑法その他の罰則の適用場面に限って公務員として扱う。
- 道路運送車両法 第94条の5保安基準適合証等の交付の根拠
- 道路運送車両法 第94条の5の2限定保安基準適合証の交付の根拠
- 道路運送車両法 第94条の4自動車検査員の選任(現行効力を要確認)
- 道路運送車両法 第62条継続検査、適合証提出で現車提示省略
- 刑法 第197条収賄罪、みなし公務員に適用
- 刑法 第198条贈賄罪、依頼した車の所有者側にも適用
- 刑法 第156条虚偽公文書作成罪、虚偽の適合証に適用
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める