厚生年金保険法 第32条(保険給付の種類)
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- この法律による保険給付は、次のとおりとし、政府及び実施機関(厚生労働大臣を除く。第三十四条第一項、第四十条、第七十九条第一項及び第二項、第八十一条第一項、第八十四条の五第二項並びに第八十四条の六第二項並びに附則第二十三条の三において「政府等」という。)が行う。
- 一老齢厚生年金
- 二障害厚生年金及び障害手当金
- 三遺族厚生年金
この条文の基本情報
保険給付の種類とは何ですか?
定義保険給付の種類とは、厚生年金保険法第32条に定められた規定で、「この法律による保険給付は、次のとおりとし、政府及び実施機関(厚生労働大臣を除く。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 厚生年金保険法第32条(保険給付の種類)は、日本の厚生年金保険法に含まれる条文です。
- 厚生年金保険法第32条の条文原文は「この法律による保険給付は、次のとおりとし、政府及び実施機関(厚生労働大臣を除く。」で始まります。
- 厚生年金保険法第32条は第一節に置かれています。
- 厚生年金保険法の公布日は昭和29年5月19日です。
- 厚生年金保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 厚生年金保険法第32条の前の条は厚生年金保険法第31条の3です。
- 厚生年金保険法第32条の次の条は厚生年金保険法第33条です。
- 厚生年金保険法第32条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)第32条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000115 - 本サイト収録
厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)第32条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/329AC0000000115/32
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点厚生年金保険法32条は、保険給付を老齢厚生年金、障害厚生年金及び障害手当金、遺族厚生年金の三種類に限定列挙し、政府及び実施機関が給付を行うと定める。
Q · 毎月引かれている厚生年金保険料で、結局どんな給付が約束されているの?
老齢・障害・遺族の三種類。障害手当金という一時金も含まれます
厚生年金保険法32条は、保険給付を老齢厚生年金、障害厚生年金及び障害手当金、遺族厚生年金の三種類に限定列挙しています。老後だけでなく、現役世代の障害と死亡も対象です。とりわけ障害手当金は障害等級3級に届かない障害が残ったときの一時金で(55条)、国民年金には存在しません。給付は政府及び実施機関が行い、2015年10月の一元化以降は共済組合等も実施機関に含まれます。介護や失業はこの三種類の外側にあり、別の制度が担います。
解説
毎月の給与明細から天引きされている厚生年金保険料、その見返りとして法律が約束している給付は、この条文のたった三行しかない。老齢厚生年金、障害厚生年金及び障害手当金、遺族厚生年金。ここで大半の人が見落とすのが二行目の「障害手当金」である。障害等級三級にも届かない程度の障害が残ったときに一度だけ支払われる一時金で(55条)、自営業者が加入する国民年金には存在しない。三級の障害厚生年金も同じく被用者だけの給付だ。つまりあなたは、同じ怪我をした自営業の友人が一円も受け取れない場面で、請求さえすれば受け取れる側に立っている。もう一つ、給付を行う主体は「政府及び実施機関」と書かれている。2015年10月の被用者年金一元化で公務員や私学教職員の共済も厚生年金に統合され、加入期間ごとに別々の実施機関が決定し、別々に振り込む構造になった。窓口が一つだと思い込んでいると、請求漏れも記録漏れも見えない。
法的な位置づけ
厚生年金保険法32条は保険給付の種類を定める規定であり、同法による給付を老齢厚生年金、障害厚生年金及び障害手当金、遺族厚生年金の三種類に限定列挙する。給付の実施主体は政府及び実施機関とされ、被用者年金一元化により共済組合等も実施機関に含まれる。
よくある質問 AI による整理
Q1実施機関とは何ですか?
厚生年金の給付の決定と支払を行う主体です。厚生労働大臣のほか、国家公務員共済組合連合会、地方公務員共済組合、日本私立学校振興・共済事業団が含まれます(2条の5)。
Q2厚生年金と国民年金では給付の種類が違いますか?
違います。国民年金は老齢・障害・遺族の基礎年金(15条)、厚生年金はその上乗せに加え障害手当金という一時金があり、障害は3級まで対象になります。
Q3遺族厚生年金は子がいなくても受け取れますか?
受け取れます(58条以下)。子の有無で切られるのは遺族基礎年金であり、二階部分の遺族厚生年金は別の要件で動きます。ただし将来的な見直しが議論されています。
Q4厚生年金の請求はいつまでにできますか?
支払期月ごとの受給権は5年で時効消滅し、遡って受け取れるのは原則5年分までです(92条)。障害手当金は初診日から5年以内の治癒が要件です(55条)。
Q5労災保険をもらったら厚生年金の障害給付はもらえない?
障害厚生年金は併給されますが労災側が減額調整されます。一方、同一事由で労災の障害補償給付を受ける権利があるときは障害手当金は支給されません(56条)。
Q6離婚の年金分割はどの給付が対象ですか?
対象は32条の一号、老齢厚生年金にかかる婚姻期間中の標準報酬記録だけです。障害厚生年金も遺族厚生年金も基礎年金も分割されません。
Q7不支給決定に納得できないときはどうすればいい?
社会保険審査官への審査請求を、決定があったことを知った日の翌日から3か月以内に行います。決定ごとに争う相手が分かれる点に注意が必要です。
Q8厚生年金に介護や失業の給付はありますか?
ありません。32条は三種類の限定列挙なので、介護は介護保険法、失業は雇用保険法という別の制度が担います。
この条文についての質問 AI による整理
Q1厚生年金って、老後にもらうやつだけじゃないんですか?
三種類あります(32条)。老齢厚生年金、障害厚生年金と障害手当金、遺族厚生年金です。障害と遺族は現役世代のための保障で、20代でも対象になります。実務のポイント:障害厚生年金には3級がありますが、国民年金の障害基礎年金は1級2級までしかありません(国民年金法30条)。初診日にどちらの制度に入っていたかで、生涯の受給額が数百万円単位で変わります。
Q2障害手当金って初めて聞きました。何ですか?
障害等級3級に届かない程度の障害が残ったときに、一度だけ支払われる一時金です(55条)。初診日から5年以内に傷病が治ったことが要件で、額は報酬比例部分の2年分が目安です。実務のポイント:同一の事由で労災保険の障害補償給付を受ける権利があると障害手当金は支給されません(56条)。労災と厚生年金のどちらから取るのが有利かを先に計算する人は、ほとんどいません。
Q3公務員だった時期もあるんですが、年金はどこに請求すればいいですか?
2015年10月の一元化で公務員も厚生年金の被保険者になり、32条の「実施機関」に共済組合等が含まれます(2条の5)。請求書はどの窓口でも受け付けますが、決定と支払は加入期間ごとに各実施機関が行います。実務のポイント:通知書も振込も別々に届くため、片方だけ見て金額を誤解しやすく、逆に片方の記録漏れに何年も気付かないことがあります。年に一度、全期間を突き合わせるのが唯一の防御です。
間違えやすい点 AI による整理
- 「厚生年金は老後にもらうもの」という理解は正しいが、それが三分の一の理解でしかないことに気付いている人は少ない。障害と遺族の二本は現役世代のための保障で、20代の被保険者でも対象になる。老後より先に使う可能性のある保険料を、あなたは毎月払っている
- 「障害者手帳がないと障害年金はもらえないのか」という問いは、出発点そのものが間違っている。手帳(身体障害者福祉法等)と障害厚生年金は別制度で、等級の基準も判断する機関も違う。手帳がなくても年金が出ることも、手帳があっても年金が出ないこともある。二つを同じ物差しだと思っている限り、正しい準備ができない
- あなたから見れば「年金機構に申請した」一つの手続だが、法律から見れば、政府と各実施機関という別々の主体が、それぞれの加入期間について別々に決定を下している。不服を申し立てる相手も決定ごとに分かれる。この落差を知らないまま、どの決定を争うべきか迷っているうちに、審査請求の期限(決定を知った日の翌日から3か月)が過ぎる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 給付の種類 | 厚年32条:老齢厚生年金/障害厚生年金及び障害手当金/遺族厚生年金の三種 | 国年15条:老齢基礎年金/障害基礎年金/遺族基礎年金ほか 労災法12条の8:療養・休業・障害・遺族・傷病・介護の各補償給付 |
| 障害の等級と一時金 | 障害等級3級まで年金、3級未満は障害手当金という一時金(55条) | 障害基礎年金は1級・2級のみ、3級相当の給付なし 障害等級1〜7級は年金または一時金、8〜14級は一時金 |
| 対象となる人 | 被用者(会社員・公務員・私学教職員) | 自営業者を含む全国民(第1号〜第3号被保険者) 業務上・通勤による負傷等を負った労働者 |
| 給付を行う主体 | 政府及び実施機関(厚労大臣・各共済組合等) | 政府(厚生労働大臣、実務は日本年金機構) 政府(労働基準監督署) |
他国ではどう定めているか 6 か国
台湾の労工保険は生育・傷病・失能・老年・死亡を一本の保険で扱い、職業災害は2022年施行の勞工職業災害保險及保護法に分離された。日本のように老齢・障害・遺族の三本柱として条文上分類する構造ではない
韓国は被用者と自営業者を国民年金に統合しており、給付は老齢・障害・遺族の三年金に返還一時金を加えた構成。日本のような二階建て(基礎+厚生)の分離はない
中国は基本養老保険・基本医療保険・工傷保険・失業保険・生育保険を並列させる。老齢は養老保険、障害は工傷保険が中心で、日本のように一つの法律に三給付をまとめる構造とは異なる
ドイツも老齢年金・稼得能力減退年金・遺族年金の三分類を採り、日本の32条と最も対応が近い。日本の障害手当金に相当する軽度障害への一時金は制度化されていない
フランスは老齢(vieillesse)・障害(invalidité)・死亡(décès)を régime général の中で規律するが、職域ごとの制度が併存し、日本のように一本の条文で給付を限定列挙する形式ではない
米国の OASDI も老齢・遺族・障害の三本柱で構成される点は共通するが、障害給付は全部障害(total disability)に限られ、日本の3級や障害手当金に相当する部分的障害への給付はない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、工場で指を挟まれて、障害等級には届かない後遺障害が残ったとしたら? 障害手当金には「初診日から5年以内に傷病が治った(症状固定した)こと」という時間の壁がある。労災の手続だけで一段落した気になっていると、厚生年金側の一時金は請求されないまま静かに消える。残された時間は診断書の日付が決める
- 夫を亡くした翌月、あなたは遺族厚生年金の請求書類を前にしている。子がいないから対象外だと思い込む人が多いが、遺族厚生年金は子のない配偶者にも支給される(59条)。子の有無で切られるのは遺族基礎年金であって、二階部分は別の条文で動いている(2025年成立の年金制度改正法により子のない配偶者への給付は将来的に見直される。最新の改正状況をご確認ください)
- 民間企業で10年、市役所で15年、また民間で5年。あなたの年金記録は三つの実施機関にまたがる。請求書はどの窓口でも受け付けてくれるが、決定と支払は期間ごとに各実施機関が別々に行う。通知書も振込も二通り届き、片方だけ見て「金額が少ない、間違いだ」と役所に電話をかける人が毎年いる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 自分の状況が三本の柱(老齢・障害・遺族)のどれに当たるかを確定する2. 障害系なら初診日の証明が最優先。カルテは5年で廃棄されうるので、受診状況等証明書を真っ先に確保する3. ねんきんネットで全期間の記録を通算し、共済期間の有無を確認する4. 請求は年金事務所または各共済へ。不支給決定に納得できなければ社会保険審査官へ審査請求(決定を知った日の翌日から3か月以内)
訴えられた側:支給を認められなかった側、または過払いの返還を求められた側の手順。1. 不支給決定通知書の理由欄と等級判定の根拠を特定する2. 原因が診断書の記載不足なら、日常生活の制限を具体的に書き込んだ診断書を揃えて審査請求または再請求3. 事業主の立場なら、資格取得届の遅れが従業員の給付額に直結するため記録訂正の請求を検討4. 返還請求には時効の主張余地があり、分割納付の相談もできる(最新の改正状況をご確認ください)
時効(請求できる期限):支払期月ごとに受け取る権利は5年で時効消滅し、遡って受け取れるのは5年分まで(92条)。障害手当金は初診日から5年以内に傷病が治ったことが要件(55条)。決定に不服がある場合の審査請求は、決定があったことを知った日の翌日から3か月以内(社会保険審査官及び社会保険審査会法4条)
学説
通説:32条は保険給付の限定列挙規定であり、老齢・障害・遺族という保険事故の三分類を示すとともに、各給付の具体的要件は42条以下の個別規定に委ねられる。列挙外の事由(介護・失業・医療)は本法の射程外であり、他法の制度が担うと解される。
通説:2012年一元化法による「政府及び実施機関」への改正は、給付主体の多元化を条文上明示したものであり、加入期間ごとに決定権限と支払義務が分属する。そのため不服申立ての相手方も決定ごとに分かれると理解されている。
改正沿革 AI による整理
- 昭和60年(1985年)改正(1986年4月施行) 基礎年金制度の導入に伴う給付体系の全面再編。旧法の老齢年金・通算老齢年金等を整理し、基礎年金への上乗せとしての老齢厚生年金・障害厚生年金・遺族厚生年金という現行の三本柱に改めた
- 平成24年(2012年)一元化法(平成27年=2015年10月1日施行) 被用者年金一元化により共済年金を厚生年金に統合。給付の実施主体を「政府」から「政府及び実施機関」に改め、共済組合等が実施機関として給付を行う構造を条文上明示した
改正の年表
- 1.昭和29年(1954年) 改正:厚生年金保険法の全面改正(昭和29年法律第115号)。戦時期の労働者年金保険法以来の制度を再構築し、保険給付の種類を条文上整理した
- 2.昭和60年(1985年) 改正:基礎年金制度の導入に伴う給付体系の全面再編(1986年4月施行)。旧法の老齢年金・通算老齢年金等を整理し、基礎年金への上乗せとしての老齢厚生年金・障害厚生年金・遺族厚生年金という現行の三本柱に改めた
- 3.平成24年(2012年) 改正:被用者年金一元化法(平成27年=2015年10月1日施行)により共済年金を厚生年金に統合。給付の実施主体を「政府」から「政府及び実施機関」に改め、共済組合等が実施機関として給付を行う構造を明示した
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