厚生年金保険法 第47条の2
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- 疾病にかかり、又は負傷し、かつ、その傷病に係る初診日において被保険者であつた者であつて、障害認定日において前条第二項に規定する障害等級(以下単に「障害等級」という。)に該当する程度の障害の状態になかつたものが、同日後六十五歳に達する日の前日までの間において、その傷病により障害等級に該当する程度の障害の状態に該当するに至つたときは、その者は、その期間内に同条第一項の障害厚生年金の支給を請求することができる。
- 2.前条第一項ただし書の規定は、前項の場合に準用する。
- 3.第一項の請求があつたときは、前条第一項の規定にかかわらず、その請求をした者に同項の障害厚生年金を支給する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 厚生年金保険法第47条の2は、日本の厚生年金保険法に含まれる条文です。
- 厚生年金保険法第47条の2の条文原文は「疾病にかかり、又は負傷し、かつ、その傷病に係る初診日において被保険者であつた者であつて、障害認定日において前条第二項に規定する障害等級(以下単に「障害等級」とい…」で始まります。
- 厚生年金保険法第47条の2は第三節に置かれています。
- 厚生年金保険法の公布日は昭和29年5月19日です。
- 厚生年金保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 厚生年金保険法第47条の2の前の条は厚生年金保険法第47条です。
- 厚生年金保険法第47条の2の次の条は厚生年金保険法第47条の3です。
- 厚生年金保険法第47条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)第47条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000115 - 本サイト収録
厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)第47条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/329AC0000000115/47_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点厚生年金保険法47条の2は、障害認定日に等級非該当だった人が、その後65歳に達する日の前日までに悪化した場合、障害厚生年金を請求できると定める(事後重症)。支給は請求月の翌月分から。
Q · 障害認定日には該当しないと言われたけれど、その後悪化した場合はもう請求できないの?
請求できます。ただし65歳の誕生日の前々日が最終日です
厚生年金保険法47条の2(事後重症)により、初診日に厚生年金の被保険者であれば、障害認定日に等級非該当でも、その後65歳に達する日の前日までに等級該当の状態になったときは、その期間内に障害厚生年金を請求できます。年齢計算ニ関スル法律により「65歳に達する日」は誕生日の前日を指すため、実務上の最終日は誕生日の前々日です。支給は請求した月の翌月分から(同法36条1項)で、悪化した時点まで遡ることはできません。
解説
障害認定日に等級に届かなかった。その一点で障害年金の話は終わったと思っている人が圧倒的に多い。終わっていない。47条の2は、初診日に厚生年金の被保険者でありさえすれば、認定日には軽かった症状が後から重くなったとき、その時点で改めて請求する道を残している。ただし条件が二つある。第一に、悪化した日に自動で権利が湧くのではない。請求して初めて支給が始まり、支給は請求した月の翌月分から。遡及は一切ない。半年放置すれば半年分がそのまま消える。第二に、この入口には閉店時刻がある。65歳に達する日の前日まで、法律上の年齢計算では65歳の誕生日の前々日までに請求が届かなければ、この道は永久に閉じる。今のあなたが退職していても、自営業でも、専業主婦でも関係ない。法律が見るのは初診日にあなたが何の被保険者だったか、その一点だけである。
法的な位置づけ
厚生年金保険法47条の2は、事後重症による障害厚生年金の請求を定める規定である。初診日に被保険者であった者が、障害認定日には障害等級に該当せず、その後65歳に達する日の前日までに等級該当の状態に至った場合、その期間内に支給を請求することができ、請求があったときに障害厚生年金が支給される。支給開始は請求月の翌月分からとなる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.初診日を特定し、受診状況等証明書を確保する その傷病で最初にかかった医療機関を特定し、受診状況等証明書を取得する。初診日に厚生年金の被保険者だったかが本条の入口要件であり、カルテの法定保存期間は5年(医師法24条)なので最優先で動く。閉院・廃業していれば、健康保険の給付記録、お薬手帳、診察券、紹介状などで補強する。
- 2.65歳の誕生日の前々日を締切としてカレンダーに固定する 年齢計算ニ関スル法律により65歳に達する日は誕生日の前日、したがって請求の最終日は誕生日の前々日になる。そこから逆算し、診断書の取得・申立書の作成に2〜3か月を確保した提出目標日を先に決める。
- 3.診断書を「現症が最も適切に反映される時期」に取得する 事後重症の診断書は請求日前3か月以内の現症で作成される。日常生活能力の判定と程度が等級の分かれ目になるため、通院の頻度、就労の可否、家事や外出の実態を主治医に具体的に伝えたうえで作成を依頼する。予約から交付まで1か月以上かかる病院も多い。
- 4.障害認定日当時の診断書も取れるなら二段構えで設計する 障害認定日ころの診断書が取得できる場合は、認定日請求と事後重症請求を同時に提出する。認定日請求が認められれば最大5年分の遡及(同法92条)、認められなくても事後重症で受け止められる。片方しか出さない設計は、受取総額を大きく落とす。
- 5.書類が揃った時点で即提出する 支給は請求月の翌月分からで遡及がないため、1か月の提出遅れがそのまま1か月分の逸失になる。年金事務所または街角の年金相談センターに提出し、受付日の控えを必ず保管する。不足書類は提出後の補正でも扱われることが多く、完璧を待って寝かせる方が損になりやすい。
よくある質問 AI による整理
Q1事後重症とは何ですか?
障害認定日には障害等級に該当しなかった人が、その後悪化して等級該当となったときに改めて請求できる制度です。厚生年金保険法47条の2が根拠で、65歳に達する日の前日までという期限があります。
Q2事後重症の請求期限はいつまでですか?
65歳に達する日の前日までです。年齢計算ニ関スル法律により「達する日」は誕生日の前日を指すため、実務上の最終日は誕生日の前々日になります。1日でも過ぎるとこのルートは使えません。
Q3事後重症と障害認定日請求の違いは何ですか?
認定日請求は障害認定日時点の状態で判断され、最大5年分の遡及があり65歳以降も請求できます。事後重症は請求時点の状態で判断され、遡及なし、65歳前という期限が付きます。
Q4事後重症は遡って支給されますか?
遡及はありません。厚生年金保険法36条1項により、支給は請求した月の翌月分からです。悪化した時期がいつかは支給開始日に影響せず、請求が遅れた月数はそのまま受け取れません。
Q5事後重症でも障害基礎年金はもらえますか?
障害等級が1級または2級であれば、国民年金法30条の2の事後重症請求により障害基礎年金も併せて受けられます。3級の場合は障害厚生年金のみで、基礎年金側の支給はありません。
Q6事後重症の請求に必要な書類は何ですか?
年金請求書、受診状況等証明書(初診日の証明)、請求日前3か月以内の現症による診断書、病歴・就労状況等申立書、年金手帳・戸籍等の身分関係書類が基本セットになります。
Q7事後重症でも配偶者の加給年金はつきますか?
障害厚生年金が1級または2級で、生計を維持する65歳未満の配偶者がいる場合に配偶者加給年金額が加算されます。3級には加算がなく、最低保障額の適用にとどまります。
Q865歳を過ぎたら障害年金は一切請求できませんか?
事後重症のルートは閉じますが、障害認定日時点で等級に該当していたことを医証で示せる認定日請求は65歳以降も可能です。遡及分は5年の時効(同法92条)で切られます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1悪くなったのが63歳のときなんですが、今からでも間に合いますか?
請求期限は65歳に達する日の前日まで(本条1項)で、実質は65歳の誕生日の前々日。支給は請求月の翌月分からで遡及はない(厚生年金保険法36条1項)ので、遅れた月数はそのまま消える。実務のポイント:初回相談から診断書の取得、申立書の作成、提出まで2〜3か月かかるのが普通。誕生日の3か月前に動き出していない人は、間に合わない側に回る
Q2初診日のときは会社員でしたが、今は自営業です。厚生年金のほうの障害年金は出ますか?
出る。判定されるのは初診日に厚生年金の被保険者だったかどうか(厚生年金保険法47条1項、本条1項)で、請求時点の身分は問われない。3級なら厚生年金のみ、1・2級なら障害基礎年金も併給。実務のポイント:転院を重ねた人ほど最初の病院の受診状況等証明書を先に押さえる。カルテの法定保存期間は5年(医師法24条)で、閉院すれば原則として辿れなくなる
Q3生活が苦しいので老齢基礎年金を繰り上げてもらおうと思っているんですが、問題ありますか?
繰上げ請求をすると、その日以後は65歳に達したものとして扱われ、事後重症による請求ができなくなる。月数万円の前倒しと引き換えに、障害年金の入口を自分で閉じることになる(最新の改正状況をご確認ください)。実務のポイント:持病を抱えた60代前半で繰上げを検討するなら、先に障害年金の可能性を確認する。窓口は繰上げの手続きは丁寧に案内するが、それによって失う権利までは踏み込まないことがある
Q43級と言われました。実感としてはもっと重いのですが、どうすれば?
不服なら決定を知った日の翌日から3か月以内に社会保険審査官へ審査請求、その後に再審査請求という順序になる。並行して障害の程度が増進したときは額改定請求(厚生年金保険法52条)という別ルートがある。実務のポイント:審査請求で覆る割合は高くない。実務では新しい診断書を添えた額改定請求のほうが通りやすい。ただし原則として受給権取得日または直近の診断日から1年待つ必要がある
間違えやすい点 AI による整理
- 「悪化したときに遡って支給される」と考えている人が多いが、支給が始まるのは請求した月の翌月分から(厚生年金保険法36条1項)。障害の状態がいつ重くなったかは支給開始日に影響しない。動くのが遅れた分は、後から取り返す手段が制度上どこにも用意されていない
- 締切が65歳であることは知っている人でも、その深刻度を取り違えている。法律上「65歳に達する日」は誕生日の前日を指すため、請求できる最終日は誕生日の前々日になる。誕生日当日に窓口へ行けば間に合うと計算していた人は、2日という誤差で請求権そのものを失う
- 「認定日請求と事後重症請求、どちらを選ぶべきか」という問いの立て方自体が誤っている。実務では両方を同時に出す。障害認定日当時の診断書と現在の診断書を2枚添えて請求し、認定日請求が通れば最大5年分の遡及、通らなければ事後重症で拾う。選択問題ではなく、二段構えの設計問題である
- あなたの実感では「今は国民年金だから、もらえるのは障害基礎年金だけ」だが、法律が見ているのは初診日の被保険者資格だけである。この落差は金額に直結する。障害基礎年金は2級までしかなく、3級相当の状態なら国民年金側はゼロ、厚生年金側なら3級が出る。同じ体、同じ病気で、初診日の身分だけが結果を分ける
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 判断される時点 | 47条の2(事後重症):請求時点の障害状態 | 47条(認定日請求):障害認定日時点の障害状態 52条(額改定請求):受給権取得後に増進した現在の状態 |
| 支給開始 | 請求月の翌月分から、遡及なし(36条1項) | 認定日の翌月分から、最大5年分遡及(92条の時効) 改定請求月の翌月分から |
| 年齢の上限 | 65歳に達する日の前日まで(実務上は誕生日の前々日) | 年齢上限なし、65歳以降も請求可 既に受給権がある者が対象、年齢上限の定めなし |
| 前提となる立場 | 認定日に等級非該当だった者 | 認定日に等級該当だった者 既に障害厚生年金の受給権を持つ者 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は失能給付の請求を診断確定日基準とし、日本のような認定日/事後重症という二段の入口構造は持たない。悪化時は失能程度の再認定で対応する設計
韓国も初診日と完治・症状固定時点を基準とし、後発的な悪化については障害等級の再判定で調整する。日本の65歳上限に相当する明示の請求期限の置き方は異なる
ドイツは障害等級ではなく1日あたりの稼働可能時間(3時間未満/6時間未満)で全部・一部の稼得能力減少年金を分ける。悪化時は新たな申請で判定し直す
米国は onset date(障害発生日)を認定し、申請から遡及は最大12か月に制限される。日本の事後重症のような遡及ゼロ・年齢上限つきの別ルートは存在しない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、5年前のうつ病で障害認定日に該当せずと言われ、そのまま諦めていたとしたら? 今、外出もできず就労も途切れている状態なら、当時の判断は今日の請求を妨げない。同じ傷病、同じ初診日で、結論だけが変わる
- 64歳9か月。手の震えが悪化し、契約書に自分の名前を書けなくなった。締切は誕生日の前々日、残り約80日。診断書の予約が1か月待ちの病院なら、今週電話をかけないと物理的に間に合わない
- 心臓にペースメーカーを入れた。初診日は30年前、会社員だった頃。その一日が今日の等級を決める
- 人事として休職者の退職手続を進めているあなた。在職中に初診日があるという事実を本人に伝えるかどうかで、その人の60代以降の家計が変わる。伝える法的義務はない。だから、知っている人だけが伝える
- 親に付き添って年金事務所の窓口に座ったあなた。「障害認定日には該当していませんね」で説明が終わった。その先に二つ目の入口があることは、こちらから名指しして聞かない限り話題に上らないことがある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 初診日を特定する。最初にかかった医療機関で受診状況等証明書を取得、カルテ保存は5年なので最優先2. 65歳の誕生日の前々日をカレンダーに赤で書く、そこから逆算して診断書取得に2〜3か月を確保3. 障害認定日当時と現在、診断書を2枚用意して同時請求を設計4. 病歴・就労状況等申立書は日常生活の困難を具体的な場面で書く、症状名の羅列は評価されない5. 請求月の翌月分からしか出ないので、書類が揃った時点で即提出
訴えられた側:1. 不支給または想定より低い等級の決定を受けたら、まず決定通知書の理由欄と認定された日常生活能力の判定区分を確認2. 決定を知った日の翌日から3か月以内に社会保険審査官へ審査請求、次に再審査請求、その後に取消訴訟という三段階3. 並行して、額改定請求(厚生年金保険法52条)の方が実務では通りやすい場面が多い。原則として受給権取得日または直近の診断日から1年待つ必要がある4. 診断書の記載が実態より軽い場合、争う前に主治医と生活実態のすり合わせをやり直す
時効(請求できる期限):請求できるのは障害認定日の翌日から65歳に達する日の前日まで(本条1項)。年齢計算ニ関スル法律により65歳に達する日は誕生日の前日なので、実務上の最終日は65歳の誕生日の前々日。支給は請求月の翌月分から(厚生年金保険法36条1項)で遡及なし。障害認定日請求の遡及分は5年で時効(同法92条)。不服申立ては決定を知った日の翌日から3か月以内
学説
通説:本条は、障害認定日という一時点で保険事故を確定する原則を維持しつつ、進行性疾患による事後的な稼得能力喪失を救済するための例外規定と理解されている。遡及を認めない点と65歳という上限は、保険財政の予見可能性と老齢年金への移行秩序を保つための制度的な対価とされる。
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