遺族厚生年金は、当該被保険者又は被保険者であつた者の死亡について労働基準法第七十九条の規定による遺族補償の支給が行われるべきものであるときは、死亡の日から六年間、その支給を停止する。
要点厚生年金保険法 64 条は、労働基準法 79 条の遺族補償が支給されるべきときは、死亡の日から 6 年間、遺族厚生年金の支給を停止すると定める。労災保険からの給付では原則適用されない。
Q · 労災で亡くなった夫の遺族厚生年金、会社から補償を受け取ると止まるって本当?
事業主から労基法 79 条の補償を受けると 6 年間止まります
厚生年金保険法 64 条により、労働基準法 79 条の遺族補償が支給されるべきものであるときは、死亡の日から 6 年間、遺族厚生年金の支給が停止されます。条文は「支給が行われた」ではなく「行われるべきものであるとき」と定めており、実際の受領の有無ではなく法律上の支給義務の有無で判断されます。もっとも、労災保険法による遺族補償年金が給付される場合は、労働基準法 84 条 1 項により事業主の補償責任が免れるため、本条の停止は原則として発動せず、労災保険側で年金額の調整が行われます。
労災で家族を亡くしたとき、遺族厚生年金と労災の遺族補償が両方もらえると思っていないだろうか。厚生年金保険法 64 条は、その期待に真正面からブレーキをかける。労働基準法 79 条の遺族補償が支給されるべき場合、遺族厚生年金は死亡の日から 6 年間、支給が停止される。注意すべきは条文の書きぶりだ。「支給が行われた」ではなく「行われるべきものであるとき」。つまり、実際に受け取ったかどうかではなく、法律上支給されるべき状態にあるかで判断される。ただし現実には、労災保険法による遺族補償年金が給付されるとき、事業主は労働基準法上の遺族補償責任を免れる(労働基準法 84 条 1 項)。その場合、この 64 条による停止は働かず、代わりに労災保険側の年金額が調整される(労災保険法別表第一)。あなたが向き合っているのが「労災保険からの給付」なのか「事業主が直接払う労基法上の補償」なのか、その区別が 6 年分の年金の生死を分ける。
厚生年金保険法 64 条は、遺族厚生年金の支給停止事由を定める規定である。被保険者等の死亡につき労働基準法 79 条による遺族補償が支給されるべきものであるとき、死亡の日から 6 年間、遺族厚生年金の支給が停止される。同一の死亡事由に対する事業主の災害補償責任と公的年金給付の二重填補を回避する調整規定として機能する。
労働基準法 79 条の遺族補償が支給されるべきときに、遺族厚生年金を死亡の日から 6 年間停止する規定です。同一の死亡事由による二重填補を避けるための調整条文です。
労働基準法 79 条の遺族補償が平均賃金 1000 日分の一時金であり、その一時金でおおむね賄えると想定される期間に停止を限定し、経過後は年金による継続保障に戻す設計と理解されています。
実際に補償金を受け取ったかどうかではなく、法律上支給されるべき状態にあるかで判断するという意味です。事業主が未払いでも停止の対象になりうる点が実務上の争点になります。
労働基準法 79 条は、労働者が業務上死亡した場合、使用者は遺族に対し平均賃金の 1000 日分の遺族補償を行わなければならないと定めています。一時金であり年金ではありません。
国民年金法 41 条 1 項に同趣旨の規定があり、労働基準法の遺族補償が行われるべきときは遺族基礎年金も死亡の日から 6 年間停止されます。二階部分だけの問題ではありません。
受給権自体は消滅していないため、停止期間中に裁定請求を済ませておくのが実務の定石です。停止が明けてから請求すると書類の再収集や時効の問題で手続きが重くなります。
名目ではなく実質で判断される可能性があります。その金銭が労働基準法 79 条の遺族補償の実質を持つと評価されれば、64 条の停止が問題になりえます。合意書の文言が重要です。
受給権の消滅ではなく支給の停止であるため、6 年経過後は通常どおり支給されます。ただし停止期間中の分が後からまとめて支払われる規定は置かれていません。
労災保険法の遺族補償年金と遺族厚生年金は併給できますが、労災側の年金額に調整率がかかって減額されます(労働者災害補償保険法別表第一)。一方、事業主から労働基準法 79 条の遺族補償を直接受ける場合は、厚生年金保険法 64 条により遺族厚生年金が 6 年間停止します。業界裏話ヒント:どちらの経路になるかは会社の労災保険加入状況でほぼ決まる。年金事務所の窓口では「労災の給付を受けていますか」としか聞かれないことが多く、事業主からの直接補償かどうかを自分から申し出ないまま話が進むことがある
支給停止であって受給権の消滅ではないため、停止期間が明けた 6 年後からは通常どおり支給されます。ただし停止期間中の分が後でまとめて支払われるわけではありません。厚生年金保険法 64 条は「その支給を停止する」と定めるだけで、遡って支払う規定を置いていません。業界裏話ヒント:停止期間中でも受給権の裁定請求は先に済ませておくのが実務の定石。停止が明けてから請求すると、書類の再収集や時効の問題で手続きが余計に重くなる
未手続事業場であっても、労働者側は労災保険の給付を請求できます(労働者災害補償保険法上、事業主の手続懈怠は労働者の受給権を妨げない)。政府は事業主から保険給付に要した費用を徴収します(同法 31 条)。業界裏話ヒント:未加入だと知って事業主との直接示談に応じてしまう遺族が少なくない。その直接補償が労基法 79 条の性質を持つと、遺族厚生年金が 6 年止まる。まず労働基準監督署に労災請求を出す、これが順番として正しい
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 効果の性質 | 厚年 64 条:6 年間の支給停止(受給権は存続) | — |
| 発動事由 | 労働基準法 79 条の遺族補償が支給されるべきものであるとき | — |
| 期間 | 死亡の日から 6 年間 | — |
| 遺族の実感 | 6 年間ゼロ、その後は満額に戻る | — |
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