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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 最終改正 収録時点 令和8年10月2日読了 8 分8 分8 分

厚生年金保険法 第64条の2

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遺族厚生年金(その受給権者が六十五歳に達しているものに限る。)は、その受給権者が老齢厚生年金の受給権を有するときは、当該老齢厚生年金の額に相当する部分の支給を停止する。

この条文の基本情報

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 厚生年金保険法第64条の2は、日本の厚生年金保険法に含まれる条文です。
  2. 厚生年金保険法第64条の2の条文原文は「遺族厚生年金(その受給権者が六十五歳に達しているものに限る。」で始まります。
  3. 厚生年金保険法第64条の2は第四節に置かれています。
  4. 厚生年金保険法の公布日は昭和29年5月19日です。
  5. 厚生年金保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
  6. 厚生年金保険法第64条の2の前の条は厚生年金保険法第64条です。
  7. 厚生年金保険法第64条の2の次の条は厚生年金保険法第65条です。
  8. 厚生年金保険法第64条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)第64条の2
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000115
  • 本サイト収録厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)第64条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/329AC0000000115/64_2

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点厚生年金保険法64条の2は、65歳以上で老齢厚生年金の受給権を持つ遺族厚生年金受給権者について、老齢厚生年金の額に相当する部分の支給を停止すると定める。差額部分は支給される。

Q · 65歳になったら遺族厚生年金が「支給停止」になると通知が来たけど、年金は減るの?

総額は減らず、遺族年金の同額部分だけが止まります

厚生年金保険法64条の2により、65歳以上で遺族厚生年金と老齢厚生年金の両方の受給権を持つ場合、老齢厚生年金が優先して支給され、遺族厚生年金は老齢厚生年金の額に相当する部分だけが支給停止されます。遺族厚生年金が老齢厚生年金より多ければ、その差額は引き続き支給されるため、受け取る総額そのものは減りません。停止されているのは支払いであって受給権ではなく、老齢厚生年金の額が改定されれば停止額も連動して変わります。

解説

夫を亡くした妻が65歳になった年、年金事務所から届く通知に「支給停止」の四文字が並ぶ。自分の年金が減らされたと思って窓口に駆け込む人は毎年いる。だが厚生年金保険法64条の2が定めているのはそこではない。65歳以上で遺族厚生年金と自分の老齢厚生年金の両方の受給権を持つ場合、まず自分の老齢厚生年金が全額支払われ、遺族厚生年金のうち老齢厚生年金の額に相当する部分だけが止まる。つまり遺族厚生年金が老齢厚生年金より多ければ、その差額は依然として受け取れる。減っているのではなく、支払窓口が二本から一本+差額に整理されているだけだ。ここで本当に効いてくるのは、あなた自身が何年厚生年金に加入していたかである。自分の老齢厚生年金が大きいほど、遺族厚生年金の停止部分も大きくなる。共働きだった人ほど、この条文の重みを知らずに老後設計を立てている。

法的な位置づけ

厚生年金保険法64条の2は、老齢厚生年金と遺族厚生年金の併給調整を定める規定である。65歳に達した遺族厚生年金の受給権者が老齢厚生年金の受給権を有するときは、遺族厚生年金のうち老齢厚生年金の額に相当する部分の支給が法律上当然に停止され、これを超える差額部分のみが支給される。

手順

  1. 1.65歳到達前に両方の年金を試算する 64歳のうちに年金事務所で、遺族厚生年金と老齢厚生年金の両方の見込額、および65歳以降の併給調整後の総額を試算してもらう。繰下げを検討している場合は、繰下げた場合としない場合の両方を出してもらう
  2. 2.遺族厚生年金と老齢厚生年金の請求書を両方提出する 「どうせ停止されるなら片方でよい」という判断は誤り。老齢厚生年金を請求しなければ、優先して支払われるべき本体部分そのものが支給されない。両方の裁定請求書を同時に提出する
  3. 3.年金額改定通知書で内訳を検算する 届いた通知書の「老齢厚生年金」欄と「遺族厚生年金(支給停止額を含む)」欄を並べ、総額を自分で足し算する。総額が試算と食い違う場合は、支給停止額の計算内訳を書面で出すよう年金事務所に明示して求める
  4. 4.記録の欠落が疑われる場合は加入期間を突合する 老齢厚生年金の額が想定より低い場合、加入記録の欠落が停止額と支給額の両方をゆがめている可能性がある。ねんきん定期便・被保険者記録照会で加入期間を突合し、必要なら記録訂正を申し出る
  5. 5.不服がある場合は審査請求の期限を確認する 支給停止の処分内容に納得できない場合、社会保険審査官への審査請求という正式な手続がある。期限は処分を知った日を起算点とするため、通知書の到達日を記録し、期限を年金事務所または社会保険労務士に確認する

よくある質問 AI による整理

Q1遺族厚生年金の支給停止とは?

受給権は残したまま支払いの一部を止める処理です。厚生年金保険法64条の2により、65歳以上で老齢厚生年金の受給権があるとき、遺族厚生年金のうち老齢厚生年金の額に相当する部分が停止されます。

Q2遺族厚生年金と老齢基礎年金は一緒にもらえる?

併給できます。64条の2が調整するのは遺族厚生年金と老齢厚生年金の関係で、老齢基礎年金は別枠です。65歳以降は老齢基礎年金+老齢厚生年金+遺族厚生年金の差額という組み合わせになります。

Q3遺族厚生年金の時効は何年?

年金給付を受ける権利は支払期月ごとに5年で時効消滅します(厚生年金保険法92条)。請求が遅れると、5年より前の分は原則として受け取れなくなるため、早期の請求が重要です。

Q4支給停止額はどうやって決まる?

老齢厚生年金の額がそのまま停止額になります。老齢厚生年金が遺族厚生年金以上なら遺族厚生年金は全額停止、下回るなら差額のみ支給される仕組みです(厚生年金保険法64条の2)。

Q5年金の支給停止処分に不服があるときは?

社会保険審査官への審査請求という正式な手続があります。処分を知った日の翌日から一定の期間内に行う必要があるため、通知書が届いた時点で期限を確認してください。最新の期間は年金事務所で要確認です。

Q6遺族厚生年金に税金はかかる?

遺族厚生年金は所得税・住民税の課税対象外とされています。一方で老齢厚生年金は雑所得として課税対象です。64条の2で支払窓口が変わると、手取りへの影響も変わる点に注意が必要です。

Q7遺族厚生年金を請求し忘れたらどうなる?

請求しなければ支払いは始まりません。64条の2で停止されるからといって老齢厚生年金の請求を省くと、本体部分そのものが出ず総額が下がります。両方の請求書を必ず提出してください。

Q8年金額改定通知書はいつ届く?

年金額が改定されたときや年度の改定時期に日本年金機構から送付されます。65歳到達に伴う併給調整が反映される回は内訳が大きく変わるため、支給停止額の欄と老齢厚生年金の欄を合算して確認します。

この条文についての質問 AI による整理

Q1支給停止って、もう二度と戻らないんですか?

戻ります。停止されているのは支払いであって受給権ではありません(本条)。在職老齢年金の仕組みで老齢厚生年金の支給額が変われば、それに連動して停止部分も変動しますし、記録訂正で老齢厚生年金の額が変われば差額の出方も変わります。実務のポイント:年金事務所の窓口担当者は聞かれなければ「なぜこの額なのか」の計算過程を紙で出してくれません。「支給停止額の計算内訳を書面で」と明示して求めると、算定基礎が確認できる

Q2遺族厚生年金と老齢厚生年金、どっちか有利な方を選べないんですか?

65歳以上では選べません。老齢厚生年金が優先して支払われ、遺族厚生年金は同額部分が法律上当然に停止します(本条)。選択制が働くのは65歳未満の局面(60条の併給調整)で、ルールが違います。実務のポイント:この65歳という境界で有利不利が入れ替わることがあるため、64歳の時点で両方の試算を取っておく。境目を過ぎてからでは打てる手がほぼない

Q365歳を過ぎても働いていたら、遺族厚生年金はもっと減りますか?

厚生年金に加入して働けば、老齢厚生年金の額は在職定時改定などで増えていきます。老齢厚生年金が増えれば、本条により停止される遺族厚生年金の部分も増える構造です。ただし総額が減るわけではありません。実務のポイント:在職老齢年金(46条)で老齢厚生年金の一部が支給停止されている場合、その停止との重なり方で総受給額の見え方が変わる。社会保険労務士に相談するなら「64条の2と46条の重なり」と伝えると話が早い

間違えやすい点 AI による整理

  • 「支給停止」を「打ち切り」「受給権の消滅」と読む人が多いが、ここで消えているのは支払いの一部であって受給権そのものではない。受給権が残っているからこそ、後に老齢厚生年金の額が改定されれば停止額も連動して変わり、遺族厚生年金の差額が復活することもある
  • 多くの人は「遺族厚生年金が止まるのは損だ」で思考を終える。だが深刻なのはその先で、自分の老齢厚生年金を厚くする努力が総額の増加に直結しない領域が生まれるという点だ。65歳以降の就労、繰下げ、iDeCoの配分、これらの判断すべてがこの一条の影響下にある
  • 「どちらを選ぶか自分で決められる」と考えて窓口で選択しようとする人がいるが、問いの立て方が違う。64条の2は選択制ではなく法律上当然に働く調整で、本人の意思は介在しない。決められるのは配分ではなく、繰下げや就労といった前段階の設計だけだ
比較の観点この条文ほかの条文
調整の趣旨64条の2:老齢厚生年金と遺族厚生年金の二重給付を回避し、総額を高い方の水準に揃える46条:在職中の報酬と老齢厚生年金の重複を調整する(在職老齢年金)
60条:遺族厚生年金そのものの額を算定する(停止ではなく算定)
発動する場面受給権者が65歳に達し、かつ老齢厚生年金の受給権も有するとき厚生年金の被保険者として就労し、報酬と年金の合計が基準を超えるとき
遺族厚生年金の受給権発生時および額の改定時
止まる給付遺族厚生年金のうち老齢厚生年金の額に相当する部分老齢厚生年金の一部または全部
停止は生じない(額の算定基礎を定めるのみ)
本人の選択余地なし。法律上当然に働く調整で、本人の意思は介在しないなし。ただし就労時間・報酬の設計により間接的に影響を与えられる
なし。法定の計算式による

他国ではどう定めているか 6 か国

台湾
労働者保険条例第65条の3、国民年金法第31条

台湾は複数の年金給付の要件を同時に満たす場合、いずれか一つを選択して請求する「択一制」を採る。日本の64条の2が法律上当然の調整であるのに対し、台湾は本人の選択に委ねる点が構造的に異なる

韓国
국민연금법 제56조(중복급여의 조정)

韓国は老齢年金と遺族年金が重なる場合、老齢年金を選択したうえで遺族年金の一定割合を加算する方式を採る。日本の「老齢優先+差額支給」と発想は近いが、加算率という形で調整する点が異なる

中国
社会保険法、企業職工基本養老保険遺属待遇暫行弁法(2021年)

中国は遺族に対する給付が一時金的性格を持つ部分を含み、日本のような終身の遺族年金と老齢年金の恒常的な併給調整という枠組みとは前提が異なる

ドイツ
SGB VI § 89(Zusammentreffen mehrerer Rentenansprüche)、§ 97(Einkommensanrechnung auf Renten wegen Todes)

ドイツは遺族年金に対して受給者自身の所得(自らの老齢年金を含む)を一定の控除額を超える範囲で算入し減額する方式。日本が老齢厚生年金の額をそのまま停止額とするのに対し、控除額と算入率という段階的な仕組みを採る

フランス
Code de la sécurité sociale art. L. 353-1 et s.

フランスの遺族年金(pension de réversion)は基礎制度において資源条件を課し、本人の年金を含む収入が上限を超えると減額される。日本の条文単位の機械的調整より裁量的・資力審査的な性格が強い

アメリカ
Social Security Act § 202(k)(3)(dual entitlement rule)

米国は遺族給付から本人の老齢給付額を差し引き、差額のみを追加支給する。結果として総額が高い方の水準に揃う点で、日本の64条の2と実質的に同じ帰結をもたらす

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 65歳の誕生月に日本年金機構から「年金額改定通知書」が届き、遺族厚生年金の欄に支給停止額が印字されていた。総額は前月とほぼ同じなのに、内訳だけが激変している。窓口に電話する前に、老齢厚生年金の欄と足し算してみると、64条の2の仕組みが目に見える形で現れる
  • 夫を亡くしたあと、生活のためにパートから正社員に切り替え、10年厚生年金に加入した女性。自分の老齢厚生年金が増えた分、65歳以降は遺族厚生年金の停止部分が増える。働いた努力が総額に反映されにくいこの構造は、繰り返し批判されてきた論点だ
  • もし配偶者を亡くした人が、65歳になる直前に老齢厚生年金の繰下げを考えていたらどうなるか? 繰下げは受給権の行使を遅らせる選択だが、64条の2は「受給権を有するとき」に働く。繰下げの判断は、遺族厚生年金との調整も含めて試算しないと、思っていた増額分が手元に残らないことがある
  • 親が亡くなり、残された65歳の母の年金手続を子が代行している。あと10日で提出期限。遺族厚生年金と老齢厚生年金の両方の請求書を出す必要があるのに、「どうせ止まるなら片方でいい」と判断してしまうと、老齢厚生年金の請求漏れで総額が下がる

取るべき行動

被害を受けた側:1. 年金額改定通知書の「遺族厚生年金」と「老齢厚生年金」の両欄を並べ、支給停止額を含めた総額を計算する2. 総額が想定より低ければ、老齢厚生年金の請求漏れ、加入記録の欠落、遺族厚生年金の額の算定基礎を年金事務所で確認3. 年金記録に誤りの疑いがあれば、ねんきん定期便・被保険者記録照会で加入期間を突合4. 処分に不服がある場合は社会保険審査官への審査請求という正式な手続がある

訴えられた側:手続を担う側(遺族の年金請求を代行する家族や社会保険労務士)としては、遺族厚生年金と老齢厚生年金の双方を必ず請求すること。「停止されるから不要」という判断は誤りで、老齢厚生年金を請求しなければ支払われるべき本体部分そのものが出ない。請求書の提出漏れは時効(5年)で権利が失われる部分が生じる

時効(請求できる期限):年金給付を受ける権利は、支払期月ごとに5年で時効消滅する(厚生年金保険法92条)。審査請求は処分があったことを知った日の翌日から3か月以内(社会保険審査官及び社会保険審査会法。最新の改正状況をご確認ください)

学説

通説:本条の併給調整は、同一の保険料財源から老齢と遺族という二つの厚生年金を丸ごと支払うことによる二重給付を避け、拠出と給付の均衡を保つ趣旨と解される。他方で、遺族の生活保障水準を確保するため全部停止ではなく差額支給とした点に、生存権保障(憲法25条)との調和が見出される。

批判説:自ら厚生年金に加入して保険料を拠出した期間が長いほど遺族厚生年金の停止部分が拡大し、拠出が総受給額の増加に結びつかない領域が生じる。共働き世帯や配偶者の死亡後に就労した者にとって拠出の見返りが乏しいとして、制度設計の見直しを求める見解が継続的に主張されている。

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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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