二以上の種別の被保険者であつた期間を有する者に係る保険給付の受給権者について、第三十九条第一項及び第二項の規定を適用する場合においては、同条第一項中「乙年金の受給権者」とあるのは「第七十八条の二十二に規定する各号の厚生年金被保険者期間(以下この条において「各号の厚生年金被保険者期間」という。)のうち第七十八条の二十二に規定する一の期間(以下この条において「一の期間」という。)に基づく乙年金(以下この項において「乙年金」という。)の受給権者」と、「甲年金の受給権」とあるのは「当該一の期間に基づく甲年金(以下この項において「甲年金」という。)の受給権」と、同条第二項中「年金の支給」とあるのは「各号の厚生年金被保険者期間のうち一の期間に基づく年金の支給」と、「年金が支払われたとき」とあるのは「当該年金が支払われたとき」と、「年金の内払」とあるのは「当該一の期間に基づく年金の内払」と、「年金を減額して」とあるのは「各号の厚生年金被保険者期間のうち一の期間に基づく年金を減額して」と、「年金が支払われた場合」とあるのは「当該一の期間に基づく年金が支払われた場合」とする。
要点厚生年金保険法 78 条の 23 は、複数種別の期間を持つ受給者の内払調整を、一の期間に基づく年金の中でのみ行うと定める。他の種別の年金からは差し引けない。
Q · 公務員期間と民間期間の両方がある人の年金、過払いはまとめて調整してもらえないの?
同じ期間の年金からしか差し引けず、通知も実施機関ごとに別々に届きます
厚生年金保険法 78 条の 23 により、内払調整(過払い分を次回以降の年金から差し引く処理、同法 39 条)は「一の期間に基づく年金」の中だけで行われます。第 1 号厚生年金被保険者期間分の過払いを、第 3 号(地方公務員)期間分の年金から差し引くことはできません。その結果、返還通知は実施機関ごとに別々に届き、内払調整で吸収できない分は現金での返納になります。
同じ週に、差出人の違う封筒が2通届く。片方は日本年金機構、もう片方は地方公務員共済組合。どちらにも「過払い分を返してください」と書いてある。あなたは事務ミスを疑うが、これは制度どおりの動きだ。2015年10月の被用者年金一元化で共済年金は厚生年金に統合されたが、統合されたのは制度の名前であって勘定ではない。民間期間・国家公務員期間・地方公務員期間・私学期間、この4種別は今も別々の実施機関が別々に計算し、別々に支払っている。本条は、支給停止や減額改定が遅れて生じた過払いを次回以降の年金から差し引く仕組み(第39条の内払調整)を、「一の期間に基づく年金」の中だけで完結させると定めている。第1号期間分の過払いは第1号期間分の年金からしか引けない。隣の勘定には手が届かない。だから通知は2通になり、返納の相談も2回必要になる。
厚生年金保険法 78 条の 23 は、二以上の種別の被保険者であった期間を有する者に係る保険給付について、同法 39 条の内払・過誤払調整規定を読み替える技術的規定である。調整の対象は、各号の厚生年金被保険者期間のうち一の期間に基づく年金に限られ、他の種別の期間に基づく年金には及ばない。
民間(第 1 号)、国家公務員(第 2 号)、地方公務員(第 3 号)、私学教職員(第 4 号)のうち、二つ以上の期間を持つことです。厚生年金保険法 78 条の 22 以下の特例が適用されます。
2015 年 10 月に共済年金は厚生年金に統合されました。ただし統合されたのは制度の枠組みで、決定・支払は今も実施機関ごとに分かれています。振込が複数件になるのは設計どおりです。
第 1 号は日本年金機構、第 2 号は国家公務員共済組合連合会等、第 3 号は地方公務員共済組合等、第 4 号は日本私立学校振興・共済事業団です。期間の種別ごとに相手方が決まります。
支給停止や減額改定が遅れて生じた過払いを、次回以降に支払う年金の内払とみなして処理する仕組みです。厚生年金保険法 39 条が定め、本条がその適用範囲を期間ごとに区切ります。
国等の金銭債権の消滅時効は原則 5 年です(会計法 30 条)。ただし内払調整で処理できる範囲では、時効よりも「同一の期間に基づく年金か否か」が実際の争点になります。
期間の種別ごとの実施機関すべてに必要です。請求時のワンストップ窓口と、受給開始後の届出先は別物です。片方だけ処理すると、もう一方で過払いが積み上がります。
実施機関ごとに分割納付の相談に応じる運用があります。相談先は過払いが生じた期間の実施機関で、もう一方に頼んでも本条により法律上動かせません。
二以上の種別の被保険者であった期間を有する受給権者に適用されます。民間だけ、公務員だけの職歴なら本条の出番はなく、39 条がそのまま適用されます。
間違いではない。2015年10月の一元化後も、種別ごとの期間に基づく年金は各実施機関が別々に決定し支払う(厚生年金保険法78条の22)。本条が過払いの内払調整も一の期間の中に限るため、通知も別々になる。業界裏話ヒント:請求窓口はワンストップ化されたが、決定通知・支払・返納交渉の窓口は一元化されていない。「窓口が一つだったから届出も一回で足りたはず」という思い込みが、過払いの最大の温床になっている
同じ期間に基づく年金であれば、内払調整(厚生年金保険法39条)で差し引ける。だが別の期間に基づく年金からは引けない、それが本条の効果である。引けない分は現金での返納になる。業界裏話ヒント:返納は一括が原則と説明されがちだが、実施機関ごとに分割納付の相談に応じる運用がある。相談先を取り違えて時間を空費すると、督促の段階に入ってから交渉することになり、条件は硬くなる
死亡月より後に振り込まれた分の返還債務は相続債務なので、相続放棄すれば承継しない(民法939条)。一方、未支給年金は相続財産ではなく遺族固有の権利とされる(厚生年金保険法37条)。業界裏話ヒント:実務上、未支給年金の受領が単純承認にあたるかは解釈が分かれている。返納通知と未支給年金の請求案内が同時に届き、熟慮期間3か月の中で判断を迫られる形になるので、放棄を検討中なら入金に手をつける前に専門家へ
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 78 条の 23:39 条を読み替え、調整を一の期間内に限定 | — |
| 適用対象 | 二以上の種別の期間を有する受給権者 | — |
| 過払いの処理範囲 | 同一の期間に基づく年金からのみ差引き可 | — |
| 受給者への影響 | 通知が複数届き、吸収できない分は現金返納 | — |
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