二以上の種別の被保険者であつた期間を有する者に係る老齢厚生年金の額については、その者の二以上の被保険者の種別に係る被保険者であつた期間に係る被保険者期間を合算し、一の期間に係る被保険者期間のみを有するものとみなして第四十四条(この法律及び他の法令において、引用し、準用し、又はその例による場合を含む。)の規定を適用する。この場合において、同条第一項に規定する加給年金額は、政令で定めるところにより、各号の厚生年金被保険者期間のうち一の期間に係る被保険者期間を計算の基礎とする老齢厚生年金の額に加算するものとする。
要点厚生年金保険法78条の27は、二以上の種別の被保険者期間を合算し、一の期間とみなして44条の加給年金を判定すると定める。加算先は政令が定める一の年金に限られる。
Q · 公務員時代と民間時代の厚生年金期間って、加給年金の20年に合算できるんですか?
合算できます。種別をまたいだ期間を通算して20年要件を判定します。
厚生年金保険法78条の27により、民間企業(第1号)と国家公務員・地方公務員・私学教職員(第2号〜第4号)の被保険者期間は合算され、一の期間しかなかったものとみなして同法44条が適用されます。したがって民間15年と公務員10年でも通算25年となり、加給年金の20年(240月)要件を満たします。ただし加給年金額が加算されるのは、政令の定めるところにより一の期間を計算の基礎とする老齢厚生年金だけで、種別ごとの二重加算はありません。合算は要件判定まで、加算は一本だけという非対称な設計です。
転職で勤務先の年金制度が変わった人は、自分の厚生年金記録が「分断されている」ことに気づいていない。民間企業なら第1号、国家公務員は第2号、地方公務員は第3号、私立学校の教職員は第4号。2015年10月の被用者年金一元化で共済年金は厚生年金に統合されたが、記録も実施機関も今なお種別ごとに分かれている。ここで効いてくるのが44条の加給年金、配偶者がいれば年約40万円(令和6年度の配偶者加給年金額はおよそ40万8千円。最新の改正状況をご確認ください)が上乗せされる制度で、条件は被保険者期間20年(240月)以上。民間15年、公務員10年の人は、種別ごとに数える限り永遠に20年へ届かない。78条の27はその数え方を正面から否定する。すべての種別の期間を合算し、一つの期間しかなかったものとみなして44条を適用する。25年として扱われ、加給年金の扉が開く。ただし上乗せが乗るのは政令が定めた一本の年金だけ。二重取りはできない代わりに、取りこぼしもない。
厚生年金保険法78条の27は、二以上の被保険者の種別に係る被保険者期間を有する者について、これらの期間を合算し一の期間に係る被保険者期間のみを有するものとみなして、同法44条の加給年金額の規定を適用する旨を定める規定である。加給年金額は、政令の定めるところにより、一の期間を計算の基礎とする老齢厚生年金にのみ加算される。
厚生年金の被保険者は民間企業が第1号、国家公務員が第2号、地方公務員が第3号、私立学校教職員が第4号に区分されます。二以上の種別を経験した期間のことです。
できます。厚生年金保険法78条の27が、各種別の被保険者期間を合算し一の期間とみなすと定めているため、加給年金の20年要件は通算後の月数で判定されます。
配偶者加給年金額は令和6年度でおよそ40万8千円です。年度ごとの政令改定で変動するため、請求時点の最新額を日本年金機構で確認してください。
2015年10月1日に共済年金が厚生年金に統合された制度改正です。給付設計は一本化されましたが、記録の管理と決定・支払いは今も実施機関ごとに分かれています。
配偶者加給年金は配偶者が65歳に達する月まで、子は18歳到達年度末まで(障害等級1級・2級の子は20歳まで)です。以後は配偶者の振替加算に移行します。
18歳到達年度末までの子、または20歳未満で障害等級1級・2級に該当する子で、生計を維持されていることが必要です。年齢超過で加算は自動的に終了します。
定期便に集計される範囲と、合算判定に使われる期間は必ずしも一致しません。共済加入期間は各共済組合等が管理しているため、通算月数は照会して初めて確定します。
年金請求書の生計維持申立欄への記入に加え、配偶者・子の続柄が分かる戸籍謄本、世帯全員の住民票、配偶者の所得証明書などが必要になります。
一元化以降はワンストップ化され、どの実施機関の窓口でも請求書を受け付けます。ただし決定と支払いは種別ごとに各実施機関が行うため、通知書も振込も複数に分かれます。本条が一体化するのは額の計算であって、支払主体ではありません。業界裏話ヒント:通知書が別々に届くせいで加給年金がどちらに乗ったか分からず「付いていない」と誤解する人が多い。加算は政令が定めた一本にだけ乗るので、必ず全部の通知書を並べて確認する
老齢厚生年金を繰り下げて待機している間、44条の加給年金は支給されず、繰下げによる増額の対象にもなりません。配偶者が年下で加算期間が長く残る人ほど、繰下げの計算は不利に傾きます。業界裏話ヒント:老齢厚生年金は65歳から受け取り、老齢基礎年金だけを繰り下げるという分け方ができる。加給年金を確保しながら増額も取りに行く、実務上の定番の組み方
240月に1か月でも足りなければ加給年金は付きません(44条1項)。ただし判定は本条により合算後の月数で行うため、記録から落ちた1か月が結果を丸ごとひっくり返します。業界裏話ヒント:短期の共済加入、退職月の扱い、非常勤期間の資格取得日付近は記録が欠けやすい。240月前後の人は、履歴書と記録を1か月単位で突き合わせるだけで年数十万円が動く
配偶者自身が20年以上の被保険者期間に基づく老齢厚生年金等を受けられる場合、加給年金は支給停止になります。令和4年4月からは、配偶者の年金が在職老齢年金で全額止まっていても停止は解除されません。業界裏話ヒント:停止は「受けられる」状態で発動するため、配偶者がまだ請求していなくても対象になる。共働きで双方が長期加入の世帯は、最初から加給年金を老後設計に入れないほうが安全
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|---|---|---|
| 条文の役割 | 78条の27:種別をまたぐ期間を合算し一の期間とみなす特例 | — |
| 適用場面 | 民間・国家公務員・地方公務員・私学の二以上の種別を経験した人 | — |
| 効果 | 合算後の月数で要件判定、加算先は政令が定める一の年金のみ | — |
| 見落とすと起きること | 種別ごとに数えて20年未満と誤判定し、加算を丸ごと失う | — |
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