要点厚生年金保険法 78 条の 28 は、二以上の種別の被保険者期間を持つ人の老齢厚生年金について、繰下げの申出を全期間同時に行うよう義務づける。種別ごとの部分繰下げはできない。
Q · 共済期間分の年金だけ先にもらって、民間期間分だけ 70 歳まで繰下げることはできますか?
できません。繰下げの申出は全期間まとめて同時に行う必要があります
厚生年金保険法 78 条の 28 第 2 項により、二以上の種別の被保険者期間がある人は、一の期間に基づく老齢厚生年金の繰下げ申出を、他の期間に基づく申出と同時に行わなければなりません。共済期間分だけ先に受け取り、民間期間分だけ繰下げるという部分繰下げは制度上できません。ただし老齢基礎年金は国民年金法 28 条の別制度なので、単独で繰下げられます。厚生年金は一括、基礎年金は独立、この非対称が唯一の設計余地です。
公務員から民間へ、民間から私学へ。転職で制度をまたいだ人の老齢厚生年金は一本ではなく、期間の種別ごとに二本三本に分かれて支給される。ここで多くの人が誤解する。二本あるなら片方は今から受け取り、もう片方は繰下げて増やせばいい、と。78条の28第2項がそれを封じている。繰下げの申出は、すべての期間の老齢厚生年金について同時に行わなければならない。部分繰下げという選択肢は制度上存在しない。ただしこの条文には、あなたを救っている側面もある。本来、繰下げの待機中に他の年金の受給権を持つと繰下げの道は狭まるが、第1項の読替えによって「同一の支給事由に基づく他の種別の老齢厚生年金」はそこから除外される。この一行がなければ、複数種別を持つ人は繰下げ自体が事実上できなくなっていた。そして老齢基礎年金は別枠だ。基礎だけ繰下げ、厚生は今すぐ受け取る、この組み合わせは今も使える。
厚生年金保険法 78 条の 28 は、二以上の種別の被保険者期間を有する者に係る老齢厚生年金について、支給の繰下げに関する 44 条の 3 の読替え適用を定める規定である。繰下げの申出および 5 年経過後の請求は、すべての期間に基づく老齢厚生年金について同時に行うことを要し、同一支給事由の老齢厚生年金は繰下げの障害となる他の年金給付から除外される。
AI 輔助整理,以條文原文為準
民間(第 1 号)、国家公務員共済(第 2 号)、地方公務員共済(第 3 号)、私学共済(第 4 号)のうち、二つ以上に加入していた期間を持つことです。転職で制度をまたいだ人が該当します。
各期間を管掌する実施機関(日本年金機構・各共済組合)に対して行います。窓口はワンストップ化が進んでいますが、全期間同時という要件を満たす形になっているかを提出時に必ず確認してください。
変わりません。申出が全期間同時である以上、待機期間も同じになり、増額率(1 か月あたり 0.7%)はすべての種別に同一に適用されます。片方だけ高い増額率にすることはできません。
在職老齢年金で支給停止される部分は繰下げ増額の対象になりません。78 条の 29 が読み替える 46 条 1 項により、複数種別でも一体で判断されます。働き方次第で繰下げの実益が縮みます。
増えません。加給年金額は繰下げによる増額の対象外で、しかも待機中は支給されません。配偶者加給の対象者がいる人は、繰下げで受け取れなくなる分を先に計算すべきです。
できます。老齢基礎年金の繰下げは国民年金法 28 条の別制度で、厚生年金と独立して選べます。厚生年金は今すぐ受け取り、基礎年金だけ 70 歳まで育てる設計が唯一の調整弁になります。
いったん行った繰下げの申出を撤回して過去にさかのぼる扱いは原則できません。逆に、申出をせずに待っていた人が本来の年齢からの受給に切り替える道は残ります。順序を誤らないことが重要です。
はい。老齢厚生年金は期間の種別ごとに別々に決定・支給されます。ただし支給が分かれていることと、繰下げの意思決定が分かれることは別問題で、後者は 78 条の 28 で一体化されています。
できない。78条の28第2項が、繰下げの申出は一の期間に基づく老齢厚生年金と他の期間に基づくそれとを同時に行うよう求めている。片方だけの申出は成立しない。ただし老齢基礎年金は国民年金法28条の別制度なので単独で繰下げられる。業界裏話ヒント:窓口の相談員は聞かれたことにしか答えない。「厚生年金は同時ですが基礎年金は分けられますよね」と自分から確認できるかどうかで、設計の自由度が変わる
手遅れではない。44条の3第5項により、受給権取得から5年経過後の請求は5年前に繰下げ申出があったものとみなされ、増額された額で支給されうる。複数種別なら78条の28第3項で全期間の同時請求が条件になる。業界裏話ヒント:この特例には生年月日などの適用要件があり、80歳到達後の請求は対象から外れる。気付いた時点の年齢が、取り戻せる額の上限を決める(最新の改正状況をご確認ください)
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 厚年 78 条の 28:二以上の種別の期間を持つ者の繰下げの読替え適用と同時申出義務 | — |
| 申出の単位 | 全期間(全種別)の老齢厚生年金について同時に申し出る必要がある | — |
| 部分的な選択の可否 | 不可(種別ごとの部分繰下げは制度上存在しない) | — |
| 5 年経過後の請求 | 第 3 項により全期間の請求も同時であることが条件 | — |
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