障害厚生年金の受給権者であつて、当該障害に係る障害認定日において二以上の種別の被保険者であつた期間を有する者に係る当該障害厚生年金の額については、その者の二以上の被保険者の種別に係る被保険者であつた期間を合算し、一の期間に係る被保険者期間のみを有するものとみなして、障害厚生年金の額の計算及びその支給停止に関する規定その他政令で定める規定を適用する。この場合において、必要な読替えその他必要な事項は、政令で定める。
要点厚生年金保険法 78 条の 30 は、障害認定日に二以上の種別の被保険者期間を持つ者について、その期間を合算し一の期間とみなして障害厚生年金の額を計算し、支給停止も判断する。
Q · 公務員時代と民間の期間、障害年金は別々に計算されるの?
別々ではなく、合算して一本で計算されます
厚生年金保険法 78 条の 30 により、障害認定日に二以上の種別(第 1 号民間、第 2 号国家公務員、第 3 号地方公務員、第 4 号私学教職員)の被保険者期間を有する人は、その全期間が合算され、一の期間に係る被保険者期間のみを有するものとみなして障害厚生年金の額が計算されます。支給停止の判断も同じ扱いです。被保険者期間が 300 月に満たない場合の 300 月みなし(50 条 1 項)は、合算した後に一回だけ適用され、種別の数だけ重複することはありません。老齢厚生年金が種別ごとに別々の年金として支給されるのとは、処理が逆になります。
民間企業から公務員へ、あるいは私立学校の教職員へ。あなたの職歴が制度をまたいでいるなら、障害を負ったときの年金の計算は、あなたが想像している姿と違う。厚生年金は 2015 年 10 月の一元化で一本になったが、被保険者は今も第 1 号(民間)、第 2 号(国家公務員)、第 3 号(地方公務員)、第 4 号(私学教職員)の四つの種別に分かれたままである。本条が定めるのは、障害厚生年金についてはその四つを合算し、最初から一つの制度に加入していたものとみなして額を計算し、支給停止の判断もするという処理だ。民間 10 年と地方公務員 10 年は、20 年として一本で評価される。得な話に聞こえるが、裏面もある。被保険者期間が 300 月に満たない人を 300 月とみなす最低保障(50 条 1 項)は、合算したあとに一回だけ適用される。二つの制度から二回分の下駄を受け取ることはできない。
厚生年金保険法 78 条の 30 は、障害厚生年金の受給権者のうち、障害認定日において二以上の種別の被保険者であった期間を有する者に係る額の特例を定める規定である。四種別の被保険者であった期間を合算し、一の期間に係る被保険者期間のみを有するものとみなして、額の計算および支給停止に関する規定その他政令で定める規定を適用する。必要な読替えは政令に委ねられる。
厚生年金の被保険者は第 1 号(民間)、第 2 号(国家公務員)、第 3 号(地方公務員)、第 4 号(私学教職員)に分かれます。転職などで複数の種別に加入した経歴がある人を指します。
2015 年 10 月に共済年金が厚生年金に統合された制度改革です。制度は一本になりましたが、実施機関と被保険者の種別は四つのまま残り、その調整規定として本条が置かれています。
額は合算して一本で計算されますが、請求先は初診日にどの種別の被保険者であったかで決まります。民間なら年金事務所、公務員・私学なら当時の共済組合等が窓口になります。
被保険者期間が 300 月(25 年)に満たないとき、300 月とみなして額を計算する最低保障です(50 条 1 項)。本条により、この下駄は期間を合算した後に一回だけ適用されます。
厚生年金の適用・給付を担う主体で、日本年金機構のほか国家公務員共済組合連合会、地方公務員共済組合、日本私立学校振興・共済事業団が該当します。障害厚生年金は一つの実施機関が支給します。
請求自体に期限はなく、障害認定日から年数が経っていても請求できます。ただし遡って受け取れるのは請求時点から 5 年分が上限です(厚生年金保険法 92 条の消滅時効)。
額改定請求(52 条)で等級が上がれば額は増えます。障害認定日以後に保険料を納めても額は増えませんが(51 条)、等級による増額の道は別枠で残っています。
2015 年 10 月の一元化で共済年金の 2 階部分は厚生年金に統合されました。現在は共済年金という独立した制度はなく、共済組合等は厚生年金の実施機関として位置づけられています。
障害厚生年金は別々ではない。本条により四つの種別の期間は合算され、一の期間とみなして額が計算され、支給するのも一つの実施機関である。業界裏話ヒント:老齢厚生年金はこれと真逆で、種別ごとに別々の年金として支給され、通知も複数届く。老齢の感覚のまま障害を説明する窓口担当者に当たると誤案内される。障害と老齢で処理が反転すると言える相手が、正しい
被保険者期間が 300 月(25 年)に満たないときは 300 月とみなして計算される(50 条 1 項)。15 年でも 25 年分の額になる。本条の効果は、この下駄を合算後に一回だけ履かせる点にある。業界裏話ヒント:若くして障害を負った人ほど下駄の恩恵は大きく、すでに 300 月を超えている人には下駄がない。自分がどちら側かで、決定額が妥当かどうかの検算方法がまるで変わる
増えない。障害厚生年金の額の計算の基礎となる被保険者期間は障害認定日の属する月までで、その後の期間は算入されない(51 条)。合算されるのもその日までの期間である。業界裏話ヒント:ただし障害の程度が重くなったときの額改定請求(52 条)は別枠で、等級が上がれば額は上がる。保険料で増やす道はないが、等級で増やす道は残っている。ここを混同して「働き損だ」と諦める人が非常に多い
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規律する内容 | 78 条の 30:二以上の種別の期間を合算し一の期間とみなす | — |
| 適用の前提 | 障害認定日に二以上の種別の被保険者であった期間があること | — |
| 額への効き方 | 細切れの職歴を切り捨てず一本化する(増額方向) | — |
| 重複適用の可否 | 合算は一回、種別の数だけ重ねられない | — |
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