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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 最終改正 収録時点 令和8年10月2日読了 8 分8 分8 分

厚生年金保険法 第78条の32(遺族厚生年金の額の特例)

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  1. 二以上の種別の被保険者であつた期間を有する者の遺族に係る遺族厚生年金(第五十八条第一項第一号から第三号までのいずれかに該当することにより支給されるものに限る。)の額については、死亡した者に係る二以上の被保険者の種別に係る被保険者であつた期間を合算し、一の期間に係る被保険者期間のみを有するものとみなして、遺族厚生年金の額の計算及びその支給停止に関する規定その他政令で定める規定を適用する。この場合において、必要な読替えその他必要な事項は、政令で定める。
  2. 2.二以上の種別の被保険者であつた期間を有する者の遺族に係る遺族厚生年金(第五十八条第一項第四号に該当することにより支給されるものに限る。)については、各号の厚生年金被保険者期間に係る被保険者期間ごとに支給するものとし、そのそれぞれの額は、死亡した者に係る二以上の被保険者の種別に係る被保険者であつた期間を合算し、一の期間に係る被保険者期間のみを有するものとみなして、遺族厚生年金の額の計算に関する規定により計算した額をそれぞれ一の期間に係る被保険者期間を計算の基礎として第六十条第一項第一号の規定の例により計算した額に応じて按分した額とする。この場合において、必要な読替えその他必要な事項は、政令で定める。
  3. 3.前項の場合において、第六十二条第一項の規定による加算額は、政令で定めるところにより、各号の厚生年金被保険者期間のうち一の期間に係る被保険者期間を計算の基礎とする遺族厚生年金の額に加算するものとする。
  4. 4.前三項に定めるもののほか、遺族厚生年金の額の計算及びその支給の停止に関し必要な事項は、政令で定める。

この条文の基本情報

遺族厚生年金の額の特例とは何ですか?

定義遺族厚生年金の額の特例とは、厚生年金保険法第78条の32に定められた規定で、「二以上の種別の被保険者であつた期間を有する者の遺族に係る遺族厚生年金(第五十八条第一項第一号から第三号までのいずれかに該当することにより支給されるものに限る。」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 厚生年金保険法第78条の32(遺族厚生年金の額の特例)は、日本の厚生年金保険法に含まれる条文です。
  2. 厚生年金保険法第78条の32の条文原文は「二以上の種別の被保険者であつた期間を有する者の遺族に係る遺族厚生年金(第五十八条第一項第一号から第三号までのいずれかに該当することにより支給されるものに限る。」で始まります。
  3. 厚生年金保険法第78条の32は第三章の四に置かれています。
  4. 厚生年金保険法の公布日は昭和29年5月19日です。
  5. 厚生年金保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
  6. 厚生年金保険法第78条の32の前の条は厚生年金保険法第78条の31です。
  7. 厚生年金保険法第78条の32の次の条は厚生年金保険法第78条の33です。
  8. 厚生年金保険法第78条の32には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)第78条の32
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000115
  • 本サイト収録厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)第78条の32(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/329AC0000000115/78_32

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点厚生年金保険法78条の31は、複数の年金種別にまたがる期間がある人の遺族厚生年金について、短期要件なら合算して一本、長期要件なら種別ごとに分けて按分支給すると定める。

Q · 夫が公務員と民間の両方で働いていた場合、遺族厚生年金は一つの窓口から届くのですか?

死亡が短期要件なら一本、長期要件なら二本以上に分かれます

厚生年金保険法78条の31により、複数の種別(民間・国家公務員共済・地方公務員共済・私学共済)にまたがる期間がある人の遺族厚生年金は、在職中の死亡など短期要件(58条1項1号から3号)に該当すれば全期間を合算して一の期間とみなし、一本の年金として計算・支給されます。老齢厚生年金の受給権者の死亡など長期要件(同項4号)に該当する場合は、種別ごとの被保険者期間に分けて実施機関から別々に支給され、その額は60条1項1号の規定の例により計算した額に応じて按分されます。総額は変わりませんが、決定通知書は複数届きます。

解説

夫が民間企業で20年働き、その後15年公務員だった。亡くなったとき、遺族であるあなたが受け取る遺族厚生年金は、いくつの窓口から、いくつの金額として届くのか。答えは死亡した理由によって割れる。在職中の死亡や初診日から5年以内の死亡など、いわゆる短期要件(58条1項1号から3号)なら、35年をひとまとめに合算して「一本の年金」として計算される。だが長期要件、つまり老齢厚生年金の受給権者だった人が亡くなった場合(同項4号)は、扱いが逆転する。民間期間分と公務員期間分に分けて、それぞれの実施機関から別々に支給される。総額は按分されるので理論上は同じだが、あなたの手元には二通の決定通知書が届き、二つの窓口を相手にすることになる。中高齢寡婦加算(62条)はそのうち一つの期間に紐づけて加算される。手続きの入口を一つだと思い込んでいると、片方を取りこぼす。

法的な位置づけ

厚生年金保険法78条の31は、複数の被保険者種別(第一号厚生年金被保険者から第四号厚生年金被保険者)にまたがる期間を有する者の遺族厚生年金について、額の計算方法および支給方法の特例を定める規定である。短期要件では期間を合算して一の期間とみなして計算し、長期要件では期間ごとに分けて支給したうえで按分する。中高齢寡婦加算は政令の定めにより一方の期間に係る年金に加算される。

手順

  1. 1.被保険者記録を種別ごとに取得する ねんきんネットまたは年金事務所で、死亡した人の被保険者記録を種別ごとに出してもらう。第一号(民間)、第二号(国家公務員共済)、第三号(地方公務員共済)、第四号(私学共済)のどこに期間があるかを一覧化する
  2. 2.短期要件か長期要件かを判定する 死亡の事情が厚年法58条1項1号から3号(在職中の死亡、初診日から5年以内の死亡等)に当たるか、4号(老齢厚生年金の受給権者等の死亡)に当たるかを確認する。ここで年金が一本になるか別建てになるかが決まる
  3. 3.ワンストップ請求で全実施機関分をまとめて請求する 年金請求書を提出する際、窓口に「二以上の種別があるため全実施機関分をお願いします」と明示する。請求後に気付いて追加請求するより、審査が同時並行で進む分だけ受給開始が早くなる
  4. 4.決定通知書の通数と実施機関名を記録と突き合わせる 届いた決定通知書の実施機関名と対象期間を、取得済みの被保険者記録と照合する。長期要件で二以上の種別があるのに通知が一通しか届いていない場合は、処理が止まっている可能性が高い
  5. 5.未処理分を照会し、中高齢寡婦加算の位置を確認する 届かない実施機関には記録を添えて能動的に照会する。あわせて中高齢寡婦加算(62条)がどちらの期間に係る年金に加算されたかを通知書で確認し、加算のない側だけを見て金額を判断しない

よくある質問 AI による整理

Q1二以上の種別の被保険者期間とは何ですか?

民間企業(第一号)、国家公務員共済(第二号)、地方公務員共済(第三号)、私学共済(第四号)のうち二つ以上に加入期間があることを指します。転職で公務員と民間をまたいだ人が典型例です。

Q2遺族厚生年金の実施機関とはどこですか?

日本年金機構、国家公務員共済組合連合会、地方公務員共済組合(地方職員共済組合等)、日本私立学校振興・共済事業団の四つです。2015年の一元化後も窓口は分かれたままです。

Q3遺族厚生年金はどこに請求すればいいですか?

二以上の種別がある場合はワンストップ請求が可能で、いずれか一つの実施機関に請求すれば全実施機関分の審査が動きます。ただし決定の時期は種別ごとにずれることがあります。

Q4住所変更や現況届は複数の窓口に出す必要がありますか?

長期要件で年金が別建てになった場合、各実施機関がそれぞれ支給主体となるため、届出も原則として各機関に必要です。片方だけ出すと振込が止まる原因になります。

Q5遺族厚生年金の按分額はどう決まりますか?

厚年法78条の31第2項により、全期間を合算して計算した額を、各期間を計算の基礎として60条1項1号の例により計算した額に応じて按分します。合計は一本の場合と一致します。

Q6遺族厚生年金の時効は何年ですか?

毎月の受給分(支分権)は5年で時効消滅します(厚年法92条)。請求が遅れると5年より前の分は受け取れないため、記録を確認したら早期に請求してください。

Q7遺族厚生年金の決定に納得できないときは?

決定を知った日の翌日から3か月以内に社会保険審査官へ審査請求ができます。按分の基礎となった各期間の計算額の開示を求め、比率を検算するのが出発点です。

Q8船員保険や旧共済の短い期間も対象になりますか?

対象になります。期間が短くても種別が異なれば「二以上の種別」に該当し、合算されるか別建てで支給されるかが本条により決まります。短いから無関係とは限りません。

この条文についての質問 AI による整理

Q1夫は民間と公務員を両方経験していました。年金が二つ届いたら、もらいすぎってことはないですか?

ありません。長期要件の場合、本条2項は合算して計算した総額を各期間に按分すると定めており、二本の合計が一本の場合の額と一致する設計です。多いのは通知の枚数であって金額ではない。実務のポイント:逆に一通しか届かないときこそ要注意。片方の実施機関で処理が止まっている可能性があり、待っているだけでは動かない

Q2短期要件と長期要件って、遺族から見て何が違うんですか?

58条1項1号から3号(在職中の死亡など)が短期要件で、本条1項により一本の年金として計算・支給されます。4号(老齢厚生年金の受給権者等の死亡)が長期要件で、本条2項により期間ごとに分けて支給されます。実務のポイント:短期要件には被保険者期間を300月とみなす最低保障がある一方、長期要件にはない。両方の要件を満たすケースでは、どちらで請求するかで金額が変わることがあり、請求書の選択欄が実質的な金額の分かれ目になる

Q3中高齢寡婦加算は、年金が二本に分かれたらどちらにつくんですか?

本条3項により、政令で定めるところに従って一方の期間に係る遺族厚生年金の額に加算されます。両方に二重で加算されることはありません(62条)。実務のポイント:加算が乗っていない側の通知書だけを見て「計算が違う」と窓口に問い合わせる遺族は多い。二通並べて合計してから判断すること

間違えやすい点 AI による整理

  • 「合算されるなら、どちらのケースでも一本の年金が届くはず」と考える人が多い。だが問い自体が事情を取り違えている。合算という言葉は本条の1項でも2項でも登場するが、1項は計算も支給も一本化、2項は計算方法として合算した上で按分し支給は別建て。合算=一本化ではない
  • 遺族厚生年金の金額が「死亡した人の老齢厚生年金の4分の3」であることは多くの人が知っている。だが二以上の種別がある場合、その4分の3をどう分けるかの基準が60条1項1号の計算式による按分だという点まで踏み込んで知っている人はほとんどいない。総額が正しくても内訳を検証できなければ、片方の実施機関の計算誤りに気付けない
  • 「厚生年金は2015年に一元化されたから、公務員も民間も同じ扱いになった」と理解している人がいる。制度としては統合されたが、実施機関(日本年金機構、国家公務員共済組合連合会、地方公務員共済組合、私学事業団)は分かれたまま残った。あなたから見れば一つの厚生年金でも、法律から見れば四つの窓口が並存している。この落差が請求漏れを生む
比較の観点この条文ほかの条文
条文の役割78条の31:複数種別の期間がある場合の額の計算と支給方法の特例58条:遺族厚生年金の支給要件(短期要件・長期要件の区分)
60条:遺族厚生年金の額の原則(老齢厚生年金の額の4分の3等)
適用の前提死亡した人に二以上の種別の被保険者であつた期間があること死亡が1号から4号のいずれかの事由に該当すること
支給要件を満たしたうえで額を算定する段階であること
遺族から見た効果短期要件は一本で支給、長期要件は実施機関ごとに別建てで支給・按分そもそも受給できるか、300月みなしが働くかが決まる
総額の水準が決まる(78条の31の按分の基礎にもなる)
政令委任の有無1項から4項すべてで読替え等を政令に委任要件は法律本文で完結
計算式は法律本文で規定

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
勞工保險條例第63条以下(遺屬年金給付)・公教人員保險法第27条以下

台湾は労工保険と公教人員保険が別制度として併存し、日本の一元化のような期間合算・按分の仕組みが整備されていない。転職で制度をまたぐと給付が分断されやすい点が日本との最大の差

韓国
국민연금법 제72조 이하、국민연금과 직역연금의 연계에 관한 법률

韓国は国民年金と職域年金(公務員・軍人・私学)を統合せず、連携法により加入期間を通算して受給資格を確保する方式を採る。日本は制度統合、韓国は連携という設計思想の違い

ドイツ
SGB VI § 46(Witwen-/Witwerrente)、Beamtenversorgungsgesetz § 19 ff.

ドイツも一般被用者は法定年金保険、官吏は独立した恩給制度と分立している。官吏が民間に移る場合は Nachversicherung により法定年金保険へ遡及加入させる方式で調整する

アメリカ
Social Security Act § 202(e)-(g)、FERS/CSRS survivor annuity

米国は1984年以降の連邦公務員を社会保障に組み入れたため、日本の一元化と方向性が近い。ただし旧 CSRS 期間が残る者には Government Pension Offset 等の調整が別途働く

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 夫は30歳まで民間企業、その後定年まで地方公務員。老齢厚生年金を受け取っていた70歳のときに死亡した。妻のあなたに届く遺族厚生年金は、日本年金機構からと地方公務員共済組合からの二本立てになる。合計額は一本化したときと同じだが、住所変更も現況届も二カ所に出す必要がある
  • もし夫が転職直後、私学共済に入って3年目に在職中の事故で亡くなったとしたら? こちらは短期要件なので、前職の厚生年金期間と合算して一本の年金として計算される。しかも短期要件では被保険者期間が300月に満たない場合、300月とみなして計算される。同じ「二以上の種別」でも、死亡の事情次第で計算構造がまるごと入れ替わる
  • 40代で夫を亡くした妻に加算される中高齢寡婦加算。長期要件で年金が二本に分かれた場合、この加算は二重取りではなく、政令で定められた一方の期間分にだけ乗る。加算がついていない側の通知書だけを見て「金額が少ない」と早合点する遺族は珍しくない
  • 遺族が請求手続きを進めている最中、片方の実施機関からは決定通知が来たのに、もう片方が音沙汰なし。あと数週間で当面の生活費が尽きる。ワンストップ請求の仕組みはあるが、種別ごとに審査が動くため、決定のタイミングがずれることがある
  • 亡くなった親の年金記録を調べたら、若い頃に船員保険や旧共済の期間が出てきた。遺族は「短い期間だから関係ない」と思うが、この条文の適用対象になる。合算されて金額が上がるか、別建てで支給されるかが決まる

取るべき行動

被害を受けた側:1. 死亡した人の被保険者記録を種別ごとに取得し、厚生年金(民間)・国家公務員共済・地方公務員共済・私学共済のどれに期間があるか一覧化する2. 死亡の事情が短期要件(58条1項1号から3号)か長期要件(同4号)かを確認、これで一本か別建てかが決まる3. ワンストップ請求で全実施機関分をまとめて請求4. 決定通知の通数が想定と合わない場合、記録を添えて未処理分を照会5. 中高齢寡婦加算の有無と、どちらの期間に加算されたかを通知書で確認

訴えられた側:実施機関側または計算の妥当性を争う立場であれば、1. 按分の基礎となる60条1項1号による各期間の計算額を開示請求し、按分比率を検算する2. 支給停止(他の年金との併給調整)の適用が種別ごとに重複していないか確認3. 納得できない場合は決定通知書を受け取った日の翌日から3か月以内に社会保険審査官へ審査請求(役所の決定に対して不服を申し立てる正式な手続き)

時効(請求できる期限):年金の支分権(毎月の受給分)は5年で時効消滅する(厚生年金保険法92条)。遺族厚生年金の請求自体は死亡日の翌日から可能だが、請求が遅れると5年より前の分は受け取れない。決定に不服がある場合の審査請求は、決定を知った日の翌日から3か月以内(社会保険審査官及び社会保険審査会法)(最新の改正状況をご確認ください)

改正沿革 AI による整理

改正の年表

  1. 1.平成24年(2012年) 新設:被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律(平成24年法律第63号)により新設。共済年金を厚生年金に統合するにあたり、二以上の種別の被保険者期間を有する者の遺族厚生年金の計算と支給の特例を規定した
  2. 2.平成27年(2015年) 改正:被用者年金一元化法の施行(平成27年10月1日)により本条が効力を生じ、国家公務員共済・地方公務員共済・私学共済の期間が第二号から第四号の厚生年金被保険者期間として扱われることとなった

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厚生年金保険法の全文を見る所属する編章節を開く:第三章の四

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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