厚生年金保険法 第78条の33(障害厚生年金等に関する事務の特例)
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- 第七十八条の三十の規定による障害厚生年金及び第七十八条の三十一の規定による障害手当金の支給に関する事務は、政令で定めるところにより、当該障害に係る初診日における被保険者の種別に応じて、第二条の五第一項各号に定める者が行う。
- 2.前項の規定は、前条第一項の規定による遺族厚生年金の支給に関する事務について準用する。
この条文の基本情報
障害厚生年金等に関する事務の特例とは何ですか?
定義障害厚生年金等に関する事務の特例とは、厚生年金保険法第78条の33に定められた規定で、「第七十八条の三十の規定による障害厚生年金及び第七十八条の三十一の規定による障害手当金の支給に関する事務は、政令で定めるところにより、当該障害に係る初診日における…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 厚生年金保険法第78条の33(障害厚生年金等に関する事務の特例)は、日本の厚生年金保険法に含まれる条文です。
- 厚生年金保険法第78条の33の条文原文は「第七十八条の三十の規定による障害厚生年金及び第七十八条の三十一の規定による障害手当金の支給に関する事務は、政令で定めるところにより、当該障害に係る初診日における…」で始まります。
- 厚生年金保険法第78条の33は第三章の四に置かれています。
- 厚生年金保険法の公布日は昭和29年5月19日です。
- 厚生年金保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 厚生年金保険法第78条の33の前の条は厚生年金保険法第78条の32です。
- 厚生年金保険法第78条の33の次の条は厚生年金保険法第78条の34です。
- 厚生年金保険法第78条の33には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)第78条の33 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000115 - 本サイト収録
厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)第78条の33(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/329AC0000000115/78_33
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点厚生年金保険法78条の33は、障害厚生年金・障害手当金の支給事務を、初診日における被保険者の種別に応じて第2条の5第1項各号の実施機関が行うと定める。遺族給付にも準用される。
Q · 障害年金って、今勤めている会社の年金窓口に出せばいいんですか?
今の勤め先ではなく、初診日当時の被保険者の種別で決まります
厚生年金保険法78条の33により、障害厚生年金・障害手当金の支給に関する事務は、当該障害に係る初診日における被保険者の種別に応じて、第2条の5第1項各号の実施機関が行います。民間企業なら第1号(厚生労働大臣、実務は日本年金機構)、国家公務員なら第2号、地方公務員なら第3号、私学教職員なら第4号です。初診日が公務員時代であれば、現在は会社員でも共済側が事務を扱います。第2項により、遺族厚生年金の特例(78条の32第1項)にも同じ振り分けが準用されます。
解説
障害年金の請求書を、今の勤め先の年金窓口に持っていこうとしているなら、その一歩が数か月の空転を生むかもしれない。本条が決めているのは「誰が支給事務をやるか」であり、その基準は今の身分ではなく、初診日、つまりその障害のもとになった傷病で初めて医師にかかった日にあなたがどの種別の被保険者だったかである。民間企業なら第1号(厚生労働大臣、実務は日本年金機構)、国家公務員なら第2号、地方公務員なら第3号、私学教職員なら第4号。初診日が公務員時代なら、今あなたが会社員でも、共済側が事務を扱う。2015年10月の被用者年金一元化で制度は一本になったが、事務の入口は四つに分かれたままだ。しかも第2項により、遺族厚生年金の特例分についても同じ振り分けが働く。遺族が請求するとき、故人の初診日という他人の過去が窓口を決める。
法的な位置づけ
厚生年金保険法第78条の33は、複数種別の被保険者期間を有する者の障害厚生年金・障害手当金について、その支給に関する事務を担当する実施機関を特定する規定である。基準となるのは請求時の身分ではなく、当該障害に係る初診日における被保険者の種別であり、第2条の5第1項各号に定める者が政令の定めるところにより事務を行う。第2項は遺族厚生年金の特例に準用する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.傷病ごとに初診日を特定する 請求書を書き始める前に、障害の原因となった傷病で初めて医師の診療を受けた日を特定する。転院している場合は最初の医療機関まで遡り、受診状況等証明書を取得する。この一点が窓口・納付要件・加算の判定をまとめて決める
- 2.初診日当時の被保険者の種別を確認する 特定した初診日に自分が第1号から第4号のどの厚生年金被保険者だったかを、ねんきん定期便・年金加入記録照会・当時の在職証明で確認する。民間企業は第1号、国家公務員は第2号、地方公務員は第3号、私学教職員は第4号にあたる
- 3.種別に対応する実施機関へ事前相談する 第1号なら年金事務所、第2号から第4号なら当時所属していた共済の年金担当窓口に連絡し、初診日と種別を先に伝えたうえで必要書類一式を確認する。「初診日は◯年◯月、当時は第3号厚生年金被保険者です」と言えれば案内が各論に切り替わる
- 4.窓口確定後に診断書を依頼して請求する 実施機関が確定してから主治医に診断書を依頼する。診断書は現症日から3か月を経過すると使えないため、順序を逆にすると取り直しの費用が発生する。病歴・就労状況等申立書とあわせて確定した実施機関に提出する
よくある質問 AI による整理
Q1実施機関とは何ですか?
厚生年金の適用・給付事務を行う主体で、第2条の5第1項各号に定められています。第1号は厚生労働大臣(日本年金機構)、第2号は国家公務員共済、第3号は地方公務員共済、第4号は私学共済です。
Q2障害厚生年金はどこに請求すればいい?
初診日当時の被保険者の種別に対応する実施機関です。民間企業在職中の初診なら年金事務所、公務員や私学教職員在職中の初診なら各共済の窓口になります。現在の勤務先は基準になりません。
Q3間違った窓口に出したらどうなる?
事務権限のない機関に提出した請求は原則として返戻され、正しい実施機関に出し直すことになります。その間に診断書の有効期間(現症日から3か月)が経過し、取り直しの費用と時間が発生します。
Q4遺族厚生年金も初診日で窓口が決まる?
78条の32第1項の特例による遺族厚生年金については、本条第2項の準用により同じ振り分けが働きます。故人の初診日当時の種別が、遺族が請求する窓口を決めることになります。
Q5障害手当金の請求先も同じルール?
同じです。78条の31による障害手当金も本条第1項の対象で、初診日における被保険者の種別に応じた実施機関が支給事務を行います。障害厚生年金と別の窓口になることはありません。
Q6被用者年金一元化で何が変わった?
2015年10月から公務員・私学教職員も厚生年金の被保険者となり、給付の計算は一本化されました。ただし事務の担い手は第1号から第4号の4系統に分かれたままで、その振り分け基準を定めるのが本条です。
Q7転職を何度もした場合の請求先は?
転職回数は関係ありません。基準はあくまで当該障害の原因となった傷病の初診日、その一日にどの種別の被保険者だったかです。まず初診日を確定させれば、請求先は自動的に一つに定まります。
Q8共済組合の窓口はどこにある?
第2号は国家公務員共済組合連合会および各省庁の共済組合、第3号は地方公務員共済組合や全国市町村職員共済組合連合会、第4号は日本私立学校振興・共済事業団です。在職当時の所属先が起点になります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1初診日のあとに転職したんですが、請求先は今の会社側でいいんですよね?
違う。本条が基準にするのは初診日における被保険者の種別であり、現在の勤務先ではない。公務員在職中が初診なら、その後民間に移っていても事務は共済側が行う。実務のポイント:社会保険労務士が最初に確認するのは病名でも障害の重さでもなく初診日である。ここが動くと、窓口も納付要件の判定期間も、加算の計算もまとめて動くからだ。
Q2初診日がはっきりしないときは、どこに相談すればいいんですか?
まず候補となる医療機関から受診状況等証明書を取り、それが取れない場合は第三者証明や診察券、健康保険の給付記録などで補強する。初診日が固まらないと第2条の5第1項各号のどの実施機関かも定まらない。実務のポイント:カルテ保存義務は5年だが、実際には10年以上保管している病院も少なくない。「もうないですよね」と聞くと「ありません」と返る。「保存期間を過ぎていても残っていないか確認していただけますか」と聞き方を変えると出てくることがある。
間違えやすい点 AI による整理
- 「今加入している年金の窓口に出せばいい」と考えて年金事務所に並ぶ人が多いが、本条が見ているのは初診日時点の種別である。転職・退職・独立をはさんだ人ほど、現在地と過去が食い違う。
- あなたから見れば「同じ厚生年金なのだから、どこに出しても回してくれるだろう」となる。法律から見れば、第2条の5第1項各号の実施機関はそれぞれ別の主体であり、事務権限のない機関に出した請求は原則として返戻される。この落差が、生活費が必要な時期の数か月を奪う。
- 「窓口が違えば案内されるだけ」と軽く考えている人は、遅れの中身を見ていない。診断書は現症日から3か月で使えなくなり、初診日証明の相手方である病院は5年でカルテを捨てる。事務の入口を誤ることは、証拠が消えていく時間を自分で買うことに等しい。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 78条の33:障害給付・遺族給付の事務を行う実施機関を特定する手続規定 | 78条の30:複数種別期間がある場合の障害厚生年金の額の特例(実体規定) 2条の5:第1号から第4号の実施機関そのものを定義する規定 |
| 判断の基準時 | 当該障害に係る初診日(第2項では故人の初診日) | 各種別の被保険者期間の長短と報酬額 被保険者としての現在の所属先 |
| 誤ったときの影響 | 請求が返戻され、診断書の有効期間を空費して受給開始が数か月遅れる | 年金額の計算誤りとなり、決定後の是正手続が必要になる そもそも請求先の候補が特定できない |
| 遺族給付への波及 | 第2項により78条の32第1項の遺族厚生年金に準用 | 障害給付のみを対象 全給付に共通する定義規定 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は労工保険と公教人員保険が制度として分立し、保険者(勞保局/臺灣銀行公教保險部)も別。日本のように一元化後の事務分担を単一条文で振り分ける構造はとらず、加入していた制度そのものが窓口を決める
韓国も国民年金・公務員年金・私学年金が分立し職域別に実施機関が異なる。日本のような統合後の初診日基準による事務分担規定は置かれていない
ドイツは Deutsche Rentenversicherung が Bund と Regionalträger に分かれるが、管轄は保険歴の長さ等で決まり、日本のように障害の初診日を基準とはしない
米国は Social Security Administration が単一機関として全国一律に処理するため、本条のような機関間の事務振り分け問題自体が生じない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 市役所に10年勤めたあと民間企業へ転職。うつ病の初診は市役所時代だった。今の会社の担当者は「年金事務所へ」と言うが、事務を行うのは地方公務員共済側になる。転職者ほどこの取り違えが起きる。
- もし、初診日のカルテがすでに廃棄されていたら? 医療機関のカルテ保存義務は5年。初診日が確定できなければ、どの実施機関が事務を行うかも確定せず、請求そのものが受理段階で止まる。診断書の有効期限は現症日から3か月、書き直しのたびに数万円が飛ぶ。
- 会社の人事担当として、休職中の社員から障害厚生年金の相談を受けた。あなたが「うちは年金機構だから」と案内した先が間違っていれば、社員の生活費が入るのが半年遅れる。案内する側にも初診日の確認義務が事実上ある。
- 夫が亡くなり遺族厚生年金を請求する妻。夫の初診日は前職の私学在職中だった。第2項の準用により、事務は私立学校振興・共済事業団側。あと2か月で葬儀後の手続がひと段落するタイミングだが、窓口を誤ると振出しに戻る。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 傷病名ごとに初診日を特定する。転院していれば最初の病院まで遡り、受診状況等証明書を取得2. その日に自分が第1号から第4号のどの被保険者だったかを、年金加入記録または当時の在職証明で確認3. 種別に対応する実施機関(第1号は年金事務所、第2号から第4号は各共済の窓口)に事前相談4. 診断書は窓口確定後に依頼する。先に取ると現症日から3か月の期限を空転させる。
訴えられた側:事業主・人事担当として相談を受けた側の動きになる。1. 自社が第何号の適用事業所かではなく、本人の初診日時点の種別を確認するよう伝える2. 在職中の初診であれば、健康保険の傷病手当金の受給記録や産業医の記録が初診日の裏付けになるため、社内で保全する3. 誤った窓口を断定的に案内しない。案内ミスによる遅延は本人の生活に直結し、後日の紛争要因になる。
時効(請求できる期限):本条自体に期限の定めはない。障害厚生年金の請求はいつでも可能だが、遡って受け取れるのは請求時点から5年分まで(厚生年金保険法92条)。障害手当金は受給権が発生した日から5年で時効消滅する。窓口を誤って出し直している間もこの5年は進む(最新の改正状況をご確認ください)。
改正沿革 AI による整理
- 平成24年(2012年)成立、平成27年(2015年)10月1日施行 被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律により新設。共済年金が厚生年金に統合されたことに伴い、複数種別の被保険者期間を持つ者の障害給付・遺族給付について、初診日時点の種別に応じて事務を行う実施機関を特定する規定として置かれた
改正の年表
- 1.平成24年(2012年) 新設:被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律(平成24年法律第63号)により新設。共済年金の厚生年金への統合に伴い、複数種別の被保険者期間を有する者の障害給付・遺族給付について事務を行う実施機関を特定する規定として置かれた
- 2.平成27年(2015年) 施行:2015年10月1日に被用者年金一元化が施行され、本条が効力を生じた。給付内容は一本化された一方、事務の担い手は第1号から第4号の4系統に分かれたまま維持された
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