第一号厚生年金被保険者期間、第二号厚生年金被保険者期間、第三号厚生年金被保険者期間又は第四号厚生年金被保険者期間(以下「各号の厚生年金被保険者期間」という。)のうち二以上の被保険者の種別に係る被保険者であつた期間を有する者(以下「二以上の種別の被保険者であつた期間を有する者」という。)であつて、一の被保険者の種別に係る被保険者であつた期間(以下「一の期間」という。)に基づく年金たる保険給付と同一の支給事由に基づく当該一の被保険者の種別と異なる他の被保険者の種別に係る被保険者であつた期間(以下「他の期間」という。)に基づく年金たる保険給付を受けることができるものについて、第三十八条の規定を適用する場合においては、同条第一項中「遺族厚生年金を除く」とあるのは「当該老齢厚生年金と同一の支給事由に基づいて支給される老齢厚生年金及び遺族厚生年金を除く」と、「老齢厚生年金を除く」とあるのは「老齢厚生年金及び当該遺族厚生年金と同一の支給事由に基づいて支給される遺族厚生年金を除く」とする。
要点厚生年金保険法78条の22は、二以上の被保険者種別の期間を持つ人について38条の併給調整を読み替え、同一の支給事由に基づく老齢厚生年金どうしを支給停止の対象から外す規定である。
Q · 年金証書が日本年金機構と共済組合から二通届いたけど、これは間違いじゃないの?
誤りではない。二本とも受け取れる
民間企業と公務員・私学など複数の種別にまたがって働いた人は、実施機関ごとに別々の老齢厚生年金が決定されます。厚生年金保険法38条は一人一年金を原則としますが、78条の22が38条を読み替え、同一の支給事由に基づく老齢厚生年金どうし・遺族厚生年金どうしを支給停止の対象から除いています。したがって年金証書が二通届くのは正常であり、片方を返す必要はありません。二本を合計して初めて本来の年金額になります。
郵便受けに年金証書が二通届く。日本年金機構から一通、地方公務員共済組合から一通。多くの人はここで、どちらかが誤りで後から返せと言われるのではないかと身構える。誤りではない。2015年10月の被用者年金一元化により、共済年金は厚生年金に統合され、被保険者は第1号(民間)から第4号(私学)まで四つの種別に分かれた。民間で15年、市役所で20年働いたあなたは、二つの実施機関からそれぞれ老齢厚生年金を受け取る。ところが厚生年金保険法38条は「一人一年金」を原則とし、同じ人が複数の年金たる保険給付を受けられるときは片方の支給を止めると定めている。この原則をそのまま当てはめれば、あなたの年金は片方が消える。78条の22は、その事故を防ぐために38条の文言を読み替え、同一の支給事由に基づく老齢厚生年金どうし、遺族厚生年金どうしを併給調整の射程から外した。二通の証書が両方生きているのは、この一条があるからだ。
厚生年金保険法78条の22は、第一号から第四号までの厚生年金被保険者期間のうち二以上の種別にまたがる期間を有する者に対し、併給調整を定める38条の適用を読み替える特例規定である。同一の支給事由に基づいて支給される老齢厚生年金相互および遺族厚生年金相互は、支給停止の対象から除外される。
第一号(民間)から第四号(私学)までの厚生年金被保険者期間のうち、二つ以上の種別にまたがる期間を持つ人を指します。民間から公務員へ転職した人が典型例です。
第1号は民間被用者、第2号は国家公務員、第3号は地方公務員、第4号は私立学校教職員です。種別ごとに実施機関が異なり、年金も別々に決定されます。
同じ人に複数の年金給付が発生したとき、一方の支給を停止する仕組みです。厚生年金保険法38条が根拠で、一人一年金の原則を実現しています。
被用者年金一元化により2015年10月1日に統合されました。根拠は2012年公布の一元化法で、78条の22もこのとき新設された特例規定です。
共済期間があっても、いずれか一つの実施機関の窓口で全種別分をまとめて受け付けます(ワンストップ)。役所を順に回る必要はありません。
各実施機関の年金額に応じて按分して停止されます。片方だけが全額止まるのではなく、それぞれの割合に従って停止額が振り分けられます。
出ません。各号の期間を合算して要件を判定したうえで、一つの実施機関からのみ支給されます。合算判定なので単独では届かない人も対象になり得ます。
2015年9月までの共済期間分については、旧職域部分が経過的職域加算額として共済組合等から別枠で支給されます。厚生年金本体とは別の給付です。
返す必要はない。民間期間と共済期間の両方があると、実施機関ごとに別の決定が出て別々に振り込まれる。38条の併給調整は同一の支給事由に基づく老齢厚生年金どうしには及ばない(78条の22の読替え)。業界裏話ヒント:支払日が同じでも通帳の入金は二行に分かれるため、一行だけ見て減額されたと誤解する人が多い。二行を足して初めて年金額になる。入金明細をそのまま老後予算に転記すると毎回取り違える
本体部分の総額が分割そのものによって減ることは原則ない。ただし在職老齢年金による支給停止は各実施機関の年金額に応じて按分され、加給年金額は各号の期間を合算して要件を判定したうえで一つの実施機関からのみ支給される。業界裏話ヒント:加給年金は合算判定なので、民間だけ、公務員だけでは期間要件に届かない人でも、合算すれば対象になりうる。一元化前の感覚で最初から諦めている人が今も少なくない(最新の改正状況をご確認ください)
不服の相手は処分をした実施機関ごとに分かれる。日本年金機構の決定と共済組合の決定は別個の処分であり、審査請求はそれぞれの決定を知った日から3か月以内に社会保険審査官へ行う。業界裏話ヒント:原因が記録漏れなら、審査請求より先に厚生労働大臣への年金記録の訂正請求を検討する。訂正が認められた場合、増額分は5年の時効にかからず遡って支払われる特例法があり、入口の選び方で取り戻せる額が桁で変わる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 78条の22:38条を読み替え、同一支給事由の年金相互を調整対象外にする特例 | — |
| 二以上の種別がある場合の効果 | 実施機関ごとの老齢厚生年金・遺族厚生年金が共倒れせず併給される | — |
| 受給者の実感 | 年金証書が複数届き、入金も複数行に分かれる | — |
| 争うときの相手 | 誤って停止された実施機関の処分ごとに審査請求 | — |
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