要点厚生年金保険法 79 条の 9 は、主務大臣に対し、年金積立金の資産額・構成割合・運用収入・運用状況の評価を記載した報告書を毎年度作成し公表することを義務づける規定である。
Q · 年金の積立金がどう運用されたか、国はちゃんと公表する義務があるんですか?
毎年度、国が運用成績の報告書を作成し公表する義務があります
厚生年金保険法 79 条の 9 により、主務大臣は毎年度、積立金の資産額、資産構成割合、運用収入額、運用状況の評価などを記載した報告書を作成し、公表しなければなりません。作成の際は財務大臣・総務大臣・文部科学大臣への事前協議が必要です(同条 2 項)。評価の結果、管理運用主体の運用が積立金基本指針に適合しないと認めるときは、当該主体の所管大臣に対し、必要な措置を求めることができます(同条 3 項)。
毎月の給与から天引きされている厚生年金保険料は、給付に回らなかった分が積み上がり、200 兆円を超える巨大な資金として市場で運用されている(最新の運用資産額は公表資料をご確認ください)。その成績表を、誰が、いつ、どんな形で出すのかを決めているのがこの規定だ。主務大臣は毎年度、資産額・資産構成割合・運用収入・運用状況の評価を記載した報告書を作成し、公表しなければならない。作るかどうかの裁量はない。しかも公表で終わらない。評価の結果、管理運用主体(年金積立金管理運用独立行政法人、国家公務員共済組合連合会、地方公務員共済組合連合会、日本私立学校振興・共済事業団)の運用が積立金基本指針に適合していないと認めれば、厚生労働大臣はその所管大臣に必要な措置を求めることができる。あなたが「年金が溶けた」と読むニュースの一次資料は、ここから毎年、法律の強制力で外に出てくる。
厚生年金保険法 79 条の 9 は、年金積立金の管理及び運用に関する年次の報告及び評価を定める規定である。主務大臣は毎年度、資産額、資産構成割合、運用収入額、運用状況の評価等を記載した報告書を作成して公表し、評価の結果に基づき、管理運用主体の運用が積立金基本指針に適合しないと認める場合には、当該主体の所管大臣に対して必要な措置を求めることができる。
厚生年金保険法 79 条の 9 に基づく報告書は主務大臣が公表するため、厚生労働省の公表資料として入手できます。各管理運用主体も自らの業務概況書を別途公表しています。
積立金の管理及び運用の基本的な方向を定める主務大臣の指針です。79 条の 9 の評価は、この指針に適合しているかどうかを物差しとして行われます。
年金積立金管理運用独立行政法人のほか、国家公務員共済組合連合会、地方公務員共済組合連合会、日本私立学校振興・共済事業団が含まれます。所管省庁はそれぞれ異なります。
主務大臣が報告書の中で運用状況の評価を行います。作成にあたり厚生労働大臣は財務大臣・総務大臣・文部科学大臣に事前協議することとされています(同条 2 項)。
条文上は「毎年度」とされ、記載事項や手続の詳細は主務省令に委ねられています。具体的な公表時期は各年度の公表資料でご確認ください。
できません。基本指針に適合しないと認めるときに求められるのは、当該管理運用主体の所管大臣に対して必要な措置を求めることまでです(同条 3 項)。
被用者年金の一元化以降、共済系の管理運用主体も同じ積立金基本指針の枠組みで評価対象に組み込まれています。所管大臣が異なる点が本条の協議構造の理由です。
主務大臣が所管大臣に是正のための必要な措置を求めます。その際も厚生労働大臣は措置の案を作成し、財務・総務・文部科学の各大臣に事前協議します(同条 4 項)。
本条により主務大臣が毎年度、運用状況の評価を含む報告書を作成し公表する義務を負う。評価の物差しは積立金基本指針で、不適合と認められれば主務大臣は当該運用主体の所管大臣に必要な措置を求めることができる(同条 3 項)。業界裏話ヒント:この評価は年金積立金管理運用独立行政法人だけでなく共済系の運用主体も横並びで対象になる。運用主体間の比較は報道でほとんど扱われないが、資料の中では読み取れる。
違う。報告書の案を作る段階で、厚生労働大臣はあらかじめ財務大臣、総務大臣、文部科学大臣に協議するものとされ(同条 2 項)、是正措置を求める場合も同様に事前協議が要求される(同条 4 項)。共済系の運用主体がそれぞれ別の省庁の所管だからである。業界裏話ヒント:この四大臣協議の構造を知っていると、評価文書の表現が慎重になりがちな理由が読める。誰か一人の判断で断定的な評価を出せる建て付けになっていない。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 79 条の 9:運用状況の年次報告・公表と評価、是正措置の要求 | — |
| 名宛人 | 主務大臣(公表義務者)と所管大臣(措置の相手方) | — |
| 作動のタイミング | 毎年度、事後的に評価・公表される | — |
| 国民から見た機能 | 運用実績を外から確認する窓 | — |
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。