老齢基礎年金の受給権は、受給権者が死亡したときは、消滅する。
要点国民年金法 29 条により、老齢基礎年金の受給権は受給権者の死亡で消滅し、相続できない。ただし死亡月までの未払分は未支給年金として、生計を同じくしていた遺族が自分の名で請求できる。
Q · 親が亡くなったら、年金って相続できるんですか?
相続はできないが、未支給年金なら遺族が請求できる
国民年金法 29 条により、老齢基礎年金の受給権は受給権者の死亡と同時に消滅します。遺言や遺産分割協議で承継させることはできません。ただし支給は権利が消滅した月まで及ぶため(18 条 1 項)、年金が後払いである以上、死亡時点で必ず未払分が残ります。この未払分は「未支給年金」として、生計を同じくしていた配偶者・子・父母などが自己の名で請求できます(19 条)。相続財産ではないため、相続放棄した人でも請求可能です。逆に誰も請求しなければ、5 年の消滅時効(102 条)で順次消えていきます。
老齢基礎年金は、遺産にならない。受給権者が死亡した瞬間、権利そのものが消える。相続人が何人いても、遺言があっても引き継げない。ここまでは何となく知っている人が多い。問題はその先だ。年金は後払いで、偶数月に前2か月分が振り込まれる。しかも支給は権利が消滅した日の属する月まで続く(18条1項)。だから死亡した月の分までは受け取れるのに、まだ振り込まれていない分が必ず残る。この残りが「未支給年金」で、相続とは別のルートで、生計を同じくしていた遺族が自分の名で請求する権利になる(19条)。相続財産ではないから、相続放棄した人でも受け取れる。逆に、誰も請求しなければ一円も動かないまま時効で消える。権利を消す条文だが、その消え方を知っているかどうかで、遺族の手元に残る金額が変わる。
国民年金法 29 条は、老齢基礎年金の受給権の失権事由を定める規定であり、受給権者の死亡を消滅原因とする。受給権は受給権者本人に専属する一身専属権であって相続の対象とならず、相続人が承継することはない。死亡した月までの未払分は、19 条の未支給年金として、生計を同じくしていた遺族が固有の資格で取得する請求権に転化する。
受給権者の死亡時にまだ振り込まれていない年金です。年金は後払いのため必ず残ります。国民年金法 19 条により、生計を同じくしていた遺族が自己の名で請求します。相続財産ではありません。
各支払期月ごとに 5 年で順次時効消滅します(国民年金法 102 条)。窓口では死亡日から 5 年と案内される運用もあるため、いずれにせよ死亡から 5 年以内に請求してください。
受給権者死亡の届出は原則 14 日以内です(国民年金法施行規則 24 条)。ただしマイナンバーが収録済みなら届出を省略できます。省略しても未支給年金の請求は別に必要です。
内訳次第です。偶数月の振込は前 2 か月分なので、死亡月までの分は正当な支給です。翌月以降の分が混じっていれば過誤払いとして返納対象になります。使う前に内訳を確認してください。
受給権者の死亡当時、生計を同じくしていた配偶者・子・父母・孫・祖父母・兄弟姉妹などが、国民年金法 19 条の順位に従って請求できます。同居していたかどうかではなく生計同一が要件です。
増額は一切つきません。受給権は死亡で消滅するため(29 条)、遺族が請求できるのは 65 歳時点からの本来額の未支給年金だけです。待機した期間分の増額を受け取れる人は存在しません。
年金事務所または街角の年金相談センターで「未支給年金・未支給給付請求書」を提出します。死亡の届出と同じ窓口で同時に出せば、二度手間と時効リスクを同時に減らせます。
不要になるのは死亡の届出だけです。未支給年金は遺族が自分の名で請求書を出さない限り一円も動きません。届出の省略は請求を代替しないため、放置すると時効で消えます。
もらえます。年金の支給は権利が消滅した日の属する月で終わるとされているため(18条1項)、死亡した月の分までは支給対象です。ただし後払いなので、その分は未支給年金として残ります。業界裏話ヒント:死亡日が振込日の直前か直後かで、手続きの向きが正反対になります。直前なら未支給年金の請求、直後なら過誤払いの返納。同じ「年金が振り込まれた」でも、やることが逆になる
受け取れます。未支給年金は相続財産ではなく、遺族が自己の名で取得する固有の権利だと最高裁が判断しています(最判平成7.11.7、国民年金法19条)。相続放棄の申述とは別ルートです。業界裏話ヒント:借金が多くて相続放棄する家庭ほど、この請求権まで自分から手放してしまう。実務上、未支給年金の受領は相続財産の処分にはあたらないと扱われている。放棄の申述前に、この点だけは弁護士に確認しておく価値がある
できる余地があります。19条の要件は同居ではなく「生計を同じくしていた」ことなので、仕送り、健康保険の扶養、定期的な連絡といった事情で認定される例があります。業界裏話ヒント:年金事務所には「生計同一関係に関する申立書」があり、民生委員や近隣住民が記入する第三者証明欄が付いている。別居を理由に窓口で諦める人が多いが、この様式を求めるかどうかで結論が変わる
相続税はかかりません。相続財産ではないためです。受け取った遺族の一時所得として所得税の対象になりますが、50万円の特別控除があるため実際に課税される例は多くありません(最新の改正状況をご確認ください)。業界裏話ヒント:相続税の申告書に未支給年金を財産として書き込んでしまう誤りが実務で頻発している。書けば当然、払わなくてよい税額が増える
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 条文が担う役割 | 29 条:受給権そのものを死亡で消滅させる(蛇口を閉める) | — |
| 相続との関係 | 一身専属権のため相続の対象外。遺言・遺産分割協議の対象にならない | — |
| 遺族が動かないとどうなるか | 何もしなくても死亡と同時に自動的に権利が消える | — |
| 確認すべき期限 | 期限なし(死亡と同時に効果発生) | — |
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