国税徴収法 第119条(動産等の引渡し)
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- 税務署長は、換価した動産、有価証券又は自動車、建設機械若しくは小型船舶(徴収職員が占有したものに限る。)の買受人が買受代金を納付したときは、その財産を買受人に引き渡さなければならない。
- 2.税務署長は、前項の場合において、その財産を滞納者又は第三者に保管させているときは、売却決定通知書を買受人に交付する方法によりその財産の引渡をすることができる。この場合において、その引渡をした税務署長は、その旨を滞納者又は第三者に通知しなければならない。
この条文の基本情報
動産等の引渡しとは何ですか?
定義動産等の引渡しとは、国税徴収法第119条に定められた規定で、「税務署長は、換価した動産、有価証券又は自動車、建設機械若しくは小型船舶(徴収職員が占有したものに限る。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国税徴収法第119条(動産等の引渡し)は、日本の国税徴収法に含まれる条文です。
- 国税徴収法第119条の条文原文は「税務署長は、換価した動産、有価証券又は自動車、建設機械若しくは小型船舶(徴収職員が占有したものに限る。」で始まります。
- 国税徴収法第119条は第五款に置かれています。
- 国税徴収法の公布日は昭和34年4月20日です。
- 国税徴収法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 国税徴収法第119条の前の条は国税徴収法第118条です。
- 国税徴収法第119条の次の条は国税徴収法第120条です。
- 国税徴収法第119条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)第119条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000147 - 本サイト収録
国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)第119条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000147/119
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国税徴収法119条は、公売財産の買受代金が納付されたとき税務署長に引渡義務を課す。ただし滞納者等が保管する財産は、売却決定通知書の交付で引渡しが完了したものとされる。
Q · 公売で落札して代金を払ったら、現物はちゃんと届くんですか?
紙一枚の交付で引渡し完了となる場合があります
国税徴収法119条1項では、徴収職員が占有している動産・有価証券・自動車・建設機械・小型船舶について、買受代金の納付があれば税務署長に現実の引渡義務が生じます。しかし2項では、その財産を滞納者や第三者に保管させている場合、売却決定通知書を買受人に交付する方法で引渡しをすることが認められています。この場合、法律上の引渡しは通知書の交付で完了し、現物は保管者の手元に残ったままです。税務署長は保管者へ通知する義務を負いますが、現物の回収は買受人自身が行うことになります。
解説
官公庁オークションで相場より安い中古車や重機を見つけたことがあるなら、この条文はすでにあなたの財布に効いている。買受代金を納付した瞬間、税務署長にはその財産をあなたへ引き渡す義務が生じる(1項)。落とし穴は2項だ。差し押さえた動産を滞納者本人や第三者に預けたままにしている場合(同法60条の保管)、税務署長は売却決定通知書という紙をあなたに交付するだけで、法律上の引渡しは完了した扱いになる。現物はまだ相手の車庫や倉庫の中にある。相手が渡さないと言い出したとき、鍵を回収しに行くのは税務署ではなくあなた自身であり、必要なら民事の引渡請求訴訟を自分で起こすことになる。所有権はすでにあなたにある(116条)、しかし占有はまだ相手にある。この二つのズレが公売で最も踏まれやすい地雷である。
法的な位置づけ
国税徴収法第119条は、滞納処分による換価財産の引渡しについて定める規定である。第1項は、徴収職員が占有する動産・有価証券・自動車・建設機械・小型船舶につき、買受代金の納付を条件として税務署長に現実の引渡義務を課す。第2項は、滞納者または第三者に保管させている財産について、売却決定通知書の交付をもって引渡しに代えることを認め、保管者への通知を義務づける。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.入札前に占有主体を確認する 公売担当窓口へ「この財産は徴収職員が占有しているか、滞納者または第三者に保管させているか」を照会する。1項物件か2項物件かで、落札後にかかる引取コストと交渉リスクが根本的に変わるため、上限額の計算はこの回答を得てから行う
- 2.買受代金を期限内に納付する 売却決定で指定された期限までに買受代金を納付する。納付により所有権が移転し(116条)、同時に119条の引渡義務が発生する。期限を過ぎれば売却決定は取り消され、公売保証金も戻らない
- 3.引渡しの形式を確認し、通知の発出記録を押さえる 1項型なら受取日時と場所を確認して現物を受領する。2項型なら売却決定通知書の交付日と、税務署長が滞納者または第三者へ発した2項後段の通知の発出日を確認し、記録として残す。この記録が後の交渉と訴訟で相手の占有に根拠がないことを示す材料になる
- 4.保管者へ書面で引渡日時を指定する 2項型では現地へ単独で行かず、内容証明郵便で引渡しの日時・場所・方法を指定する。文中に売却決定通知書の交付日と2項後段の通知の発出日を明記すると、任意の引渡しに応じる例が多い
- 5.現地で引取り、現状を記録する 引取り当日は単独行動を避け、車両・機械の外観と稼働状態を写真と動画で記録する。拒否された場合はその事実も記録に残す。転売や隠匿のおそれがある相手なら、この段階で占有移転禁止の仮処分を検討する
- 6.任意引渡しに応じなければ民事手続へ移行する 所有権に基づく動産引渡請求訴訟を提起する。所有権は代金納付時に取得済みのため、請求原因は明快である。ただし第三者へ転売され即時取得(民法192条)が認められると回収は不能になるため、着手は早いほどよい
よくある質問 AI による整理
Q1売却決定通知書とは何ですか?
公売で誰にいくらで売るかを決めた処分を買受人に知らせる書面です。国税徴収法119条2項では、この交付自体が財産の引渡しとして扱われます。
Q2公売で落札した財産はいつ引き渡してもらえますか?
買受代金を納付した後です。徴収職員が占有している財産なら現物をその場で受け取れますが、滞納者等が保管している財産は通知書の交付で引渡し済みとされます。
Q3官公庁オークションの引渡方法の欄はどう読めばいいですか?
「徴収職員が保管」なら119条1項の現物引渡し、「滞納者保管」「現地渡し」なら2項の通知書交付型です。後者は引取交渉と運搬費が自己負担になります。
Q4公売で落札した車の名義変更は誰がしますか?
自動車や建設機械など登録制度のある財産は、税務署長が権利移転の登記・登録を嘱託します(121条)。ただし動くのは名義だけで、車体の引取りは含まれません。
Q5公売の買受代金を納付しないとどうなりますか?
指定された納付期限までに納めないと売却決定が取り消され、公売保証金も返還されません。119条の引渡義務はそもそも発生しません。
Q6差し押さえられた動産を保管している側は何をすべきですか?
自分宛に119条2項後段の通知が届いているか確認します。届いていれば占有を続ける法的根拠はなく、引渡しの日時と方法を書面で詰めるのが安全です。
Q7公売財産の引取費用は誰が負担しますか?
買受人負担が原則です。特に滞納者保管の物件は運搬・レッカー・保管料に加え、交渉が決裂した場合の訴訟費用まで買受人側に乗ります。
Q8公売で買った物が壊れていたら返品できますか?
公売は現況有姿が原則で、代金納付後の売却決定取消しは制限されています(118条)。入札前の下見と出品情報の確認が唯一の防衛線です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1公売で車を落札したのに、持ち主が渡してくれません。税務署は動いてくれますか?
売却決定通知書の交付を受けているなら、税務署の引渡義務は履行済みです(119条2項)。ここから先は所有権に基づく引渡請求として、あなた自身が民事手続で回収します。実務のポイント:税務署は2項後段で滞納者へ通知する義務を負うので、その通知の発出記録を確認すると、相手の占有に根拠がないことを書面で示せる。内容証明にこの一点を書くだけで任意引渡しに転じる例は多い
Q2代金を払った時点で、その車はもう自分の物なんですか?
所有権は買受代金の納付時に移ります(116条)。119条が定めるのは占有の移転で、所有権の移転とは別問題です。だから所有者なのに現物がない状態が生じます。実務のポイント:自動車や建設機械のような登録制度のある財産は、税務署が権利移転の登記登録を嘱託します(121条)。ただし動くのは名義だけで、車体の引取りは含まれない。名義は自分、車は相手の車庫、という事態はここから生まれる
間違えやすい点 AI による整理
- 「代金を払ったのに引き渡してもらえない、税務署は何をしているのか」という問いの立て方自体がずれている。119条2項の交付方式では、税務署の引渡義務は通知書を渡した時点で法的に履行済みだ。あなたが立てるべき問いは「占有している相手に対して、自分がどの手段をいつ使うか」である
- 保管しているのが滞納者本人だと知っている人は多いが、その滞納者が現物を第三者へ転売・隠匿した場合の深刻さまでは想像していない。あなたは所有者として追及できるものの、事情を知らない買主が即時取得(民法192条)を主張して認められれば、回収の可能性そのものが消える
- あなたから見れば「代金を払った以上、現物が手元に届くまでが一つの取引」だ。だが法律から見れば、通知書の交付をもって国側の取引は完結している。この落差を知らずに強気で入札すると、引取費用と訴訟費用を上乗せした実質価格で買ったことになる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する対象 | 119条:換価財産の占有(引渡し)の移転 | 116条:買受代金納付時の所有権の取得 60条:差押動産を滞納者等に保管させること |
| 効果が生じる時点 | 現物交付時(1項)または売却決定通知書の交付時(2項) | 買受代金を納付した時 差押え後、税務署長が保管を命じた時 |
| 買受人にとっての意味 | 現物を実際に手にできるか、紙一枚で終わるかの分岐点 | 名義や登記上は所有者になるが現物の所在は別問題 この条文が使われた財産は2項型になる可能性が高い |
| リスクの所在 | 2項型では回収コストと訴訟リスクが買受人に転嫁される | 所有権はあるのに占有がない状態が生じる 保管者が転売・隠匿すれば即時取得により回収不能もあり得る |
他国ではどう定めているか 5 か国
台湾では公法上の金銭給付義務の執行に強制執行法を準用し、動産拍売物は価金の支払と引換えに交付される。日本の119条2項のような通知書交付型の観念的引渡しを正面から定める規定は目立たず、執行機関側の現実交付が基調
매수대금 納付により買受人が財産を取得する構造は日本と同型。差押財産を滞納者に保管させる運用も存在し、現物回収の実務課題は日本と共通する
税務機関が差押財産を拍売して税額に充当する構造。民法典224条が動産物権変動を引渡し時とするため、公売買受人の権利取得時期と引渡しの関係が日本の116条・119条の分業に近い
ドイツでは租税債権の強制執行も AO が自足的に規律し、差押物の公売と買受人への引渡しを定める。執行官が占有を確保したうえで換価する運用が基調で、保管型の観念的引渡しの位置づけは日本と異なる
IRS が差押財産を売却した場合、§ 6339の certificate of sale が動産の権利移転を証する。証書の交付が権利移転の中核である点で119条2項と発想が近いが、現物の回収を誰が担うかの設計は連邦・州の執行実務に委ねられる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 落札した軽トラックの引取予定日まであと3日、現地に着いたら滞納者が門を開けてくれなかったとしたら? 売却決定通知書の交付で引渡しは済んだ扱いになるため、税務署に取り返してくれとは言えない。代金は戻らず、現物は相手の敷地の中にある。この3日でやるべきは、2項後段の通知が滞納者に発せられた記録を税務署に確認し、内容証明で引渡日時を書面指定することだ
- 差押えを受けた側に立つ場面もある。税務署から「この機械はそのまま使っていてよい」と言われて保管を続けていたところ、ある日見知らぬ人が売却決定通知書を持って現れ、明日運び出すと告げる。ここで拒めば、あなたの占有は他人の所有物に対する無権原の占有に変わる。まず自分宛に2項後段の通知が届いているかを確認し、届いていれば引渡しの日時と方法を書面で詰める
- 腕時計をネット公売で落札し、代金を納付した。徴収職員が現に保管していた動産だったため、指定された税務署の窓口で現物をその場で受け取れた。1項の世界と2項の世界では、同じ落札でも受け取り方がまるで違う
取るべき行動
被害を受けた側:1. 代金納付の前に、その財産が徴収職員の占有下か滞納者等の保管かを税務署へ確認する2. 2項物件なら、売却決定通知書と併せて滞納者への通知の発出日を確認する3. 現地へは単独で行かず、日時を書面で予告し、拒否された事実を録音と写真で残す4. 任意に応じなければ所有権に基づく動産引渡請求へ。転売や隠匿が怖い相手なら、占有移転禁止の仮処分を先に打つ
訴えられた側:1. 税務署からの2項後段の通知が自分に届いているか確認する。届いていれば、占有を続ける法的根拠はもうない2. 売却決定そのものに不服があるなら、滞納処分に対する不服申立ての期限を先に確認する3. 差押禁止財産(同法75条)が混ざっていないか点検する4. 引き渡す際は財産の同一性と現状を写真で記録し、後の損傷トラブルを断つ
時効(請求できる期限):119条自体に固有の期間はない。買受代金の納付期限は売却決定に際して指定される期限(同法115条)で、遅れれば売却決定は取り消され、保証金も返らない。買受人の引渡請求は所有権に基づく物権的請求権なので消滅時効にかからないが、滞納処分そのものへの不服申立ては処分を知った日の翌日から3か月以内が原則(国税通則法77条、最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:119条2項の引渡しは観念的引渡しであり、売却決定通知書の交付により国の引渡義務は履行されたものと解される。後段の保管者への通知は、保管者の占有権原を法的に断ち切り、買受人が所有権に基づく引渡請求を行う前提を整える機能を持つ
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和34年(1959年) 新設:国税徴収法の全部改正(昭和34年法律第147号)により現行体系が成立。換価手続の一環として、換価財産の引渡しと、保管財産についての売却決定通知書交付による引渡しが規定された
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