税務署長は、換価財産で権利の移転につき登記を要するものについては、不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)その他の法令に別段の定めがある場合を除き、その買受代金を納付した買受人の請求により、その権利の移転の登記を関係機関に嘱託しなければならない。
要点国税徴収法 121 条は、換価財産の権利移転登記について、買受代金を納付した買受人の請求により、税務署長が関係機関に登記を嘱託しなければならないと定める。
Q · 公売で不動産を落札して代金も払ったのに、登記簿の名義がまだ滞納者のままなのはなぜ?
請求しない限り登記は動かない。名義は滞納者のまま
国税徴収法 121 条は、税務署長が権利移転の登記を関係機関に嘱託しなければならないと定めますが、その起点は「買受代金を納付した買受人の請求」です。請求がなければ職権で先回りして登記されることは原則としてありません。所有権は代金納付時にすでに移転していますが(同法 116 条)、登記を備えるまでは民法 177 条の対抗要件を欠き、第三者の差押登記に割り込まれるリスクが残ります。
公売で不動産を落札し、買受代金を納付した瞬間、その不動産はもうあなたの所有物になっている(国税徴収法116条)。ところが登記簿の所有者欄は、滞納者の名前のままだ。通常の売買なら売主と買主が共同で登記を申請する(不動産登記法60条)が、公売の前所有者は印鑑証明も権利証も出してくれない。そこで121条は、税務署長が法務局へ登記を嘱託しなければならないと定めた。ただし条文を精読してほしい。「買受代金を納付した買受人の請求により」と書いてある。あなたが請求しない限り、税務署は動かない。そして登記が入るまでの期間は、民法177条の対抗要件を欠いた無防備な期間である。所有者であることと、所有者だと第三者に言い切れることは、法律上まったく別の話だ。
国税徴収法 121 条は、公売等の換価により権利が移転した財産のうち登記を要するものについて、税務署長が買受人の請求に基づき権利移転の登記を関係機関に嘱託すべき義務を定める規定である。不動産登記法 60 条の共同申請主義の例外として、滞納者の関与なく登記名義を移転させる手続的根拠となる。
AI 輔助整理,以條文原文為準
自動では入りません。買受代金を納付した買受人が嘱託を請求して初めて手続が起動します(国税徴収法 121 条)。請求と登録免許税相当額の準備が揃った後、税務署長が関係機関へ嘱託します。
実務上は買受人が負担し、嘱託請求の際に登録免許税相当額を用意します。買受代金とは別枠の出費になるため、入札価格を決める段階で現金を確保しておく必要があります。
同じ窓口で権利移転登記の嘱託を請求します。その後、登記事項証明書で自分の名義と、消滅する権利の抹消(同法 122 条)を照合し、占有者の有無を確認する流れになります。
明渡しは登記とは別問題です。差押登記より先に対抗要件を備えた賃借権は消えず買受人が引き受けます。占有者との交渉や別途の法的手続が必要になります。
請求自体に法定の期限はありません。ただし登記を備えるまで民法 177 条の対抗要件を欠くため、実務上の期限は「代金納付と同日」と考えるのが安全です。
公売を実施した税務署(徴収担当部門)です。登記を実際に行うのは法務局ですが、買受人が法務局へ単独申請するのではなく、税務署長が嘱託する構造になっています。
所有権は代金納付時に移転していますが、登記を欠く間は民法 177 条により第三者に対抗できません。名義書換までの期間が長いほど、この隙間のリスクが高まります。
落札前、代金納付直後、嘱託請求後の三回が目安です。特に請求後は、自分の名義が入ったか、消滅すべき権利の登記が抹消されたかを自分の目で照合してください。
条文は「買受代金を納付した買受人の請求により」と書いており、起点は請求です(国税徴収法121条)。所有権自体は代金納付時に移っている(同116条)ので所有者ではありますが、登記がなければ第三者に対抗できません(民法177条)。業界裏話ヒント:嘱託には登録免許税相当額を買受人が用意する必要があり、これを持たずに請求書だけ出しても登記は前に進まない。代金の振込額とは別枠で現金を確保しておく
換価により消滅する権利の登記は税務署長が抹消を嘱託するため(国税徴収法122条)、抵当権などの担保権は原則として消えます。しかし差押えに対抗できる賃借権や地上権は消えず、買受人が引き受けます。業界裏話ヒント:公売財産情報の「引受けとなる権利」「特記事項」欄が実質的な価格決定要因。ここを読まずに近隣相場から逆算して入札する人が、最も高く買わされている
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規律する場面 | 121 条:換価財産の権利移転登記の嘱託 | — |
| 手続の起点 | 買受代金を納付した買受人の請求 | — |
| 買受人が動かないとどうなるか | 登記は原則として動かず、名義は滞納者のまま残る | — |
| 民法 177 条との関係 | 対抗要件を備えるための最後の一区間 | — |
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