国税徴収法 第139条(相続等があつた場合の滞納処分の効力)
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- 滞納者の財産について滞納処分を執行した後、滞納者が死亡し、又は滞納者である法人が合併により消滅したときは、その財産につき滞納処分を続行することができる。
- 2.滞納者の死亡後その国税につき滞納者の名義の財産に対してした差押えは、当該国税につきその財産を有する相続人に対してされたものとみなす。ただし、徴収職員がその死亡を知つていたときは、この限りでない。
- 3.信託の受託者の任務が終了した場合において、新たな受託者が就任するに至るまでの間に信託財産に属する財産について滞納処分を執行した後、新たな受託者が就任したときは、その財産につき滞納処分を続行することができる。
- 4.信託の受託者である法人の信託財産に属する財産について滞納処分を執行した後、当該受託者である法人としての権利義務を承継する分割が行われたときは、その財産につき滞納処分を続行することができる。
この条文の基本情報
相続等があつた場合の滞納処分の効力とは何ですか?
定義相続等があつた場合の滞納処分の効力とは、国税徴収法第139条に定められた規定で、「滞納者の財産について滞納処分を執行した後、滞納者が死亡し、又は滞納者である法人が合併により消滅したときは、その財産につき滞納処分を続行することができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国税徴収法第139条(相続等があつた場合の滞納処分の効力)は、日本の国税徴収法に含まれる条文です。
- 国税徴収法第139条の条文原文は「滞納者の財産について滞納処分を執行した後、滞納者が死亡し、又は滞納者である法人が合併により消滅したときは、その財産につき滞納処分を続行することができる。」で始まります。
- 国税徴収法第139条は第一款に置かれています。
- 国税徴収法の公布日は昭和34年4月20日です。
- 国税徴収法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 国税徴収法第139条の前の条は国税徴収法第138条です。
- 国税徴収法第139条の次の条は国税徴収法第140条です。
- 国税徴収法第139条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)第139条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000147 - 本サイト収録
国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)第139条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000147/139
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国税徴収法139条は、滞納処分の執行後に滞納者が死亡しても、その財産につき滞納処分を続行できると定める。死亡後の差押えは相続人への処分とみなされるが、職員が死亡を知っていた場合は除く。
Q · 親が亡くなったら、生前に差し押さえられた家や預金の差押えは解除されますか?
解除されません。ただし税務署が死亡を知っていた差押えは争えます
国税徴収法139条1項により、滞納処分の執行後に滞納者が死亡しても、その財産についての滞納処分は続行されます。相続開始は差押えを失効させません。さらに2項は、死亡後に故人名義のままされた差押えを、その財産を有する相続人に対してされたものとみなします。ただし徴収職員がその死亡を知っていたときはこのみなしが働かず、承継人はその差押えの効力を争う入口を得ます。3項・4項は信託の受託者が交代した場合と受託者法人が分割した場合にも同じ続行を認めています。
解説
差押えは、人が死んでもリセットされない。親が国税を滞納したまま亡くなり、生前に自宅や預金が差し押さえられていたなら、その差押えは相続開始で消えるどころか、そのまま続行される(1項)。相続人が事情を飲み込む前に、換価と配当だけが先へ進むこともある。だが本条には、実務家が真っ先に確認するもう一つの仕掛けがある。2項だ。死亡後に、亡くなった人の名義のまま打たれた差押えは、「その財産を有する相続人に対してされたもの」とみなされる。つまり原則は有効。ただし、徴収職員がその死亡を知っていたときは、このみなしは働かない。死亡届を出した、相続人代表者指定届を出した、窓口で伝えた。その事実が記録に残っているかどうかで、まったく同じ差押えが有効にも無効にもなる。3項・4項は受託者が交代した場合と受託者法人が分割した場合に同じ理屈を及ぼすもので、家族信託を組んでいる人には直撃する。
法的な位置づけ
国税徴収法139条は、滞納処分の続行および承継人に対するみなしを定める規定である。滞納処分の執行後に滞納者が死亡し、又は法人が合併により消滅した場合でも、当該財産についての滞納処分は続行される。死亡後に滞納者名義でされた差押えは相続人に対する処分とみなされるが、徴収職員が死亡を知っていた場合はこの限りでない。信託の受託者が交代した場合にも同様の続行が認められる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.差押調書・差押通知書の名義と日付を確認する 届いた書面の名義が被相続人のままか、差押えの年月日が死亡日の前か後かを確認する。死亡後かつ故人名義なら139条2項の適用場面であり、ただし書で争う可能性が開く
- 2.税務署が死亡を知った時期の証拠を集める 死亡届の受理記録、相続人代表者指定届出書の控え、税務署への来庁・電話の記録、社会保険の資格喪失手続の日付を時系列に並べる。差押日より前の接触記録が2項ただし書の立証の中心になる
- 3.熟慮期間内に相続放棄・限定承認を判断し、財産に触らない 自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に家庭裁判所で申述する(民法915条1項)。判断が付かなければ期間伸長の申立てを打つ。この間、預金の払戻し・賃料の受領・家財の処分は単純承認とみなされる危険があるため一切行わない
- 4.処分を知った日の翌日から3か月以内に不服申立てをする 2項ただし書で争うなら、再調査の請求または国税不服審判所への審査請求を期限内に提出する(国税通則法77条)。審査請求では原処分庁に答弁書が求められ、徴収側の内部経緯が表に出る
- 5.並行して換価の猶予を申請し、公売の進行を止める 争っている間も換価手続は進む。国税徴収法151条の2の申請による換価の猶予を出し、分割納付計画と財産収支状況を示して公売までの時間を確保する
よくある質問 AI による整理
Q1滞納処分の続行とは何ですか?
既に始めた差押え・換価・配当の手続を、滞納者の死亡や法人の合併消滅があってもやり直さずに進めることです。国税徴収法139条1項が根拠です。
Q2国税徴収法139条は何を定めていますか?
1項が死亡・合併消滅後の滞納処分の続行、2項が死亡後にした差押えの相続人へのみなしとその例外、3項・4項が信託の受託者交代・法人分割の場合の続行です。
Q3親の滞納税金は相続人にいくらまで承継されますか?
国税通則法5条により納付義務を承継し、相続人が複数なら相続分に応じて按分されます。相続により得た財産の価額が責任の限度になります。
Q4限定承認と相続放棄はどちらを選ぶべきですか?
資産と滞納額の大小が不明なら限定承認、明らかに債務超過なら放棄が基本です。限定承認は相続人全員で申述する必要があり、手続負担は重くなります。
Q5差押えに不服があるときの申立て期限はいつまでですか?
処分があったことを知った日の翌日から3か月以内に再調査の請求または審査請求です(国税通則法77条)。正当な理由がある場合を除き処分から1年で締め切られます。
Q6換価の猶予はどう申請しますか?
国税徴収法151条の2の申請による換価の猶予を、納期限から6か月以内に所轄税務署へ申請します。財産収支状況書や担保の提供を求められます。
Q7会社が合併で消滅したら差押えはどうなりますか?
消えません。139条1項により消滅会社の財産への滞納処分は続行され、納付義務も国税通則法6条で存続会社に承継されます。
Q8相続人代表者指定届出書とは何ですか?
被相続人の国税について、相続人の代表者を税務署に届け出る書面です。提出日が記録に残るため、139条2項ただし書を争う際の日付証拠にもなります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1親が滞納してた税金、相続放棄すれば差し押さえられた家も戻ってきますか?
戻りません。放棄すればあなたは納付義務を承継しませんが(国税通則法5条)、被相続人の財産に既に付いている差押えはそのまま残り、換価・配当は進みます。免れるのは債務であって、財産を取り戻せるわけではない。実務のポイント:相続人全員が放棄しても、次の管理者が決まるまでの財産の保存義務が残る場合がある(民法940条)。空き家の管理責任だけが手元に残る事態を避けるため、相続財産清算人の選任まで見据えて動くのが実務
Q2税務署が父の死を知っていたかどうかなんて、どうやって証明するんですか?
決め手は書類の日付です。相続人代表者指定届出書、死亡届の受理記録、税務署への来庁・連絡の記録。これらが差押えの日より前にあれば、2項ただし書で争う土台になります。実務のポイント:審査請求をすると、国税不服審判所は原処分庁に答弁書の提出を求めます(国税通則法93条)。徴収側の内部の経緯が表に出るのはこの段階で、争わない限り記録は動かない。放置と申立ては、見える情報量からして別世界
Q3遺産分割がまだ終わってないのに、勝手に差し押さえられることってあるんですか?
あります。相続財産は分割まで法定相続分に応じた共有とされ(民法898条、899条)、承継した国税も各相続人が相続分に応じて負います(国税通則法5条2項)。分割協議の成立を待つ義務は徴収側にありません。実務のポイント:不動産の共有持分だけが公売されると、見知らぬ第三者が共有者として登場する。協議が長引きそうなら、先に換価の猶予(国税徴収法151条の2)を申請して時間を買うのが定石
Q4家族信託にしておけば、受託者が死んでも税務署の手続はやり直しになりますよね?
なりません。3項は、受託者の任務終了から新受託者就任までの空白期間に信託財産へ執行された滞納処分を、新受託者就任後も続行できると定めています。4項は受託者法人が分割した場合も同じ扱いです。実務のポイント:家族信託の提案書に滞納処分のリスクが書かれていることはまずない。信託は倒産隔離が語られるが、信託財産責任負担債務に係る国税に対しては遮断にならない場面がある。組成前に滞納の有無を確認するのが正しい順番
間違えやすい点 AI による整理
- 「滞納したのは親であって自分ではない」と考えがちだが、相続人は国税の納付義務そのものを承継する(国税通則法5条)。承継額は相続分に応じて按分され、相続で得た財産の価額が限度になるが、その限度内では自分固有の債務として督促も差押えも受ける
- 相続放棄という手段の存在は知っていても、その期限の短さと起算点の厳しさを甘く見ている人が多い。熟慮期間は自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月(民法915条1項)。滞納の事実を後から知っても、原則として時計は戻らない。分かれ目は、期限内に家庭裁判所へ期間伸長の申立てを打てたかどうかである
- あなたから見れば「遺産分割協議もまだで、誰のものか決まっていない財産」でも、徴収する側から見れば法定相続分に応じて当然に共有された、すでに差押可能な財産である(民法898条、899条)。この見え方の落差のせいで、身内で話し合っている間に手続だけが先へ進む
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の機能 | 139条:既にした滞納処分を、死亡・合併消滅・受託者交代の後も続行させる | 47条:督促後10日経過等の要件を満たしたときに差押えを開始させる 151条の2:申請により換価を猶予し、公売の進行を止める |
| 働く場面 | 承継が起きた後(相続開始・合併・受託者の任務終了) | 滞納が発生し、督促が空振りした段階 差押済みで公売に向かっている段階 |
| 承継人ができること | 2項ただし書で差押えの効力を争う、放棄・限定承認で承継自体を回避する | 差押えの要件不備(督促の欠缺等)を不服申立てで主張する 分割納付計画を示して猶予を申請し、時間を確保する |
| 時間の性質 | 放置すると換価・配当が自動的に進む(相続人の関与を待たない) | 督促から差押えまでは日単位で進む 申請には納期限から6か月以内という期限がある |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は義務者が死亡して遺産がある場合、執行機関が遺産に対して直接強制執行できると明文化する。日本139条1項と同じく手続の連続性を優先するが、死亡を知っていた場合のみなし排除に相当する明文の例外は置かれていない
韓国も相続人が取得した財産を限度に納税義務を承継させる構造を採り、承継後の滞納処分の続行が前提とされる。日本の国税通則法5条+国税徴収法139条の役割を主に基本法側で受け持つ
ドイツは包括承継により納税義務が相続人に移転すると規定し、既にされた執行行為の効力も承継人に及ぶという理解が基礎にある。承継人への告知の要否は別の手続規定で処理される
米国では連邦租税リーエンが納税義務の成立時に財産全体に及び、納付または時効まで存続する。納税者の死亡はリーエンを消滅させず、承継人・譲受人の責任は § 6901の手続で追及される
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 父の四十九日を終えた頃、自宅に「差押調書」が届いたとしたら? 名義はまだ父のまま。あなたは相続放棄を検討していて、熟慮期間の残りは一か月あまり。ここで放棄すれば、あなたは初めから相続人でなかったものとみなされ(民法939条)、2項のみなし規定はあなたに及ばない。逆に、放棄前に預金を引き出したり家財を処分すれば単純承認とみなされ(民法921条)、差押えは丸ごとあなたの側に承継される
- 母が亡くなる三か月前、税務署は母名義の預金を差し押さえていた。母の死後も、その差押えが自動的に解除されることはない。相続人が何もしなければ、換価と配当は粛々と進む。
- あなたが経理担当として合併スケジュールを組んでいる。消滅会社に滞納国税と差押財産がある。法人が消滅すれば差押えも消えると考えていたなら、その前提は1項で崩れる。差押えは存続し、納付義務も国税通則法6条で存続会社へ承継される。デューデリジェンスで滞納処分の有無を落とすと、買収価額の前提そのものが壊れる
- 家族信託で実家を長男に託していたところ、その長男が急死した。新受託者が決まるまでの空白期間に、信託財産へ滞納処分が入る。3項により、新受託者が就任した後もその滞納処分は続行される。受託者の交代は、滞納処分のリセットボタンではない
- 役所で死亡届を出し、税務署にも相続人代表者指定届を提出した。その二か月後、故人名義のままの差押通知が届く。徴収職員が死亡を知っていたと言えるなら、2項ただし書によりみなしは働かず、その差押えは相続人に対する処分としての効力を持たない。争う入口は、まさにここにある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 差押調書・差押通知書の名義と日付を確認。被相続人名義のままなら、税務署が死亡を知った時期を洗い出す(死亡届、相続人代表者指定届出書、来庁記録、社会保険の資格喪失手続)2. 熟慮期間内なら相続放棄・限定承認を家庭裁判所で検討し、その間は財産に一切手を付けない3. 2項ただし書で争うなら、処分があったことを知った日の翌日から3か月以内に再調査の請求または審査請求(国税通則法77条)4. 並行して換価の猶予(国税徴収法151条の2)を申請し、公売の進行に時間の楔を打つ
訴えられた側:1. 合併・会社分割・受託者交代を設計する段階で、対象財産の登記簿の差押登記と滞納の有無をデューデリジェンスで確認する2. 差押えは1項・4項で存続するため、承継後の資金繰りに換価リスクを織り込む3. 新受託者は就任と同時に前受託者側から滞納処分の状況を引き継ぎ、必要なら換価の猶予を申請4. 承継した国税の額(国税通則法5条2項の相続分按分、相続により得た財産の価額の限度)を自分で計算し、過大な請求には不服申立てで争う
時効(請求できる期限):相続の承認・放棄は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月(民法915条1項、家庭裁判所への伸長申立て可)。差押処分への不服申立ては、処分があったことを知った日の翌日から3か月以内、かつ正当な理由がある場合を除き処分の日の翌日から1年以内(国税通則法77条)。国税の徴収権の消滅時効は法定納期限の翌日から5年(国税通則法72条)だが、差押えにより時効の完成猶予・更新が生じる(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 要人的検証 3項・4項の信託関係規定は、信託法の全面改正(平成18年)に伴う関係法律の整備により追加されたものと解されるが、追加年次と新設か改正かの区別について確証がないため、人的検証を要する
改正の年表
- 1.昭和34年(1959年) 新設:国税徴収法の全部改正(昭和34年法律第147号)により現行法が成立し、滞納処分の続行に関する規定が置かれた。3項・4項の信託関係規定の追加年次は人的検証を要する
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