国税徴収法 第138条(滞納処分費の納入の告知)
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国税が完納された場合において、滞納処分費につき滞納者の財産を差し押えようとするときは、税務署長は、政令で定めるところにより、滞納者に対し、納入の告知をしなければならない。
この条文の基本情報
滞納処分費の納入の告知とは何ですか?
定義滞納処分費の納入の告知とは、国税徴収法第138条に定められた規定で、「国税が完納された場合において、滞納処分費につき滞納者の財産を差し押えようとするときは、税務署長は、政令で定めるところにより、滞納者に対し、納入の告知をしなければ…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国税徴収法第138条(滞納処分費の納入の告知)は、日本の国税徴収法に含まれる条文です。
- 国税徴収法第138条の条文原文は「国税が完納された場合において、滞納処分費につき滞納者の財産を差し押えようとするときは、税務署長は、政令で定めるところにより、滞納者に対し、納入の告知をしなければ…」で始まります。
- 国税徴収法第138条は第五節に置かれています。
- 国税徴収法の公布日は昭和34年4月20日です。
- 国税徴収法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 国税徴収法第138条の前の条は国税徴収法第137条です。
- 国税徴収法第138条の次の条は国税徴収法第139条です。
- 国税徴収法第138条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)第138条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000147 - 本サイト収録
国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)第138条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000147/138
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国税徴収法138条は、国税の完納後に滞納処分費のため財産を差し押えようとするときは、税務署長が滞納者に納入の告知をしなければならないと定める。
Q · 税金を全部払い終わったのに、また差し押さえられることってあるんですか?
滞納処分費が残っていればある。ただし先に告知が必要
あります。差押えや保管、運搬、公売にかかった実費は「滞納処分費」として国税本体とは別勘定で残るためです(国税徴収法136条)。ただし国税徴収法138条により、完納後に滞納処分費だけを理由に財産を差し押えようとするときは、税務署長は政令の定めに従い、滞納者に対して納入の告知をしなければなりません。この告知は行政処分であり、不服申立ての起算点になります。告知を欠いた差押えは手続的瑕疵を抱えることになります。
解説
完納の領収印をもらった時点で、税務署との関係は終わったと考えるのが普通だ。ところが国税徴収法には、税金本体とは別立ての「滞納処分費」という勘定がある。差押え、財産の保管、運搬、公売にかかった実費であり、レッカー代や保管料もここに入る。本体を完納しても、この費用は独立した請求権として残り、それだけを回収するために税務署はもう一度あなたの財産を差し押さえることができる。138条が置いているのは、その手前の一枚の紙だ。完納後に滞納処分費のために差し押さえようとするなら、税務署長は政令の定めに従い、滞納者に納入の告知をしなければならない。この告知は行政処分(役所があなたに直接下す具体的な決定)であり、内容に納得できなければ不服申立てができる。裏を返せば、告知を欠いた差押えは手続的な瑕疵を抱える。あなたが最初に確認すべきは金額の妥当性ではなく、この紙が来たかどうかである。
法的な位置づけ
国税徴収法138条は、国税の完納後に滞納処分費を徴収するための差押えについて、納入の告知を前置することを定める手続規定である。滞納処分費は国税本体とは別個の請求権として存続するため、その徴収に際して滞納者に金額と根拠を了知させ、不服申立ての機会を確保する趣旨を有する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.封筒を開けたらまず「告知」の二文字と発行日を確認 金額より先に、書面の表題が「納入の告知書」かどうか、発行日と受領日はいつかを控える。これが不服申立ての起算点になる(国税通則法77条:処分があったことを知った日の翌日から3か月)
- 2.滞納処分費の内訳開示を求める 所轄税務署の徴収担当に対し、滞納処分費の内訳(差押え、保管、運搬、換価の各実費)の説明を求める。国税徴収法136条の範囲を超える項目や重複がないかを確認する
- 3.完納の領収証と突き合わせて検算する 国税本体の完納額と告知額を突き合わせ、本体分が二重に計上されていないかを確認する。保管料は日割りで積み上がるため、差押解除が遅れた期間の妥当性も検証する
- 4.争う手続と納付相談を同時並行で進める 内容に納得できなければ不服申立てを準備しつつ、分割納付の相談も並行する。争っている間も滞納処分は当然には停止しないため、二本立てで動く
よくある質問 AI による整理
Q1滞納処分費とは何ですか?
差押え、財産の保管、運搬、換価(公売)などにかかった実費のことです。国税徴収法136条がその範囲を定め、国税本体とは別勘定で滞納者から徴収されます。
Q2納入の告知はいつ必要ですか?
国税が完納された後、滞納処分費のために滞納者の財産を差し押えようとするときに必要です(国税徴収法138条)。差押えの前に置かれる手続です。
Q3滞納処分費は経費になりますか?
延滞税・加算税は法人税法55条で損金不算入と明記されていますが、滞納処分費はその列挙にありません。取扱いは分かれるため税理士への確認が必要です。
Q4納入の告知に不服がある場合どうする?
納入の告知は行政処分なので、処分があったことを知った日の翌日から3か月以内に不服申立てができます(国税通則法77条)。期間を過ぎると争えなくなります。
Q5滞納処分費は抵当権より優先されますか?
されます。国税徴収法10条により、滞納処分費は他の国税・地方税・抵当権付き債権にも先立って徴収されます。配当の列の先頭に立ちます。
Q6告知なしの差押えは違法ですか?
国税徴収法138条は完納後の滞納処分費差押えに告知を前置させています。告知を欠いた差押えは手続的瑕疵として争われる余地があります。
Q7滞納処分費の内訳は開示してもらえますか?
内訳の説明を求めることができます。滞納処分費は差押え・保管・運搬・換価の実費に限られる(同法136条)ため、根拠のない項目や重複がないか検算できます。
Q8滞納処分費は相続されますか?
相続債務として承継されます。相続放棄は原則として自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内であるため、期間の確認が重要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1税金は全部払ったのに、また税務署から封筒が来ました。何かの間違いですか?
間違いとは限らない。差押えや保管、運搬、公売にかかった実費は「滞納処分費」として本体とは別勘定で残る(国税徴収法136条)。完納後にこれを回収するには、まず納入の告知が必要だ(同138条)。実務のポイント:内訳の開示を求める人はほとんどいない。保管料は日割りで積み上がるので、差押解除が遅れた期間の妥当性を突くと、実務上は精査の余地が出ることがある。
Q2この滞納処分費って、経費で落とせるんですか?
延滞税や加算税は法人税法55条で損金不算入と明記されているが、滞納処分費はその列挙には並んでいない。もっとも取扱いは実務上も解釈が分かれる部分があるため、必ず税理士に確認してほしい(最新の改正状況をご確認ください)。実務のポイント:税務調査の現場では、罰科金的なものとまとめて自主的に加算調整してしまう申告が少なくない。まず条文の列挙に戻って確認する価値はある。
間違えやすい点 AI による整理
- 「いくら払えば終わるのか」と問うている時点で、前提がずれている。正しい問いは「本体と滞納処分費を合わせた総額はいくらか」だ。窓口で本体だけを完納しても、費用の勘定は別に生き続けており、完納という言葉は本体にしかかかっていない。
- 滞納処分費という項目の存在は知っていても、その順位の高さまで把握している人は少ない。国税徴収法10条により、滞納処分費は他の国税、地方税、さらに抵当権付き債権にも先立って徴収される。回収の列の、一番先頭に立っている。
- あなたから見れば納入の告知は「あとから来た請求書」だが、法律から見ればこれは行政処分であり、不服申立ての期間を起算させる一枚である。請求書のつもりで引き出しに入れた瞬間から、争える時間だけが静かに減っていく。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 138条:完納後に滞納処分費を徴収するための差押えの手続(納入の告知の前置) | 136条:滞納処分費として徴収できる費用の範囲の画定 10条:滞納処分費が他の債権に優先する順位 |
| 働く場面 | 国税本体が完納された後 | 滞納処分の全過程(費用が発生するたび) 公売代金の配当・換価代金の充当時 |
| 納税者にとっての意味 | 金額を知り、検算し、不服申立てを行う機会が保障される | 請求されうる費用の上限が実費に限られる 担保権者を含む他の債権者より先に差し引かれる |
| 違反・逸脱時の争い方 | 告知を欠いた差押えの手続的瑕疵を主張 | 実費の範囲外・重複計上を指摘して減額を求める 配当計算書に対する不服として順位・額を争う |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾でも行政執行にかかった必要費用は義務者負担とされる。ただし完納後の費用単独徴収に告知を前置する明文の作りは日本と同一ではない
ドイツは租税基本法で執行費用(Gebühren und Auslagen)を明文化し、費用も租税債務と同様の手続で徴収する構成をとる
米国では levy に伴う費用が徴収手続の中で扱われ、Collection Due Process の通知制度が納税者への事前告知機能を担う
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 延滞していた消費税をようやく完納した三週間後、税務署から「納入の告知書」が届いたとしたら? 中身は差押車両のレッカー代と保管料で18万円。金額に納得できないなら、告知があったことを知った日の翌日から3か月が勝負になる。放置すれば額は事実上確定し、次に届くのは差押調書だ。
- あなたが中小企業に融資し、担保に取った機械が公売にかけられた側だとする。配当計算書を見ると、抵当権による配当より前に滞納処分費が差し引かれている。国税徴収法10条の優先順位を知らないまま、その一行を素通りして配当額を受け入れることになる。
- 完納したはずの父が亡くなり、遺品から未開封の納入の告知書が出てきた。滞納処分費も相続債務として承継される。相続放棄の3か月を過ぎていれば、払う側はあなただ。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 告知書の発行日と受領日を控える。不服申立ては処分があったことを知った日の翌日から3か月(国税通則法77条) 2. 内訳の開示を求める。滞納処分費は差押え、保管、運搬、換価などの実費に限られる(国税徴収法136条)ので、根拠のない項目や重複がないか検算する3. 完納の領収証と突き合わせ、本体分が二重に乗っていないか確認4. 争う手続と、分割納付の相談を同時並行で進める。争っている間も滞納処分は当然には止まらない
訴えられた側:徴収する側なら、完納後に滞納処分費だけを理由に差し押さえるときは納入の告知が絶対の前提になる。告知を欠いた差押えは手続的瑕疵として争われうる。財産に担保を持つ第三者なら、公売の配当計算書で滞納処分費の額と内訳を確認し、136条の範囲を超える費用が乗っていないか検証する。順位が最上位である以上、この一行の精査が自分の回収額に直結する。
時効(請求できる期限):138条自体に固有の期限はない。ただし納入の告知は行政処分であるため、不服申立ては処分があったことを知った日の翌日から3か月以内(国税通則法77条)、取消訴訟は裁決を知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条)。国税の徴収権の消滅時効は法定納期限の翌日から5年(国税通則法72条)で、滞納処分費もこれに準じて扱われる(最新の改正状況をご確認ください)。
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