国税徴収法 第137条(滞納処分費の配当等の順位)
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滞納処分費については、その徴収の基因となつた国税に先だつて配当し、又は充当する。
この条文の基本情報
滞納処分費の配当等の順位とは何ですか?
定義滞納処分費の配当等の順位とは、国税徴収法第137条に定められた規定で、「滞納処分費については、その徴収の基因となつた国税に先だつて配当し、又は充当する。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国税徴収法第137条(滞納処分費の配当等の順位)は、日本の国税徴収法に含まれる条文です。
- 国税徴収法第137条の条文原文は「滞納処分費については、その徴収の基因となつた国税に先だつて配当し、又は充当する。」で始まります。
- 国税徴収法第137条は第五節に置かれています。
- 国税徴収法の公布日は昭和34年4月20日です。
- 国税徴収法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 国税徴収法第137条の前の条は国税徴収法第136条です。
- 国税徴収法第137条の次の条は国税徴収法第138条です。
- 国税徴収法第137条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)第137条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000147 - 本サイト収録
国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)第137条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000147/137
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国税徴収法137条は、滞納処分費を、その徴収の基因となった国税より先に換価代金から配当・充当すると定める。費用の額は配当計算書への異議で争える。
Q · 差し押さえられた財産が公売で売れたら、その代金は全部税金に充てられるんですか?
先に滞納処分費が引かれ、残りだけが国税に充てられます
国税徴収法137条により、換価代金からはまず滞納処分費(運搬費、保管料、鑑定料、公売公告の費用など)が配当・充当され、残額が国税に充てられます。80万円で売れても費用が12万円あれば、本税に回るのは68万円です。さらに同法10条により、この費用は他の税金にも、先順位の抵当権にも優先して代金の頭から引かれます。額に不服があれば、配当計算書の謄本の発送日から起算して7日以内に異議を申し立てられます(同法133条)。
解説
税務署に車を差し押さえられ、公売にかけられて80万円で売れた。滞納していた国税は100万円。残債は20万円になったと思うだろう。違う。国税徴収法137条は、公売にかかった費用(引取りのレッカー代、保管料、鑑定料、公売公告の費用。これらをまとめて滞納処分費という)を、税金本体より先に代金から取ると定めている。費用が12万円出ていれば、税金に充当されるのは68万円、残債は32万円だ。しかも国税徴収法10条により、この費用は他の税金にも、銀行の抵当権にも先立って代金の頭から抜かれる。あなたが自分で買い手を見つけて任意に売却し、その金で納付していれば、12万円はそもそも生まれなかった。差押えから公売公告までの数か月が、この条文の効き目を止められる唯一の窓である。
法的な位置づけ
滞納処分費とは、差押え、財産の保管、運搬、鑑定、公売公告及び入札の執行など、滞納処分の執行に要した費用をいう。国税徴収法137条は、この費用を換価代金等から、その徴収の基因となった国税に先立って配当し、又は充当すべき旨を定める配当順位の規定である。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.公売公告の前に完納または換価の猶予を検討する 差押調書を受け取ったら、公売公告が出る前に完納の資金繰りを組むか、申請による換価の猶予(国税徴収法151条の2、納期限から6か月以内)を申請する。公告前が、鑑定料・公告費・入札執行費の発生を止められる最後の地点である
- 2.保管費が日々積み上がる財産から先に処理する 自動車・機械・在庫のように保管を要する差押財産は、保管料が日割りで累積する。徴収職員に早期換価を希望する旨を書面で伝えるか、任意売却の許可を求めて処理を前倒しし、保管期間そのものを短くする
- 3.公売通知を受けたら費用の発生見込みを確認する 公売の期日通知が届いた段階で、既発生の費用(運搬費・保管料)と、今後発生する費用(鑑定料・公告費・入札執行費)を分けて把握する。入札までに完納できれば、後者の発生を止められる
- 4.配当計算書の謄本を開封日にチェックする 配当計算書の謄本が届いたら、真っ先に滞納処分費の内訳欄を開き、発送日を数える。運搬費・保管料の単価と日数、鑑定料の妥当性を項目ごとに検証する
- 5.発送日から7日以内に異議を申し立てる 過大な費用が含まれる場合、配当計算書の謄本の発送の日から起算して7日を経過する日までに異議を申し立てる(国税徴収法133条)。なお不服が残るときは、税務署長の処分に対する審査請求(国税通則法75条)を検討する
よくある質問 AI による整理
Q1滞納処分費とは何ですか?
滞納処分の執行に要した費用のことです。差押え、財産の運搬、保管、鑑定、公売公告、入札の執行などにかかった実費が含まれ、換価代金から国税より先に回収されます(国税徴収法137条)。
Q2滞納処分費にはどんな費用が含まれますか?
自動車のレッカー代、保管場所の賃料、不動産の鑑定料、公売公告の掲載費、入札執行の実費などです。範囲は国税徴収法2条の定義で画されており、無制限に何でも入るわけではありません。
Q3滞納処分費は誰にいつ払うのですか?
請求書が別便で届くのではなく、あなたの財産の換価代金から国税より先に自動的に差し引かれます(国税徴収法137条)。払う・払わないを選ぶ場面は存在しません。
Q4公売が不調で売れなかったら滞納処分費はどうなりますか?
換価代金が生じないため充当先がなく、既に発生した鑑定料や公告費の負担は残ります。再公売や他の財産の換価代金から回収されることになり、動かないほど費用は積み上がります。
Q5滞納処分費の金額に納得できないときはどうすればいいですか?
配当計算書の謄本が届いたら、発送の日から起算して7日を経過する日までに異議を申し立てます(国税徴収法133条)。この窓を逃すと過大な保管料や運搬費もそのまま確定します。
Q6滞納処分費を発生させない方法はありますか?
公売公告が出る前に完納するか、申請による換価の猶予(国税徴収法151条の2)を得ることです。公告前なら鑑定料も公告費も入札執行費も発生しません。
Q7還付金があるとき滞納処分費はどうなりますか?
滞納があると還付金は還付されず充当されますが、その際も滞納処分費が国税本体より先に吸収します(国税通則法57条)。「還付金が消えた」の正体はここにあることが多いです。
Q8換価の猶予を申請すれば公売の費用は止められますか?
認められれば換価手続が進まないため、公告費・鑑定料・入札執行費の発生を止められます。申請による換価の猶予は納期限から6か月以内が要件です(国税徴収法151条の2)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1差し押さえられた車が売れたのに、税金がほとんど減ってないんですけど、なんでですか?
換価代金からは、まず滞納処分費(レッカー代、保管料、鑑定料、公売公告の費用)が差し引かれ、残りが国税に充当されるためです(国税徴収法137条)。売却額と残債の減少額は一致しません。実務のポイント:保管料は日割りで積み上がるので、差押えから公売までが長引くほど費用は膨らみます。徴収職員に早期の換価を希望する旨を書面で伝えておくと、保管期間が短くなることがある
Q2抵当権のほうが税金より先に設定してあるのに、どうして配当が減るんですか?
法定納期限等以前に設定した抵当権は国税に優先します(国税徴収法16条)が、滞納処分費は順位争いの外側にあり、換価代金の頭から先取りされます(同10条、137条)。実務のポイント:この控除額は事前に税務署へ照会しても正確な数字は出てこないことが多い。担保評価では、公売想定額から一定額を処分費として最初から落として見積もるのが実務の作法である
間違えやすい点 AI による整理
- 公売で高く売れればその分だけ税金は確実に減る、と思われている。実際には代金から先に滞納処分費が差し引かれ、国税に充当されるのは残額だけ(国税徴収法137条)。しかも減りきらなかった本税には、その後も延滞税が付き続ける。売却額と債務の減少額は最初から一致しない
- 滞納処分費という項目の存在自体は知っている人でも、その額が優先順位の争いを丸ごと飛び越えることまでは知らない。他の国税にも、地方税にも、担保権者にも先立って徴収される(同10条)。順位表の一番上に載っているのではなく、順位表の外側に置かれていると理解した方が実態に近い
- 「滞納処分費は誰に、いつ払うのか」という問いの立て方そのものがずれている。費用は請求書として別便で届くのではなく、あなたの財産の換価代金から、税金より先に自動的に抜き取られる。払う払わないを選ぶ場面は存在しない。選べるのは、その費用を発生させるかどうかだけである
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 137条:滞納処分費を基因となった国税より先に配当・充当する順位規定 | 10条:滞納処分費が他の国税・地方税・担保権にも優先することを定める 129条:換価代金等の配当の原則と残余の交付を定める |
| 誰との関係で効くか | 滞納者・国(本税との内部順位) | 他の徴収機関・抵当権者など外部の債権者 配当を受ける全当事者と残余の帰属者 |
| 争う手段 | 配当計算書への異議(133条) | 配当計算書への異議(133条)・審査請求 配当計算書への異議(133条) |
| 費用の範囲を画す規定 | 2条の定義に従う(無制限ではない) | 同じく2条の定義に従う 配当対象額の確定は換価の結果による |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も執行費用を債務者負担とし、他の債権に優先して受償させる。租税固有の条文ではなく、一般の執行法に置かれている点が日本と異なる構成
韓国は2020年の用語改正で「체납처분비」を「강제징수비」に改め、国税と並べて優先順位の筆頭に置いている
ドイツは強制執行の手数料(Gebühren)と実費(Auslagen)を類型化して法定し、費用の範囲を予測可能にする方式をとる
米国内国歳入法典も、levy による収益をまず差押え・公売の費用に充当し、残額を税に充てると規定しており、本条と同じ順序を採用している
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 公売の期日通知が届いて、入札まであと10日だとしたら、この10日に何の意味があるか。入札執行と公売公告にかかる費用は、まだ確定していない。この期間内に完納できれば差押えは解除され、すでに発生したレッカー代と保管料の負担だけで止まる。動くなら今夜、資金の目処を立てる段階である
- あなたが貸金の担保に取った抵当権は、法定納期限等より前に設定してある。国税には勝てる(国税徴収法16条)と踏んで回収計画を組んだはずだ。だが公売代金の頭からは、順位に関係なく滞納処分費が先に抜かれる(同10条、137条)。担保評価にこの一段を織り込んでいない与信は、回収シミュレーションが最初から数字を外している
- 不動産を差し押さえられ、公売の前に鑑定人が現地に入った。その鑑定料も滞納処分費である。入札が不調に終わって売れなくても、発生した費用はあなたの負担として残り続ける。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 差押調書を受け取ったら、公売公告が出る前に完納、または申請による換価の猶予(国税徴収法151条の2、納期限から6か月以内)を検討する。公売段階に入る前が、費用の発生を止められる最後の地点2. 自動車や機械のように保管を要する財産は、保管料が日々積み上がる。処理が早いほど残債が減る3. 配当計算書が届いたら発送日から7日以内に内訳を精査し、過大な運搬費・保管料には異議を申し立てる(同133条)
訴えられた側:1. 担保権者の立場なら、自分の抵当権が法定納期限等より前でも、滞納処分費だけは代金の頭から引かれる(同10条)。回収見込額はその控除後で算定し直す2. 配当計算書の謄本を受け取ったら、費用の項目ごとの妥当性を7日以内に検証し、過大なら異議を申し立てる(同133条) 3. それでも不服が残る場合は、税務署長の処分に対する審査請求(国税通則法75条)を検討する
時効(請求できる期限):本条自体に期間の定めはない。実務で効く期限は二つ。①配当計算書の謄本の発送の日から起算して7日を経過する日までの異議申立て(国税徴収法133条)、②申請による換価の猶予は納期限から6か月以内(同151条の2)。徴収権そのものは法定納期限から5年で時効消滅するが、差押え等で更新される(国税通則法72条)。(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:滞納処分費は、換価代金という配当原資そのものを実現するために支出された共益的な費用であるため、誰が優先するかという順位争いに先立って回収されると説明される。だからこそ費用の範囲は国税徴収法2条の定義で限定される必要がある
改正沿革 AI による整理
- 昭和34年(1959年)全部改正 現行国税徴収法(昭和34年法律第147号)の全部改正により、滞納処分費に関する規定群が現在の体系に整備された。本条の文言に旧仮名遣い(「なつた」)が残る点から、その後の実質的な文言改正は確認できていない。改正履歴は人的検証を要する
改正の年表
- 1.昭和34年(1959年) 改正:現行国税徴収法(昭和34年法律第147号)の全部改正により、滞納処分費に関する規定群が現在の体系に整備された。本条の文言に旧仮名遣い(「なつた」)が残ることから、その後の実質的な文言改正は確認できていない。改正履歴は人的検証を要する
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