要点国税徴収法 190 条は、従業者が業務に関して 187 条・188 条に違反したとき、行為者に加えて法人にも罰金刑を科す両罰規定である。判例は事業主の責任を選任・監督上の過失責任と解している。
Q · 社員が勝手に会社の財産を隠したら、会社まで刑事罰を受けるんですか?
会社にも各本条の罰金刑が科されます
国税徴収法 190 条は両罰規定です。代表者・代理人・使用人その他の従業者が業務または財産に関して 187 条(滞納処分免脱罪)や 188 条(検査拒否等の罪)に違反すると、行為者個人を処罰するほか、法人または事業主にも各本条の罰金刑が科されます。法人に科されるのは罰金刑のみで、拘禁刑は行為者個人にしか及びません。判例は事業主の責任を選任・監督上の過失責任と解しており、相当の注意を尽くしたことを事業主側が立証できれば免責される余地があります。2 項により、人格のない社団等も被告人となりえます。
経理担当者が独断で、差押えを避けるために会社の預金を別名義の口座へ移した。社長は報告を受けていない。それでも会社そのものに罰金刑が科される。国税徴収法 190 条は、従業者が業務に関して 187 条(滞納処分免脱罪)または 188 条(検査拒否等の罪)に違反したとき、その行為者を罰するのに加えて、法人または事業主にも各本条の罰金刑を科すと定める。ここであなたが握っておくべき鍵は二つある。第一に、法人に科されるのは罰金刑だけで、身体を拘束する刑は行為者個人にしか及ばない。第二に、最高裁は事業主の責任を過失責任と解し、選任・監督について相当の注意を尽くしたことを事業主側が立証できれば免責されうるとしている(最大判昭和 32.11.27、法人につき最大判昭和 40.3.26)。つまり「知らなかった」は出発点にすぎず、「どう防いでいたか」の記録だけが会社を守る。さらに 2 項は、法人格を持たない団体、町内会や管理組合のような人格のない社団等まで被告人席に座らせる道を開いている。
国税徴収法 190 条は両罰規定を定める条文である。法人の代表者、代理人、使用人その他の従業者が、その法人または人の業務または財産に関して同法 187 条または 188 条の違反行為をした場合、行為者を処罰するほか、事業主である法人または人にも各本条の罰金刑を科す。第 2 項は、人格のない社団等について代表者または管理人による訴訟行為と、法人被告人に関する刑事手続規定を準用する。
従業者が業務に関して滞納処分免脱罪や検査拒否等の罪を犯したとき、行為者本人だけでなく事業主である法人または個人にも罰金刑を科す仕組みです。国税徴収法 190 条が根拠です。
各本条の罰金刑が上限です。187 条違反であれば法人に 250 万円以下の罰金が科されます。行為者個人の罰金とは別枠で、会社が払っても個人の刑は消えません。
及びうると解されています。「その他の従業者」は契約の名目ではなく実態で判断され、指揮命令下にあったと認定されれば派遣スタッフや外注先の担当者でも該当しえます。
187 条・188 条はいずれも法定刑の長期が 5 年未満のため、犯罪行為が終わった時から 3 年です(刑事訴訟法 250 条 2 項)。法人への罰金刑も同様に扱うのが実務です。
190 条は代表者を明文で挙げているため、代表者個人が行為者として処罰され、加えて法人にも罰金刑が科されます。代表者の行為は選任・監督の抗弁が通りにくくなります。
罰金・科料は損金不算入とされるのが原則です。さらに会社が行為者個人の罰金を肩代わりすると給与または賞与と認定され、源泉徴収の問題が別に生じます。
通常の税務調査は課税額を確定する行政手続ですが、犯則調査(国税通則法第 11 章)は告発を視野に入れた刑事手続の前段階です。質問てん末書の作成は後者の signal です。
判例は、事業主の責任を選任・監督上の過失責任と構成し、無過失の立証があれば免責される読み方をとることで、責任主義との抵触を回避しています。無過失責任とは解されていません。
190 条が行為者処罰に加えて事業主にも罰金を科す両罰規定だからである。ただし判例は事業主の責任を過失責任と解し、選任・監督に相当の注意を尽くしたことを立証できれば免責されうるとする(最大判昭和 32.11.27、法人につき最大判昭和 40.3.26)。業界裏話ヒント:この「相当の注意」は口頭の指導では認められにくく、社内規程・研修記録・決裁フローという文書が事実上の勝負どころになる。平時の記録がそのまま防御力になり、事後に整えた書類はほぼ効かない
ならない。190 条は「その行為者を罰するほか」と定めており、行為者個人の刑と法人の罰金は併存する。187 条なら行為者は 3 年以下の拘禁刑または 250 万円以下の罰金(併科あり)、法人は 250 万円以下の罰金である(2022 年改正により懲役は拘禁刑へ統合、2025 年 6 月 1 日施行。最新の改正状況をご確認ください)。業界裏話ヒント:会社が行為者個人の罰金を肩代わりすると、経理上は給与または賞与と認定され、源泉徴収の問題が別に立ち上がる
なりうる。190 条 2 項は、人格のない社団等について代表者または管理人が訴訟行為につき団体を代表するほか、法人を被告人または被疑者とする場合の刑事訴訟に関する法律の規定を準用すると定める(刑事訴訟法 27 条参照)。団体名義の口座や収益事業を持つ任意団体は、納税者として 187 条・188 条の射程に入る。業界裏話ヒント:代表が持ち回りで交代しても、手続を引き継いで法廷に立つのは現任者である
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 190 条:行為者処罰に加え法人・事業主へ罰金刑を配線する両罰規定 | — |
| 処罰される主体 | 行為者(代表者・代理人・使用人その他の従業者)+ 法人または人(罰金のみ) | — |
| 免責・防御の焦点 | 選任・監督につき相当の注意を尽くしたことの立証(事業主側が負担) | — |
| 人格のない社団等への適用 | 2 項により代表者・管理人が訴訟行為を代表し、刑事手続規定を準用 | — |
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